世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1244信(2014.11.24)

  • エルサレムのユダヤ教礼拝所襲撃、死者5人
  • シナゴーグ襲撃で死者5人に
  • 多宗教の指導者が『イスラム国』非難するウィーン宣言
  • 英国国教会に来年にも女性主教
  • 「司教任命」で中国教会がバチカンに協議提案か
  • 教皇、来年9月に初の訪米へ
  • WCCがキプロスで執行委員会
  • 「正義と平和の巡礼」がWCC活動のビジョン
  • ジンバブエの伝道集会で将棋倒し、11人死亡か
  • FBIがキング牧師に「自殺を迫る脅迫状」
  • ザビエルの「遺体」が10年ぶり公開へ
  • 教皇への献上品を景品に慈善抽選会
  • 《メディア展望》


◎エルサレムのユダヤ教礼拝所襲撃、死者5人

 【CJC=東京】エルサレムで11月18日、刃物や銃で武装したパレスチナ人2人が西エルサレムにあるユダヤ教礼拝所(シナゴーグ)を襲撃、米系イスラエル人のラビ(ユダヤ教指導者)3人と英系イスラエル人のラビ1人、警官1人が死亡した。
 イスラエル警察当局は、警官が現場に急行、数分間にわたる銃撃戦となり、襲撃者2人を射殺した、と発表した。
 エルサレムではここ半年近く騒乱が恒常化している。10代のイスラエル人3人が誘拐殺人されたことへの報復として、イスラエル人が10代のパレスチナ人少年を7月に誘拐、殺害したことが今回事件の引き金となったと見られる。
 これまでパレスチナ側からのものと見られる攻撃は、主にイスラエル人が住む西エルサレムとアラブ系住民が多い東エルサレムの境界付近に集中していた。しかし今回の襲撃は、境界から西エルサレムへ入り込んでおり、犠牲者も多かったことから、騒乱激化を示唆するものと見られる。


◎シナゴーグ襲撃で死者5人に

 【CJC=東京】米CNN放送によると、西エルサレムのハール・ノフ地区にあるシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)が武装したパレスチナ人の2人組に襲われた事件で、重体に陥っていた警官が数時間後に死亡し、死者は計5人となった。イスラエル当局は東エルサレムで2人組の自宅を破壊した。
 襲撃は11月18日午前7時に発生。シナゴーグでの朝の礼拝に約30人の信者らが集まっていた。2人組は信者らを刃物で刺し、さらに銃を取り出して発砲した。
 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は18日夜の記者会見で、パレスチナ自治区ガザを実効支配するハマスと、ヨルダン川西岸を統治する自治政府を名指しで非難した。
 パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長も襲撃を非難したが、ネタニヤフ首相はこの対応を「不十分」と批判した。
 ハマスからの犯行声明はないが、同組織の高官は「占領に対していかなる軍事行動がどこで実行されても、ハマスはこれを支持する」と述べた。


◎多宗教の指導者が『イスラム国』非難するウィーン宣言

 【CJC=東京】イラク、シリア始め中東各地のキリスト者、イスラム教徒、その他宗教団体の指導者がウイーンで11月20日、宗教の名において「一声ですべて暴力に走る行為」を非難し、イラクとシリアにおける宗教的、文化的多様性を守ることを国際社会に呼び掛けるウィーン宣言を共同発表した。
 宗教指導者は同日、『宗教間・文化間対話のためのアブドラ・ビン・アブドゥルアズィーズ国王国際センター』(KAICIID)が組織した国際会議で、宣言を発表した。


◎英国国教会に来年にも女性主教

 【CJC=東京】英国国教会は11月17日、ロンドンで開いた総会で、教区主教に女性の就任を認めると最終決定した。国教会は7月14日、イングランド北部ヨークで開いた総会で、同派歴史上で初めて女性主教を容認する議案を可決した。今回の最終決定を受け、来年にも初の女性主教が誕生する見込み。
 霊的最高指導者のジャスティン・ウェルビー・カンタベリー大主教が教会法改正に署名。「わたしたちは本日、教会の新しい在り方を受け入れることが可能になった」と宣言した。


◎「司教任命」で中国教会がバチカンに協議提案か

 【CJC=東京】中国カトリック教会を実質的に管理している『中国天主教愛国会』がバチカン(ローマ教皇庁)に「司教任命」についての協議を提案した、と香港紙『文匯報』が11月20日報じた。
 愛国会側はバチカンからの応答が2015年初めまでには得られるものと期待している。同紙が匿名の関係者から得た情報。「バチカンは司教任命だけでなく、『愛国会』の廃止なども望んでいるようだ。しかしそうはならない」と関係者は語った。


◎教皇、来年9月に初の訪米へ

 【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)は11月17日、教皇フランシスコが来年9月に、即位後初めて米国を訪問すると発表した。フィラデルフィアで開催されるカトリック教会の『世界家族会議』に出席する。
 フィラデルフィア大司教区のチャールス・J・チャプット大司教は声明で、「神が教皇をフィラデルフィアへ導かれますようにと祈り続けた多くの人々の願いがかなった」と述べた。
 在位中に米国を訪れる教皇としては4人目となる。9月27日には市中心部の大通りでミサを行う予定。
 『世界家族会議』は1994年にローマで開かれた。その後3年ごとに開催されている。


◎WCCがキプロスで執行委員会

 【ジュネーブ=CJC】世界教会協議会(WCC)は執行委員会を11月20日からキプロス東部のパラリムニで開催した。日程は26日まで。
 同地での開催は、キプロス教会の招請によるもの。アグネス・アブオム議長(ケニア聖公会)のもとで予算、活動計画などを、中央委員会からの付託に応じて審議する。
 執行委員会は年2回開催される。執行委員は25人。


