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世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1360信(2017.02.13)

  • アンジェラスの祈りで教皇「うわべだけでなく本物のキリスト者であれ」
  • 豪で神父の7%が性的虐待?
  • トランプ大統領が5月にも教皇と会談か
  • 米の入国禁止令が中東のキリスト者に逆風
  • スノーデン氏を政治亡命先のロシアが米に引き渡し検討?
  • 北朝鮮に拉致容疑の米国人大学生の真相を米政府調査か
  • 日本が侵略した償いを村岡崇光氏がマニラで講演
  • ≪メディア展望≫

 

◎アンジェラスの祈りで教皇「うわべだけでなく本物のキリスト者であれ」

 【CJC】2月12日の日曜日、サンピエトロ広場での恒例正午のアンジェラスの祈りに際して、教皇フランシスコは、信者たちに主日ミサの福音からテーマを取り、見かけだけではなく中身のある本物のキリストの弟子になるよう諭した。バチカン放送(日本語版)が報じた。

 「親愛なる兄弟姉妹の皆さん、今日のミサ中で朗読された福音はキリストの山上の説教の続きです。その中でキリストはご自分の本当の弟子になりたい者は、見かけやうわべだけに気を取られるファリザイ派の人々や律法学者たちの教えに従うのではなく真心からキリストの言葉に従う本物のキリスト者となるよう強く勧告します」と教皇。さらに、「キリストはファイザイ派や律法学者たちの正義を上回る正義をもって神のみ旨を誠実に真心を込めて果たすよう教えます。キリスト者の正義は形式主義にとらわれることなく愛とあわれみに生かされていなければなりません」と説いた。


◎豪で神父の7%が性的虐待?

 【CJC】オーストラリア政府の独立調査委員会である王立委の公聴会が2月6日、シドニーで始まり、カトリック教会で長年、神父ら聖職者の7%が児童への性的虐待に関与していたとの調査結果が公表された。公聴会は27日まで開かれる。

 時事通信によると、調査対象は1950年から2010年までの在職者。被害者は4444人に上り、うち97%が少年だった。被害当時の平均年齢は少年が11歳半、少女が10歳半。加害者は1880人で、9割が男性だった。調査は被害報告に基づくもので、実態はもっと深刻である可能性が高い。

 多くの教会が学校を運営しており、学校も性的虐待の温床になっていた。

 調査に参加した弁護士は「被害者が訴え出ても、無視されるか、場合によっては罰せられることもあった」と指摘。組織的な隠蔽体質がまん延していたという。


◎トランプ大統領が5月にも教皇と会談か

 【CJC】教皇フランシスコがこの5月末にもドナルド・トランプ米大統領と初会談を行うのではないか、との期待が高まっている。

 バチカン(ローマ教皇庁)外交筋によると、シチリア島タオルミーナで5月26〜27日に開かれる「G7首脳会議」に世界の指導者が出席するのを機会に、大統領がバチカン(ローマ教皇庁)を訪問する可能性が出てきた。

 米首脳の教皇訪問としては2001年にジョージ・ブッシュ大統領のヨハネ・パウロ2世との会談、2009年のバラク・オバマ大統領のベネディクト16世との会談以来のこと。


◎米の入国禁止令が中東のキリスト者に逆風

 【CJC】ドナルド・トランプ米大統領が中東・アフリカ7カ国の市民の米国入国を一時禁止したことで、この地域で誰よりも動揺しているのはトランプ氏がまさに助けようとしているキリスト教指導者だ、と米紙『ウォールストリート・ジャーナル』のコラムニスト、ヤロスラフ・トロフィモフ氏が指摘する。

 1月27日に出された大統領令の狙いは米国でのテロ攻撃を防ぐことで、イスラム教徒が多数を占める7カ国からの入国を少なくとも90日停止した。大統領は、難民認定プロセスを改め、宗教を理由に迫害されている人を優先することも命じたが、対象は自国で「少数派の宗教」を信仰している申請者に限定している。

