世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1293信(2015.11.02)

  • バチカンが代表団の訪中を確認
  • 教皇が信徒・家庭・生命を扱う新組織創設を発表
  • 教皇、カトリック教育を促進するための基金創設
  • 教皇がカトリック系ラジオ放送関係者と会見
  • 中東難民に「安全な道」を教会関係者が呼びかけ
  • カナダ合同教会とキリスト合同教会が「フルコミュニオン」に
  • 韓国カトリック司祭団体が約7年ぶり訪朝
  • 韓国で宗教への信頼度が急落
  • 『シティ・ハーベスト教会』の会員はコン・ヒー牧師支持
  • ≪メディア展望≫


◎バチカンが代表団の訪中を確認

 【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)国務省と福音宣教省の代表ら6人が、協議のため中国を10月11日から16日にかけて訪問した。バチカン国務長官のピエトロ・パロリン枢機卿が29日明らかにした。
 同枢機卿によると、6人の代表は中国滞在中、北京の大聖堂を訪問、ジュセッペ・リ・シャン司教と会談した。同司教は「聖座」(バチカン)と中国政府双方から司教として認知されている。また代表団は、北京政権当局者とさまざまな問題について協議した。
 バチカン代表団訪中の噂が事実だったことをバチカンの責任者が明らかにした形。またパロリン枢機卿は、報道陣に、バチカンは中国当局との対話を「非常に前向き」と評価していることを示した。
 教皇フランシスコは、かねて訪中の希望を明らかにしている。しかし中国政府は、宗教に関しても外国の影響を排除する意向を強めており、今回の協議の結果について、具体的な内容は明らかにされていない。メディアの関心をさらに呼ぶことは確か。


◎教皇が信徒・家庭・生命を扱う新組織創設を発表

 【CJC=東京】教皇フランシスコは、信徒・家庭・生命を扱う新しい教皇庁組織の創設を発表した。
 教皇は、これまでの信徒評議会と家庭評議会に代わるものとして、教皇庁立生命アカデミーともつながりを持つ、信徒・家庭・生命を扱う新しい省を開設したいと述べた。10月22日、シノドスの全体会議の席で、新組織創設の計画に言及したもの。


◎教皇、カトリック教育を促進するための基金創設

 【CJC=東京】教皇フランシスコは、カトリック教育を促進するための基金を創設した。バチカン放送(日本語電子版)が報じた。
 教皇は10月28日付けの自筆文書で、第2バチカン公会議公文書「キリスト教的教育に関する宣言」(グラヴィッシムン・エドゥカティオニス)の1965年10月28日の発布から50周年を迎えるにあたり、これを機会とした教皇庁教育省の要望に応え、同公文書の名を冠した基金『グラヴィッシムン・エドゥカティオニス』を設立する旨を記した。
 『グラヴィッシムン・エドゥカティオニス基金』は、世界のカトリック教育推進に向けた学術・文化的目的を持つもので、本部はバチカンに置かれる。


◎教皇がカトリック系ラジオ放送関係者と会見

 【CJC=東京】教皇フランシスコは10月29日、カトリック系ラジオ放送『ラジオ・マリア』の関係者と会見した。
 バチカン放送(日本語電子版)によると、各国から集った『ラジオ・マリア』関係者約200人を迎えた教皇は、挨拶の中で、福音宣教のために教会を助けるという、同放送局誕生以来の目的を想起した。
 そして、常に人々の不安や苦しみに寄り添い、信仰の実り、連帯のしるしとしての希望と慰めを与えてきた同放送局の奉仕を歓迎した。
 教皇は、これからも福音と教会の教えに忠実にこの真のミッションを続け、社会の声、特に貧しく疎外された人々の声に耳を傾け、すべてのリスナーの心のよりどころとなって欲しいと励ました。
 イタリアの『ラジオ・マリア』放送局長リヴィオ・ファンザガ神父は、現在迫害下にあるキリスト者たちのために、アラブ語のWEBラジオを準備していることを報告した。
 『ラジオ・マリア』は1882年、北イタリアの小教区で創立されたカトリック系ラジオ局。次第にイタリア全土をカバーするようになり、現在は世界70カ国に広がっている。


◎中東難民に「安全な道」を教会関係者が呼びかけ

 【CJC=東京】欧州各国のカトリック、正教会、聖公会、プロテスタント諸教会指導者35人が独ミュンヘンで10月29日、中東から相次いで到着する難民と教会の務めについて協議、難民の保護安全策をまとめ提案した。
 世界教会協議会(WCC)のオラフ・フィクセ=トゥヴェイト総幹事は、飢餓に襲われている人に対しては、それ以外の尺度に捕らわれず、助ける責任を取らなければならない、と語った。


