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世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1350信(2016.12.05)

  • 枢機卿たちの疑問に教皇の指示なしでは、と教理省長官
  • アンジェラスの祈りで教皇「神のみ国はもう始まっている」
  • 教皇とベトナム国家主席が対話促進へ会談
  • 教皇がスコセッシ監督と面会
  • WCC常議員会が中国で初会合
  • 「脱北者の半数以上がキリスト者」と韓国の人権団体
  • 米国聖公会の教会にヘイトクライムの攻撃
  • シリア政府軍がアレッポ東部に進入
  • 仏カトリック関連施設の襲撃で女性1人死亡
  • 南アの牧師が信者の顔に殺虫剤浴びせ治療?
  • ≪メディア展望≫

 

◎枢機卿たちの疑問に教皇の指示なしでは、と教理省長官

 【CJC】バチカン(ローマ教皇庁)教理省長官のゲルハルト・ルードビッヒ・ミュラー枢機卿は、使徒的勧告「アモリス・レティティア(愛のよろこび)」の解釈に関し枢機卿4人から出された疑問について、教皇フランシスコの指示がなければ応答しないと述べた。カトリック・ワールド・ニュース(CWN)が12月1日報じた。

 オーストリアの通信『カトプレス』とのインタビューで、教理省は教皇のために発言し、「教皇の権威をもって」判断を発表するとミュラー枢機卿は語った。

 4人の枢機卿は、疑問点を教理省に提出したが、教皇に宛てたものだった。

 ミュラー枢機卿は使徒的勧告の解釈についての論争は誇大に報じられており、教会の問題を政治的に捉えようとする記者たちの傾向が反映されている、と指摘した。

 「アモリス・レティティア」に関する論議の焦点は、離婚して再婚したカトリック教徒が聖体を受けることが可能か、にある。ミュラー枢機卿はその是非について直接言及しなかったが、1993年に教理省が発した指示に言及した。それは当時のヨーゼフ・ラッツィンガー長官(ベネディクト16世)が、離婚した夫妻の聖体受領を認めるというドイツの司教団の意図を拒否したもの。

 「アモリス・レティティア」は、それまでの教皇文書に照らして読むべきであり、結婚という絆の永続性は、司牧的行為の「揺るぎない基盤」であるべき、と枢機卿は語っている。


◎アンジェラスの祈りで教皇「神のみ国はもう始まっている」

 【CJC】教皇フランシスコは、「待降節」の第2主日に当たる12月4日、バチカン(ローマ教皇庁)のサンピエトロ広場に集まった世界各国からの巡礼者たちに、日曜正午のアンジェラスの祈りを唱えた。

 バチカン放送(日本語電子版)によると、教皇は祈りの前の説教で、神のみ国の到来の真の意味について語った。

 教皇は、わたしたちが心から神に回心するなら、すなわち、神に自分自身を開くために、わたしたちの利己主義を捨て去るなら、真の幸福と、愛、自由を与えてくれる神のみ国はもうこの地上で始まっていると述べた。


◎教皇とベトナム国家主席が対話促進へ会談

 【CJC】教皇フランシスコは11月23日、ベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席と約15分間会談した。バチカン(ローマ教皇庁)が発表した。バチカンとベトナムは1970年代に断絶した外交関係の改善に向けて協議を続けており、両者は対話を促進させることを確認した。

 会談では、「共通の対話の精神に支えられ、双方の間に良好な関係が存在する」との認識で一致、ベトナム社会におけるカトリック教会と国家の協力について協議したという。


◎教皇がスコセッシ監督と面会

 【CJC】教皇フランシスコが11月30日、バチカン(ローマ教皇庁)で、米映画監督のマーティン・スコセッシ氏と面会した。

 スコセッシ監督は近く公開される、遠藤周作の小説を映画化した。同作品について意見を交わしたという。


◎WCC常議員会が中国で初会合

 【CJC】世界教会協議会(WCC)常議員会が初めて中国で開催された。11月17日から23日まで開かれた常議員会は、中国基督教協議会と三自愛国教会の主催によるもの。
三自愛国教会は、世界最大のプロテスタント組織の一つ。

