世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1247信(2014.12.15)

  • ロシア正教会に中国人聖職者が誕生
  • ロシア正教会が「サウロンの目」再現計画に警告
  • 米タイム誌「今年の人」に『エボラ・ファイターズ』
  • 大統領、聖書にそんな語句はありませんが...
  • 教皇がダライ・ラマの面会要請断る
  • 教皇が「世界最大」クリスマスツリーに点灯
  • 教皇フランシスコの伝記映画製作へ
  • 中国の「孔子平和賞」がキューバのカストロ前議長に
  • 《メディア展望》


◎ロシア正教会に中国人聖職者が誕生

 【CJC=東京】RIAノボスチ通信によると、ロシア正教会の聖職者に初めて中国人の聖職者が誕生した。任命されたのはアナトーリー・クン輔祭。俗名でクン・チュンミン氏は60年に及ぶ中国におけるロシア正教会の歴史の中で初の現地人聖職者。
クン輔祭はこれから香港の『聖使徒ペテロ・パウロ教会』に勤務する。同教会は中国自治正教会所属。香港と中国本土の中国人への宣教活動も輔祭としての任務の一つ。
クン輔祭は、ロシアで学び、ロシアで正教の信仰を持つに至ったと記者に説明、正教会はロシアに存在するだけでなく、「世界に暮らす一人ひとりのためにある」と語った。
 中国の正教会信徒は現在1万5000人とされる。


◎ロシア正教会が「サウロンの目」再現計画に警告

 【CJC=東京】モスクワ発AFP=時事通信によると、ロシア正教会は12月9日、J・R・R・トールキンのファンタジー小説に登場する全てを見通す悪の目をかたどったライトアップを、モスクワの高層ビルで行う計画について、実施すれば災いが起きる恐れがあると警告した。
 このイベントは、トールキン作の小説「ホビットの冒険」をピーター・ジャクソン監督が映画化した3部作の最終章『ホビット決戦のゆくえ』の公開を記念し、地元不動産業者が計画しているもの。
 原作小説の「ホビットの冒険」とその続編に当たる「指輪物語」3部作では、力の指輪をつける者を見つけるために「冥王」のサウロンが使う「サウロンの目」と呼ばれる巨大な炎の目が登場する。
 計画を進める不動産会社ハルズ・デベロップメントの広報担当によると、モスクワでのイベントは、21階建てのビルの上に直径10メートルの球体を置き、背後から光をあてて立体的な視覚効果を作り出す。
 ロシア正教会の広報担当フセボロド・チャプリン大主教は『ガバリート・モスクバ・ラジオ』に「これは悪魔のシンボル(象徴)だ」と語った。
 「街の上にこのような悪の勝利のシンボルが置かれ、市内で一番高所にある物体同然となる。それは善か、悪か。おそらく悪だろう。後になってこの街に悪いことが起きても、驚くべきではない」と言う。


◎米タイム誌「今年の人」に『エボラ・ファイターズ』

 【CJC=東京】米週刊誌『タイム』は12月10日、毎年恒例の「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)」に、アフリカ西部で猛威を振るうエボラ出血熱の大流行と闘っている医師や看護師ら『エボラ・ファイターズ』(エボラと闘う人々)を選出したと発表した。
 米メディア『CNN』によると、ナンシー・ギブス編集長は「世界が枕を高くして眠っていられるのは、自ら立ち上がり、闘おうとする多くの男女がいるからだ。彼らの疲れを知らない勇気と慈悲の行為、そして世界が防御態勢を高める時間を稼いでくれたこと、リスクを冒し、あきらめず、その身を犠牲にし、命を救ってきたことを考えれば、『エボラ・ファイターズ』こそタイムの2014年のパーソン・オブ・ザ・イヤーだ」としている。
 ギブス編集長はさらに、流行国の政府が十分な設備や器具を提供できず、世界保健機関(WHO)も流行の事実をなかなか認めようとしなかった一方で、危機に対応しようと最初に立ち上がった人々は騒ぎすぎだと非難されたと指摘した。さらに国際医療援助団体『国境なき医師団』やキリスト教系団体『サマリタンズ・パース』のメンバーをはじめとする多くの医療関係者が、現地の医師や看護師、救急車の運転手や埋葬チームと協力して流行に立ち向かったと付け加えた。


◎大統領、聖書にそんな語句はありませんが...

 【CJC=東京】バラク・オバマ米大統領がテネシー州ナッシュビルで行った移民改革に関する演説がメディアやソーシャルネットのユーザーらの注目を集めた。
 オバマ大統領は「聖書にはこうある。ガラスの家に石を投げることなかれ。他人の目の中にある大枝よりも自分の目の中にある丸太に注意を向けよ」と語った。
 「大統領は憲法にないことを打ち出すのだから、聖書にないことを考え出しても、おかしくないのでは」とニュースサイト『デイリー・コーラー』のジム・トリーチャー記者が書き込むと、ツィッターのユーザー、ランス・マニュオン氏は「オバマの聖書の知識は憲法の知識と同じくらいすごい」と応答した。
 ワシントン・ポスト紙は、オバマ大統領がおそらく、マタイによる福音書7・1〜5を引用したかったのだ、と推測している。
 「人を裁くな。あなたがたも裁かれないようにするためである。あなたがたは、自分の裁く裁きで裁かれ、自分の量る秤で量り与えられる。あなたは、兄弟の目にあるおが屑は見えるのに、なぜ自分の目の中の丸太に気づかないのか。兄弟に向かって、『あなたの目からおが屑を取らせてください』と、どうして言えようか。自分の目に丸太があるではないか。偽善者よ、まず自分の目から丸太を取り除け。そうすれば、はっきり見えるようになって、兄弟の目からおが屑を取り除くことができる」。
 ところがここには「ガラスの家に石を投げる」といった語句は見つからない。
 ロシアのRIAノーボスチ通信は「ガラスの家に住む者は他人に石を投げるなかれ」という表現が英国人作家ロバート・スチーブンソンの作品に見られると報じている。


