世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1240信(2014.10.27)

  • 教皇、刑法専門家との接見で死刑非難
  • 教皇、11月末にトルコ司牧訪問
  • 歴代教皇の好物レシピ本をスイス衛兵が出版
  • 反マフィア司祭に「殺すぞ」と脅迫
  • シカゴの新大司教、マンションには住まず
  • イスラム教過激派がナイジェリアで教会襲撃、31人殺害
  • 『教会行動一致』がドミニカで連合総会
  • 北朝鮮が米国人J・フォウル氏を釈放
  • イタリアの「歌う修道女」が本格デビュー
  • 《メディア展望》

◎教皇、刑法専門家との接見で死刑非難

 【CJC=東京】教皇フランシスコは10月23日、『国際刑法協会』(AIDP)の代表者らとの接見で、「死刑を断固として非難」するよう呼びかけた。教皇は、死刑を全体主義政権が反対派を粉砕するために使われてきたものとしている。教皇はまた母国アルゼンチンでの軍事独裁下で行われた違法な拷問、裁判なしの拘禁など「法律外の死刑」についても非難した。
 教皇はさらに終身刑についても「隠された死刑」として反対を表明した。


◎教皇、11月末にトルコ司牧訪問

 【CJC=東京】教皇フランシスコは、11月28日から30日までトルコを司牧訪問する。バチカン(ローマ教皇庁)広報事務所が発表した。
 訪問は、トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領と、正教会のバルトロメオス1世(コスタンティノーポリスのエキュメニカル総主教)、トルコのカトリック司教協議会の招きに応えて行なわれるもの。
 教皇は28日朝、ローマ・フィウミチーノ(レオナルド・ダビンチ)空港から特別機で出発し、現地時間同日午後トルコの首都アンカラのエセンボーア空港に到着。アタテュルク廟を訪問後、大統領府で歓迎式に臨む。次いで、大統領への表敬訪問、各界要人との出会い、首相および宗教相との会談を行なう。
 29日午前、教皇はアンカラからイスタンブールへ移動、アヤソフィアとスルタンアフメト・モスクを訪問。カトリック司教座・聖霊大聖堂でのミサの後、総主教座・聖ゲオルギオス大聖堂でエキュメニカルな祈りの集い、総主教館でバルトロメオ1世と個人会談を行なう。
 30日午前、教皇は総主教座・聖ゲオルギオス大聖堂で典礼に参加。エキュメニカルな祝福と共同声明への署名を行ない、総主教府でバルトロメオス1世と昼食。夕方、イスタンブールのアタテュルク国際空港よりローマ・チャンピーノ空港への帰途に就く。


◎歴代教皇の好物レシピ本をスイス衛兵が出版

 【CJC=東京】歴代教皇のお気に入りメニューを紹介するレシピ本が10月21日、ローマで出版された。
 教皇の警護にあたるスイス衛兵のダビッド・ガイザー氏(24、チューリヒ出身)がまとめたもので、タイトルは「ボナペティ・スイス・ガード」(スイス衛兵より、どうぞ召し上がれ)。ガイザー氏はプロのシェフとしての訓練を受けている。
 同書には、アルゼンチンで1世紀前に誕生したとされる牛乳を使ったデザート「ドゥルセ・デ・レチェ」などの作り方が紹介されている。バチカンでこのデザートが作られるようになったのは、2013年に教皇フランシスコが就任してから。
 このほか、ポーランド出身の故ヨハネ・パウロ2世の好物だった、生地にパン種を入れない「ピエロギ」と呼ばれるポーランドのギョーザ、ドイツ出身の前教皇ベネディクト16世の好物、バイエルン地方の料理の作り方も掲載されている。


◎反マフィア司祭に「殺すぞ」と脅迫

 【CJC=東京】マフィアへの反対活動を続けるイタリアのルイジ・チオッティ司祭に、獄中にある「ボスのボス」から「殺すぞ」という脅迫が届いた。しかし司祭は反対は止めない、と誓っている。
 イタリアの経済悪化に伴い、組織犯罪に対する検察当局の武装強化策が棚上げされたことでマフィアがより攻撃的になったとして、司祭は「わたしを殺せたかも知れないが、素晴らしい人々の協力が得られ、対抗出来るようになった」と語った。


◎シカゴの新大司教、マンションには住まず

 【CJC=東京】米シカゴ大司教に任命されたブレイズ・キュピック神父は、1885年から大司教館とされていたマンションには住まず、ホーリー・ネーム大聖堂内に居を構えることにした。
 大司教区委員会は、マンションの売却など処分方法を検討する。時価は1430万ドル(約15億円)と見られる。


