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案内:宗教倫理学会 公開シンポジウム「3.11以降の社会と宗教」

 今週土曜日、以下のように3.11をテーマとする宗教倫理学会主催の公開シンポジウムが予定されています。
 お近くの方、ぜひご参加ください。

宗教倫理学会 公開シンポジウム
「3.11以降の社会と宗教」
日時:2012年3月17日(土)、午後1〜3時30分
場所:龍谷大学 大宮キャンパス 清和館3階ホール

講師:
福島和人(真宗大谷派東本願寺教学研究所 嘱託研究員)
 金沢市の真宗大谷派・本教寺に生まれる。金沢大学法文学部史学科、大谷大学大学院(仏教文化専攻)で学び、京都大谷高等学校 教諭、大谷大学・大谷専修学院 講師を経て、現在、真宗大谷派東本願寺教学研究所 嘱託研究員。『近代日本の親鸞』『親鸞の思想──戦時下の諸相』など、著書多数。

栗林輝夫(関西学院大学 教授)
 国際基督教大学、東京神学大学を経て、米国、欧州に学ぶ。Ph.D.(ニューヨーク・ユニオン神学校)。留学中にスリーマイル島原発事故に遭遇、日本の反核使節団通訳として国連、アメリカ東部各地を訪問。ドイツでは、プロクドルフ原発前祈祷集会などの反核運動に参加。『原子爆弾とキリスト教』など、著書多数。

[プログラム]
趣旨説明:小原克博(同志社大学 教授)
講演1:福島和人(40分)
  「依正不二(えしょうふに)の教法(きょうぼう)」
講演2:栗林輝夫(40分)
  「原発をキリスト教はどう見るか」
   (休   憩)
パネルディスカッション
  福島和人、栗林輝夫、小原克博
フロアーとの質疑応答

 なお、今年度の研究プロジェクトのテーマは下記の通りです。目下、私が研究プロジェクト委員長をつとめている関係上、私が作文しています。

研究プロジェクト2012-2013
「3.11以降の社会と宗教」

 東日本大震災は、日本社会に未曾有の影響を及ぼした。3.11は、持続可能な復興支援のあり方だけでなく、未来社会におけるエネルギー政策とそれに連動する生活のあり方を我々に突きつけている。地震と津波という自然災害によって引き起こされた原発事故は、人間が作り出した技術とエネルギーを人間の手で制御できないというリスク社会の暗部を際立たせることになった。しかし、福島第一原発での事故は、もっぱら、何をもって安全とするかという技術的な側面から議論されてきており、原発の位置づけをめぐる倫理的な議論は、わが国では残念ながら十分に成熟しているとは言えない。

  3.11の被害者を支えるボランティア活動と共に、原子力エネルギーを安易に受容してきたことの反省は、仏教をはじめとする宗教界においても広がりつつある。本学会でも、そうした活動から学んでいきたいと考えている。しかし、ただ反原発を唱えるだけでは、根本的な問題解決とはならないだろう。原発を拒否しながら、これまでと同じ生活レベルとそれを支えるエネルギー供給を要求することは、倫理的には矛盾している。エネルギー問題は、我々の生活のあり方や価値観そのものを問い直すことに他ならない。

  本学会では、現代社会が抱える倫理的課題に取り組んでいくという設立の趣旨にのっとり、「3.11以降の社会と宗教」を本年度の研究テーマとして設定する。日本の宗教伝統は、自然と人間、人間と人間との関わりについて、確かに多くの知恵を蓄積している。しかし、伝統的な知恵を紐解くだけでは、高度な技術によって管理され、同時に人間関係が急速に変化している現代社会に対し、必ずしも適切な倫理的指針を提供することはできない。宗教伝統や教義を批判的に検証しながら、それを、日本社会が今直面している課題に対して、どのように生かすことができるのか、を問うていきたい。

  このような目的のため、本年度の研究プロジェクトでは、(1)宗教者による復興支援・宗教の社会貢献という側面と、(2)原子力エネルギーに対する宗教倫理的考察という側面を交えながら、長期的な問題解決のための最初の一歩を踏み出したいと考えている。

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