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世界キリスト教情報 第1373信(2017.05.15)

  • 米朝"和解"図る教皇の胸のうち
  • ファティマの牧童フランシスコとジャシンタ聖人に
  • 教皇が「メジュゴリエの聖母出現」に疑念
  • 世界最大のイスラム教国インドネシアで世界最大のキリスト像建設計画
  • 教会内でポケモンにロシアの裁判所が執行猶予付き有罪
  • ≪メディア展望≫

 

◎米朝"和解"図る教皇の胸のうち

 【CJC】教皇フランシスコが5月24日午前にバチカン(ローマ教皇庁)で米国のドナルド・トランプ大統領と会談する。バチカンが5月4日発表した。

 教皇は4月29日、エジプト訪問からの帰路、特別機内での記者会見で、会見に前向きの姿勢を見せていた。

 昨2016年2月、米大統領選で共和党の候補指名争いをリードしていたトランプ氏が、メキシコ国境沿いに壁を建設すると主張していたことに、「橋ではなく壁を築くことばかり考える人は、キリスト者ではない」と述べた教皇に、トランプ氏が猛反発した経緯があるのにだ。

 さらにその裏側で、北朝鮮と米国が"電撃和解"するのではないか、という予測も流れている。

 5月8日と9日、ノルウェーのオスロで米国と北朝鮮の非公式秘密協議が行われた。教皇が仲をとりもったとも見られる。

オスロに北朝鮮が送りこんだのは外務省のチェ・ソンヒ米州局長。元首相の養女で、金正恩委員長と直接話ができるといわれる。北東アジア直接対話の場に米州副局長として登場した時には「非核化を議論するつもりはない」と強気の発言をしていた。

米国側は、民間シンクタンク『ニューアメリカ』のスザンヌ・ディマジオ上級研究員。米政府とは関係ない民間の立場だが、中東やアジア外交の経験が豊富で、とくに外交関係を持たない国との交渉のエキスパートという。

 女性2人が誰の手引きで、またどこで会ったかも未だに明らかにされていない「秘密協議」。現段階では明らかにしたくない事情があるだろうが、そこにノルウェー政府が一枚噛んでいるのは確かだろう。

 教皇はエジプト訪問の帰途では、「朝鮮半島で戦争が勃発すれば、罪のない多くの人々の命が失われることになる。このため、世界の全ての指導者に対し、交渉での解決方法を見出すよう求める」と語ったが、その際、「世界には自ら手を挙げる仲介役はたくさんいる。例えば、ノルウェーは助けの手を差し伸べられるだろう」とも述べている。

 今回の非公式接触について米国務省当局者は「(米政府と)独立して行われている」との認識を示すに留まっているが、トランプ政権は1日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との直接対話に応じる可能性を示唆している。

 レックス・ティラーソン米国務長官も3日の演説で、北朝鮮が核・ミサイル開発を放棄すれば「四つのノー」を保証すると表明した。(1)体制転換を求めない(2)金政権崩壊を求めない(3)朝鮮半島再統一を急がない(4)朝鮮半島を南北に分ける北緯38度線を越えて米軍が北朝鮮側に侵攻しない、というもの。

 北朝鮮の崔善姫米州局長は13日、帰国に向けた経由地の北京の空港で、トランプ米政権との対話について「必要な条件が整えば対話する」と記者団に語った。崔氏と非公式に接触したのはクリントン政権で国務次官を務めたトーマス・ピカリング氏だともされた。崔氏は北朝鮮で4人の米国人が拘束されている問題は協議しなかったという。

 しかし14日、北京で開幕した「一帯一路」国際協力サミットフォーラムを意識したように、北朝鮮はミサイル『火星12号』を打ち上げた。核・ミサイル開発を推進する立場を崩さない一方で、米国との対話の可能性も排除しないという両面戦略に、"和解"図る教皇の胸のうちは何を描いているのだろうか。


◎ファティマの牧童フランシスコとジャシンタ聖人に

 【CJC】教皇フランシスコは5月13日、ポルトガル訪問の目的地ファティマでミサを捧げ、同地での聖母出現100年を祝うと共に、聖母の出現に会ったフランシスコ・マルトとジャシンタ・マルトの牧童2人を聖人の列に加えた。

 カトリックの教会暦で「ファティマの聖母」を記念するこの日、ファティマの聖母巡礼地には、世界中から熱心な信者らが集い、教皇と共に聖母への崇敬を新たにし、フランシスコとジャシンタ兄妹の列聖の喜びを分かち合ったと、バチカン放送(日本語電子版)が報じている。

 1917年5月13日、フランシスコ・マルト(当時9歳)とジャシンタ・マルト(当時7歳)が、従姉妹ルシア・ドスサントス(当時10歳)と、ファティマのコヴァ・ダ・イリアで羊の群れの世話をしていると、突然強い光が差し、ロザリオを手にした輝く婦人が現れ、罪人の回心のために祈るようにと3人の子どもたちに告げた。牧童たちは聖母の出現を計6回にわたって受けた。