◎イスラム教過激派がナイジェリアで教会襲撃、31人殺害

 【CJC=東京】米カリフォルニア州ラグーナビーチに本拠を置くキリスト教迫害専門の『モーニング・スター・ニュース』によると、イスラム教過激派がナイジェリアのタラバ州で10月19日、ギンディン・ワヤ村とソンディ村の教会を襲撃、礼拝していた31人を殺害した。
 ナイジェリア・キリスト改革派教会のカレブ・アヘマ議長は、ウカリ地方政府区でのキリスト教共同体襲撃はこの2月以来7回目と語った。「タラバ州でのキリスト者襲撃は、2月以来、キリスト者が主に居住しているナイジェリア南部を襲撃する反体制派イスラム教徒の計画的な虐殺だ」という。
 イスラム教過激派は戦闘服を着用しており、国外から侵入してきた過激派集団『ボコ・ハラム』のメンバーと見られるとアヘマ氏は指摘する。
 最近のボルノ州での『ボコ・ハラム』の暴行について、タラバ州や東北諸州のキリスト者襲撃では牧畜をしているフラニ族と連携したものと伝えられる。
 フラニ族はキリスト者農民と長年にわたって土地争いをしており、この所の襲撃は、ナイジェリア国内で「キリスト教根絶のためのイスラム教による」戦争になっている、と教会指導者は言う。


◎『教会行動一致』がドミニカで連合総会

 【CJC=東京】プロテスタント各派の奉仕救援組織『教会行動一致』(ACT)の国際連合体が第2回総会をドミニカ共和国東部プンタ・カナで開催された。総会運営委員会はコーネリア・フルクルグ=ウェイツェル議長の後任に『教会社会行動援助』(CASA)代表のスシャント・アグラワル氏を選出した。
 アグラワル新議長は、「ACTメンバー家族」を率いることは自らの願いでもあったと語った。「神の召しによって、この家族に結ばれなければならない。正義、平和、尊厳というビジョンを持って前進すべき時だ」と言う。
 協力組織『世界教会協議会』(WCC)のオラフ・フィクセ=トゥヴェイト総幹事も総会に出席、新議長選出を歓迎した。


◎北朝鮮が米国人J・フォウル氏を釈放

 【CJC=東京】米メディアによると、聖書をホテルの客室に残したとして、この5月から北朝鮮に拘束されていた米国人ジェフリー・フォウル氏(56)が10月21日釈放された。
 フォウル氏は22日、オハイオ州マイアミズパークの自宅に戻った。同氏は、聖書を残したのは意図的で、それが北朝鮮では違法行為であることは知っていた、と言う。
 北朝鮮にはなお米国人が2人拘束されている。ツアーオペレーターのケネス・ベー氏は、宗教的活動に従事したとして強制労働15年の刑に処せられ、すでに2年近く拘束中。マシュー・ミラー氏(24)はこの4月に北朝鮮に入国、査証を破り、亡命を求めたが、強制労働6年を言い渡されている。


◎イタリアの「歌う修道女」が本格デビュー

 【CJC=東京】イタリアのオーディション番組で6月、ポップの名曲を軽やかなダンスとソウルフルな声で歌い上げ優勝したクリスティーナ・スクッチャ修道女(26)が歌手として本格デビューすることになったが、最初のアルバムにマドンナの「ライク・ア・ヴァージン」をカバーしたのが話題となっている。
 この選択は、全てのものを新しくするという神の力を証しするもの、とスクッチャ修道女。イタリアのカトリック日刊紙『アッヴェニレ』に「それを選んだのは、挑発しようとか、スキャンダルを目指そうというつもりでは全くない。私は平穏と詩を伝えたかった。うまく出来たと本当に思う」と語っている。
 マドンナが30年前に「ライク・ア・ヴァージン」を発表した時、ふしだらで家庭というものを危うくする、と保守派から批判の声が上がった。
 マドンナは今回のことを知らないと思うとしながら、「しかしわたしは彼女がこの歌のことを知らされ、歌っているのは修道女だと分かった時の顔を見たい」と言う。
 アルバムはクリスマスに向けて11月11日発売される。彼女は自分が有名になったと感じ、またイエス・キリストと自分の信仰を「証し」することが義務と思うと、自分の「小ささ」を感じた、と語っている。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(10月26日)=https://www.cwjpn.com
★教皇フランシスコ=パウロ6世を列福=「偉大なかじ取り役」
★教皇フランシスコ=教会は世界に希望の光を
★臨時シノドスのメッセージ=伝統的家庭を励ます内容
★シノドス 最終報告を採択=問題の案件は議論を持ち越す
★禁教下の日本に潜入=シドッティ没後300年=巡礼、講演、ミサで記念=東京の史跡や教会会場に

 =キリスト新聞(10月25日)=https://www.kirishin.com
★民主化デモ現地レポート=香港教会の「今」を探る=松谷■(日偏に華)介
★同性愛者を歓迎?=家庭シノドス中間報告
★「日本は世界のため」平和憲法を盾に=「主に生かされて―共に生きるために」無教会全国集会2014
★歴史的教会に響かせたい鐘の音=三里塚教会に鐘を贈る会
★クリスマス見本市&ブックフェアに約40社=一般公開し展示即売会も

 =クリスチャン新聞(10月26日)=https://jpnews.org
★憲法9条 受章逃がすも世界が注目=受賞するまで運動を
★夫婦の愛、日韓の愛表現=須貝まい子 三浦作品題材に一人芝居=『氷点』50年 第6回三浦綾子祭で
★日本青年伝道会議セミナー=キャンプを効果的に反省
★特定秘密保護法に反対する牧師の会=施行の閣議決定に抗議声明
★10月24・25日に阿佐谷ジャズストリート=4つの教会堂がパブリック会場に


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