世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1358信(2017.01.30)

  • 「被爆の歴史を教訓に」=バチカン高官は核廃絶で協力意欲
  • イスラエル政府が入植活動を加速
  • ミャンマー国軍が「行方不明の牧師」拘束を認める
  • 中国が邪教取締を強化、「未成年勧誘」など厳罰方針
  • 韓国大統領選でサイバー宗教疑惑に潘基文氏が釈明
  • ≪メディア展望≫

 

◎「被爆の歴史を教訓に」 バチカンは核廃絶で協力意欲

 【CJC】共同通信によると、バチカン(ローマ教皇庁)国務省次官のポール・リチャード・ギャラガー大司教(外務局長)は1月28日からの訪日を控え26日、バチカンで日本メディアと会見した。大司教は、広島と長崎への原爆投下を「人類の悲劇の象徴だ。私たちはこの歴史から学び、二度と惨事が繰り返されないようにしなければならない」として、「広島や長崎の人々は原爆投下後、何十年も苦しんでいる。全ての人々が平和に対して責任を持つべきだ」と訴え、唯一の被爆国の日本と、核廃絶や平和構築に向けて協力を進める考えを示した。

 大司教は2月3日まで滞在の際、広島市を初訪問し、原爆ドームなどに足を運ぶ予定。


◎イスラエル政府が入植活動を加速

 【CJC】イスラエル政府は1月24日、ヨルダン川西岸などに新しくユダヤ人の入植者のための住宅2500戸を建設する計画を承認した。米国で親イスラエル路線のドナルド・トランプ大統領が就任したことを受け、イスラエルのネタニヤフ政権はこれまで自粛していた占領地での入植活動を再び加速する立場を鮮明にしている。

 これまでイスラエル寄りの発言を繰り返してきたトランプ大統領は、入植活動についても支持する立場を示している。さらに、テルアビブにある米国大使館を、イスラエルが「首都」と称するエルサレムに移転する計画を検討している。

 エルサレムはユダヤ教、イスラム教、キリスト教の3宗教の「聖地」されている。またパレスチナ自治政府は将来の独立国の「首都」と位置づけている。


◎ミャンマー国軍が「行方不明の牧師」拘束を認める

 【CJC】ミャンマー国軍は1月26日、同国カチン州で行方不明になっている『カチン・バプテスト・コンベンション』のランジャウ・ガム・セン牧師とドゥムダウ・ナウン・ラト牧師の2人を拘束していることを認めた。日本語メディア『ミャンマー・ニュース』が報じた。

 2人は2016年12月24日、軍施設に向かっているところを目撃されたのを最後に、行方がわからなくなっていた。

 国軍はこれまで2人の拘束に関して否定しており、政府関係者は人権団体や牧師の家族からの質問に無言を通していたが、国防省が19日、"警備上の理由"で2人を秘密裏に拘束したことを発表した。

 国防省の声明は、拘束された牧師2人は、武装集団のために「財政支援、情報提供、新兵の募集、悪評の拡散」をし、国軍の活動を妨害したとして訴えられているという。

 シャン州では、『カチン独立軍』、『タアン民族解放軍』、『ミャンマー民族民主同盟軍』、『アラカン軍』で構成される『北部連合軍』と国軍との戦闘が続いており、牧師2人は同州モン・コ村でヤンゴンから来たジャーナリストらの取材を支援したという。

 さらに、国軍活動情報や軍事資金を『北部連合軍』に与え、国際社会にミャンマー政府への不信感を抱かせるため、海外メディアに噂を広めたとしている。

 一方、牧師たちは破壊された教会の写真撮影と地元住民へのインタビューに関して、ジャーナリストらを手助けしただけだとする情報もある。

 ミャンマー最大のキリスト教派である『カチン・バプテスト・コンベンション』は、カチン州とシャン州で続く戦闘により国内避難民となった人々へ援助を行っている。

 アウン・サン・スー・チー国家顧問率いるミャンマーの国民民主連盟(NLD)政権下で、政権や国軍を批判し名誉毀損の容疑で逮捕、訴追されるケースが相次ぎ、「表現の自由」が侵害されていると懸念する声が高まっている。

