KOHARA BLOG

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講演「賀川豊彦はヨブ記をどう読んだか」(並木浩一)[動画付き]

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 7月3日、並木浩一先生(国際基督教大学 名誉教授)に「賀川豊彦はヨブ記をどう読んだか」というテーマの講演をしていただきました(場所はクラーク・チャペル)。


 同時代人である(年齢差はありますが)内村鑑三と賀川豊彦の比較から講演は始まりました。聖書に真摯に向き合った二人ですが、その動機付けや、取り巻きの人々は対照的ともいってよいほど異なっており、興味深かったです。意外にも、こういう比較論はこれまでなされてこなかったと思います。
 それに続き、賀川のヨブ記講義「苦難に対する態度」を解説。並木先生のような専門家から見ても、それは「注目に値する思想内容、発言、意表を突く発想法と表現を備えており、魅力的で精読に値する」とのことでした。
 「苦難に対する態度」を中心に話は進められましたが、その中に、織り交ぜられた賀川のエピソードから、賀川の生き様や思想の一端に触れることができたように思います。
 講演会の最後に質疑応答の時間を設けましたが、講演会終了後も、並木先生は来場者の方々からの質問を受け、結局、終わってからも30分はその場におられました。

 その後、並木先生と共に寒梅館に移動し、7階のレストランで昼食を共にしました。詳細を記すことはできませんが、そこでの会話、特に聖書学を中心とする話題に私の知的好奇心は大いにそそられ、あらためて並木先生の奥深さに魅了された次第です。
 まだどうなるかわかりませんが、並木先生には来年も同志社に来ていただき、今度は本業の旧約聖書学を中心に、「一神教の起源」「神概念の普遍性(の起源)」「公共性(市民性)」といったキーワードを中心に講演をしていただきたいと願っています。

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