世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1312信(2016.03.14)

  • 3000年前の布製品をイスラエル南部で発見
  • 没後400年記念、シェークスピアの墓をレーダー調査
  • 聖人認定にかかる経費の管理強化へ教皇が勅令
  • 「福音における率直な問い」テーマに教皇ら四旬節黙想会
  • 教皇が7月にポーランド訪問、アウシュビッツへも
  • 世界福音同盟がソウルで国際会議
  • アジア祈祷日のテーマ「コリア=平和のきずなで結ばれた一致に向けて」
  • ≪メディア展望≫

◎3000年前の布製品をイスラエル南部で発見

 【CJC=東京】今から3000年も前、「旧約聖書」のダビデ王やソロモン王時代の布製品、革製品、種子などを、イスラエルのテルアビブ大学の発掘チームが、同国南部のティムナで古代の銅山跡から発掘した。米宗教専門RNS通信が報じた。

 現場はソロモン王の銅山として知られた場所。発掘は今年1月末から2月に掛けて行われた。

 発見された布製品はいずれもほぼ5×5センチ大のもので、天幕、縄、ひも、袋などの断片と見られる。

 これらの遺物が今日まで良好に保存されたのは、現場が極度の乾燥地だったからだ、と同大学のエレズ・ベン=ヨセフ氏は指摘する。布製品の色や装飾が多彩なことは、ヤコブの兄エサウの子孫とされるエドム人に関して「新たな重要情報」を伝えるもの、と言う。エドム人はイスラエルとしばしば交戦した。ティムナの銅山を開発したのもエドム人だ。

 豪華な衣装は、高度な技術を持ち、尊敬された職人を飾るものだった。その職人は、銅の溶鉱炉の管理者で、銅製錬という複雑な工程の責任者だった。

 発掘・分析チームのバネッサ・ワークマン氏は、「ヘブル語聖書」(旧約聖書)には衣装や染料に関する記述が青色、緑色、赤色、高位聖職者の服装、幕屋、リネン、毛織物など満載されている、と言う。

 ティムナでの発見は聖書記事の「一つの確認」だ、とワークマン氏。かつての砂漠の文化がいきいきと再現される、と言う。


◎没後400年記念、シェークスピアの墓をレーダー調査

 【CJC=東京】AFP通信によると、今年4月に没後400年を迎える英劇作家ウィリアム・シェークスピアの墓を、ドキュメンタリー映画の製作者らがレーダー探知機を用いて調査した。3月7日、英テレビ局チャンネル4と英紙デーリー・テレグラフが報じた。

 この調査は、研究者らがシェークスピアの人生や家族について理解を深め、まだ発見されていない、あるいはこれまでに確認されていない墓や棺の中の埋葬品を発見する助けになる可能性があると、テレグラフ紙は報じている。

 またチャンネル4によると、同教会は調査が完了したことを確認しており、調査結果は今春、同テレビ局のドキュメンタリー番組で明らかにされるという。


◎聖人認定にかかる経費の管理強化へ教皇が勅令

 【CJC=東京】ロイター通信によると、教皇フランシスコは、複雑でしばしば不透明とされてきた聖人認定にかかる経費の管理を、大幅に変革する勅令を発布した。

 勅令は21条から成り、信者や団体からの献金は預金口座に振り込まれて管理人によって運用されなければならないと規定。管理者は献金者の意図を「虚心坦懐に尊重」し、詳細な記録を取り、上司に提出しなければならないと述べた。

 新規定により、貧困地域出身の候補を支援する「連帯基金」の創設も準備されるという。


◎「福音における率直な問い」テーマに教皇ら四旬節黙想会

 【CJC=東京】教皇フランシスコとバチカンの高位聖職者らが参加して、ローマ郊外アリッチャの黙想の家『カーサ・ディヴィン・マエストロ』で、3月6日から11日まで、エルメス・ロンキ神父の指導のもと「福音における率直な問い」をテーマに四旬節の黙想会が行なわれた。

 黙想は午前と午後との2回あり、3月9日午後の部では、「姦通の女」のエピソードの1節、「イエスは、身を起こして言われた。『婦人よ、あの人たちはどこにいるのか。だれもあなたを罪に定めなかったのか』」(ヨハネによる福音書8・10)を取り上げ、ロンキ神父による講話が行われた。

 同神父は、他人の欠点を非難することを好む人は、過ちを犯した人に石を投げつけることで真理を救えると信じていると述べ、こうした考えが国家間や、教会内、職場に争いを生むことになると指摘、権力が人間の命や宗教を利用して「神と人間との対立」を煽る時、宗教的原理主義の悲劇が生まれると話した。

