世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1222信(2014.06.23)

  • 米長老教会が同性婚容認へ
  • 米長老教会がイスラエルに圧力?
  • カンタベリー大主教が教皇訪問
  • 麻薬合法化の動きに教皇が反対を表明
  • 教皇の韓国司牧訪問の日程発表
  • 「押収した聖書返還しない」とマレーシア宗教局
  • 《短信》
  • 《メディア展望》


◎米長老教会が同性婚容認へ

 【CJC=東京】米長老教会(PCUSA、信徒180万人)はデトロイトで開催した総会で6月19日、ゲイとレスビアンの結婚式を教会で牧師が執行することを認める議案を76%対24%で採択した。併せて同派の『ブック・オブ・オーダー』(教会規則)の結婚に関する規定の中で「男性と女性」とある個所を「2人」に修正する議案も採択された。
 正式決定には、同派を構成する172中会の大多数が批准する必要があるが、総会での3対1という比率での採択から、批准も順調に進むと見られる。


◎米長老教会がイスラエルに圧力?

 【CJC=東京】暗礁に乗り上げたイスラエルとパレスチナ和平交渉の打開に向けて、米長老教会(PCUSA)はデトロイトで開催した総会で6月20日、保有する米コンピューター大手ヒューレット・パッカード(HP)、建設機械のキャタピラー、通信機器のモトローラ・ソリューションズなど3社の株式計2100万ドル(約21億円)の売却を310票対303票の僅差で決定した。3社がイスラエルによるパレスチナ占領に加担していることを理由としている。
 イスラエルが西岸地区と東エルサレムに入植地を建設しようとしていることに歯止めを掛けるねらいという。
 同派は米国では主流派教会の一翼とされており、米聖公会などと並んで歴代米大統領の信徒が多い。今回の決定はイスラエルにとって一定の圧力となりそうだ。
 イスラエルの政策に反対しての投資引き揚げは、米国ではメノナイト中央委員会とクエーカーが行っており、合同メソジスト教会年金会もイスラエルの刑務所と契約のある1企業の株を売却した、と発表している。


◎カンタベリー大主教が教皇訪問

 【CJC=東京】英国国教会のジャスティン・ウェルビー・カンタベリー大主教は6月16日、バチカン(ローマ教皇庁)を訪問、教皇フランシスコと会見した。大主教は、「現代における新しい奴隷制」への反対運動のためにローマを訪れていた。
 前日の三位一体の祝日、ウェルビー大主教はローマのサン・グレゴリオ・アル・チェリオ教会で夕べの祈りを行った。バチカン放送(日本語電子版)は、教皇が、聖大グレゴリウス教皇による修道士アウグスティヌスのイングランドへの派遣から始まった英国のキリスト教の歴史を回想。その栄光の歩みに、深い共通の伝統と、兄弟としての固い基盤を指摘したと報じている。
 教皇は大主教に、『アングリカン・カトリック国際委員会』を通してエキュメニカルな取り組みがより深まることを要望した。
 また、教皇は人身売買と今日における様々な新しい奴隷形態について大主教と共通の関心を示し、人間の尊厳に対するこれらの赦しがたい悪と闘い、その悲劇的売買の犠牲となった人々の苦しみを和らげなければならないと強調した。
 バチカン放送は、教皇が最後に、「三つのPを忘れてはなりません」と言い、「Prayer(祈り)、Peace(平和)、Poverty(貧しい人々)」を挙げたと報じている。「わたしたちは共に歩むべきです」と言う教皇に、ウェルビー大主教も「共に歩まねばなりません」と答えた。
 教皇フランシスコは、昨年6月に同大主教とバチカンで最初の会見を行っている。


◎麻薬合法化の動きに教皇が反対を表明

 【CJC=東京】教皇フランシスコは6月20日、ローマで開かれた麻薬規制に関する国際会議の参加者との接見で、麻薬の常用は邪悪であり、屈服や妥協が許されるべきものではないと主張、世界で麻薬を合法化するなどの動きが広がっていることに、「極めて悪い考え」と反対する立場を表明した。
 マリフアナなどを合法化する傾向は立法的な見地から問題があるだけでなく、社会に好ましい影響を与えるものでもない、と教皇は指摘した。
 米国では、CNN放送と世論調査機関『ORCインターナショナル』が今年1月に発表した麻薬に関する世論調査によると、55%がマリフアナ合法化を希望。1987年の同様調査と比べ、16ポイント激増していた。