 中国は1970年代後半に開放政策を展開、宗教に対する寛容も徐々に増加、今日では宗教上の自由が公認されている。無神論政権が成立した1949年、キリスト者は約70万人と推定されていた。現在、プロテスタントは3800万人以上、年約50万人増加していると見られる。

 常議員会のメンバーは上海の中国基督教協議会を訪問、南京では『愛徳基金会』代表者と会談した。11月24日には北京で国家宗教事務局を訪問、王作安局長と会談した。

 常議員会では、オラフ・フィクセ=トゥベイト総幹事が、6月にノルウェーのトロンハイムで開催した中央委員会以後の問安活動、コロンビア、南スーダン、韓国の平和構築に焦点を当てた作業に関する報告書を提出した。中国、米国、中東における加盟教会の働きについても言及した。

 常議員会は、2017年の活動計画を承認した。アフリカに焦点を定めた正義と平和活動、特にナイジェリア、南スーダン、コンゴでの課題が取り上げられた。

 中国の『愛徳基金会』がWCC加盟を申請した。同会はすでにジュネーブのエキュメニカル・センターに事務所を設置している。

 常議員会は、南京で『愛徳基金会』を訪問、同会の運営とともに、聖書印刷や、中国内外の社会福祉活動などについて議論した。同会の加盟は中央委員会が2018年に決定する。

 次の常議員会は、2017年6月5〜10日にスイスのジュネーブ近郊ボッセイで、11月17〜23日にヨルダンのアンマンで開催される。


◎「脱北者の半数以上がキリスト者」と韓国の人権団体

 【CJC】北朝鮮専門の情報サイト『デイリーNK』が、韓国に住む脱北者の半分以上がキリスト教を信仰していることが明らかになった、と報じている。

 韓国のNGO『北韓人権情報センター』は、2007年以降に韓国に入国した脱北者1万1730人を対象に調査を行い、その結果を『2016北朝鮮宗教自由白書』という報告書にまとめた。

 「どの宗教を信じているか」という問いに、回答者の44・2%がプロテスタントで最も多く、続いて仏教(10・7%)、カトリック(10・2%)の順となった。


◎米国聖公会の教会にヘイトクライムの攻撃

 【CJC】ドナルド・トランプ氏の大統領選勝利にかこつけて人種差別的・反LGBT的な落書きをされた米国聖公会の2教会が、人種嫌悪を強く非難し、愛と寛容を示すよう訴えた。米メディア『ハフィントン・ポスト』(日本語版)が報じた。

 「トランプの国、白人以外お断り」メリーランド州シルバースプリングにある米国聖公会の救世主教会で11月13日朝、スペイン語礼拝を告知する横断幕の裏側にこんな落書きをされていたのを信徒の1人が見つけた。横断幕はところどころ切り裂かれており、教会の庭園墓地でもレンガの壁に同じスローガンが落書きされていた。この教会は、主にラテン系の信徒向けに礼拝をしている。

 礼拝の後、ワシントン教区のマリアン・ブッディ司教は、信徒以外の人たちに呼びかけた。

「教会での礼拝が暴力によって冒涜されました」とブッディ司教は語った。「こうした暴力を断固として拒絶します。私たちの国は移民の国、あらゆる異なった文化と信仰を持つ人々の国であり、このような暴力が許される場所はどこにもないと明言するために、私たちはここに立っています」

 インディアナ州ビーンブロッサムにある米国聖公会セント・デイヴィッド教会では12日夜、ハーケンクロイツ(カギ十字)や「ハイル・トランプ」「ホモ教会」といった言葉が落書きされていた。米国聖公会は
LGBTの信徒に向けて門戸を開いており、地元のテレビ局WTHRによると、この教会で同性愛者の結婚式を開いたことがあるという。


◎シリア政府軍がアレッポ東部に進入

 【CJC】シリア北部アレッポをめぐる戦闘で、シリア政府軍は11月28日までに、反体制派が掌握していた同市東部に進入し、最大地区であるマサケン・ハナノの一部を奪還した。

