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世界キリスト教情報 第1344信(2016.10.24)

  • 司教任命問題でバチカンと中国交渉〝大詰め〟
  • バチカンが中国と司教任命方法で年内に合意も
  • ウェルビー大主教とキリル総主教が会談
  • 英国国教会が『教会法』の見直しへ
  • モーセ最期の地「ネボ山」の記念聖堂が10年ぶり再公開
  • イタリアでエクソシストの神父らを逮捕
  • マクドナルドのバチカン出店計画に枢機卿ら反発
  • ≪メディア展望≫

 

◎司教任命問題でバチカンと中国交渉〝大詰め〟

 【CJC】中国政府から派遣された代表団がローマでバチカン(ローマ教皇庁)の代表と10月中にも司教任命問題に関する交渉を決着させる、との観測をロイター通信が報じた。

 さらに中国は、少なくとも新司教2人を年内に任命する準備を進めており、それにバチカンも祝福を与えるものと見られる。

 バチカンの同意なしに中国が任命した司教は、教会からは正当性がないものとされているが、その中の少なくとも4人をバチカンが認めることにしたとの情報もある。


◎バチカンが中国と司教任命方法で年内に合意も

 【CJC】バチカン(ローマ教皇庁)が1951年に断交した中国との文化交流に力を入れている。中国との関係改善を目指し、訪中に意欲を示している教皇フランシスコの意向を受けてのものと見られる。司教の任命方法で双方が年内に合意する可能性があるとも観測されている。

 歴代の教皇が避暑地として使用してきたローマ郊外の「夏の離宮」カステルガンドルフォの宮殿の居室部分が10月22日から史上初めて一般公開された。これに先立ち21日に開かれた宮殿公開記念式典では、中国の書と音楽が紹介された。バチカン権威筋によると、中国の文化機関と交流合意を結んだバチカン美術館が中国の芸術家と代表団を式典に招待した。

 式典では、中国の女性楽団が民族音楽を演奏する中、中国人画家・書家の崔自黙さん(49)が「仁愛」と大書した。数日前に教皇フランシスコと接見した崔さんは「中国とバチカンの関係の幕開けだ」と述べた。

 バチカン美術館のアントニオ・パオルッチ館長は毎日新聞などの取材に「中国とは雪解けが起きている。中国人芸術家の式典参加は親善の印。教皇は(在位中に)中国との友好関係を樹立したいと望んでいる」とバチカンの対中接近を説明した。

 バチカンで9月末に開かれた地球環境保全に関する学術シンポジウムには中国の関係団体が参加している。一方、中国では、バチカン・システィーナ礼拝堂の天井画を描いたミケランジェロなどの作品の展覧会を開催する計画が進んでいるという。

 中国のカトリック教会は政府公認の『中国天主教愛国会』と教皇に忠誠を誓う非公認の地下教会に分かれている。

 バチカンと中国政府は作業部会を設置し、受け入れ可能な司教任命方法について議論を重ねてきた。ロイター通信は21日、双方が今月末までに合意の取りまとめを目指す見通しだと報じている。


◎ウェルビー大主教とキリル総主教が会談

 【CJC】ロシア正教会のモスクワと全ロシア総主教キリルが10月15日から18日まで英国を訪問した。

 キリル総主教の訪英は、英国のロシア正教会スールジ教区の招待に応じたもの。同教区は今年、英国におけるロシア正教会300年の歴史を記念した行事を行っている。

 総主教は18日、英国国教会の霊的最高指導者カンタベリー大主教ジャスティン・ウェルビー氏と、ロンドンの大主教公邸『ランベス宮殿』で会談した。

 同日、キリル総主教はエリザベス英女王をバッキンガム宮殿に訪問しており、そこでもウェルビー大主教はロンドン主教リチャード・シャルトルらと共に同席した。

 2人は、この地球上のさまざまな地域での平和維持に共同して取り組む計画について論議した。

 総主教は16日には、ロンドンのエニスモアガーデンズにある生神女就寝大聖堂を再び成聖(「聖なるものと成す」の意)しており、この成聖式にも、ウェルビー大主教とシャルトル主教が同席していた。

 総主教は18日夕、ロンドン北西部のルートン空港から帰国した。


◎英国国教会が『教会法』の見直しへ

 【CJC】英国国教会が、多くの教区で日曜礼拝を全ての教会で実施出来ない事態に直面、朝夕の日曜礼拝の実施を義務付けている教会法の見直しに当たっていることが、米メディアCNNの取材で10月23日までに明らかになった。