◎教皇の韓国司牧訪問の日程発表

 【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)広報事務所は6月18日、教皇フランシスコの韓国司牧訪問の日程を発表した。
 教皇は韓国の大田(テジョン)教区で開催されるアジアの若いカトリック信者の集い、第6回アジア・ユース・デーに参加のため、同国を8月14日から18日まで訪問する。
 教皇は8月13日午後にローマを出発。14日午前にソウルに到着する。午後、青瓦台で歓迎式、朴槿惠大統領を表敬訪問の後、同国要人らと会見する。夕には、韓国カトリック司教評議会本部で同国の司教団と会見する。
 15日朝、教皇はソウルから大田に移動。ワールドカップ競技場で、「聖母の被昇天」の大祝日のミサを行うと共に、正午のアンジェラスの祈りを唱える。この後、現地の大神学校で若者たちと昼食後、聖アンドレア・キム・デゴン(金大建)の出生地、忠清南道唐津郡のソルメ聖地で若者たちと会見、夜、ソウルに戻る。
 16日午前、教皇は、パウロ・ユン・ジチュン(尹持忠)と123人の殉教者の列福ミサをソウルの光化門で行う。午後、忠清北道陰城郡のコットンネ『希望の家』における障がい者リハビリセンターを訪問。その後、コットンネの『愛の学校』で韓国の修道会関係者、霊性センターで信徒使徒職の指導者たちと会見、ソウルに戻る。
 17日午前、教皇は海美(ヘミ)聖地でアジアの司教らと会見する。午後は、海美邑城(ヘミウプソン)で、第6回アジア・ユース・デーの閉会ミサを司式、ソウルに戻る。
 18日午前、ソウルの旧大司教館で、諸宗教代表者らと会見。続いて、明洞(ミョンドン)の司教座聖堂で平和と和解のためのミサ。正午過ぎ、ソウルの空軍基地で送別式に臨み、ローマへ向け出発する。
 教皇フランシスコの海外司牧訪問は、昨年7月のブラジル、今年5月の聖地に続き、3回目。


◎「押収した聖書返還しない」とマレーシア宗教局

 【CJC=東京】マレーシアのセランゴール州イスラム宗教局と、同州イスラム宗教委員会は6月13日、今年1月にマレーシア聖書協会から押収した聖書を返還しないと発表した。
 セランゴール州政府から聖書を返還するよう指示があったが、「イスラムに対する破壊行為に当たる」として、1988年非イスラム宗教法に基づき返還しないことを決定した。
 押収されたのは、マレー語とイバン語の聖書300部。イスラム宗教局が「非イスラムにも関わらずアラーという表現を使っている」との理由で聖書協会を家宅捜索し、聖書を押収した。
 セランゴール州ではスルターン(君主)のシャラフディン・イドリス氏も州内で非イスラム教徒は「アラー」との表現を使用してはならないとの命令を発していたが、マレー語版の聖書で「アラー」が使用され続けていた。
 同州のアブドル・カリド・イブラヒム首相は、問題解決に向け話し合いを行う方針を明らかにした。
 マレーシアでは過去にも、2009年には同国政府がマレー語聖書5000冊を押収、2011年には新約聖書と旧約聖書の詩篇、箴言など合わせて3万冊が押収されている。


《短信》

〇マフィアを「破門にする」と教皇
 教皇フランシスコは6月21日、犯罪組織マフィアの拠点となっているイタリア南部カラブリア州ピアナ・ディ・シバリを訪れ、10万人以上の信者が集まるなか、屋外でミサを行った際、教皇として初めてマフィアを「破門にする」と述べた。(CJC)

〇教皇一般接見は7月中行われず、8月再開
 教皇フランシスコによる水曜恒例の一般接見は7月中は行われず、8月に再開される。ただし8月13日は教皇は「アジア・ユース・デー」のため韓国を司牧訪問中のため行われない。(CJC)

〇教皇、9月21日にアルバニア訪問
 教皇フランシスコは6月15日、日曜正午の祈りの集いの席で、今年9月21日(日)にアルバニアのティラナを訪問する旨を発表した。過去のイデオロギーによって長く苦しんだこの国に慰めと愛を伝えたいと語った。(CJC)

〇オバマ大統領をネットで脅迫したサヴィノ容疑者に懲役1年
 インターネットにオバマ大統領を脅迫文を書き込んだ米ペンシルバニア州のニコラス・サヴィノ容疑者(42)に、連邦地裁は6月18日は懲役1年、居住監視2年を言い渡した。(CJC)


《メディア展望》

 =カトリック新聞(6月22日)=https://www.cwjpn.com
★教皇フランシスコ=聖霊のたまものについての講話=主への畏敬=神の愛の力 認めること
★教皇フランシスコ=人身売買や強制労働、軍需産業従事者を非難
★ナイジェリアの枢機卿=ボコ・ハラム投降者の大統領恩赦を支持
★9月アルバニア訪問=教皇、自ら明らかに=イラクの平和も祈る
★西日本の助祭・司祭ソフトボール大会=長崎教区が優勝=信徒や園児たちも応援

 =キリスト新聞(6月21日)=https://www.kirishin.com
★日本聖書協会=新翻訳作業40%終える=「次世代に向けた聖書」=2018年完成目ざす
★イエスと共に「いのち」を大切に=キリスト教再定義に向け、荒井献氏が講演
★42年の「声の歴史」は貴重な財産=盲伝による音の雑誌『おとずれ』
★安倍首相が教皇に来年の訪日要請

 =クリスチャン新聞(6月22日)=https://jpnews.org
★ローザンヌ・シンポ「真実の愛に歩む教会を目指して」=悔い改めの共同体へ
★絵本『アンを抱きしめて』トーク&サイン会in教文館=孫の恵理さん=村岡花子への思い語る=「祖母は愛情の人だった」
★詩とメロディーが見事に融合=Samuell星野富弘詩歌う=4月にお披露目コンサート
★ミッションあどない・いるえ=比貧困地区子ども支援=ゴミの山の幼稚園運営引き継ぐ
★カンバーランド高座教会 礼拝堂献堂式


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