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世界キリスト教情報 第1364信(2017.03.13)

  • 司祭不足に教皇が既婚男性の聖職者任命検討へ
  • 教皇が9月にコロンビア訪問
  • 教皇、四旬節の黙想会を終える
  • 中国が韓国人宣教師を数十人規模で追放
  • 『イエズス会』の中井神父が「慰安婦」問題で謝罪
  • "欧州初"ドイツに建てられた「平和の少女」像
  • 4カ国2000万人以上が飢餓や食料不足に
  • アイルランドのカトリック系孤児院跡から乳幼児遺体
  • インドで性的暴行容疑の司祭を修道女ら手助け?
  • キリストが両親と暮らした家?ナザレで見つかる
  • ≪メディア展望≫

 

◎司祭不足に教皇が既婚男性の聖職者任命検討へ

 【CJC】教皇フランシスコが、司祭の不足に対処するため既婚男性の聖職者就任を前向きに検討する方針を示した。米メディア『CNN』が3月11日、ドイツ週刊紙『ディー・ツァイト』とのインタビューの中で明らかにしたと報じている。

 教皇は、聖職者の不足が教会にとって大きな問題になっていると指摘したうえで、聖職者就任資格をめぐる規則の改正に前向きな姿勢を示唆したもの。

 「ビリ・プロバティ(ラテン語で『信頼できる男性』を意味する言葉で、信仰や美徳の面で優れた既婚男性のこと)が選択肢となり得るか検討する必要がある」と教皇は述べた。

 その選択肢が実現すれば、既婚男性を聖職者に任命することが可能になるとみられる。ただ教皇によると、すでに聖職者となっている独身男性の結婚は認められない見通しだという。

 カトリック教会は聖書の一部の文言に基づき、聖職者は結婚するべきではないとしている。その背景には、聖職者はキリストの代理として行動するため、キリストと同様に独身でなければならないとの信仰がある。

 前任教皇ベネディクト16世も改めて確認していた。


◎教皇が9月にコロンビア訪問

 【CJC】教皇フランシスコが9月6日から11日までコロンビアを訪問する。同国のフアン・マヌエル・サントス大統領と司教団の招請に応じたもの。『聖座(バチカン)報道事務所』が3月10日明らかにした。

 教皇はボゴタ、ビリャビセンシオ、メデジン、カルタヘナの各都市を訪問する予定。

 バチカンは、同国政府と反乱集団『コロンビア革命軍』(FARC)との和平交渉に貢献、4年間にわたる交渉の末、2016年6月に内戦は終結した。サントス大統領は同年、ノーベル平和賞を受賞している。


◎教皇、四旬節の黙想会を終える

 【CJC】教皇フランシスコは3月10日、ローマ郊外アリッチャでの四旬節の黙想会を終え、バチカンに戻った。

 復活祭前の準備期間『四旬節』に入り、教皇とバチカン諸機関で働く高位聖職者は、カステリロマーニ地方の町、アリッチャで6日間にわたる黙想を行なっていた。

 バチカン放送(日本語電子版)によると、最終日の10日、教皇は黙想指導にあたったフランシスコ会士ジュリオ・ミケリーニ神父の連日の講話とその準備に感謝を表した。

 教皇は、この黙想の日々を通して多くの気付きがあったと思うが、これらの単純なテーマ、複雑なテーマを通して、主は皆さん一人ひとりに語りかけるだろうと述べた。

 教皇は黙想の姿勢について、「確かに、黙想すべき材料は山のようにある。しかし、聖イグナチオは、黙想する時に、何か慰めを得ること、苦悩を与えられることが一つあったならば、そこにじっと留まるように教えている」と話し、この黙想で参加者らはそうした留まるべき点をいくつか見出したことだろうと話した。

 教皇は、この日アリッチャで司式されたミサをシリアの平和のために捧げた。


◎中国が韓国人宣教師を数十人規模で追放

 【CJC】各種情報によると、中国が吉林省在住の推定30人から70人もの韓国人宣教師を突如国外追放処分にした。

 人権活動をしている牧師がAFP通信に語ったところでは、「中国当局はビザに問題があるとして宣教師宅に手入れを行い、出国するよう述べたという。

 ほとんどの宣教師がツーリストビザや留学ビザで入国している。キム・ヒーテー牧師は、追放された韓国人の2割は、北朝鮮難民の救援に当たっていたが、40人がすでに送り返された、と言う。

 中国政府は、追放の理由を明らかにしていないが、キリスト者への規制と韓国政府のミサイル防衛システム「THAADT」配備反対のためと見る人が多い。


◎『イエズス会』の中井神父が「慰安婦」問題で謝罪

 【CJC】カトリック系UCAN通信によると、修道会『イエズス会』の中井淳神父(下関労働教育センター)が四旬節の初日「灰の水曜日」の3月1日、ソウルの日本大使館前で行われたミサで第二次大戦に際し、植民地統治により日本の韓国に対する行為について謝罪した。

 中井神父は、傍に立てられた慰安婦像に触れて、「誤った行いについて学んでから、わたしの心はものすごく痛んでいる。日本に戻ったら、過去の暴力的な歴史を記憶し、各自の心の中に、像を建てることで新たな未来を明らかにしたい」と語った。


◎"欧州初"ドイツに建てられた「平和の少女」像

 【CJC】韓国紙『ハンギョレ』(日本語版)によると、京畿道水原(スウォン)市民の寄付で作られた「平和の少女像」が、世界女性の日の3月8日、ドイツのバイエルン州レーゲンスブルク市近くのヴィーゼントに建てられた。