 トランプ氏は先ごろ、米『クリスチャン・ブロードキャスティング・ネットワーク』(CBN)のテレビ番組で、キリスト者を優先する方針を示した。キリスト教は中東で最大の少数派宗教ではある。

 ホワイトハウスの当局者は、大統領令がイスラム教徒禁止だとする見方を否定しているが、イスラム教徒の米国入国についてトランプ氏が選挙中に発していた言葉と一致しているとの見方が現地では一般的だ。

 中東におけるキリスト者の立場は国によって大きく異なる。レバノンでは、大統領と軍の司令官がキリスト者であり、人口に占める割合も高く、比較的安全に暮らしている。一帯で最大のキリスト者人口を抱えるエジプトでは、キリスト者はテロ攻撃の標的になっているものの、相変わらずアブデルファタハ・シシ大統領を支える防塁の一つだ。両国とも大統領令の対象になっていない。

 大統領令にある7カ国の人は、イスラム教徒でもキリスト者でも米国に入国できない。このうちシリアとイラクには多くのキリスト者がいる。両国のキリスト者は『イスラム国』などのスンニ派過激派組織に迫害され、家を追われている。だが通常は、シーア派イスラム教徒に対するよりもわずかながらましな扱いを受けている。シーア派は改宗か死かの選択に直面している。

 中東ではどこでも昔から、イスラム教徒の世論の相当部分が、歴史的に西欧との関係があるキリスト者市民を疑いの目で見てきた。トランプ氏の大統領令はそうした感情をあおる公算が大きいと、米シンクタンク『センチュリー財団』の上級研究員マイケル・ワヒド・ハンナ氏は言う。

 キリスト教指導者たちの怒りはイラクで特に激しい。新たに組織されたキリスト者民兵と米国の助けを借りたイラク軍がここ数カ月で、モスルを州都とするニナワ州にあるキリスト教の中心地の大半を『イスラム国』から奪還したのだ。イラクのテレビは、古い教会の最上部に十字架を復活させる部隊の映像を誇らしげに流した。

 カルデア・カトリック教会のルイス・ラファエル1世サコ・バビロン総大司教も同じ考えだ。バチカンの通信社に出した声明で、同大統領令は「中東のキリスト者に対するわな」であり、「イスラム教徒の同胞との緊張を生み、助長する」と述べた。

 さらに、宗教に基づいて迫害され苦しんでいる人々の中で分け隔てすれば、中東のキリスト者を害する結果になるとの見方を示し、同大統領令が「キリスト教社会を攻撃するすべてのプロパガンダと偏見に根拠を与えている」と言う。


◎スノーデン氏を政治亡命先のロシアが米に引き渡し検討?

 【CJC】米NBCニュースは2月10日、米政府の情報収集を暴露した中央情報局(CIA)元職員のエドワード・ジョセフ・スノーデン氏について、政治亡命先のロシアがトランプ政権に配慮して引き渡しを検討している情報があると報じた。共同通信が報じた。


◎北朝鮮に拉致容疑の米国人大学生の真相を米政府調査か

 【CJC】韓国紙『東亜日報』(日本語電子版)は、2004年に北朝鮮に拉致されたという主張が提起された米国人大学生デービッド・スネドン氏に対して、米政府が最近非公開で真相調査に着手したことが2月6日、確認されたと報じている。

 『戦後拉北者被害家族連合会』の崔成龍(チェ・ソンリョン)理事長は、「昨年末、駐韓米大使館で米政府関係者に会って、スネドン氏の拉致過程と関連情報を入手することになった経緯などについて聞いた」とし、「米議会でスネドンさんの北朝鮮拉致の関連証言ができるかと連絡も受けた」と明らかにした。

 崔氏によると、米大使館側は、米政府が現在スネドンさんを失踪で処理した状態であり、真相調査を通じて事実関係が最終確認されれば、失踪状態を解除して北朝鮮に拉致されたことを公表する予定。


