世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1309信(2016.02.22)

教皇がジカ熱流行地域では避妊を容認?
教皇搭乗機がメキシコ着陸時にレーザー照射
教皇フランシスコが1年間の死刑停止呼びかけ
比カトリック教会は同性婚反対姿勢のパッキャオ擁護
旧統一教会が韓国で3000組合同結婚式
「アラバマ物語」のハーパー・リーさん死去
≪メディア展望≫


◎教皇がジカ熱流行地域では避妊を容認?

 【CJC=東京】中南米で流行中のジカウイルス感染症(ジカ熱)に触れて、教皇フランシスコは、女性が感染防止のために避妊することは「場合によっては絶対的な悪ではない」という考えを示した。バチカン(ローマ教皇庁)が2月18日、明らかにした。

 教皇が12日からのメキシコ訪問を終え、ローマに戻る機中の記者会見で、中南米を中心に流行するジカウイルス感染症(ジカ熱)の感染予防のための避妊について問われ、許容されるケースもありうると示唆したもの。

 フランシスコ教皇はこの日、教皇パウロ6世(在位1963〜78)がアフリカで活動する修道女らに対して、レイプの危険がある場合の避妊薬使用を許可した例を挙げたが、ジカ熱がその特例にあたるかについては明言を避けた。前教皇ベネディクト16世は、エイズ対策のコンドームについても「配布は問題を悪化させる」と述べたことがある。

 蚊が媒介するジカ熱は、妊娠時の感染後に小頭症の新生児が生まれるケースがブラジルで相次ぎ、関連が疑われている。フランシスコ教皇は、「人工中絶は犯罪で、絶対的な悪」とカトリック教会の立場を堅持した。


◎教皇搭乗機がメキシコ着陸時にレーザー照射

 【CJC=東京】イタリアのアリタリア航空は2月17日、教皇フランシスコの搭乗機がメキシコの首都メキシコ市の空港への着陸態勢に入った際、乗員の1人が地上からレーザー光線が照射されるのを目撃したとする声明を発表した。近くにいた別の航空機の関係者もレーザー照射を見付けたとしている。米メディアCNNが報じた。

 レーザー光線が原因の負傷者はいなかったという。バチカン(ローマ教皇庁)は、レーザー照射の事件は後になって初めて知ったと発表した。

 アリタリア航空によると、教皇搭乗機の機長はレーザー照射を受け、メキシコ市のベニト・フアレス国際空港の管制塔に即時に連絡していた。今回のレーザー照射が無差別なものか、教皇搭乗機を狙ったものなのかは不明。


◎教皇フランシスコが1年間の死刑停止呼びかけ

 【CJC=東京】米メディアCNNによると、教皇フランシスコ2月21日、世界のカトリック教徒の統治者に、「慈しみの特別聖年」を尊重して1年間、死刑執行を停止するよう呼びかけた。

 教皇はバチカン(ローマ教皇庁)のサンピエトロ広場で行った説教の中で、「死刑の廃止に向けた国際的合意に達することができるよう、すべての統治者の良心に訴える」と語りかけ、「中でもカトリック教徒の統治者に、慈しみの特別聖年の間は死刑を執行しないという勇気ある模範的姿勢を示すよう提案する」と述べた。

 教皇は、罪の償いや「社会復帰への希望を開く司法制度」の可能性にも言及し、「『汝殺すなかれ』の戒律は絶対的な価値を有し、罪のない人にも罪を犯した人にも当てはまる」と指摘した。

 「慈しみの特別聖年」は、教皇が昨年12月8日に始まりを告げた。今年11月20日までの1年の間、慈しみと許しを訴えるもの。


◎比カトリック教会は同性婚反対姿勢のパッキャオ擁護

 【CJC=東京】AFP通信によると、フィリピンのプロボクサー、マニー・パッキャオが同性婚に反対する発言をしたことについて、同国カトリック教会は2月21日、パッキャオは聖書を引用しているだけだとして擁護する姿勢を示した。

 カトリックからプロテスタントに改宗したパッキャオは、同性愛カップルは「動物以下だ」と発言、同性愛者の権利団体や著名人らから非難され、高額のコマーシャル契約を打ち切られている。

