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世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1323信(2016.05.30)

  • 世界教会協議会と世界福音同盟が協力模索
  • バチカンと中国の対話続くとUCAN通信
  • 中国の馬英林司教が司祭9人を叙階
  • 教皇とイスラム教スンニ派最高指導者が会談
  • 米国との国交正常化に貢献したオルテガ枢機卿退任
  • 金正恩氏が「集団脱北」で対応指示か
  • 黒人教会の銃乱射は「ヘイトクライム」、と死刑求刑
  • マカオの聖オーガスチン教会で天井崩落
  • ≪メディア展望≫

◎世界教会協議会と世界福音同盟が協力模索

 【ジュネーブ=CJC】世界教会協議会(WCC)と世界福音同盟(WEA)代表が5月20日、ジュネーブ郊外のボセーのエキュメニカル研究所で会議を開き、今後の協力可能な領域を探った。

 総幹事2人も参加、「社会と教会」「エバンジェリカルとエキュメニカル運動」の現状について協議した。

 双方はそれぞれの計画を紹介、「諸宗教という状況の中での公の証しと平和建設」「神学的な検証、教育、形成」といあった領域で協力強化の可能性を検討した。

 両者の会議は2回目だが、総幹事2人が出席し、WEAとWCC双方の課題を共に協議したのは初めて。


◎バチカンと中国の対話続くとUCAN通信

 【CJC=東京】中国の習近平国家主席が4月22、23日の全国宗教工作会議で宗教管理の青写真を定めた数日後、バチカン(ローマ教皇庁)の代表団が再び北京を訪れ、中国側と非公式に会談したことが明らかになった。カトリック系UCAN通信が5月16日報じた。

 北京、香港、ローマからの情報をまとめると、今回の会議は4月25〜29日までの週に行われた。

 会議があったことを確認した匿名の情報提供者は、「前回1月の会談の後、これほど早く今回の会談が開かれたことは、注目に値する」と指摘した。

 バチカンが合意交渉を急がず、作業グループで困難な問題を一つ一つ検討する方法に改めた、と見る向きもある。

 バチカンの国務省長官ピエトロ・パロリン枢機卿は5月初め、イタリアの雑誌『サン・フランチェスコ』に、「中国とバチカンとの対話は長い道のりであり、これまでも浮き沈みを経てきたが、まだ終わっていない。だが神が望まれれば、成し遂げられるだろう」と語った。

 パロリン枢機卿は2009年まで、中国との交渉でバチカン側の責任者を務めていた。

 問題の一つは、教皇の許可を得ずに違法に叙階された8人の司教の赦免だとする情報もある。


◎中国の馬英林司教が司祭9人を叙階

 【CJC=東京】中国天主教(カトリック)司教団主席の馬英林(マ・インリン)司教が「世界祈祷日」に当たる5月24日、雲南省紅河の聖心教会で司祭9人を叙階した。同司教はバチカン(ローマ教皇庁)から司教叙階を認められていない。

 中国政府は2012年以来、バチカンの承認を得ていない司教の叙階を停止しているが、それ以前に叙階した司教の司祭叙階は認めている。


◎教皇とイスラム教スンニ派最高指導者が会談

 【CJC=東京】教皇フランシスコは、イスラム教スンニ派の最高権威機関『アズハル』の指導者アフメド・タイブ師と5月23日、バチカン(ローマ教皇庁)で会談した。教皇とタイブ師は、今回の会談が両宗教の理解と対話を深めるきっかけになることを願っている、とAFP通信が報じた。

 両者の会談は今回が初めて。教皇フランシスコの就任後、両宗教の関係が大きく改善されてきたことを象徴する出来事。

 バチカン筋によると、教皇はタイブ師と抱擁とキスを交わした後、会談の冒頭で「われわれの対面こそがメッセージになる」という短いコメントを出した。

 今回のバチカン訪問に当たりアズハル側は、双方が「平和会議」を開くことに合意したと発表。バチカン側はこの会議計画について直ちには確認しなかったが、報道担当者は約30分に及んだ会談が「非常に心のこもった」ものだったと述べている。

 バチカンのフェデリコ・ロンバルディ広報事務所長は、教皇とタイブ師は「主に世界の主要宗教の権威と信者らが直面している共通の課題に焦点を当てた」とし、この課題には世界平和に向けた協力、暴力行為やテロの拒絶、中東の紛争やテロを背景としたキリスト教徒をめぐる現状や保護などが話し合われたことを明らかにした。


◎米国との国交正常化に貢献したオルテガ枢機卿退任

 【CJC=東京】キューバ革命後のカトリック教会の立て直しに尽力し、最近では米国との国交正常化交渉の舞台裏で重要な役目を果たしたハバナ大司教ハイメ・オルテガ枢機卿(79)が5月22日、35年の司牧活動に終止符を打った。

 教皇の口添えで始まったキューバと米国の歴史的和解に向けた交渉が妥協点を見出だせずにいるなか、密使となって教皇の親書をラウル・カストロ議長とバラク・オバマ米大統領に直接手渡したのがオルテガ枢機卿。

