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世界キリスト教情報 第1324信(2016.06.06)

  • 性的虐待見逃した司教の解任を教皇示唆
  • バチカンで聖スタニスラオと聖エリザベスの列聖式
  • 独ケルン大聖堂で故教皇の遺品盗まれる
  • 独議会が「アルメニア人大虐殺」を認定
  • 地中海で遭難死した移民は3日間で700人超す?
  • ロヒンギャ問題でミャンマーが委員会設置
  • 欽定訳『聖書』を絵文字で
  • ≪メディア展望≫

 

◎性的虐待見逃した司教の解任を教皇示唆

 【CJC=東京】教皇フランシスコが、性的虐待を報告しない司教について解任もありうると明らかにした。

 教皇は6月4日、児童や弱者の立場にある成人に対する性的虐待の事例を報告しなかった司教は解任の対象になる可能性があるとする考えを書簡で示した。

 教皇は、教会法に基づき、違反行為などの深刻な理由があった司教は排除出来ると説明した。その理由の最たるものは、性的虐待の報告をしなかったことを明らかにした。「未成年者や弱者の成人への虐待は、深刻な思いやりの欠如」ともしている。

 性的虐待の事例を報告しなかった司教らに対してはバチカン(ローマ教皇庁)当局者が解任出来る司法権を有していると指摘、該当司教らに辞任を促したり解任の裁定を公に出来るが、最終決定はあくまで教皇にあるとし、この決定を下す上で助言を求める法律専門家のパネルを設置したことを明らかにした。

 カトリック教会では過去に、聖職者らによる大規模な性的虐待問題が発覚したものの司教らの説明責任が不十分だとして批判を受けていた。虐待の被害者の家族らは、性的虐待を隠してきた司教の責任を追及するようバチカンに求めてきた。

 バチカンは昨年6月、性的虐待の隠蔽など「聖職乱用」の罪に問われた司教を裁く法廷を新設すると発表したが、今なお実現していない。バチカン内部の抗争を原因と見る向きもある。


◎バチカンで聖スタニスラオと聖エリザベスの列聖式

 【CJC=東京】教皇フランシスコは6月5日、バチカン(ローマ教皇庁)のサンピエトロで新聖人2人の列聖式を行った。広場は式典に参列する多くの信徒たちで一杯になった。

 列聖式で、新たに聖人の列に加えられたのは、『無原罪の聖母修道会』創立者イエス・マリアのスタニスラオ神父(ポーランド出身)と『ブリジッタ修道会』創立者のエリザベス・ヘッセルブラド修道女(スウェーデン出身)。

 バチカン放送(日本語電子版)によると、教皇フランシスコ司式による列聖式ミサは、枢機卿40人、司教30人が共同司式した。ポーランド・クラコフの大司教スタニスラオ・ジビッチ枢機卿やスエーデン・ストックホルムのアンデルス・アルボレリウス司教の姿もあった。

 ミサ中の説教で、教皇は信仰の核心でもある「苦しみと死に対する神の勝利」をテーマとして語った。

 「わたしたちはいつもどこでも、わたしたちの中にキリストの復活の力が示されるよう、わたしたちの主イエス・キリストのご受難に深く一致していなければなりません」「今日聖人の列に加えられた二人の新聖人たちも苦しみや苦難を前にして逃げさることなく聖母マリアのようにキリストの十字架に深く一致しました。そして彼らにおいてキリストの復活の力が完全に現れました」。

 聖エリザベス・ヘッセルブラドは1870年にスウェーデンのプロテスタントの家庭に誕生、18歳のとき米国に移住、そこで重い病気にかかったが奇跡的に回復した後、ニューヨークの貧しい病人たちの世話に献身し、次第にカトリック信仰に近づき、改宗。その後ローマに移り、聖ブリジッタのローマでの家を訪問した後、彼女自身が『ブリジッタ会』を創立。第二次世界大戦中には迫害に苦しむユダヤ人たちを保護し、最も貧しい人々への奉仕に身を捧げた。1957年ローマで死去した。

 イエス・マリアの聖スタニスラオは1631年ポーランドで生まれ30歳の時司祭に叙階。聖マリアの無原罪の教義の宣言の200年前に無原罪の聖母の名を戴く修道会を創立し、特に貧しい人々や疎外されている人々の信仰促進のために働いた。1701年に死去した。


◎独ケルン大聖堂で故教皇の遺品盗まれる

 【CJC=東京】共同通信によると、ドイツ西部ケルンの警察当局は6月5日、世界遺産のケルン大聖堂から故ヨハネ・パウロ2世の血痕が染みついた布が盗まれたと発表した。ヨハネ・パウロ2世の血痕が付いた遺品は世界に三つしかないとされている。

 ヨハネ・パウロ2世は2005年に死去。カトリック教会で最高の崇敬対象である「聖人」に列せられている。


◎独議会が「アルメニア人大虐殺」を認定

 【CJC=東京】ドイツ連邦議会は6月2日、1915年に起きたオスマン帝国によるアルメニア人の大量殺人を「大虐殺」と認定、政府がトルコ、アルメニア両国の和解に向け取り組むよう求める決議案を賛成多数で可決した。。

 決議を受けて、トルコは同日、フセイン・アヴニ・カルスルィオグル在ドイツ大使を召還した。この決議では、第一次世界大戦中にオスマン帝国と同盟関係にあり、当時150万人いたとみられるアルメニア人の大量虐殺を防止できなかったドイツ自体をも非難している。