 時事通信によると、問題となっているのは、テイン・セイン前政権下の2013年に制定された電気通信法。同法は66条d項で、ソーシャルメディアなどネット上で他人を中傷したり脅したりすると最高で禁錮3年の刑に処すと規定している。


◎中国が邪教取締を強化、「未成年勧誘」など厳罰方針

 【CJC】中国最高人民法院と最高人民検察院は、このほど連名の通達で、「未成年者に対する宣伝広告」など7項目に対して厳しく処罰する方針を明示した。社会に大きな危害をもたらす「邪教」に対する取締り、処罰をより強化する狙いと見られる。投資情報サイト『株探』などが1月29日報じた。

 今回の通達では、厳格な処罰の対象として7項目を列挙。その主なものには、前述の未成年者向け活動のほか、▽海外(域外)の組織や個人と結託して、邪教活動を行うこと、▽省・自治区・直轄市をまたいで人を集めたり宣伝活動を行うこと、▽公共場所や祭日などに大衆の面前で活動すること、▽国家公務員が邪教の活動に参加することなどが含まれている。


◎韓国大統領選でサイバー宗教疑惑に潘基文氏が釈明

 【CJC】朝鮮日報(日本語電子版)によると、潘基文・前国連事務総長は1月24日、サイバー宗教と関係があるとされる疑惑をめぐり「『新天地』問題は私と無関係」と語った。

 『新天地』は、イ・マンヒ氏が1984年に創立した『新天地イエス教証しの幕屋聖殿』のこと。長老派、メソジスト、ホーリネス教会など韓国国内のプロテスタント各派は、『新天地』を「異端」としている。

 潘氏は事務総長時代の2015年3月8日、ニューヨークの国連本部前で開かれた「国際女性デー」のイベントで、『新天地』の幹部といわれるキム・ナムヒIWPG(世界女性平和グループ)代表と握手し、『新天地』側は写真を撮ってPRに活用した。潘・前総長が韓国大統領選出馬を示唆して以来、一部ではこの件を政治的な攻撃手段として活用している。

 これに対し潘氏は24日、韓国キリスト教教会協議会、韓国教会連合、韓国キリスト教総連合会などを訪れて「国連事務総長は多くの人と数万枚の写真を撮る。たまたま、韓国の女性だというのでうれしくて写真を撮ったが、それがこのように悪用されるだろうとは全く思わなかった。私はその人の顔も覚えておらず、名前も知らず、(その後)全く会ったこともない。その人が『新天地』だということは報道を見て知った」と語った。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(1月29日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
★祈りが希望を呼び覚ます=教皇フランシスコ=一般謁見講話で
★教皇=見える一致示そう=ルーテル教会信者に呼び掛け
★パレスチナ大統領=在バチカン大使館新設=教皇の支持に感謝表明
★阪神淡路大震災から22年=たかとり教会で祈りの集い=災害相次ぎ「風化どころか...」
★草の根で一致祈る=朝祷会全国連合が年頭集会=東京

 

 =キリスト新聞(1月28日)=https://www.kirishin.com
★〝弱者排除しない世界〟訴え=映画『沈黙』公開=スコセッシ監督来日=隠れキリシタンの子孫も登壇
★聖書の価値観を映像で伝える=日本聖書協会「動画コンテスト」結果発表
★〝出会いの中で新たな一歩を〟=第1回賀川豊彦賞に認定NPO法人抱樸
★《ロ短調ミサ曲》を日本語で上演=東京バッハ合唱団が合唱参加者募集
★パレスチナのアッバス議長が教皇と会談=トランプ氏を警戒か

 

 =クリスチャン新聞(1月29日)=https://クリスチャン新聞.com
★断食祈祷聖会2017=小さな者に水一杯を=日本「格差社会と貧困」テーマに田島実氏講演=根底にあるものは人間関係性=誰の目にも留まらないが貧困
★断食祈祷聖会2017=「イスラムとIS」=神の驚くべきみわざ進行中=大切な隣人として正しい理解と祈りを
★阪神淡路大震災から22年=語り、祈り続けよう=森祐理さん東灘区の教会で追悼のつどい
★ヘイトスピーチ解消法に残された課題とは?=曖昧、不十分だが次への足がかりに
★首相・閣僚の伊勢神宮参拝に抗議=政教分離の侵害を監視する全国会議他

 
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