世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1250信(2015.01.05)

  • 教皇が枢機卿人事発表、「脱欧」加速
  • 世界平和の日に教皇「平和は可能、祈りは平和の源」
  • トルコが建国以来初めてキリスト教会新設認める
  • 墜落エアアジア機にスラバヤ教会信徒41人も
  • 《メディア展望》


◎教皇が枢機卿人事発表、「脱欧」加速

 【CJC=東京】教皇フランシスコは1月4日、バチカン(ローマ教皇庁)のサンピエトロ広場で開いた祈りの集いで、新たに20人の枢機卿を任命すると発表した。
 バチカンと外交関係のないベトナム、ミャンマーを含め東南アジアから3人を選んでいる。教皇のアジア重視姿勢を反映し、バチカンの「脱欧州」化を加速する人選。叙任式は2月14日に行われる。
 教皇フランシスコが枢機卿を任命するのは2013年3月の就任以来2回目。今回任命する20人のうち教皇選挙会議(コンクラーベ)に参加できる80歳未満は15人。
 15人の出身国の内訳はアジア・オセアニア5人(ニュージーランド、ベトナム、ミャンマー、タイ、トンガ)、欧州5人(フランス、ポルトガル、イタリア2人、スペイン)、中南米3人(メキシコ、ウルグアイ、パナマ)、アフリカ2人(エチオピア、カボベルデ)。
 バチカン報道担当は15人の人選について声明で「過去に枢機卿のいなかった国々(カボベルデ、トンガ、ミャンマー)を含め、14カ国に及ぶ」と地理的な広がりを強調した。
 フランシスコ教皇が選出された際、コンクラーベに参加した枢機卿115人のうち過半数の60人が欧州出身だった。今回の任命により、新体制では125人中、欧州は57人と半数を割り込み、中南米(18人)、北米(18人)、アジア・オセアニア(17人)、アフリカ(15人)の構成となった。


◎世界平和の日に教皇「平和は可能、祈りは平和の源」

 【CJC=東京】バチカン放送(日本語電子版)によると、教皇フランシスコは、元旦、サンピエトトロ大聖堂でミサを司式、神の救いの計画に完全に参与し、イエスの受胎からカルバリでの十字架上の死に至るまで、イエスと強く結ばれ、イエスの傍らに留まり続けた母マリアを観想した。
 教皇は、信仰の人であり、心を神とそのご計画にあまねく委ねた母マリア無くして、イエスを理解することはできないと話し、さらに、キリストとマリアの結びつき同様、キリストと教会の緊密な関係を強調した。
 イエスによる救いの業は、母なる教会を考えずには理解できないと述べながら、「イエスと教会は分かつことはできず、キリストを愛して、教会は愛さないということはできない。教会という神の大きな家族こそが、わたしたちをキリストに導く」と述べた。
 今年の「世界平和の日」のテーマに「もはや奴隷としてではなく、兄弟姉妹として」を掲げた教皇は、現代のあらゆる形の奴隷制と闘うように呼びかけた。


◎トルコが建国以来初めてキリスト教会新設認める

 【CJC=東京】トルコ政府筋が明らかにしたところでは、少数派アッシリア人のため、キリスト教の教会をイスタンブール郊外に新設することを認めた。1923年のトルコ共和国建国以来、初めてのこと。これまでもギリシャ正教やカトリックの教会堂修理や改築は認められていたが、新設が認められたことはなかったという。
 トルコでは人口約7500万人の99%がイスラム教徒。キリスト者は約10万人と推定されている。


◎墜落エアアジア機にスラバヤ教会信徒41人も

 【CJC=東京】インドネシア・カリマンタン島沖に12月28日墜落したスラバヤ発シンガポール行きのエアアジア・インドネシア8501便は、インドネシア当局から運航許可を得ていなかったことが明らかになった。エアアジア・インドネシアはマレーシアの格安航空会社、エアアジアの子会社。
 インドネシアはイスラム教徒が多数を占めているが、同便には中国系住民が多く、キリスト者も多数いたと見られる。米国の福音派系ASSIST通信は、スラバヤの『マワル・シャロン教会』の信徒41人も乗り合わせていた、という。乗客の家族たち約100人が安否を気遣ってスラバヤ空港に集まった。同教会のフィリップ・マントファ牧師は12月31日、とんでもない事故で、苦難も大きいが神を信じ、信仰に固く立つよう励まし、「わたしたちの神は悪魔ではない。闇に囲まれた時でも、前に進むよう助けてくださる」と語った。
 『マワル・シャロン教会』は同牧師が副会長を務め、その指導の下、会員3万人、70地域教会までに成長している。