 フランシスコは199年に11歳で、ジャシンタはその翌年に10歳で、当時世界的に流行したインフルエンザ「スペイン風邪」で死去した。

 ファティマの大聖堂内には、フランシスコとジャシンタ兄妹が、その後修道女となり2005年に亡くなった従姉妹ルシアと並んで葬られている。

 教皇はミサの説教で、聖母は神の無い生活、神を冒涜する生活が地獄へとつながる危険を予告し、わたしたちの心に住み、わたしたちを被う神の光を思い出させるために来られたと話した。

 「わたしたちには母がいます、母がいるのです」と人々に呼びかけた教皇は、聖母に子としてすがり、イエスに置かれた希望を生きるよう招いた。

 2日間にわたるファティマ巡礼を終了された教皇は、同日午後、帰国の途に着いた。


◎教皇が「メジュゴリエの聖母出現」に疑念

 【CJC】聖母マリアの出現地として年に100万人もの信者が訪れるボスニア・ヘルツェゴビナのメジュゴリエだが、教皇フランシスコは5月13日、訪問先のポルトガルからバチカンに戻る機内で、メジュゴリエでの聖母マリアの出現については、現在進行中のカトリック教会の調査によって疑念が生じていると述べた。AFP=時事通信が報じた。

 教皇は「子どもたちが見た女性は聖母マリアではない」と述べた。さらに自身の個人的な見解として「明日、この時刻にここへ来ればメッセージを伝えるなどと、聖母マリアが言うわけがないのは明らかだ」と語った。

 1981年6月、当時はユーゴスラビアだったボスニア南部のメジュゴリエで6人の子どもたちが聖母マリアが現れたと証言して以来、同地には毎日のように聖母マリアが現れるとされている。

 教皇は2013年にも、「聖母マリアは、毎日メッセージを届ける郵便局長ではない」と述べ、メジュゴリエの聖母マリア出現に疑問を呈していた。

 しかし教皇は、ポルトガルのファティマで聖母マリアの出現を100年前に目撃したとされる2人の列聖式で同国を訪れていたその帰途とあって、その真意を探る動きもある。

 AFP=時事通信は、カトリック教徒が人口の約10%を占め、メジュゴリエを訪れる観光客から収入を得ているバルカン半島の貧困国ボスニア・ヘルツェゴビナに対して、教皇の考えは波風を立てることになりそう、としている。


◎世界最大のイスラム教国インドネシアで世界最大のキリスト像建設計画

 【CJC】世界で最もイスラム教人口の多いインドネシアで、世界最大のキリスト像の建設が計画されている。建設が計画されているのは、ニューギニア島西側のパプア州の州都ジャヤプラのプンカク・グヌング・スワジャ山の頂上。

 像の高さは約50メートル、土台の高さが約100メートルになるとしている。リオデジャネイロ五輪を機に改めて日本でも関心が高まった「コルコバードのキリスト像」の高さ約30メートル、土台約38メートルを大幅に上回ることになる。

 インドネシアのキリスト教人口は、総人口2億4000万人(2010年)の1割未満に過ぎない。一方、イスラム教人口は87・2%に上る。人口の上では世界最大のイスラム教国だが、イスラム教を国教として定めているわけではない。

 像の建設には地元議会の承認が必要で、着工にこぎ着けるかはまだ未確定。建設費用は約2530億円から4220億円に上ると見込まれている。人口の3割近くが最低生活をしているパプア州にとって相当な金額になる。


◎教会内でポケモンにロシアの裁判所が執行猶予付き有罪

 【CJC】ロシア中部エカテリンブルクの裁判所は5月11日、教会内でポケモンGOをした22歳の男性ブロガー被告に対し、宗教的嫌悪を誘発したとして執行猶予付き禁錮3年半の有罪判決を言い渡した。160時間の社会奉仕活動や公共の場に現れないことも命じた。

 ルスラン・スコロフスキ被告は2016年8月、ロシア帝国最後の皇帝ニコライ2世とその家族が1918年に殺害された場所に2003年建設された『全ロシアに輝ける諸聖人の名による、血の上の大聖堂』の内部で、スマートフォンでポケモンGOをプレイしている自分のビデオ映像をネット上に投稿、イエス・キリストをポケモンになぞらえ「最も珍しいポケモンは見つからなかった」となどの発言をした。男性はロシア正教会を批判する動画なども投稿していた。動画はこれまでに190万回以上再生されたという。

 被告はその後当局に拘束され、裁判までの間、拘置所に収監されたり自宅軟禁下に置かれていた。

 検察は4月28日、被告に対し、宗教的嫌悪を誘発したとして3年半の「流刑地」収容を求刑していた。

 有罪の言い渡しを受け、被告は「自由でいられることに満足している。ポケモンはもうしない。すでに流行遅れだし」と述べ、判決を受け入れる考えを示した。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(5月14日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★教皇 エジプトを訪問=平和と「一致」の旅
★教皇=「外交努力が必要」=北朝鮮と米国に促す
★ザンビア=残虐・独裁を憂慮=司教団「政治指導者は扇動的」
★徳善義和牧師に功労賞=日本エキュメニカル協会
★乙女峠まつり=「浦上四番崩れ」から150年=島根・津和野

 

 =キリスト新聞(5月13日・休刊)=http://www.kirishin.com

 =クリスチャン新聞(5月14日・休刊)=http://クリスチャン新聞.com

 
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