◎「正義と平和の巡礼」がWCC活動のビジョン

 【ジュネーブ=CJC】キプロス東部のパラリムニで開催された世界教会協議会(WCC)執行委員会で11月22日、オラフ・フィクセ=トゥヴェイト総幹事が「巡礼は一つのエキュメニカル(教会一致)運動のための働きを継続する道であり、新たな局面、機会、実践を提供するという私たちの時代に前進する道でもある」と語った。
 2013年、「生命の神、わたしたちを正義と平和に導いてください」を主題に韓国の釜山で開催された第10回WCC大会で掲げられたビジョン「正義と平和の巡礼」に沿ったもの。
 「世界が時とイベントの新しいランドスケープへ動くように、わたしたちも動かなければならない。わたしたちは新世代と共に、他の教会やパートナーと新しい関係へ移る必要がある」とトゥヴェイト総幹事は執行委員に呼び掛けた。


◎ジンバブエの伝道集会で将棋倒し、11人死亡か

 【CJC=東京】アフリカ南部のジンバブエのクウェクウェのスタジアムで11月20日夕、ペンテコステ派のウォルター・マガヤ牧師が主催した伝道集会に参加した約1万5000人が、終了後1カ所しかない出口に殺到、4人が押しつぶされて死亡した。さらに7人が搬送先の病院で死亡が確認された。クウェクウェは首都ハラレの南西280キロにある。
 AFP通信によると、政府の現・元閣僚数人も信者だと主張するマガヤ牧師は同日夜、地元のラジオ放送で、この事故に「ショックを受けた」として「われわれの催しだった以上、わたしの教会がこの悲劇の責任を負わなければならない。将棋倒しの原因を断定するにはまだ早過ぎるが、会場で事故が起きたという事実は、わたしたちの体制が十分に機能していなかったことを示している」と語った。
 マガヤ牧師は、今年9月にナイジェリアのラゴスで宿泊施設が倒壊し死者116人を出した宗教団体『シナゴーグ・チャーチ・オブ・オール・ネーションズ』を率いるテレビ説教師のT・B・ジョシュア牧師の弟子を名乗っている。


◎FBIがキング牧師に「自殺を迫る脅迫状」

 【CJC=東京】1960年代、アメリカ公民権運動の指導者として、「非暴力主義」による人種差別撤廃運動を展開した、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師。
 その牧師宛てに、FBI(米連邦捜査局)が送ったとされるレターペーパー1枚分の書簡が、米紙ニューヨーク・タイムズ11月12日付に公開された。
 同紙によると、これを書いたのはFBIのJ・エドガー・フーバー長官の側近、ウィリアム・サリバン氏。
 書簡は、同じ黒人によって書かれたように偽装されている。そして最後に、暗に自殺を迫るような1節があった。


◎ザビエルの「遺体」が10年ぶり公開へ

 【CJC=東京】カトリック修道会イエズス会の宣教師フランシスコ・ザビエル(1506〜52年)の「遺体」が、インド西部ゴアの大聖堂で11月22日から一般公開される。読売新聞が報じた。
 10年おきにゴアで公開されており、今回で17回目となる。
 ガラス製のひつぎに入った遺体は、安置されているゴアのボム・ジェズ教会から大聖堂に移される。
 公開は来年1月3日まで。


◎教皇への献上品を景品に慈善抽選会

 【CJC=東京】教皇フランシスコはクリスマスチャリティー事業として、教皇への献上品を景品とした抽選会を2015年1月8日に行うことを決めた。抽選券は1枚10ユーロ(約1460円)。バチカン市国郵便局や博物館、薬局などで販売が始まった。観光客も購入できる。
 景品には、フィアットの小型車「パンダ」のほか、自転車や高級帽子、時計など、信者や企業・団体の訪問者から教皇に贈られた品々が提供されている。
 収益は貧困者支援活動のために寄付される。バチカン関係筋によって、共同通信が報じるところでは、抽選会が貧しい人のための教会」をモットーとする教皇の考えによるものとしている。
 教皇は社会的弱者に寄り添う精神を重んじ、2013年12月17日の77歳の誕生日にはバチカン周辺で寝泊まりするホームレス3人を招き、誕生日の朝食を共にした。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(11月23日)=https://www.cwjpn.com
★平和の教え 再度確認=日韓の司教 20回目の交流会
★教皇フランシスコ=ヨハネ・パウロ2世の役割強調=ベルリンの壁崩壊25周年
★教皇、世界に訴える=迫害キリスト者の保護=「全ての善意の人々に良心の発動を」
★首都圏5大学と「反貧困」の催し=カリタスジャパン=浜矩子さん招き聖心女子大学で
★秋田に韓国人信徒夫婦の殉教碑建立

 =キリスト新聞(11月22日)=https://www.kirishin.com
★日基教団玉川平安教会=〝総会の開催と役員の改選を〟=信徒67人が牧師を提訴
★日キ教会がヘイトスピーチ反対など決議
★書店で「ざっくり」神学講座
★教皇と世界福音同盟の使節が会見
★「生命アカデミー」会長が〝尊厳死〟批判

 =クリスチャン新聞(11月23日)=https://jpnews.org
★純潔でない「成功」警告=ローザンヌシンポ「包括的な日本宣教を考える」
★子どもたちが序幕=教会に景教碑
★若者ら「希望を告白する夜3」=日常で平和つくりの一歩
★「希望に生きる人になろう」=福島で第3回「東北日・韓キリスト者友好集会」
★「もっと聖書を読もうと励まし受けた」=「聖書クイズ王決定戦」大阪


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