 礼拝が一部の教会では行うことが不可能となっている背景には、参加する信者の減少や、司祭が担当する教会の増加があるとみられる。

 国教会は今年、日曜礼拝などへの参加者が過去10年で12%減少したとの2014年版の統計データを公表した。参加者はイングランドの総人口の2%に留まっている。

 国教会の報道担当者は、過去数十年にわたり複数の教会がある教区が増え、聖職者が日曜ごとに全ての教会で礼拝などをこなすことが不可能になった、という。

 これでは聖職者や教会が教会法に違反していることになるが、それにはやむを得ない側面があるとの判断を示したもの。

 報道担当者は、日曜礼拝に絡む教会法の見直しは礼拝参加者の減少とは関係がないことを強調、現状を正常化させることが本来の狙いと主張はしている。


◎モーセ最期の地「ネボ山」の記念聖堂が10年ぶり再公開

 【CJC】モーセが「約束の地」を見渡した後に死んだとされているネボ山(標高817メートル)は、ヨルダンの首都アンマンの南西約30キロにある。そこにモーセの死を偲んで4世紀後半に建てられた教会と修道院の遺跡があり、そこにモーセ記念聖堂が建てられている。しかし遺跡が崩壊しかけていることが判明したため、記念聖堂は閉鎖されたが、約10年を経て再び公開された。

 10月15日には記念式典が行われ、教皇フランシスコの特使で、教皇庁東方教会省長官のレオナルド・サンドリ枢機卿が、宗教指導者やヨルダンの政治家、外交官ら500人余りを前に、「今この地にある霊的宝は、ヨルダンと人類のもの」と語った。


◎イタリアでエクソシストの神父らを逮捕

 【CJC】AFP通信が10月21日伝えたところでは、悪魔払いとスピリチュアルな「ヒーリング」を行うことで知られるイタリア・シチリア島パレルモのサルバトーレ・アネロ神父(59)と、サルバトーレ・ムラトーレ陸軍大佐(52)の2人が、性的虐待容疑で逮捕された。

 アネロ神父は、「ヒーリングの祈り」の最中に女性4人と12歳の少女に性的ないたずらをした疑いが持たれている。この儀式は病気からの回復や悪魔払いのためとして行われていたと見られる。

 アネロ神父の逮捕に先立ち、ムラトーレ陸軍大佐に対し、同様の容疑で6カ月間に及ぶ捜査が行われていたという。両容疑者は勾留中で、被害者が他にもいる可能性があるとして捜査が続けられている。


◎マクドナルドのバチカン出店計画に枢機卿ら反発

 【CJC】AFP=時事通信によると、バチカン(ローマ教皇庁)のサンピエトロ大聖堂の右手に、米ファストフード『マクドナルド」』の店舗をオープンする計画が、聖職者たち、とりわけ入居予定の建物の階上で暮らす枢機卿たちを激怒させている。

 この建物には7人の枢機卿が住んでいる。自身は居住していないものの、その7人に代わって1015日付の伊紙『レプブリカ』のインタビューに応じたエリオ・スグレッチャ枢機卿は、「控えめに言っても物議を醸す、倒錯した決定」として「サンピエトロのコロネード(列柱)に面する、世界有数の特徴ある広場の建築的伝統にまったく敬意を払っていない」と述べた。また怒った枢機卿の1人は、店舗開設に介入するよう教皇フランシスコに嘆願書も書いた。

 家賃は月3万ユーロ(約340万円)と言う。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(10月23日)=http://www.cwjpn.com
★教皇フランシスコ=即時停戦 訴える=シリアの「非人道的」情勢に
★教皇の一般謁見講話=いつくしみの行いで「無関心の病」根絶を
★原発の問題 考えるために=『今こそ原発の廃止を 日本のカトリック教会の問いかけ』=中央協議会から発行
★ドミニコ会設立800年=修道家族 一堂に=松山
★欧州外から総長=イエズス会史上初めて

 

 =キリスト新聞(10月22日)=http://www.kirishin.com
★「教会と地域福祉」フォーラム21=関西で初のシンポジウム=ボランティア・福祉・教会=「外に」出ていき他者と
★〝震災経て教会観の転換を〟=第6回日本伝道会議 多彩な分科会
★「宗教改革500年」を前に企画展=ルーテル学院大図書館で11月5日まで
★イムマヌエル綜合伝道団=『讃美歌選』を来年発行
★18年のシノドスは「若者」テーマに

 

 =クリスチャン新聞(10月23日)=http://クリスチャン新聞.com
★"現代の奴隷制"日本にも=NFSJ代表 山岡万里子氏警鐘「知って伝えてほしい」=イエス様ならどうされただろうか
★「べっぴんさん」の舞台でキリスト教史学ぶ
★関西で初「教会と地域福祉」フォーラム21=教会の試金石とは=地域の人々の痛みに寄り添っていくこと
★憲法9条にノーベル受賞ならずも=憲法が憲法である限り取り組み続ける
★「相模原障害者施設殺傷事件」受け声明=いのち尊重し合う共生社会を=NCC「障害者」と教会問題委員会

 
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