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世界キリスト教情報 第1338信(2016.09.12)

  • バチカン高官発言に中国・台湾双方が即座に反応
  • 訪伊の陳副総統がアッシジで「台湾と中国大陸の平和」祈る
  • 中国カトリック教会の司教任命に政府の介入厳しく
  • 教皇が列聖式後にバチカンで路上生活者にピザ
  • 前教皇ベネディクト16世が「ゲイロビー」の存在認める
  • ドイツ保守政党がキリスト教重視の移民政策打ち出す
  • 韓国の牧師が教える少子化対策にネットに批判集まる
  • ロシアの教会で『ポケモンGO』をプレイすると懲役5年も
  • ≪メディア展望≫

 

◎バチカン高官発言に中国・台湾双方が即座に反応

 【CJC】バチカン(ローマ教皇庁)の使節が北京を訪問、国交回復を目指し交渉しているとの情報が流れるにつれ、司教任命権、いわゆる「地下教会」の抑圧と政府の教会統制の行方に関心が高まった。北京側は、台湾(中華民国)との外交関係断絶を絶対条件としているという。

 ピエトロ・パロリン国務長官(枢機卿)が8月24日、楽観的な調子で 進行中の聖座(バチカン)と北京政府との会談に関して
半世紀にもわたる「外交的沈黙」に終止符をうつ「聖座と中国との関係の『新時代』は、孔子の地のカトリック者だけでなく国全体のためのもの」と述べた。

 北京側も対話が有効なものだと言う点には同意している。一方、台湾側はあくまで中国とバチカンとの関係に関するもの、と強調している。

 中国は、バチカンとの外交関係を1951年断絶した。台湾との関係断絶を要求するのは、「一つの中国政策」からすれば当然のことでもあろう。

 「中国は、バチカンとの関係改善については常に誠実に対応しており、この目的に向かって絶えず努力をしてきた」と
華春瑩外務省報道官は9月2日の定例記者会見で述べている。

 パロリン長官が中国について言及したのは、バチカンと中国が協定への準備が整ったことをロイター通信が7月に明らかにして以来、2度目。

 香港のヨハネ・湯漢枢機卿も、双方が早期に結論に達する、とコメントしている。


◎訪伊の陳副総統がアッシジで「台湾と中国大陸の平和」祈る

 【CJC】台湾(中華民国)の陳建仁副総統は9月6日、修道会フランシスコ会の創設者、聖フランシスコ生誕の地として知られるアッシジを訪れ、世界と「両岸」(台湾と中国大陸)の平和のために祈った。台湾の通信社『中央社』が報じた。

 陳副総統は4日にバチカン(ローマ教皇庁)で行われた故マザー・テレサの列聖式出席のため、蔡英文総統の特使として派遣された。陳氏はカトリック信者で、洗礼名は現教皇と同じフランシスコ。この名はともに聖フランシスコから取られている。

 「両岸」の関係は、北京政府が受け入れを迫る「一つの中国」の原則を認めない蔡政権の発足以来冷え込んでいる。一方でバチカンと北京政府の関係は歩み寄りが伝えられており、バチカンが中華民国(台湾)との国交を断絶するのではないかとの懸念も高まっている。バチカンと北京政府は1951年に断交している。

 陳氏は4日、バチカン国務長官のピエトロ・パロリン枢機卿と会談した。中華民国外交部によると、パロリン氏は中国大陸との対話は布教などのために必要だと説明したという。外交部高官は6日、バチカンと「大陸」は「政治上のいかなる問題にも触れていない」との認識を示した。


◎中国カトリック教会の司教任命に政府の介入厳しく

 【CJC】中国浙江省のカトリック教会温州教区のヴィンセント・ズー・ウェイファン司教が8月7日、死去した。89歳。同司教は20年以上、強制収容所に拘禁されていた。

 同司教は、バチカン(ローマ教皇庁)と中国政府双方の同意を得て着任していたが、「継承権」を保持しているペテロ・シャオ・ジュミン協働司教の着任に、バチカンは同意していたが、中国側は認めておらず、警察が9月初め中国北西部への「旅行」に行かせたという。

