世界キリスト教情報

世界キリスト教情報

世界キリスト教情報 第1326信(2016.06.20)

  • 「全正教会会議」始まる、ロシアは欠席
  • 全世界正教会会議に響くは不協和音
  • 上海の馬司教が愛国会離脱を公開自己批判
  • 「マグダラの聖マリア」記念日を祝日に
  • メキシコ村落部で宗教間の抗争激化
  • ≪メディア展望≫

 

◎「全正教会会議」始まる、ロシアは欠席

 【CJC=東京】ギリシャのクレタ島で6月19日、コンスタンチノープルのエキュメニカル総主教バルトロメオス1世が招集した「全正教会会議」が始まった。正教会の代表が一堂に会する会議を開くのは約1200年ぶりになるはずだったが、直前になって、最大勢力であるロシア正教会など4教会が欠席を表明、正教会の連帯を示すどころか、不協和音が響くばかりの事態になっている。

 ロシア正教会の欠席は、一部の教会が会議で承認する文書の内容に反発して調整がつかなかったため、としているが、会議の主導権をコンスタンチノープル総主教に握られたことへの不満が背景にあると見られる。

 11世紀に、コンスタンチノープル総主教と当時の教皇が相互に破門して以来、東方正教会とたもとを分かったカトリック教会は、今回会議に使節を派遣している。


◎全世界正教会会議に響くは不協和音

 【CJC=東京】ギリシャのクレタ島で6月19日から開催された全世界正教会会議で響く不協和音は、混迷の度を深める欧州で調和への期待をかき消すばかり。

 ロシア正教会は13日、「アンティオキア、ジョージア(グルジア)、セルビア、ブルガリアなどの総主教庁が取っている立場を考慮し、また全世界正教会会議を開催するために必要な根拠を考慮」した結果だとして、「全世界正教会会議の日程延期の必要性を主張する」としたまま、クレタ島への代表派遣を見送った。

 世界規模の正教会会議開催を目指しながら、最大規模のロシア正教会の参加なしでは、成果のほども当初の期待には全くそぐわないものになることは必至。


◎上海の馬司教が愛国会離脱を公開自己批判

 【CJC=東京】中国天主教会(カトリック)上海教区のタデウス馬達欽(マー・ターチン)補佐司教は、2012年司教叙階に際して政府公認の天主教愛国会の役職を辞任したが、その決定を公開自己批判した、とカトリック通信UCANが6月14日報じた。

 馬司教の離脱表明を受けた政府公認の中国天主教司教協議会は、同司教を上海教区の「協働司教」として任命した人事を撤回、それ以来、馬司教は軟禁状況にあった。

 今回の自己批判公表の背景は明らかではないが、非公認教会の信徒に与える影響が注目される。


◎「マグダラの聖マリア」記念日を祝日に

 【CJC=東京】米カトリック通信CNSによると、教皇フランシスコはマグダラの聖マリアがキリストの復活の最初の証人だったことと「真に信頼すべき福音宣教者」だったことを認定し、7月22日の記念日を今年から全教会の典礼暦の祝日に格上げした、とバチカン(ローマ教皇庁)が発表した。

 典礼秘跡省次官のアーサー・ロシュ大司教はバチカン紙『ロッセルバトレ・ロマノ』の記事で、「復活の喜びの中心的メッセージを伝える福音宣教者」としてのマグダラの聖マリアの祝日を記念することによって、全信者には「女性の尊厳と新しい福音化、神のいつくしみの神秘の偉大さをより深く省みる」ことが求められる、と指摘した。


◎メキシコ村落部で宗教間の抗争激化

 【CJC=東京】米宣教専門ANS通信は、メキシコの村落部で、伝統的に行われている「村の教会」から抜けてプロテスタントに改宗した人に、元に戻るか、村から出て行くかという圧力が加えられている、と報じた。「村の教会」は在来宗教と導入されたカトリックが混交して形成された独特のキリスト教。

