世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1233信(2014.09.08)

  • 「宗教の国連」をイスラエル前大統領が教皇に提案
  • 『イスラム国』が米国人記者をまた殺害か=処刑ビデオ公開
  • 国連人権理がイスラム国非難決議を採択
  • 北朝鮮で拘束米国人がCNNテレビ通じ解放訴え
  • 教皇が呼び掛け平和の親善サッカー試合=マラドーナらがプレー
  • 「天にまします我らのチャベスよ」にカトリック教会抗議
  • ミャンマーのカトリック教会が500周年記念式典
  • 米南部バプテスト連盟国際宣教局長に36歳プラット氏
  • 「神様はセックスがお好き」=米教会が異色看板
  • 米国で聖書に火をつけた「悪魔」を逮捕
  • イエス・キリストの姿が蛾に出現!?
  • 《メディア展望》


◎「宗教の国連」をイスラエル前大統領が教皇に提案

 【CJC=東京】教皇フランシスコは9月4日、バチカン(ローマ教皇庁)を私的に訪問したイスラエルのシモン・ペレス前大統領と1時間近く会見した。ペレス氏は教皇に、宗教対立などの問題に対処する「国連形式の宗教組織」の創設を提案した。
 提案では、国連憲章のような「宗教憲章」をつくり、賛同するすべての宗教団体の加盟を目指すとしている。
 ペレス氏は新組織の必要性を「これまで戦争は国家同士の論理で起きていた。しかし今は宗教を理由に起きている」とし、「信仰の名をかたるテロリストに対抗する最善の手段だ」とも語った。
 バチカン広報事務所長フェデリコ・ロンバルディ神父によると、ペレス氏は平和構築を目指す上での自らの考えを伝えるために、教皇との会見を希望していたもので、教皇は、ペレス氏の提案に耳を傾け、個人的に関わるのではなく、諸宗教対話評議会や正義と平和評議会など、バチカンの関係機関に伝えることを約束した。
 カトリック週刊誌『ファミリア・クリスティーナ』も、ペレス氏が、神の名の下に人を殺害するテロに立ち向かうためには「宗教連合」が最善だとの考えを示したと報じている。
ペレス氏は7月24日に大統領の任期を満了、退任した。1994年にノーベル平和賞を受賞した。


◎『イスラム国』が米国人記者をまた殺害か=処刑ビデオ公開

 【CJC=東京】イスラム教過激主義集団『イスラム国』が9月2日、拘束していた米国人ジャーナリスト、スティーブン・ソトロフ氏(31)を斬首したとするビデオ映像をネット投稿した。
 斬首が事実と確認されれば、米軍が8月8日にイラクにある『イスラム国』の標的を空爆して以降、イスラム国によって殺害され、ビデオ公開された2人目の米国人ジャーナリスト。
 ビデオに登場した武装勢力の戦闘員は、ソトロフ氏とされる米国人を殺害した理由について、イスラム国によるモスル・ダムとアミルリの包囲を突破した米軍の空爆に対する報復のためだと述べた。
 米紙『ウォールストリート・ジャーナル』によると、ソトロフ氏は「オバマよ、イラクにおける介入というお前の外交政策は、米国人の生命と利益を保全するためとされている。それなら、お前の介入の代価を私が自らの生命で支払わなければならないのは、なぜか」と問い掛けた。バラク・オバマ大統領に宛てた過激組織のメッセージと見られる。
 同紙は、ビデオで話している戦闘員は、米国人ジャーナリスト、ジェームズ・フォーリー氏の斬首シーンを放映した8月投稿のビデオの中で話していた人物と似た英国なまりがあった、と報じている。
 ソトロフ氏はフリーランスのジャーナリスト。『タイム』『クリスチャン・サイエンス・モニター』『ワールド・アフェアーズ・ジャーナル』『フォーリン・ポリシー・マガジン」などに執筆していた。


◎国連人権理がイスラム国非難決議を採択

 【CJC=東京】国連人権理事会は9月1日、ジュネーブで特別会合を開き、イスラム教スンニ派の過激派組織『イスラム国』を「強く非難」する決議案を採択した。
 決議案は、『イスラム国』の人権侵害は「戦争犯罪」や「人道に対する罪」に当たる可能性があると指摘し、特定の民族や宗派への弾圧、女性や子どもへの暴力行為を強く非難している。
 決議案は、『イスラム国』の人権侵害を調査するためイラクに派遣団を送るよう国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)に求めている。


