世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1335信(2016.08.22)

  • 米ルーテル教会がカトリックとの合意認める宣言採択
  • 独カトリック司教協議会がルターを「信仰の教師」と呼ぶ
  • 教皇がオランド仏大統領と会見、教会保護で連携確認
  • イタリアで司教がポケモンGO批判
  • 人権抑圧地域にドローンで聖書落とす計画
  • 「世界最悪」のキリスト画修復がオペラに
  • ≪メディア展望≫

 

◎米ルーテル教会がカトリックとの合意認める宣言採択

 【CJC】マルチン・ルターがいわゆる95カ条の提題をウィッテンベルグ城の教会の扉に貼り付けてから約500年、米最大の福音ルーテル教会(ELCA)が、カトリック教会との間に「もはや教会を分裂させる問題はない」ことを認める宣言を8月10日採択した。RNS通信が報じた。

 「途上の宣言」と題されたもので、ニューオーリンズのアーネスト・N・コンベンションセンターで開催された「2016米福音ルーテル教会全教会大会」の席上、931対9の大差で承認された。

 エリザベス・A・イートン総裁監督は宣言を「歴史的」なものとして、「わたしたちはまだ到達はしていないものの、一致への途上にあるのは事実。宣言はカトリックのパートナーとキリストにあってこれまで以上に十分に結び付いていることを認める助けになっており、さらに全てのキリスト者との一致を目指すわたしたちの関わりを強めることに役立っている」と語った。

 宣言は、いわゆる「宗教改革」500周年記念年に向けて準備を進めている中で出されたもの。


◎独カトリック司教協議会がルターを「信仰の教師」と呼ぶ

 【CJC】独カトリック司教協議会がマルチン・ルターを「信仰の教師」と呼ぶレポートを発表した。

 「エキュメニカルな展望における宗教改革」と題する文書は200ページを超している。プロテスタント宗教改革がカトリック側には、否定的、軽蔑的な光の中で捉えられることが多すぎる、と論議を提起している。マグデブルグのゲルハルト・ファイゲ司教(エキュメニカル委員会議長)が発表したもので、ルターをその「悔い改めと改宗における革新に対する関心」を理由に称賛している。

 文書は、カトリックとプロテスタントの間のより密接な結びつきを歓迎、特に1980年と99年に発表された、義認問題に関する共同声明を取り上げている。

 教義上の違いはなおあるが、「もはや教会を分裂させる効果はありえない」と言う。


◎教皇がオランド仏大統領と会見、教会保護で連携確認

 【CJC】各地でイスラム過激派の影響を受けたと見られるテロが相次ぐ中、フランスのフランソワ・オランド大統領は8月17日午後、バチカン(ローマ教皇庁)を訪れ、教皇フランシスコと会談した。

 今回の同大統領訪問は、私的な性格のもので、教皇は大統領とパウロ6世ホールで約40分間、個人会談を行った。双方は教会や信者の安全確保について協議、連携を確認した。

 フランスでは7月、85人が犠牲となった南部ニースのトラック暴走テロや、司祭が殺害された北部ルーアン近郊のカトリック教会襲撃の惨事が続いた。オランド大統領は会談で、フランス国民に対する教皇の連帯姿勢に謝意を示した、とイタリアのANSA通信は報じている。

 教皇は、イスラム過激派によるテロを非難する一方で、「一部の原理主義者の蛮行」と強調。イスラム教徒とカトリック教徒が互いに憎悪を募らせるのではなく、「平和的に共存」することが必要だと訴えた。

 教皇との会見に先立ち、オランド大統領は報道関係者の質問に答える中で、最近フランスで相次ぎ起きた、ルーアン近郊の教会での司祭殺害と、ニースでのトラックテロ事件に言及した。

 「これらの恐ろしい試練において、教皇の言葉は大きな慰めとなり、フランスの教会指導者らの言葉もフランスの一致を思い起こさせることに貢献した」と、大統領は感謝を述べた。