 アルメニア人の大量迫害は20世紀初め、オスマン帝国が崩壊し、現在のトルコ共和国が成立する時期に起きた。

 米メディア『ハフィントン・ポスト』などによると、第1次世界大戦中の1915年4月、オスマン帝国の首都だったイスタンブールで、アルメニア人の知識人らが連行された。これを皮切りに「アルメニア人は敵国ロシアに内通している」として、オスマン帝国が強制移住などの措置をとり、大量の犠牲者が相次いだとされる。アルメニア人はキリスト者で、当時オスマン帝国内に多数居住していた。

 アルメニア側は「犠牲者は約150万人」と主張しているが、トルコ側は「30万〜50万人程度」で、戦時下の悲劇だとして組織的な虐殺はなかったと主張している。

 トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領は「このドイツ議会の決議は、2国間の関係に重大な影響を与えるだろう。在ドイツ大使の召還は、最初のステップでしかない」と語った。トルコ政府は、同日にベルリンから同国領事も召喚した模様。

 この事件を大虐殺として認定したドイツに対し、アルメニア人は歓迎している一方、ドイツとトルコ間に生じた政治的対立がシリア難民のような他のグループにどのような影響を及ぼすか注目される。


◎地中海で遭難死した移民は3日間で700人超す?

 【CJC=東京】5月25日から27日にかけてイタリア沖の地中海で遭難死した移民の数は700人に及んだ。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が29日明らかにしたと英BBCニュースが報じている。

 夏を前にリビアから地中海を越えて欧州入りを目指す移民の数が増えているが、船の転覆や沈没も相次いでいる。『国境なき医師団』(MSF)は、同じ期間の死者数が900人に上る可能性もあると指摘している。

 UNHCRのカルロッタ・サミ報道担当はBBCに、「遭難した船はどれも、ほんの数日の間にまとまって出港している。救助する側にとっては、ひどい負担だ」と強い懸念を示した。


◎ロヒンギャ問題でミャンマーが委員会設置

 【CJC=東京】ミャンマー政府は5月31日、仏教徒とイスラム教徒少数民族「ロヒンギャ」の対立が続く西部ラカイン州の治安改善に向け特別委員会を設置したと発表した。

 アウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相が委員長に就任した。

 ラカイン州では、隣国バングラデシュからの不法移民の流入が増大している。


◎欽定訳『聖書』を絵文字で

 【CJC=東京】地球上で「最も読まれている本」の一つとして挙げられる『聖書』。ユダヤ教、キリスト教の聖典で、「神は言われた。『光あれ。』こうして、光があった
」「だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい」など有名な聖句は数えきれない。

 その聖書を「絵文字」入りにする試みが、英語圏で始まった。「聖書の教義を楽しく広めたい」との目的で誕生したもので『バイブル・エモジ』という。ネット世界で重宝されている絵文字は英語でもエモジと言うようだ。権威のある訳で、著作権の心配がないとなると、英語ではまず『欽定訳』と呼ばれる『ジェイムズ王訳』(KJV)。その聖書を、絵文字とネットスラングに置き換えている。

 創世記の第1章第1節を便宜上、日本語の新共同訳で見ると、「初めに、神は天地を創造された。」とある。それは、頭に輪をのせた笑顔、光、地球の絵文字で構成されている。それぞれ神、天、地を表している。

 『バイブル・エモジ』は製作者の正体は秘密にされている。3000ページもあるが、米国では電子ブックとしてiTunes版が発売された。販価2・99ドル(約330円)。Android版も検討されているという。公式サイトで、聖書の1節を入力すると、絵文字に自動翻訳してくれるシステムも公開されている。

 著作権問題がないからと言って、欽定訳は古すぎて若い人のために作成するなら『世界英語聖書』(WEB)の方が良いという意見もあるようだ。また文字で完結している聖書本文を絵文字で表現することへの疑問も出て来よう。日本語の『絵文字聖書』の登場は何時のことか。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(6月5日)=http://www.cwjpn.com
★数百万人の苦難 緩和を=教皇=「世界人道サミット」参加者に促す
★教皇フランシスコ=イスラム大学指導者と会談=対話再開への「メッセージ」
★ヘイト・スピーチ解消法成立=人種差別撤廃への第一歩=見過ごせない問題点も=日本カトリック難民移住移動者委員会=「実効性見守り、修正求める」
★「愛国」と政教分離=東京で学習会
★秘密、全て公開済み=バチカン=「ファティマ」で声明

 

 =キリスト新聞(6月4日)=http://www.kirishin.com
★〝宗教家〟招き葬儀を語る=市民団体が東京・三鷹で勉強会
★伊方原発3号機の再稼働に反対=カトリック正平協
★カトリック正平協が要請書=G7開催にあたり死刑廃止求める
★〝伊勢神宮を参拝しないで〟=「牧師の会」や同盟教団が要請
★〝平和の構築は一人ひとりの役目〟=教皇ヨハネ・パウロ2世の来日35年記念会

 

 =クリスチャン新聞(6月5日)=http://クリスチャン新聞.com
★社会責任を伴う福音宣教=ローザンヌ運動の実を次世代へ
★市のイベントに参加=教会の庭を開放=花を見学しに教会へ続々=北本福音キリスト教会オープンガーデン
★佐賀で原発問題に取り組む野中宏樹牧師が講演=川内原発にも警戒=「放射能といのちは共存できない」
★牧師の会ら=G7伊勢参拝中止を要請
★Shine Japan2016=様々な宣教方法を日本で=英・米・豪・スイス・シンガポールから80人

 
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