 カトリック教会のジェローム・セシジャーノ広報担当司祭が現地ラジオ局DZMMに対し「彼の引用は本当に聖書の中にある。彼が使ったのは聖書の言葉であり、われわれにそれを変えることは出来ない」と語った。そして、聖書で読んだことをそのまま語ったパッキャオを非難するのは「フェアじゃない」と述べた、とAFP通信は報じている。

 しかし、パッキャオは同性愛者に敬意を払うべきで、彼らを勝手に判断したり非難したりすべきではなく、また今回の発言のような攻撃的な言葉を使うべきではない、と同司祭は語っており、さらに「教会としては人々のライフスタイルや指向を尊重しており、人々を非難するようなことはできない」と述べた。また、フィリピン国民の80%が信仰するカトリックの教会は今も同性婚の合法化には反対だとの立場を再度強調した。


◎旧統一教会が韓国で3000組合同結婚式

 【CJC=東京】ロイター通信が報じるところでは、韓国・加平(カピョン)で2月20日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の合同結婚式が行われ、62カ国から約3000組が参加した。韓国の本部責任者は、オンラインでも世界から1万2000組が参加したとしている。

 20日の式では、2012年に92歳で死去した教団創始者、文鮮明(ムン・ソンミョン)氏の夫人が司会を行い、会場の加平清心平和ワールドセンターには信者など2万2000人が集まった。会場で結ばれた3000組のうち1000組が新規の結婚、2000組は入信前に結婚しており、合同結婚式であらためて献身するため出席したという。

 合同結婚式は、文鮮明氏が1960年代初めに始めた。


◎「アラバマ物語」のハーパー・リーさん死去

 【CJC=東京】人種的偏見が根強く残っていた時代の米南部を取り上げた小説「アラバマ物語」の著者ハーパー・リーさんが2月19日、故郷の米アラバマ州モンロービルで死去した。89歳。葬儀は20日、同地の第1合同メソジスト教会で行われ、家族や友人ら少数が別れを惜しんだ。

 1961年出版の「アラバマ物語」(原題 To Kill a Mockingbird =物まね鳥を殺すこと)は、同年度のピューリッツァー賞を受賞、62年には全米で900万部を売り上げる大ベストセラーに。世界的にもベストセラーとなった。日本では暮らしの手帖社が、菊池重三郎訳で「アラバマ物語」として1984年刊行している。2015年には続編が米国で出版された。

 62年にはグレゴリー・ペック主演で映画化され、大ヒットを記録。同年度のアカデミー賞では作品賞を含む8部門の候補となった。そのうちグレゴリー・ペックが主演男優賞を受賞した他、脚色賞、美術賞(白黒部門)の部門で受賞している。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(2月21日)=https://www.cwjpn.com
★キューバで史上初の会談=教皇とロシア正教会総主教=「兄弟」の抱擁交わす
★教皇、メキシコを訪問=奇跡的画像「グアダルペの聖母」の前で祈る
★聖年に分かち合いを=教皇=一般謁見で「ヨベルの年」説明
★いつくしみを世界へ=教皇が"宣教者"派遣
★高山右近の列聖運動=シンボルマーク発表

 

 =キリスト新聞(2月20日)=https://www.kirishin.com
★信仰生活の実態に迫る=『キリスト教年鑑』2016年版=「新共同訳聖書を利用」6割
★相手の立場に立つ「温かい心」を=脳科学者・小泉英明氏が教会で講演
★日本聖公会、今年の総会でハンセン病問題の謝罪声明を計画
★教皇が「イスラム国」台頭で欧米諸国に苦言
★カトリックと東方正教会の融和実現か=教皇庁=12日に会談と発表

 

 =クリスチャン新聞(2月21日)=https://クリスチャン新聞.com
★バレンタインはフェア・トレード・チョコを=購買で児童労働搾取なくそう=「社会の中で聖書の価値観に従う」
★第3回東日本大震災神学研究会=日本ホーリネス教団の緊急支援活動とは=支援の連携プレー=教派超え
★外キ協第30回全国集会=和解の御心と務めこそ「福音の本質」
★第4回東日本大震災=国際神学シンポ開催=教会外からの視点念頭に宣教、支援などを考える


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