◎日本が侵略した償いを村岡崇光氏がマニラで講演

 【CJC】フィリピンの邦字紙『まにら新聞』によると、太平洋戦争時、旧日本軍が侵略し多くの犠牲者が出たアジア各地をめぐり、償いについて講演を続けるプロテスタントの聖書学者、村岡崇光氏(78)の講演会が2月5日、首都圏マカティ市レガスピのマニラ日本語キリスト教会で開かれた。戦争という過去を忘れず、向き合っていく重要性を訴えた。

 村岡氏は広島市生まれ。イスラエルのヘブライ大学で博士号を取得した1970年、英マンチェスター大学で教壇に立った。英国では毎年11月第2日曜、戦争の犠牲者を追悼する「リメンバランス・サンデー」の日になると、BBC放送では必ず英米合作映画「戦場に架ける橋」が流れた。タイのクワイ川鉄橋敷設で強制労働を強いられた連合軍捕虜の物語を繰り返し見るうち、村岡氏は、戦後日本で行われてきた平和教育が「犠牲者として」の教育であって「加害者として」の教育ではなかったことに思い至った。

 2003年、オランダのライデン大学を退任すると、アジアへのしょく罪の旅を決意。比のほか、韓国、中国、台湾、インドネシア、ミャンマーなど10カ国を回り、神学校や教会で講義を行った。今回は2度目のフィリピン訪問。

 戦争で実際に被害を受けながらも、日本の経済援助に頼っているアジア人は、日本人に対して直接被害について話すことを遠慮している、と村岡氏。比の戦跡を訪れた際、日本の侵略について解説しようとしない比人ガイドに尋ねたところ、「そうしなければ日本の旅行客が減ってしまう」と返答されたという知人女性の例を挙げ、「そういう気づかいを持たれているということを、私たち現地にいる日本人は心に留めないといけない」と話した。

 村岡氏は2012年、「戦場に架ける橋」の舞台、クワイ川鉄橋を初めて訪れた。「あなたたちを許すが、決して忘れない」と英語で刻まれた碑を見て、「これは聖書の教えそのものだ」と感じたという。「犯した罪を神の前で処理することをうやむやにしたら、自分のクリスチャンとしての存在意義がなくなる」と自身の旅の意義を語った。

 村岡氏は2014年、日本聖書協会から「聖書事業功労者」として表彰されている。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(2月12日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★バチカン外務局長=教会関係者と交流=広島訪れ、慰霊碑に献花
★殉教者は教会の力=教皇フランシスコ ミサ説教で語る
★キリスト者の希望すでに実現=教皇 一般謁見で
★「勝手な解釈よくない」=教皇文書で教理省長官
★信仰の遺産 守り続ける=長崎で「日本26聖人殉教者ミサ」

 

 =キリスト新聞(2月11日)=http://www.kirishin.com
★遠藤周作 ゆかりの地を訪ねて=遠藤文学の原典 仁川・夙川
★「宗教改革は常に続く」=徳善義和氏が浦和ルーテル学院で「教育」語る
★〝宗教者は聞き役に徹してこそ〟=WCRP日本委が「災害への備え」協議
★宗教改革500年記念行事を計画=日基教団「福音伝道推進の年に」
★イスラエル政府が入植活動を加速

 

 =クリスチャン新聞(2月12日)=http://クリスチャン新聞.com
★キリストの教えで日本を導く=熊本バンド=時代越え、震災越え=141周年記念早天祈祷会
★茨城・大洗=津波被災のインドネシア教会=高台移転計画が難航=「主にある和」支援求む
★蘇る吉野作造、柏木義円の平和思想 安中教会で吉野作造記念館館長・大川真氏が講演
★ケアの実践多角的に=臨床宗教教養講座 受講者募集
★ミャンマー国軍=牧師拘束認める

 
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