◎イタリアで司教がポケモンGO批判

 【CJC】AFP=時事通信によると、イタリア・シチリア島南部ノートのアントニオ・スタグリアーノ司教が、スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」を「悪魔的」なゲームと呼び、ゲームをプレイする大勢の人々を「歩くしかばね」にしていると批判した。現地紙が8月18日、伝えた。

 スタグリアーノ司教は、「ポケモンGO」の禁止を求めて訴訟を起こす用意があると語ったと言う。

 同司教は数日前にも「ポケモンGO」を批判、その際は「ナチズムに近い全体主義システム」だと宣告、モンスター探しに夢中にさせることで「非常に大勢の若者たちを疎外化した」と語っていた。

 スタグリアーノ司教は、ミサ中に人気歌手のノエミやマルコ・メンゴーニらのヒット曲を演奏したりすることで有名。


◎人権抑圧地域にドローンで聖書落とす計画

 【CJC】スウェーデン・ウプサラの『リーヴェッツ・オード(いのちの言葉)』教会が、封鎖された地域に住む、人権を否定されている人々に、高度上空を飛ぶドローンからカプセル大の超小型聖書を届けようという計画を発表した

 同教会のミッション・ディレクター(宣教部長)クリスチャン・オーケリエルム氏は、報道キャスターに「わたしたちの願いは、その人たちに希望とキリストの愛を伝えること」と語っている。

 同教会は、まずイラクにカプセル薬ほどの電子聖書数千個を送る計画。電池込みなので、電気のない所でも使用可能という。

 同教会は、スウェーデンの福音派では有力で、米国のペンテコステ運動と密接な関係にあるという。

 パレスチナ自治区の西岸地区でのイスラエルによる不法入植を資金面で助成しており、「カルト」と批判されている、と英メディア『メール』は報じた。

 聖書空輸計画は、同教会としては、新たな挑戦とは捉えていない、と言う。1980年代には、当時のソ連に聖書を秘密裏に持ち込んでもいる。


◎「世界最悪」のキリスト画修復がオペラに

 【CJC】スペインの北東部の小さな町ボルハで、夫に先立たれた老婦人が教会のイエス・キリストのフレスコ画を修復した結果、あまりにひどい出来上がりに世界的な笑いの種になる出来事が、2012年2月にあった。

 「修復」された絵画は、漫画風な目で描かれた顔色の悪いサルのようで、口はゆがんだ染みのようだった。

 この出来事から数年がたち、修復したセシリア・ヒメネスさん(85)に対する評判は一転した。修復されたキリストのフレスコ画を一目見ようと、教会には人々が押し寄せ、修復画がプリントされたマグカップやTシャツが販売されている。そして8月20日に、この出来事から着想を得て作られた歌劇が上演されることが決まった、とAFP通信が報じている。

 歌劇を書いた米国の脚本家アンドリュー・フラック氏は「バッハやグレゴリオ聖歌などの音楽と、レディー・ガガやフランク・シナトラ風の楽曲を合わせたハイブリッドだ」と、話している。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(8月21日)=https://www.cwjpn.com
★長崎「平和祈願祭」=いつくしみを伝えるために
★パキスタンの教会=病院での自爆テロ非難
★香港の枢機卿=使徒座非難 退ける=対中交渉は「互いの利益」目指す
★性暴力、対応が課題=全教区参加で「集い」開催
★群馬地区=ハンセン病問題考える=療養所内で平和旬間行事

 

 =キリスト新聞(8月20日)=https://www.kirishin.com
★中国 政治不信の時代こそ=香港紙「時代論壇」編集長インタビュー=意見交わせるプラットホーム
★未信者の葬儀は遺族に慰め語る=「葬儀から日本宣教」シンポに清野勝男子氏
★日基教団と在日大韓教会がメッセージ=共生社会構築の道を模索
★「教団」の将来へと向かう集い=「日本伝道のために祈る会」
★イエスに信頼し、世界を変えよう=教皇ポーランド訪問、「世界青年の日」出席

 

 =クリスチャン新聞(8月21日・休刊)=https://クリスチャン新聞.com


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