 南東部チアパス州マリアノ・マタモロスでは、村の祭りに加わらなかったことを理由に、プロテスタントの村民100人以上に村から出て行け、と圧力を加えている。信仰抑圧監視団体『ワールド・ウオッチ・モニター』(WWM)の関係者は、同地では2009年に幼児1人を墓地に埋葬しようとした際に、「伝統カトリック教会」から離脱したとして、埋葬を拒否され、隣町まで遺体を運ばなければならなかった。それ以来、抗争が激化している。

 「カトリック」以外の家族への圧力は頻発している。上下水道は遮断され、財産を不法に没収されたり、肉体的な暴力も行われ、医者にもかかれないなど、普通の生活を送れなくなっている。村当局は、プロテスタントと売買した人には罰金5000ペソ(約3万円)を科すとしている。

 事態を憂慮したチアパスの福音教会協議会は4月18日、関係住民、村当局、州政府との会談開催を呼び掛けた。同様の抗争は、メキシコの村落部で急速に拡大している。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(6月19日)=https://www.cwjpn.com
★教皇=自発教令を発表=司教解任は可能と再確認
★国際枢機卿評議会=バチカン各省庁の権限分散を議論
★マグダラの聖マリア記念日を祝日に格上げ
★カトリック学校フェア2016=聖心女子大学(東京)で開催
★改憲阻止訴える=諸宗教者、信者ら全国集会=東京・築地本願寺

 

 =キリスト新聞(6月18日)=https://www.kirishin.com
★「お役にたっていますか?」=代官山・本多記念教会=〝まち〟をつなぐ鼎談=地域の課題解決へ向け共に
★元海兵隊員による沖縄女性遺体遺棄=バプ連や矯風会などが相次いで抗議
★〝回心なしに、伝道なし〟=更新伝道会集会で近藤勝彦氏講演
★ハンセン病問題で聖公会が謝罪=「らい予防法」廃止20年、啓発活動を約束
★動画サイトに新番組「三宗教相談所」=5月14日はリアルタイムで65万人視聴

 

 =クリスチャン新聞(6月19日)=https://クリスチャン新聞.com
★ゴスペル落語会東京進出=礼拝堂が「寄席」に 伝統芸能で福音伝え
★中野晃一氏講演「安倍政権の現状と私たちの課題」=〝愛国〟が富と権力集中の「隠れ蓑」に
★「PMPM@NAGOYA3」で大嶋重徳氏講演=神の国建設の使命に生きるからこそ政治のこと見過ごせない
★ねりま九条の会」で平良修氏講演=「問題の根源は日米安保条約と『本土』日本人の沖縄観」
★みことばのメッセージ、クリスチャン音楽=聴きたい時間に聴きたいだけ=聖書放送、聖書学院、チャット展開=BBN聖書放送


 ◆世界キリスト教情報◆ご案内

☆ニュースレター(PDF)・メールマガジン(整形テキスト)・同報メール(無整形テキスト)などのお申し込み・お問い合わせは
ckoriyama★gmail.com までご連絡ください。活動自体のご案内もいたします。アドレスの★印は半角の@に置き換えてください。
☆既刊号は下の各サイトでご覧いただけます。
・ニュースレター=PDF
https://www.evernote.com/pub/cjcpress/skjweekly/
・メールマガジン
https://blog.livedoor.jp/skjweekly/
・同報メール
https://cjcskj.exblog.jp/
☆記事検索は『教会と神学』(小原克博氏制作)をご利用ください
https://www.kohara.ac/church/
........................
☆CJC通信(メディア向けですが、どなたでもお読みいただけます)
https://blog.livedoor.jp/cjcpress/
☆CJC通信速報(Twitterを利用しています)
https://twitter.com/cjcpress/
☆RSSご利用の際は
https://blog.livedoor.jp/cjcpress/index.rdf

月別の記事一覧