世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1271信(2015.06.01)

  • 英メソジスト教会が過去の虐待事例について謝罪する文書発表
  • バチカン機関紙がアイルランドの同性婚論評
  • 米ボーイスカウト連盟会長が同性愛指導者禁止の撤回呼び掛け
  • 米世論は婚外性交渉容認へ動く=ギャラップ調査
  • シリアでキリスト者戦士が『イスラム国』兵士の首はねる
  • 新形式で聖書を2カ月で訳出、と『ウイクリフ・アソシエーツ』
  • アウシュビッツの保存に難問山積=ニューヨーク・タイムズ紙
  • パキスタンのカラチに事業家が巨大な十字架建設
  • 教皇は1990年からテレビを観ていない!
  • 《メディア展望》


◎英メソジスト教会が過去の虐待事例について謝罪する文書発表

 【CJC=東京】英日刊紙『ガーディアン』によると、メソジスト教会が過去の虐待事例について謝罪する文書「勇気、コスト、希望」を5月28日発表した。
 100ページに及ぶ文書は、同派が3年にわたって行った独自調査結果をまとめたもの。性的、肉体的、情動的、家庭内暴力などを含むもので事例の4分の1には牧師、教会事務員などが含まれている。


◎バチカン機関紙がアイルランドの同性婚論評

 【CJC=東京】アイルランドで行われた国民投票で、同性婚を認める憲法改正が承認されたことについて、バチカン(ローマ教皇庁)紙『ロッセルバトレ・ロマノ』は5月25日、教会と現代社会との隔たりを強調する「敗北だ」と論評した。
 同紙は「票差が大きく、敗北と認めざるを得ない」と指摘。とりわけ若者の投票率の高さが今回の結果をもたらしたと分析している。


◎米ボーイスカウト連盟会長が同性愛指導者禁止の撤回呼び掛け

 【CJC=東京】米ボーイスカウト連盟のロバート・ゲイツ会長が5月21日、成人の同性愛指導者禁止措置の撤回を呼び掛けた。ジョージア州アトランタで開催された同連盟の年次会議で述べた。「国民的運動としての終末」をもたらさないために変革の時だ、と言う。
 米メディア『フォックス・ニュース』は、即時撤回には至らないが、ゲイツ氏は近い将来の方針変更を期待している、と報じた。しかし各支部は同性愛指導者を認めることについては独自に決定可能。
 ゲイツ氏は2014年5月に会長に就任した際にも同性愛指導者禁止の撤回意向を明らかにしていた。


◎米世論は婚外性交渉容認へ動く=ギャラップ調査

 【CJC=東京】米世論調査機関『ギャラップ』によると、同性愛関係や、婚外性交渉による出産、離婚などを容認する人の数が、15年間で急増していることが分かった。
 同性愛関係63%(増加率はパーセントポイント=以下同=で23増)、婚外性交渉による出産61%(同16増)、未婚者間の性交渉68%(同15増)、離婚71%(同12増)。
 安楽死56%(同7増)、クローン人間15%(同8増)、一夫多妻16%(同9増)などについても支持増加が目立つ。ただ妊娠中絶に関しては、容認は45%で3%ポイント増と僅かだった。


◎シリアでキリスト者戦士が『イスラム国』兵士の首はねる

 【CJC=東京】AFP通信によると、シリア北部ハサカ県で5月28日、キリスト者戦士が『イスラム国』兵士の首をはねた、と英国に拠点を置く非政府組織『シリア人権監視団』が29日明らかにした。「処刑」された人々への報復という。
 ハサカ県は、『イスラム国』が農村部の大半を制圧している。
 監視団のラミ・アブドル・ラフマン代表によると、このキリスト者戦士は少数派住民のアッシリア人で、タルシャミラム村で拘束した人物が『イスラム国』構成員だと分かると地域一帯における『イスラム国』の蛮行に報復するため斬首したという。
 同戦闘員は、ハサカ県内の十数カ所のアッシリア人の村から5月に『イスラム国』を駆逐したクルド人部隊に参加していた。


◎新形式で聖書を2カ月で訳出、と『ウイクリフ・アソシエーツ』

 【CJC=東京】米メディア『CT』(クリスチャニティ・トゥデイ)によると、聖書翻訳団体の一つ『ウイクリフ・アソシエーツ』(WA=本部・米フロリダ州オーランド)がこの2月、アジアで翻訳活動に従事しているチームで新約聖書のほぼ半分を2週間で翻訳可能になったと発表した。そのペースが続けば聖書を2カ月で訳出可能になる。
 翻訳専門家から訳出の質について疑問の声が上がった。そんなに速く出来るものの良いはずがないと思われても当然。「人々に信じてもらえないのが最大の問題だ」とWAのブルース・スミス会長。
 アジアの少数民族の中には、聖書訳出の優先順位を付けるには小さすぎるところもある。しかし自分の言語に聖書を訳出したいという熱意がWAに届いている。
 WAは、聖書翻訳のスピードアップのため、これまでは各聖書ごとに順次訳出していたのを、同時訳出に変更、また固有名詞、イディオム、キータームなどの訳出に関する方針などの訓練を廃止した。
 WAでは、訓練を受けたチームと訓練を受けないチームによる翻訳比較を昨年夏に行ったが、正確さに関しては同等だったので、新方式「並行翻訳戦略」への変更に踏み切った。この「不合理なやり方」が成功したのは、翻訳に当たる人たちが、自分の言語についても、原文の言語についても知識があるからだ、とスミス会長。
 WAはアジア地域での活動のために翻訳者13人を集め、聖書ごとにグループ分けした。それぞれが4福音書の一つに取り組んだ。1日12時間作業で、毎日34節訳出したという。2週間後に、福音書と第1テモテと第2テモテが完成という驚くべき成果が上がった。
 スミス会長は「この戦略にとっても、13人の翻訳者にとっても、これでハナシが終わったわけではない」と言う。「この戦略が実際的なものかテストしてみたいという言語関係者の数が急増している。訳出された聖書を持つ言語の数が増大するだけでなく、今後さらにより多くの言語が聖書を持てるように訓練されたチームが拡大するだろう」と言う。