 地上攻勢は政府軍による空爆の支援を受けて行われた。政府軍がアレッポ東部の主要地区を奪還したのは、反体制派が4年以上前にこの地域を奪取してから初めて。

 国営シリア・アラブ通信(SANA)などの情報によると、政府軍は26日、反体制派の防御線を突破し北東部から陸路で同地に入った。


◎仏カトリック関連施設の襲撃で女性1人死亡

 【CJC】フランス南部モンペリエ近郊にある引退した修道士たちが暮らす施設に11月25日早朝、武装した男が押し入り、少なくとも女性1人が殺された。地元当局が明らかにした。米ネットメディア『CNN』が報じた。

 CNNの系列局BFMテレビが地元当局者の話として伝えたところでは、覆面をした容疑者の捜索が続いているという。

 捜査関係者によれば、事件当時ほとんどの入居者は眠っていた。女性スタッフ1人が施設内に侵入した容疑者に縛り上げられたものの、何とか警察に通報することができたという。

 通報を受けて駆けつけた警察は、ナイフで刺し殺された別の女性の遺体を発見。この女性を狙った犯行だったのではないかと見られている。


◎南アの牧師が信者の顔に殺虫剤浴びせ治療?

 【CJC】南アフリカの教会のレセボ・ラバラゴ牧師が体の痛みなどを治せるとして信者の顔に「殺虫剤」のスプレーを浴びせる処置の画像がソーシャルメディア上で拡散し、国民が反発したり殺虫剤の製造元が懸念する騒ぎとなっている。米ネットメディア『CNN』が報じた。

 ラバラゴ牧師は同国リンポポで活動している。フェイスブックの自らのページにこれまで様々な疾患を治したとして信者の顔に殺虫剤を吹きかける写真を公開した。また、信者1人がこの措置を受けて背中と腹部の痛みが消えたとの証言も最近書き込んだ。

 同牧師は電話によるCNNの取材に応じなかった。ただ、南アのテレビ局eNCAとの会見では、神から殺虫剤を使うようにとのお告げがあったとし、これまで数え切れないほどの人間の治癒に成功したと誇示した。

 「ドゥーム・スーパー多用途殺虫剤」の製造企業タイガー・ブランズは声明で、憂慮すべき事態であり極めて懸念を抱かせる使い方とし、人間の顔に吹きかけるのは安全ではないと強調した。

 南アフリカでは現在、文化、宗教や言語の保護などに当たる委員会が宗教の商業化や信仰の悪用への調査を進めている。同委は報道機関向け声明で、ラバラゴ牧師の事例に触れ、衝撃的な嫌悪感を催させるものと指摘した。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(12月4日)=http://www.cwjpn.com
★北東アジアの平和求め=韓国・インチョンで=第22回日韓司教交流会
★教皇=使徒的書簡で強調=いつくしみのわざ=聖年閉幕後も継続を
★疑いは願いのしるし=一般謁見 教皇、信仰上での前進語る
★ドイツ大統領、長崎訪問=日本から宗教改革記念で親書
★大阪教区=想像力(イマジネーション)で自分探し=青年、司祭修道者ら研究集会(ワークショップ)

 

 =キリスト新聞(12月3日)=http://www.kirishin.com
★日本キリスト教婦人矯風会創立130周年=〝人権・福祉事業を柱に実情に即して提言する〟=川野安子理事長に聞く
★平和を目標に宗教者は手を携えて=岡田武夫氏と庭野光祥氏が対談
★国際基督教団代々木教会が70周年=記念礼拝で近藤勝彦牧師が説教
★日本YMCA大会に300人超=35歳以下が半数占める
★「いつくしみの特別聖年」閉幕ミサ

 

 =クリスチャン新聞(12月4日)=http://クリスチャン新聞.com
★アジアの文脈で学ぶ=聖書的リーダー論とは=アジア福音同盟総会・アジア宣教会議から=品川謙一氏レポート
★アジア福音同盟総会新議長に植木英次氏
★「想う力」をかたちに=ワールド・ビジョンが代官山でコインアート募金箱設置
★キリスト新聞70周年=「荒れ野」の志を次代へ
★トランプ次期大統領にどう対応?=キリスト教会 暗中模索

 
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