◎『世界キリスト教情報』が、2014年の「世界のキリスト教・教会十大ニュース」を選定しました。(順不同、ほぼ発生順)

▽日本のキリシタンの歴史に学べ、と教皇が1月15日、水曜恒例の一般接見で、洗礼の秘跡について述べ、長く激しい迫害の時代にも、洗礼によって脈々と受け継がれた日本の「キリシタン」の信仰を紹介した。
▽ソウル中央地裁は2月20日、背任などの罪で在宅のまま起訴された汝矣島純福音教会の元老牧師、趙ヨン(カネ偏に庸)基(チョー・ヨンギ)被告に懲役3年、執行猶予5年、罰金50億ウォン(約4億7800万円)の判決を言い渡した。
▽コンスタンチノープルのエキュメニカル総主教バルトロメオス1世が招集し、イスタンブールのフェネルで3月6〜9日に開かれた独立正教会首長会議は、「全地公会議」(全正教会主教会議)を2016年にイスタンブールで開催することで合意した。
▽教皇フランシスコは3月27日、イタリア訪問中のバラク・オバマ米大統領とバチカン(ローマ教皇庁)で会見した。社会的弱者に寄り添う「貧者の教会」を掲げる教皇と大統領との会見は初めて。
▽教皇フランシスコは4月27日、バチカンのサンピエトロ広場で、教皇ヨハネ・パウロ2世と、教皇ヨハネ23世を「聖人」とする列聖式を行った。10月19日には教皇パウロ6世を列福した
▽パレスチナ自治政府のマフムード・アッバース大統領とイスラエルのシモン・ペレス大統領は6月8日夕、教皇フランシスコの招きを受けてバチカンで会談、共に平和への祈りをささげた。教皇はイエス・キリスト生誕地ベツレヘムで5月25日に行ったミサでアッバース大統領とペレス大統領を平和への祈りに招くと表明していた。
▽米ミシガン州デトロイトで開催された米長老教会(PCUSA)総会は6月19日、ゲイとレスビアンの結婚式を教会で牧師が執行することを認める議案を76%対24%で採択したが、これに対し保守派グループ『フェローシップ・オブ・プレスビテリアンズ』は20日、抗議文書を発表した。
▽英国国教会は7月14日、イングランド北部ヨークで開いた総会で、同派歴史上で初めて女性主教を容認する議案を可決した。反対意見も出たが、国民の関心が高まる中、男女平等の流れを踏まえ歴史的な方針転換が行われた。12月17日、イングランド北部マンチェスター郊外のストックポート教区主教に女性のリビー・レーン牧師を指名した。同派で主教に女性が就くのは初めて。
▽米週刊誌『タイム』は12月10日、毎年恒例の「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)」に、アフリカ西部で猛威を振るうエボラ出血熱の大流行と闘っている医師や看護師ら『エボラ・ファイターズ』(エボラと闘う人々)を選出したと発表した。
▽教皇フランシスコは12月22日発表したクリスマス・メッセージで、「キュリア」と呼ばれるバチカン(ローマ教皇庁)の高位聖職者の官僚主義を批判した。


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《メディア展望》

 =カトリック新聞(1月4日)=https://www.cwjpn.com
★教皇フランシスコ=世界平和の日メッセージ=現代の奴隷制度と闘いを=搾取の悲劇に加担しないで
★米国・キューバ関係改善へ=教皇の促し 功を奏す=オバマ政権高官が語る
★教皇、一般謁見で「非人道的テロ」非難
★教皇ドラマの字幕版=上智卒業生だが制作=ヨハネ・パウロ二世の生涯
★若者と共に生きて=溝部脩司教、「望洋庵」語る=京都

 =キリスト新聞(年始休刊)=https://www.kirishin.com

 =クリスチャン新聞(1月4・11日=新年特別号)=https://jpnews.org
★南三陸 仮設住宅での餅つき--クリスマスも新年もいっしょにお祝い
★特定秘密保護法・総選挙に際しJEA平和緊急祈祷会=尊厳・自由へ不断の努力=伝え方、次の展開も問う
★牧師の会・施行前日に緊急集会=抵抗の種蒔き続けよう=特定秘密保護法の廃止求め宣言
★WCC総幹事トヴェイト氏来日=重荷おき巡礼を=日本の教会の役割を評価
★究極の安保は武力放棄=第4回9条世界宗教者会議が声明


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