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世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1320信(2016.05.09)

  • 「信教の自由」の抑圧が世界規模で強まる
  • 米の「宗教迫害国」認定に中国とインド反発
  • バチカン広報組織の再編にはなお時間
  • 教皇が『カール大帝賞』受賞
  • 米合同メソジストで教職ら15人ゲイ公然化
  • ニューヨークで『イスラム国』の残虐告発大会
  • ジャマイカで米国人宣教師2人の他殺体発見
  • 米反戦の闘士ベリガン神父死去
  • ≪メディア展望≫

◎「信教の自由」の抑圧が世界規模で強まる

 【CJC=東京】米『国際信教の自由委員会』(USCIRF)が、キリスト者、イスラム教徒、ユダヤ教徒などの「信教の自由」が脅やかされている状況を調査、「2015年報告書」として5月2日発表した。

 同委員会のロバート・ジョージ委員長は、記者会見で、「どう見ても、諸国の信教の自由は、昨年の報告書公表以来、改善に失敗したり、悪くなっており、下降傾向にある」と述べた。

 同委員会は、『国際信教の自由法』によって1998年創設された超党派の委員会で、世界規模での信教の自由に関し、国務省に助言する。

 「特に関心のある国」のリストには現在、中国、ビルマ(ミャンマー)、北朝鮮、イラン、サウジアラビア、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン、エリトリアが入っている。

 委員会は、国務省に中央アフリカ、ナイジェリア、イラク、ベトナム、エジプト、パキスタン、シリアも「特に関心のある国」に指定するよう求めている。


◎米の「宗教迫害国」認定に中国とインド反発

 【CJC=東京】米『国際信教の自由委員会』(USCIRF)が5月2日発表した「2015年報告書」で、中国で仏教徒、イスラム教徒、特にキリスト者への侵害が「過酷」としたことに、中国政府は正式に抗議した。

 中国外務省のホン・レイ報道官は「米側は自らの問題を深く反省すべきで他国のことをいつも引き合いに出すべきではない」と述べた。

 信教の自由侵害が増加していると指摘されたインドも反発している。

 対外関係省のヴィカス・スワルップ報道官は「米国の委員会がインドについて、その憲法、その社会を正しく理解することにまたも失敗している」として、「インドは強固な民主主義原則の上に築かれた活気のある複合社会だ。憲法は、信教の自由への権利を含む基本的な権利を保障している」と言う。


◎バチカン広報組織の再編にはなお時間

 【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)広報事務局長官のダリオ・ビガノ神父は、バチカンの広報機関再編が2018年までは完了しないだろう、と教皇庁立聖十字大学で講演した際、明らかにした。カトリック・ワールド・ニュースが4月29日報じた。

 広報事務局は2015年6月27日、バチカンの広報諸機関を再編、一括運用を目指して設立された。ビガノ神父が初代長官として任命された。

 バチカンの広報事業は、報道事務所、バチカン放送、テレビセンター、日刊紙ロッセルバトレ・ロマノなどがそれぞれ独自に行い、重複も生じ、公衆に語り掛けようとするバチカンに取っては「一つの災難」だったと同神父は指摘、改変は諸機関の合理化とメディア時代にマッチした運用の双方を目指している、と述べた。


◎教皇が『カール大帝賞』受賞

 【CJC=東京】教皇フランシスコが、ヨーロッパ統合に貢献した人物に与えられる『カール大帝賞』を受賞した。

 教皇は5月6日、バチカン(ローマ教皇庁)内で行われた授賞式で、「新しい欧州のヒューマニズムを夢見ている」と語った。授賞式には、アーヘンのマルセル・フィリップ市長、マルチン・シュルツ欧州議会議長、スペインのフエリペ国王、ドイツのアンゲラ・メルケル首相らも参列した。

 カール大帝賞(シャルルマーニュ賞)は、正式名称をアーヘン国際カール大帝賞と言う。1950年から独アーヘン市がヨーロッパ統合の理念に適う功績を挙げた人物に授賞している。最初の受賞者は、『国際汎ヨーロッパ連合』を創設したリヒャルト・クーデンホーフ=カレルギー氏。例年の授賞式はアーヘン市庁舎で、昇天祭の祝日に行われる。

 『カール大帝賞』は宗教関係者にも贈られている。1989年には『テゼ共同体』の創始者フレール・ロジェ、2004年には特別賞が教皇ヨハネ・パウロ2世、2009年に『聖エジディオ共同体』の創設者アンドレア・リッカルディが受賞している。