 これまでも米国など海外に平和の少女像が建てられてきたが、欧州に建てられるのは今回が初めて。

 「平和の少女像」は水原市民が参加した「ドイツ平和の少女像水原市民建設推進委員会」(水原推進委)とドイツ現地の人たちが参加した「ドイツ平和の少女像建設に向けたドイツの建設推進委員会」(ドイツ推進委)が非人間的戦争犯罪で犠牲になった人々の魂を悼み、被害女性らの名誉と人権の回復に寄与しようという意味で推進された。

 水原推進委が水原市民の募金で3300万ウォン(約327万円)を集めて製作費を調達した。


◎4カ国2000万人以上が飢餓や食料不足に

 【CJC】南スーダン、ナイジェリア、ソマリア、イエメンの4カ国で2000万人以上が飢餓や食料不足に陥っている。

 国連人道問題調整室(OCHA)のスティーブン・オブライエン室長は3月10日、「(1945年の)国連創設以来、最大の人道危機に直面している」と述べ、支援を急ぐよう国際社会に訴えた。

 共同通信によると、同室長は安全保障理事会の会合に出席し、現状を報告した。陸上自衛隊が5月をめどに国連平和維持活動(PKO)を終了する南スーダンについては「今まで以上に状況が悪くなっている」と懸念を表明。政府関係者らが人道支援活動をする人々の移動などを妨害していることに危機感を示した。


◎アイルランドのカトリック系孤児院跡から乳幼児遺体

 【CJC】アイルランド政府の委員会は3月3日、西部チュアムで50年以上前に閉鎖されたカトリック系孤児院から、多数の乳幼児の遺体が見つかったと明らかにした。800人近くに上る可能性がある。死因など詳しい経緯は不明。共同通信が報じた。

 孤児院は1925年に開設、61年に閉鎖された。昨年11月から今年1月にかけて現地調査し、地下に20部屋があるのが見つかり、内部に多数の遺体があった。

 いずれも35週の胎児から2〜3歳の幼児で、施設が開設されていた時期の遺体だという。


◎インドで性的暴行容疑の司祭を修道女ら手助け?

 【CJC】AFP通信によると、インド南部ケララ州で、カトリック教会のロビン・ワダカンチェリー司祭が16歳の少女に性的暴行を加え、妊娠・出産させたとして逮捕された事件で、警察当局は3月5日、子どもが生まれた事実を隠そうとした疑いのある修道女5人と医師を含む病院関係者ら計8人に逮捕状が発行されたことを明らかにした。修道女らと医師1人は逃走中。

 修道女らと医師は少女が出産したことを当局に伝えず、子どもをカトリック系の児童養護施設に隠した容疑で、病院職員2人とともに逮捕状が発行されたという。インドでは法律に基づき、10代少女による妊娠と出産は、医師と病院が当局に届け出なければならない。

 事件は子どもの権利を擁護する団体が、隠されていた出産の事実を当局に届け出たことで捜査が始まり、司祭の関与が明らかになった。


◎キリストが両親と暮らした家?ナザレで見つかる

 【CJC】聖書を研究する考古学誌『バイブリカル・アーキオロジー・レビュー』によると、英レディング大学のケン・ダーク教授らが率いる調査チームが、イスラエル北部のナザレでイエス・キリストが聖母マリアや父ヨゼフとともに暮らした家を特定したと発表した。

 ダーク教授らの調査チームは、2004年あら2010年にかけてナザレの北北西6キロ付近に位置するナハール・ジッポーリ地区を調査した。

 発掘調査の結果、1世紀に建てられたキリストの家は、丘陵地帯から谷に向かって傾斜するように建てられていて、石造りの壁が残り、内部には穴の開いた調理道具や糸巻きなどのほか、ユダヤ人が家に飾る石灰岩で作った船の飾りが見つかった。

 ダーク教授によると、この家は2世紀になる前に空き家となり、集落全体が採石場として使われるようになった。3世紀頃には墓地と教会が建てられたものの、ビザンチン帝国時代に装飾用のモザイクタイルで飾られた形跡を見ると、当時の人たちも、イエスが両親と暮らした聖なる場所だと認識していたのではないかと推測しているという。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(3月12日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★今村信徒発見150周年=歴史的出来事を記念=福岡
★教皇フランシスコ=ローマの聖公会教会を訪問=一致への旅路を共に歩む
★教皇=助けは「常に正しい」=困窮している人への援助訴え=四旬節を前に語る
★南スーダン司教団=飢饉防止へ支援訴える=一般市民の攻撃も非難
★各国司教の使徒座訪問=アドリミナ 様変わり=司教団と省庁高官、同席に

 

 =キリスト新聞(3月11日)=http://www.kirishin.com
★東日本大震災=尽きぬ不安 残る爪痕=6年目の被災地を行く
★ムニブ・ユナン氏に庭野平和賞=諸宗教間対話に向けた取り組み評価
★「宗教の背景や目的見失わないで」=宗教連盟70周年シンポに企業とNPOから講師
★仙台白百合大「岩田靖夫文庫」開設=被災地での思索 蔵書約3千冊を寄贈
★伝統宗教の位置と役割描く台湾映画=『百日告別』公開で監督来日

 

 =クリスチャン新聞(3月12日)=http://クリスチャン新聞.com
★東京YMCA午餐会で森本あんり氏講演=トランプ大統領は反知性主義の再現
★東日本大震災から6年=「フクシマ」を7人の目で表現
★箱根から森林公園へ=ブレディ氏、カンビル氏講演=「あなたは38年間を無駄にするのか」=第56回日本ケズィックコンベンション
★「テロリスト、犯罪者ではないから大丈夫?〜『共謀罪』を考える?」1 =重大犯罪 話し合っただけで捕まる=生活者ネット主催「憲法カフェ」で伊藤朝日太郎氏講演
★「心の性別でトイレ」通達撤回に米IT企業が相次ぎ声明

 
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