 元ピアニストで、キューバ革命後に労働収容所に8カ月間入れられた経歴を持つオルテガ枢機卿は1981年、ハバナ大司教に、94年、枢機卿に就任後、カストロ政権と市民との橋渡し役として、キューバ国内の教会立て直しに大きな力を果たし、政府と国民両方が厚い信頼を寄せていた。

 1936年10月18日生まれの枢機卿は2011年、75歳を迎え、慣行に従い、大司教辞任を教皇に要請した。教皇の承認が4年以上も延ばされたのも、これまでの働きの重さの現れと言える。


◎金正恩氏が「集団脱北」で対応指示か

 【CJC=東京】韓国の北朝鮮情報サイト『デイリーNK』などによると、北朝鮮の金正恩党委員長は最近、北朝鮮レストラン従業員集団脱北事件と関連し「韓国に報復せよ」との指示を出したと伝えられている。

 北朝鮮保衛部は、集団脱北事件の責任を問われることをおそれ、金正恩氏に「中国のブローカーと結託した南朝鮮情報機関の誘引拉致劇だ」との報告を上げたとも伝えられた。

 金氏の指示に伴い、保衛部の要員が貿易関係者や親戚訪問者を装って中国に行き、脱北を支援する宣教師、人権活動家などの活動を探り、拘束することを企図しているという。

 4月30日、中国朝鮮族の牧師が殺害された。この牧師は、国境を流れる鴨緑江のほとりに教会を構え、長年に渡って脱北者の支援を行っており、保衛部からの脅迫を受けていた。中国当局は捜査に乗り出したものの、犯人逮捕には至っていない。

 現地では、保衛部が中国南部の地下組織に、牧師を殺させたという噂も流れている。


◎黒人教会の銃乱射は「ヘイトクライム」、と死刑求刑

 【CJC=東京】米サウスカロライナ州にあるアフリカ系(黒人)米国人の教会で2015年に起きた銃乱射事件で、9人を殺害した罪に問われている白人のディラン・ルーフ被告(22)に対し、米連邦検察が死刑を求刑する方針を固めたことが5月25日までに分かった。CNNなど各メディアが報じている。

 この事件では2015年7月、同州チャールストンの教会で聖書の研究をしていた信者らに対してルーフ被告が銃を乱射、同教会の牧師など9人が死亡した。

 連邦検察は、人種や宗教への偏見に根差す犯行だったとして、ルーフ被告を「ヘイトクライム」(憎悪犯罪)など33件の罪で起訴した。

 死刑求刑について、ロレッタ・リンチ司法長官は、「犯行の性質と被害状況を勘案して決めた」と語った。

 事件の翌日に拘束されたルーフ被告は、チャールストン警察や米連邦捜査局(FBI)の調べに対して容疑を認めていた。人種戦争を始めるつもりだったとも供述したという。


◎マカオの聖オーガスチン教会で天井崩落

 【CJC=東京】中国マカオの中心部にある聖オーガスチン教会で5月29日午後、天井の一部が約5メートル四方にわたって崩落した。

 マカオ政府系放送局TDMの速報によれば、天井が崩落した部分はメインホール脇の2階部分。通常は教会関係者が使用する部屋で、負傷者はいなかった。建物の老朽化が原因と見られる。

 同教会は1874年に大規模改修で現在の姿になった。レンガ造り、天井部分は木造。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(5月29日)=http://www.cwjpn.com
★教皇=聖年の特別謁見=信仰とあわれみはいつくしみの表現
★貧しい人を無視することは神をさげすむこと=教皇=一般謁見講話
★教皇=2018年にアイルランドへ=世界家庭大会に臨席のため
★教皇=「信教の自由」特に強調=仏カトリック紙インタビューで
★21世紀型教育へ=大阪のカトリック6校=世界で活躍できる人材の育成が目的

 

 =キリスト新聞(5月28日)=http://www.kirishin.com
★宗教の本質は「思いやり」=日本ルーテル神学校=デール記念講演で本人が初登壇
★〝宗教抜きに真の解決なし〟=日本宗教連盟70周年記念式典で杉谷義純氏
★〝「しんどい時」にも寄り添いたい〟=バプテスト連盟が「SEALDs」奥田愛基氏招く
★使い捨てにされている人々と共に=聖ヨセフの祝日に「メーデー集会」
★教皇が女性の役割再考=女子修道会総長たちの質問受け

 

 =クリスチャン新聞(5月29日)=http://クリスチャン新聞.com
★熊本震災1か月目の礼拝=回復の「時」を待つ
★来年の宗教改革500年を記念し「第7回日独教会協議会」開催=全世界が喜ぶディアコニア的教会
★東北被災地で「創立70周年記念信徒大会」=大きな教会でなく本物の教会を=日本キリスト改革派教会
★「富弘美術館」開館25年記念式典開催=世界に発信する美術館に
★「信教の自由」の抑圧=世界規模で強まる

 
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