◎米合同メソジストで教職ら15人ゲイ公然化

 【CJC=東京】米合同メソジスト教会ニューヨーク地区会の教職、教職候補15人が連帯して、自らがレスビアン、ゲイ、両性愛者であることを公然化、同派会員に宛て公開書簡を発表した。

 教職や教職候補が集団としてゲイであることを公然化したのは同派で初めて。「教職として叙任されたか、または合同メソジスト教会に仕えるために任命された候補者として公然同性愛者が認証される」ことは同派の規則では違法行為となる可能性がある。

 同派総会はオレゴン州ポートランドで5月10日開催される。総会では、「同性愛は教義と相容れない」とする同派の立脚点の変更について議論が交わされると見られる。


◎ニューヨークで『イスラム国』の残虐告発大会

 【CJC=東京】シリア、イラク、ナイジェリアなどで『イスラム国』のキリスト者やヤジディ教徒に対する過激な脅迫が絶えない。それに対抗して組織された『#WeAreN2016』がニューヨークで4月28日から30日まで国際大会を開催した。

 大会では、『イスラム国』の残虐さを物語る報告が行われた。中でも拉致された娘が15歳になるまで性奴隷とされ、最後には殺害されたこと、『イスラム国』は遺体の一部を親元に送り付けたという事例が衝撃を呼んだ。

 専門メディア『レリジョン・ツデー』によると、娘の家にある日、届けられた袋の中に、バラバラにされた遺体の一部と、レイプや拷問の現場を撮影したビデオがあったと言う。

 キリスト者の家を襲撃した『イスラム国』兵士が税金を払うか家を立ち退きを要求、シャワーを浴びていた親子が逃げ出す前に家に放火、娘は逃げ出せなかった例も報告された。

 ヤジディ教徒のサミア・スレマンさん(15)は、6カ月間性奴隷として拘束されていたと語った。

 「純真な子どもたちや、無罪の人々がなぜ苦難に耐えなければならないのか。なぜ対策が何もとられていないのか。あの時から1年半もたったのに、わたしたちヤジディ教徒やキリスト者など少数派には今も恐ろしいことが行われている。『イスラム国』に対する国際社会の断固とした行動がまだ行われていない」と訴えている。


◎ジャマイカで米国人宣教師2人の他殺体発見

 【CJC=東京】カリブ海北部の島国ジャマイカで5月1日までに、キリスト教団体の活動に従事していた米国人男性2人が殺害されているのが発見された。容疑者や犯行動機などはなお不明。

 同国警察隊によると、4月30日午後、茂みの中からランディ・ヘンツェルさん(48)の遺体と乗っていたオートバイが見つかった。5月1日夕になって、捜索犬を含むチームがハロルド・ニコルスさん(53)の遺体を付近の茂みで発見した。

 2人は米ペンシルベニア州に本拠を置くキリスト教慈善団体『TEAMS・フォア・メディカル・ミッション』に所属し、2002年からジャマイカに滞在して医療や霊的支援を提供する活動に取り組んでいた。

 同団体の責任者によると、2人は30日朝、貧困地域の家族のために建てている家の建設現場を視察するため、オートバイで出発したまま、行方が分からなくなっていた。


◎米反戦の闘士ベリガン神父死去

 【CJC=東京】ベトナム戦争当時、米カトリック社会正義運動の先駆者として知られたダニエル・ベリガン神父(イエズス会)が4月30日、ニューヨークのフォーダム大学病院で死去した。94歳。

 1968年5月17日、カトリックの運動家9人がメリーランド州の徴兵委員会を訪れ、378通の徴兵書類を駐車場へ運び、手製のナパームを浴びせて火をつけ、「ケイトンズヴィル事件の9人」(ケイトンズヴィル・ナイン)と呼ばれたが、ベリガン神父はそのリーダー。

 事件は連邦裁判所で審理され、政府の所有物の破壊、選抜徴兵局の書類の破壊などで有罪判決を受けている。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(5月8日・休刊)=http://www.cwjpn.com

 

 =キリスト新聞(5月7日)=http://www.kirishin.com
★続く余震 募る不安=熊本、大分で震度7=学校、教会にも甚大な被害=互いに声掛け合い「今日一日」
★内田樹氏〝このままではダメになる〟=京都の宗教者が「戦後71年」で講演会
★戦争の正当化に与しないため=芦名定道氏が京大で講演
★同性愛めぐる世界聖公会の議論=リーズ大学のK・ワード准教授が解説
★カトリック司教協議会常任司教委=「武力によらない平和」呼び掛け

 

 =クリスチャン新聞(5月8日・休刊)=http://クリスチャン新聞.com

 
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