 また教区書記のパウロ・ジアン・スニアン神父も警察によって雲南省に送られ、別の司祭はホテルに軟禁されている、とカトリック専門『アジア・ニュース』は報じた。

 7月30日には福建省寧徳のヴィンセント・フアン・ショウチェン司教(地下教会)が死去したが、後任司教をめぐり、バチカンと中国共産党との抗争が表面化している。


◎教皇が列聖式後にバチカンで路上生活者にピザ

 【CJC】教皇フランシスコ9月4日、故マザー・テレサの列聖式を執り行った後、路上生活者約1500人を昼食へバチカン(ローマ教皇庁)に招待し、ナポリのピザ職人たちがつくった焼きたてのピザを振る舞った。

 教皇は「貧しい人のための教会」を掲げ、バチカンに路上生活者用のシャワーを設置したり、中東やアフリカなどから欧州に逃れてくる難民や移民への支援を訴えたりするなど、社会的弱者に寄り添う姿勢を示している。


◎前教皇ベネディクト16世が「ゲイロビー」の存在認める

 【CJC】バチカン(ローマ教皇庁)には本当に「ゲイロビー」が存在する......。そのような告白が、
前教皇ベネディクト16世のインタビューを基にした書籍『最後の対話』に含まれている、とロシアのニュースメディア『SPUTNIK』が報じた。同書の抜粋がフランスのBFMTVに公開されている、という。

 ただ「ゲイロビー」のメンバーは5人を超えないという。
同書にはまた、前教皇が退位を決意した理由が明かされており、同性愛者司祭が加わったスキャンダルや、原理主義的なグループとの絶えない衝突にあまりに多くの力を奪われていたことが挙げられているという。


◎ドイツ保守政党がキリスト教重視の移民政策打ち出す

 【CJC】ドイツ南部バイエルン州を支持基盤とする保守政党『キリスト教社会同盟』(CSU)が、移民政策を厳格化して欧州の「西洋キリスト教文化圏」からの移民を有利にする政策を打ち出している。AFP通信が報じた。CSUはアンゲラ・メルケル首相が党首を務めるキリスト教民主同盟(CDU)の姉妹政党。

 CSUは、党の政策文書のなかで、イスラム教徒の女性が着用する顔を覆うベールの禁止、二重国籍の廃止、新着移民に対する地域社会との融合とドイツ語学習の義務付け、亡命希望者受け入れの上限を年間20万人とすることなどを求める方針を示した。

 CSUは、欧州連合(EU)最大の経済大国として昨年1年間に亡命希望者100万人を受け入れたメルケル首相の進歩的な姿勢を痛烈に批判してきた。

 ドイツ北東部メクレンブルク・フォアポンメルン州で4日に投開票された州議会選挙では、反移民を掲げる右派ポピュリスト政党『ドイツのための選択肢』(AfD)が得票率でメルケル首相のCDUを上回った。長期にわたって高い水準にあったメルケル首相の支持率は、寛容な移民対応をめぐって急落している。

 メクレンブルク・フォアポンメルン州での選挙結果を受け、メルケル首相は7日、AfDの反イスラムの主張に抵抗するよう全政党に呼び掛けた。それにもかかわらず、カトリック教徒が多いバイエルン州を基盤とするCSUは、政策文書のなかで「ドイツはドイツのままであるべきだ」「移民や難民を大量に受け入れて国が変化することに反対する」などとしている。


◎韓国の牧師が教える少子化対策にネットに批判集まる

 【CJC】中国専門サイト『レコード・チャイナ』は9月6日、韓国紙『京郷新聞』によるとして、で女性信徒に対するセクハラ疑惑が持たれているチョン・ビョンウク『弘大新教会』牧師が、「若者を貧困にすれば子どもをたくさん産む」という趣旨の説教をしたことが分かって、同国のネットで物議を醸している、と伝えた。