◎北朝鮮で拘束米国人がCNNテレビ通じ解放訴え

 【CJC=東京】米CNNテレビは、北朝鮮に拘束されているケネス・ペ宣教師(韓国名ペ・ジュンホ)氏、マシュー・ミラー氏、ジェフリー・フォウル氏の3人と9月1日、平壌のホテルでそれぞれ5分間ずつ取材したと報じた。3人は、米政府に解放交渉を本格化させるよう求めた。
 ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)報道官は声明で「北朝鮮で拘束されている米国人3人のインタビューを確認した」とし、「3人の解放を確実にすることが最優先事項だ。早期の解放に向け、引き続き可能な措置をすべて講じていく」と語った。
 国務省も同日、「人道的な観点から」3人を解放し、とりわけ3人のうち1人には医療ケアを受けるために恩赦を与えるよう、北朝鮮政府に要請したことを明らかにした。


◎教皇が呼び掛け平和の親善サッカー試合=マラドーナらがプレー

 【CJC=東京】ローマのオリンピックスタジアムで9月1日夜、サッカーの元アルゼンチン代表ディエゴ・マラドーナや元イタリア代表アレッサンドロ・デル・デルピエロら世界の有名選手たちが参加し、「平和のための親善試合」が行われた。
 サッカー好きで知られる教皇フランシスコが平和を願い、開催を呼び掛けたもの。
 教皇は、キリスト教やユダヤ教、仏教などさまざまな信仰を持つ選手らを招待したところ、ワールドカップ杯ブラジル大会で活躍したイタリアのアレッサンドロ・ピルロ氏やカメルーンのサムエル・エトーら約50人が結集した。
 親善が目的のため、試合は終始なごやかなムードで展開。選手たちの好プレーや珍プレーに、観客席からは笑いや拍手が起こった。
 教皇はスタジアムで観戦しなかったが、ビデオ映像を通じて「みんなが団結しながら参加することにこの試合の意味がある」とメッセージを送った。
 試合前、バチカンのパウロ6世ホールで行われた参加選手たちとの集いで、教皇は、スポーツを通して兄弟愛と友情を証しすることの大切さを強調した。
 バチカン放送(日本語版)によると、教皇は、サッカーをはじめ、スポーツはフェアな態度、分かち合い、受け入れ、対話、信頼など、民族・言語・文化・宗教を超えた普遍価値を考える機会を与えてくれると述べ、この試合が出会いの文化と世界平和の構築は可能であることを伝えるシンボルとなるよう要望した。
 スポーツの中でも、サッカーはよく知られた競技として社会・文化に与える影響が大きく、特に若者たちの関心も高いと教皇は指摘、選手たちが試合の中でも外でも、よい模範を示すことが大切と述べた。
 そして、試合の中で生きる喜びや友情の絆、開かれた心を示すと共に、日常生活でも信仰や人間性、他者への思いやりを通して、愛と連帯、平和に基づく社会構築のための、市民の平和的共存の理想を証して欲しいと選手らに希望した。
 収益金はバチカンなどの慈善団体に寄付され、恵まれない子どもたちの支援に充てられるという。


◎「天にまします我らのチャベスよ」にカトリック教会抗議

 【CJC=東京】ベネズエラで与党、統一社会党が9月1日開催した集会で議員が、昨年死去した反米左翼ウゴ・チャベス前大統領を神格化し、「主の祈り」をもじって「天にまします我らのチャベスよ...我らを資本主義の誘惑に陥らせず、悪から救い出したまえ」と唱えた。
 ロイター通信によると、カトリック教会司教協議会が3日、「主の祈りは私たちの主イエス・キリスト本人の口から発せられたものであり、ゆえに触れるべからざるもの」と指摘、「個人礼賛のために国歌の詩を変えてはならないのと同様、主の祈りを変えることも許されない。このもじりを行った人物は、偶像崇拝の罪を犯している」と、抗議声明を発表した。
 これに対し、チャベス氏の後継者とされるニコラス・マドゥロ大統領は「新たな異端審問だ」と反発している。
 チャベス氏は「21世紀の社会主義」を掲げ貧困対策を推進。貧困層や内外左派勢力の間でカリスマ的人気を維持していたが2013年3月5日、がんとの闘病の末、死去した。
 カトリック教会は、強権姿勢を強めていた同氏と対立していた。


