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聖書のことば(創世記2:16-17)、『チャペル・アワー案内』No.214、2011年11月22日

「園のすべての木から取って食べなさい。ただし、善悪の知識の木からは、決して食べてはならない。食べると必ず死んでしまう」(創世記二・一六─一七)

 アダムとエバは神によって禁じられていた木の実を口にしてしまった。原子力エネルギーがもたらす果実もまた「いかにもおいしそうで、目を引き付け、賢くなるように唆していた」(創世記三・六)。それが、食べてはならないと言われた「善悪の知識の木」の実であるのかどうかを人類が見極めるためには、まだ時間がかかるだろう。天地創造の始まりの光は、神が「見て、良しとされた」光であり、その後の創造の諸段階において生じてくる様々な生命を支える源であった。しかし、ヒロシマ、ナガサキ、フクシマにおいて輝いた光は、神からの祝福の光ではなく、人および他の生命を滅ぼす光となった。食べてよいものと、決して食べてはならないものとの区別をつけるという、人類に最初に与えられた課題は、今なお未完である。
(神学部教授・小原 克博)