◎カナダ合同教会とキリスト合同教会が「フルコミュニオン」に

 【CJC=東京】カナダ合同教会とキリスト合同教会が10月17日、オンタリオ州ナイアガラフォールズのセント・アンドリュース合同教会で行われた礼拝で、「フルコミュニオン」(完全相互聖餐)協約を結んだ。
 双方は、「宣教(ミニストリー)と伝道(ミッション)を共に行なうという共通のビジョンを持って歩む」ことに合意した。


◎韓国カトリック司祭団体が約7年ぶり訪朝

 【CJC=東京】韓国の聯合ニュースは、カトリック司祭の団体『天主教正義具現全国司祭団』に所属する司祭が北朝鮮の朝鮮カトリック教会協会の招きで訪朝していたことが10月27日分かった、と報じている。
 韓国政府統一部と同団体によると、司祭12人が23日に中国・北京経由で訪朝した。25日に平壌市の長忠聖堂で開かれた平和統一祈願ミサに出席したほか、市内のカトリック関連の施設も見て回ったという。
 同団体の訪朝は2008年9月以来約7年ぶり。韓国政府が訪朝を承認したことについて、聯合ニュースは、南北間の民間交流活性化に向けた第一歩ではないかとの見方が出ていると報じた。
 『天主教正義具現全国司祭団』は、現政権に批判的なことから、ほかの左派系団体の訪朝も認められるのではないかと予想する見方もあると言う。
 政府当局者は「今回の司祭団の訪朝は純粋な南北の宗教交流であるため承認した」と説明している。


◎韓国で宗教への信頼度が急落

 【CJC=東京】韓国国内で宗教への信頼性が急落している、と韓国の聯合ニュースが伝えたことを情報サイト『レコード・チャイナ』が紹介している。
 韓国・曹渓宗仏教社会研究所が16歳以上の国民1200人を対象に実施した 世論調査」によるもので、 宗教への信頼性は11・8%と、昨年(25・0%)から大幅に下落した。
 宗教別で見ると、「信頼する」との回答が高かったのはカトリック(39・8%)で、仏教32・8%、プロテスタントは10・2%。
 聖職者に対する信頼度も神父が51・3%で最も高く、僧侶は38・7%、牧師は17%だった。


◎『シティ・ハーベスト教会』の会員はコン・ヒー牧師支持

 【CJC=東京】教会財産である慈善事業のための資金を流用したとして起訴されたシンガポールのメガチャーチ『シティ・ハーベスト教会』(CHC)のコン・ヒー主任牧師ら教会幹部は10月21日、資金流用の証拠は十分あると全員に有罪判決を受けた。
 しかし同教会が運営するニュースサイトは、コン・ヒー牧師を支援する意思を表明する教会員たちを映した動画(英語)を公開した。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(11月1日)=https://www.cwjpn.com
★家庭シノドス最終報告=状況に応じて「寄り添う」
★奉仕の喜びを生きるように=教皇フランシスコ=テレーズの両親列聖式で
★枢機卿、ギリシャに=カリタス要員と難民援助
★聖地 やまぬ流血=教皇も「平和への行動」訴え
★原因より「次」が大事="ひきこもり"映画の主人公 講演
東京・麹町教会=「七十二人の集い」の大会

 =キリスト新聞(10月31日)=https://www.kirishin.com
★「現代世界憲章」発布から半世紀=〝積極的平和〟へ憲法9条こそ=カトリック「正義と平和」全国集会東京大会
★堤防決壊から1カ月の常総市=クラッシュジャパンなど救援に
★「心の病」作り出していないか=日基教団埼玉地区アーモンドの会で石丸昌彦氏
★教派を超えて軽妙トーク=七人七様の牧師・神父像を披露
★教皇が一連のスキャンダルに公式謝罪

 =クリスチャン新聞(11月1日)=https://クリスチャン新聞.com
★元中国人「慰安婦」描いたドキュメンタリー映画製作=声なき人たちに光を=映画「太陽がほしい」監督 班忠義さん
★互いに知り合い安心ネットワークづくり=町田市内の教会で「防災フェスタ」
★日本聖化協力会30周年 第1回聖会講師オズワルド氏招き=供え物として捧げなさい=「聖化のリバイバルを目指して」テーマに記念大会
★キングス・ガーデン宮城創立20年=地域の人たちに寄り添う働きを
★ライフワークス社就終活セミナー「メメント・モリ」=死を通して与えられる力=就活の実践と意義を学ぶ

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