◎ミャンマーのカトリック教会が500周年記念式典

 【CJC=東京】ミャンマーのカトリック教会が最大都市ヤンゴンで8月30日、創設500周年を祝う式典を開催した。今年は実際には504周年だが、500周年に当たる2010年当時の軍事政権下では、それを祝う状況になかった。
 式典では『カトリック・クリエイティブ・アーティスト協会』がミュージカルを演じた。
 ミャンマーのカトリック信者は人口の約1%である50万人と推定される。


◎米南部バプテスト連盟国際宣教局長に36歳プラット氏

 【CJC=東京】米南部バプテスト連盟(SBC)は8月27日、国際宣教局(IMB)局長に、アラバマ州バーミングハムのデイビッド・プラット牧師(36)を選出したと発表した。ABP通信が報じた。
 プラット氏は『ラディカル』と呼ばれる、地域と全世界双方に「弟子」を生み出すことを目指した宣教団体の設立者。
 現任のトム・エリッフ局長はこの2月、適当な後任者が指名され次第、退任する、と語っていた。


◎「神様はセックスがお好き」=米教会が異色看板

 【CJC=東京】米ペンシルベニア州ウィルクスバリの『リストアード教会』が、「I・ハートマーク・SEX〜神」と書かれた看板広告を出した。英ミラー紙が報じた。
 同教会が今後行う予定の「ソロモンの詩」に関する一連の説教を宣伝するために設置した。
 教会のダン・ニコラス牧師は、メディアに「私たちがしたいことは、聖書は毎日の生活に関連しているということを人々に知ってもらうこと。セックスのことに言及すると、神は創造者であり、作家でありクリエーターだから」と語っている。
 看板は世間の注目を集め、よい宣伝となったが、批判も多い。しかしニコラス牧師は「もし文化が寛容になってきているなら、わたしは教会もとても寛容になり、直接的に主題を話すべきだと思う」と言う。


◎米国で聖書に火をつけた「悪魔」を逮捕

 【CJC=東京】米アリゾナ州プレスコットで8月28日夜、エリック・マイロール(22)が聖書に火を付け、小便をかけた容疑で逮捕された。。
 マイロールは、黒と赤の丈の長い服を着て、五角星形のネックレスをしていた。警察の事情聴取に「キリスト教徒を恨んでいる。自分は『ダークロード(悪魔)』だ」と答えたという。


◎イエス・キリストの姿が蛾に出現!?

 【CJC=東京】米テキサス州ジョージタウンの、イヴォンヌ・エスキリンさんが8月下旬に自宅で撮影した1枚の写真がネットメディア『KXAN』で紹介された。かなり大きな蛾の体と羽根に、イエス・キリストの姿がくっきりと見てとれるという。
 ただエスキリンさんの友人の中には「悪魔の顔のようにも見える」などと言う人もいるとか。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(9月7日)=https://www.cwjpn.com
★教皇フランシスコ=ガザの信者を励ます=「キリストの証しを」
★イラク訪問の総大司教=「イスラム国」の侵攻非難=「大量虐殺未遂そのもの」
★広島土砂災害=サポートセンター始動
★支援拠点も「共同体」=唯一の住み込みシスター=宮城・カリタス石巻ベース=細谷朋子修道女
★ACRP=宗教者、韓国で大会=アジアの一致と調和討論

 =キリスト新聞(9月6日)=https://www.kirishin.com
★教皇が韓国を司牧訪問=アジアの若者と交流、朝鮮半島統一を祈る
★「原発ゼロ」以外に生きる道なし=森野善右衛門氏が新「自然の神学」強調
★〝河野談話を発展させたい〟=8・15東京集会で渡辺美奈氏
★前田万葉司教、大阪大司教に
★日本自由メソヂスト教団、安倍内閣に抗議

 =クリスチャン新聞(9月7日)=https://jpnews.org
★「8・15は〝解放〟の日」=姜尚中学長が要望 聖学院大学で平和を祈る礼拝
★広島土砂災害 支援活動開始=教会信徒宅に被害
★「イスラエルは汚れた服着た祭司」=石堂ゆみ氏講演=ガザ戦闘の背景にあるもの
★戦時に閉じた神学校が残した=嵐の中で問われる信仰=改革派西部中会8・15集会
★日本ローザンヌ新委員長に倉沢正則氏=全世界に御国を広げる橋渡し


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