◎教皇がダライ・ラマの面会要請断る

 【CJC=東京】教皇フランシスコが、ローマ訪問中のチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世との面会を断った。
 ダライ・ラマは12日に開幕した『ノーベル平和賞受賞者世界サミット』に参加するため、ローマを訪れた。
 バチカン(ローマ教皇庁)報道担当は12月12日、教皇が「ダライ・ラマを大いに尊敬している」としながらも、中国との「微妙な状況」から面会の予定はないと認めた。ただ報道担当は「教皇はどの平和賞受賞者とも会わない」と強調している。
 同サミットは、南アのケープタウンで開催予定だったが、対中関係を重視する南ア政府が、中国への配慮からダライ・ラマへのビザ発給を拒否したことで、ほかのサミット参加者が抗議し、開催地がローマに変更された。
 チベットの「高度の自治」を求めるダライ・ラマを中国政府は「分離独立主義者」と見なしている。
 中国のカトリック教会は政府公認の中国天主教愛国会と、教皇に忠誠を誓う非公認の「地下教会」に分かれ、バチカンと中国は司教任命権などを巡り対立している。教皇は昨年3月の就任以来、中国に対して、関係改善のための対話に応じるよう呼びかけている。
 ダライ・ラマが最後に教皇と面会したのは、前教皇ベネディクト16世治下の2006年。


◎教皇が「世界最大」クリスマスツリーに点灯

 【CJC=東京】教皇フランシスコはバチカン(ローマ教皇庁)で12月9日、「光をともしましょう」と述べて、タブレット端末を手に取り、画面のボタンを押した。
 この瞬間、バチカンから約200キロ離れたイタリア中部のグッビオの丘の斜面に作られた「クリスマスツリー」に光がともされた。
 この「クリスマスツリー」は、丘の斜面に1000個の電球で描かれたもの。縦750メートル、横450メートルの大きさ。2011年、前任教皇のベネディクト16世がスイッチを押して以来、遠隔操作による点灯が恒例になった。
 1991年に世界最大としてギネス・ブックに登録されている。


◎教皇フランシスコの伝記映画製作へ

 【CJC=東京】教皇フランシスコを描いた伝記映画『フランシスコ』の概要が明らかになり、主役を映画『トーク・トゥ・ハー』で知られる、アルゼンチン出身の俳優ダリオ・グランディネッティが務めることが業界メディアにより報じられた。
 映画『アル・シエロ』(空へ)などで知られるアルゼンチンのプロデューサー、パブロ・ボッジが製作する予定で、映画『カミーラ』のベーダ・ドカンポ・フェイホーが脚本兼監督を務める。
 アルゼンチンの主要紙『ラ・ナシオン』のバチカン専門記者エリザベッタ・ピケが執筆した「フランシスコ=ライフ・アンド・レボリューション」を基に映画化するという。


◎中国の「孔子平和賞」がキューバのカストロ前議長に

 【CJC=東京】中国版『ノーベル平和賞』と見られている『孔子平和賞』の今年の受賞者に、社会主義国キューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長(88)が選ばれ、北京で12月9日表彰式が行われた。世界平和への「重要な貢献」が評価されたという。11日付の共産党機関紙、人民日報系の環球時報が伝えた。
 授賞式には、カストロ氏の代理でキューバからの交換留学生が出席した。
 同賞は2010年のノーベル平和賞が服役中の民主活動家、劉暁波氏に決まったことに対抗して創設された。これまでにロシアのプーチン大統領やアナン前国連事務総長らが受賞している。
 カストロ氏は、韓国の朴槿恵大統領や潘基文国連事務総長、上海協力機構など20人・団体を超える候補を抑えて選出された。専門家や学術者ら16人からなる選考委員のうち9人がカストロ氏に投票したという。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(12月14日)=https://www.cwjpn.com
★日本聖公会 日本福音ルーテル教会 カトリック教会=初の3教会合同礼拝
★教皇と諸宗教指導者=奴隷制度撲滅目指す=共同宣言に署名「2020年までに」
★東日本大震災被災地支援全ベース会議=仙台教区サポート会議=岩手・釜石=住民の痛みに向き合う=数年先視野に体制の模索も
★各政党姿勢示す=ヘイト・スピーチ対策=弁護士ら調査
★岡田大司教、竹下節子さん対談=宣教のヒント探る=東京教区アレルヤ会

 =キリスト新聞(12月13日)=https://www.kirishin.com
★映画『最後の命』公開記念対談=「罪」と向き合う旅の果てに=松本准平さん(映画監督)×古賀博さん(牧師)=わかりやすさを求める時代
★バプ連盟が川内原発再稼働に反対声明
★関西学院大学神学部が125周年=記念講演で姜尚中氏「福音共有し合える場を」
★米キリスト教出版事情に学ぶ 出版販売協会が専門家招き勉強会
★教皇がトルコを司牧訪問

 =クリスチャン新聞(12月14日・休刊)=https://jpnews.org


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