 4日にソウルの同教会で開かれた礼拝で、チョン牧師は「計算すると心は悪になる」というテーマで説教した。「出エジプト記」1章12節とパロ王の事例を引用し、「皆さんは忘れてはいけない。誰かを殺したい時は親切にすれば死ぬ。虐待すればより繁栄する」と述べた。その上で、「貧しい村の人々はたくさん子どもを産む。今の韓国の若者に子どもをたくさん産ませる方法は、逼迫(ひっぱく)・虐待・貧困に直面させれば、子どもが湧いて出てくるだろう」と強調した。

 韓国のネットユーザーからの批判的なコメントは、「宗教人の人間性がこんなにも低レベルだなんて、ぞっとする」
「牧師の口、いや、人の口から出た言葉とは思えない」「神の顔に泥を塗る行為。すぐに牧師を辞めるべき」
「そんな説教をするなんて......今の20代は大学を卒業しても就職できない。若者の実情を知ってから話をしてほしい」「チョン牧師の言葉を真剣に聞く人がいるということが情けない」など。


◎ロシアの教会で『ポケモンGO』をプレイすると懲役5年も

 【CJC】ロシアでも『ポケモンGO』は人気で、ネットの『ユーチューブ』も盛り上がっている。「ユーチューバー」と呼ばれるほどに熱心なルスラン・ソコロフスキーさん(21)が、連邦中央部エカテリンブルクの『全ロシアに輝ける諸聖人の名による血の上の大聖堂』で『ポケモンGO』をプレイし、ポケモンを捕まえた動画を8月11日に公開した。約1カ月で99万回以上再生された。英紙『ガーディアン』が報じた。

 動画が公開されると、現地警察がルスランさんの調査を開始、9月3日にはルスランさんが憎悪をあおり、宗教感情を害したとして起訴、2カ月間勾留すると発表された。裁判で有罪となると、ルスランさんには懲役5年が求刑される可能性がある。

 ロシアでは『ポケモンGO』が「悪」とされており、モスクワ市は代替アプリとしてロシアの偉人を捕まえて一緒に写真を撮ることができるアプリを配信しているという。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(9月11日)=http://www.cwjpn.com
★コルカタのテレサ列聖=優しく豊かな聖性=教皇、勇気と愛をたたえる
★教皇=罪の大小は無関係=一般謁見=主のいつくしみ語る
★四つの評議会 統合=教皇庁の再編進む
★岩手・大船渡教会=拡張した聖堂祝福=震災後、在籍信徒2倍に

 

 =キリスト新聞(9月10日)=http://www.kirishin.com
★「二度と戦争しないで」=現代ぷろ=三浦綾子原作『母』映画化
★「平和を作り出す人」として生きる=安海和宣氏がインドネシアと米国での体験語る
★決断する信仰に立つ告白する教会=日基教団埼玉地区8・15集会に朝岡勝氏
★差別に〝慣らされた〟過去を回顧=宋富子氏「ヘイト」克服テーマで講演
★バチカンに「信徒・家庭・生命省」新設=教皇庁信徒評議会と家庭評議会は廃止

 

 =クリスチャン新聞(9月11日)=http://クリスチャン新聞.com
★日本伝道会議目前=JCE5以後の主要報道を本紙HPで期間限定公開=道筋たどり未来見据える
★「くまもとスマイル」で各種イベント開催=熊本で夏休み共に=九キ災=地域と連携奉仕
★熊本地震支援報告会=熊本地区信徒宅被害大=大分地区4教会建て替え必要=「一人も関連死出さない」と
★神奈川ボラジェットも報告会=減災につながる取り組みを
★多喜二のことを母の目で=映画「母」製作発表記者会見で寺島しのぶさん語る


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