 神は偽善者や、他人を非難する者、裁く者に対して我慢できない方であり、キリスト教の素晴らしさはまさに「神と人間の抱擁」にある、と同神父は説いた。掟と厳格さだけがあるところには、神に仕える者はいても、神がいないと、神父は述べ、立ち上がり、人々の魂に近づき、罪びとと同じ立場に身を置くイエスの愛といつくしみを強調した。

 教皇は11日午前、黙想を終え、バチカン(ローマ教皇庁)に戻った。


◎教皇が7月にポーランド訪問、アウシュビッツへも

 【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)は3月12日、教皇フランシスコが7月27〜31日の日程でポーランドを訪問すると発表した。南部クラクフで開催されるカトリックの若者の祭典「世界青年の日」に出席するため。滞在中に南部オシフィエンチムにあるナチスのアウシュビッツ強制収容所跡なども訪れると見られる。

 アウシュビッツではユダヤ人ら少なくとも110万人が犠牲になったとされ、2006年には当時の教皇ベネディクト16世も訪問している。


◎世界福音同盟がソウルで国際会議

 【CJC=東京】世界福音同盟(WEA)が年次国際会議「国際リーダーシップ・フォーラム」(ILF)を韓国ソウルで2月29日から3月4日まで開催した。

 会議は「福音の同労者:主の教会を建て上げる」(フィリピの信徒への手紙4・4〜6)を主題に、世界40カ国からWEA指導部や各地域・各国の福音同盟など約90人が参加、今日のキリスト者が直面する課題について討議、声明「WEAから韓国・北朝鮮の全ての人々への親善メッセージ」を採択して閉幕した。


◎アジア祈祷日のテーマ「コリア=平和のきずなで結ばれた一致に向けて」

 【CJC=東京】アジア・キリスト教協議会(CCA=本部・香港)は3月9日、2016年のアジア祈祷日(5月8日)のテーマに「コリア=平和のきずなで結ばれた一致に向けて」を選んだ。新約聖書エフェソの信徒への手紙4・3「平和のきずなで結ばれて、霊による一致を保つように努めなさい」に基づくもの。

 アジア祈祷日は毎年、CCAの呼び掛けに応じて、アジア各国・地域の諸教会で実施されている。

 マシューズ・ジョージ・チュナカラ総幹事は、加盟教会と加盟協議会などに宛てたメッセージで、「ここ数カ月の出来事は、北と南の『コリア』が継続的な緊張の中での争いや政治的孤立がいかに鋭いものであるかを示している。現状は、分断された『コリア』半島の平和と和解、再統一のために働く新たな関与の根拠をなすもの」と述べている。

 総幹事は「『コリア』半島における平和を求める声は、今これまでになく緊急なものとなっている。『コリア』において平和を生み出すことは希望のしるしであり、癒やしと和解の象徴だ。私たちが『コリア』半島の人々とともに、またその人々のために祈るとき、諸教会とエキュメニカルな協力団体には、この地域に平和と和解を築くための自らの努力を集中させる明確な責任がある」と付け加えた。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(3月13日)=https://www.cwjpn.com
★「いつくしみの金曜日」=教皇 薬物依存回復施設へ=突然の訪問、一人一人と長時間過ごす
★新潟教区=全てのカトリック施設でチャプレン制導入へ
★バチカン外交官 紛争地で「命懸け」の働き=最悪の状況下でも任地にとどまる=国務省外務局長が語る
★汚れたお金は不要=教皇=一般謁見で"寄付"を語る
★溝部脩司教 逝去=仙台・高松両教区、列福運動、青年育成に貢献

 

 =キリスト新聞(3月12日)=https://www.kirishin.com
★宗教観めぐり縦横に対論=「大人の教養学部」で安田登氏ら文化人登壇
★オタク文化に宿る「聖性」とは?=日本女子大企画=ワークショップでひも解く宗教
★国家晩餐祈祷会開催に向けて=日本CBMC副理事長・青木仁志氏らが抱負語る
★幻見る人いなければ福音伝わらず=大阪ケズイック・コンベンションに3千人超
★中国がキリスト教へ抑圧強化=弁護士に「ざんげ」迫る

 

 =クリスチャン新聞(3月13日)=https://クリスチャン新聞.com
★移り行く被災地の人々=東日本大震災から5年
★主が教えた"実践"が災害に備えさせる=第4回東日本大震災国際神学シンポでW・シェンク氏講演
★J+Passion Tokyo歴代実行委員集い交流会=青年励ます集会もっと必要=15回数え振り返りとビジョン語り合う
★浦和福音自由教会「カップルズランチョン」で安藤理恵子氏 =「子どもは謝れる大人を尊敬する」=玉川聖学院年1回の後藤健二さんの授業にも触れ


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