◎アウシュビッツの保存に難問山積=ニューヨーク・タイムズ紙

 【CJC=東京】アウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所をどう保存するか、それには難問が山積している、と米紙ニューヨーク・タイムズが伝えたことを朝日新聞電子版が紹介している。
 同収容所の保存財団には、指針となる哲学がある。「真実の証しとして保つ」ということ。具体的には、すべてをそのままにしておくということである。
 ただこの指針には、保存技術の観点からはいくつもの難問が立ちはだかる。
 れんが建ての収容施設は崩れかけている。これを建て直せば、複製の施設で再現したようになってしまう。それに収容所のすべての資料を保存するには、専門の担当者を置く必要がある。
 保存の長期的な基本計画を担当しているアンナ・ロプシュカ(31)は「私たちがしていることは、この収容所をつくったナチスの当初の考えとは、ある意味で反対のこと」と言う。「彼らはこれをずっと続けようとは思っていなかっただろうけど、わたしたちはここがずっと続くようにする」。
 そのための大原則は「必要最低限の介入」。建築物などの対象物件を保存はするが、美化はしない。生き残った人が少なくなっていくだけに、その重要性は増していくからだ。


◎パキスタンのカラチに事業家が巨大な十字架建設

 【CJC=東京】パキスタンでは少数派キリスト者の実業家パルヴェズ・ヘンリー・ギル氏が2年前、抑圧にあえぐ仲間のために何かするべきだ、と神が語り掛ける夢を見た、として、カラチに高さ42メートルもの十字架を建設中。
 イスラム教過激派によるキリスト者への襲撃がパキスタンでは続いている。2013年にはペシャワールの全聖徒教会でタリバンによる自爆テロがあったが、この3月にもラホールで教会2カ所に自爆テロがあり、15人が犠牲となった。
 AP通信によると、ギル氏は「パキスタンのキリスト者には信教の自由があることを示したかった」と語っている。十字架への批判があることも分かるが、それは神に委ねている、と言う。
 十字架は、カラチ市心部にあるキリスト教墓地の入口に建設中で近く完成する予定。墓地は英国統治時代に設置され、200年近くの歴史がある。完成後は墓地管理人が十字架の維持に当たるという。
 パキスタン教会(聖公会)のサディク・ダニアル主教は、騒動が激化すれば十字架取り壊しも考えなければならないが、まずそんなことにはならないだろう、と言う。


◎教皇は1990年からテレビを観ていない!

 【CJC=東京】英紙『インディペンデント』によると、教皇フランシスコは「1990年7月15日の夜に、聖母マリアにテレビは観ないと誓った。自分にテレビを観るのは良くないと自分に言い聞かせた」とアルゼンチン紙『ラ・ヴォス・デル・プエブロ』のインタビューで語った。
 サッカーの大ファンとして知られる教皇は、特に自身の地元であるアルゼンチンのチームCAサン・ロレンソを応援している。しかし試合の結果やリーグ内の順位は、毎週バチカンのスイス衛兵から教えられるとか。
 また教皇は、1日に10分だけインターネットを見るが、それは新聞を読むため、と明かした。しかもバチカン(ローマ教皇庁)発行の『ロッセルバトレ・ロマノ』やイタリア司教団発行の『アッヴェニレ』ではなく、現地紙『レップブリカ』を読んでいるという。
 インタビューでは、ブエノスアイレス時代には街に出て、ピザを食べるのが楽しみだったが、教皇になってからは気軽にピザを食べに外出するのは難しくなった。取り寄せては、との疑問に「テイクアウトではなくて、ピザ屋まで食べに行くのがいいんだ」とコメントしている。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(5月31日)=https://www.cwjpn.com
★国際カリタス総会 ローマで開催=環境破壊等、焦点に=新総裁にタグレ枢機卿 アジアから初選出
★パレスチナの2修道女列聖=教皇=「信仰は愛のわざに」
★大分=教区創立の原点に「愛徳の業」="福祉塾"開き 学ぶ
★原発事故受け、韓国の教会が省察=『核技術と教会の教え』=日本語訳、中央協から発行
★ロメロ大司教 列福=エルサルバドル内戦期に暗殺

 =キリスト新聞(5月30日・休刊)=https://www.kirishin.com

 =クリスチャン新聞(5月31日)=https://jpnews.org
★網を下ろす準備できているか=セレブレーション・オブ・ラブwithフランクリン・グラハム本格始動
★日韓友好願いフリー・ハグ in 釜山=博多キリスト教会の牧師、青年ら
★「切実な願いに耳を傾け」=安保関連法案閣議決定の日 牧師の会有志が国会議員要請
★イエスの思いで、町を祈れた=山手線祈祷会
★中国浙江省=屋根上の十字架撤去が400か所超す


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