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世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1375信(2017.05.29)

  • トランプ大統領が教皇フランシスコと会談
  • 韓国の文大統領、教皇に「南北の仲介」要請
  • ドイツ教会がベルリンで第36回大会
  • WCCの『エキュメニカル研究所』から初の博士誕生へ
  • エジプトでコプト教徒らのバス襲撃
  • 河瀨直美監督、カンヌ映画祭で日本人女性初の受賞
  • ≪メディア展望≫

 

◎トランプ大統領が教皇フランシスコと会談

 【CJC】ドナルド・トランプ米大統領は5月24日、バチカン(ローマ教皇庁)を訪れ、教皇フランシスコと30分近く会談した。

 会談に先立ち2人は報道陣のカメラの前で握手を交わした。AFP通信は、満面の笑みを浮かべたトランプ大統領が「大変ありがとうございます」とか「ここにいることは大変な名誉です」と言う声が聞こえたと報じている。

 初めはトランプ氏より深刻な様子だったフランシスコ教皇だが、予定よりわずかに長引いた会談を終えて2人が姿を見せた時には楽しげな様子を見せた。

 会談にはメラニア・トランプ夫人やトランプ氏の長女で大統領補佐官のイヴァンカ・トランプ氏も同席した。2人とも伝統的な慣習にならい、黒い服に身を包んでいた。


◎韓国の文大統領、教皇に「南北の仲介」要請

 【CJC】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が教皇フランシスコに親書を送り、その中で「南北間の和解への仲介」を要請した。文大統領はバチカン(ローマ教皇庁)への特使として、金喜中(キム・ヒジュン)光州大司教と成稔(ソン・ヨム)元バチカン大使を派遣、2人は5月20日にローマ入りした。

 2人は24日、水曜日恒例の一般接見の場で文大統領の親書を手渡した。バチカンの日刊紙『オッセルバトーレ・ロマノ』は翌25日付けで報じた。

 金大司教は26日、バチカンの外交責任者で、教皇に意見を伝える立場にあるピエトロ・パロリン国務省長官と会い、「韓国と北韓(北朝鮮)の和解のために教皇に力を貸していただきたい」と依頼したことを、韓国の通信社『聯合ニュース』に明らかにした。

 『聯合ニュース』によると、金大司教は、具体的には「教皇がアメリカとキューバーの和解を仲介した形を考えている」と述べたという。「教皇庁について、武器も軍人も持たない単なる宗教国家だと考えがちだ。しかし教皇庁は世界の利害関係に絡んでいないうえ、中立的であるため、その外交の力は私たちの想像を上回る」と金大司教は述べており、南北和解と韓半島(朝鮮半島)の平和に教皇庁が重要な役割を果たすことに大きな期待を示した。

 大司教が手渡した親書は、教皇が2014年に韓国を訪れてくれたことに感謝の意を示すとともに、南北の平和と和解のための新政権の努力が身を結ぶことができるよう祈りと支持を求める内容となっている。教皇は自らも親書を送ることを約束したという。

 韓国大統領府関係者は23日、「文大統領の親書に南北首脳会談との表現はない。確実に否定する」と明らかにした。同関係者は「具体的には確認していないが、親書には『朝鮮半島の平和に対する教皇の関心に感謝する。今後も関心を寄せてほしい』程度の表現が含まれているとみられる」と説明。また、「(国際社会の)対北朝鮮制裁という大事な局面を迎えている今は南北首脳会談の話をする段階ではない」とし、「北朝鮮が先に(朝鮮半島の非核化に対する)誠意を見せ、対北朝鮮制裁が解除されなければ対話はできないという韓国政府の基本的立場に変わりはなく、教皇に渡す親書には韓国政府の基本的立場と異なる表現はない」と強調した。韓国メディア『ヘラルド経済』が報じている。


◎ドイツ教会がベルリンで第36回大会

 【CJC】「キルヘンターク」と呼ばれるドイツの教会大会は2年に一度開催されるが、「宗教改革」500周年に当たる今年、5月21日から28日まで、創世記16・13『あなたは私を見つめる(仮訳)』をテーマに第36回大会が開催された。

 関連の催しは2500以上、参加者は10万人を超えた模様。


◎WCCの『エキュメニカル研究所』から初の博士誕生へ

 【CJC】ジュネーブ近郊のボセーにある世界キリスト教協議会(WCC)の『エキュメニカル研究所』から初の博士が誕生した。ジュネーブ大学プロテスタント神学部と提携して実施している神学博士号(エキュメニズム専攻)取得コースを終了した最初の資格者が同大学の口頭試問を通過したもの。『エキュメニカル研究所』が、各国のWCC加盟教会に神学的に貢献する最初の事例となる。

 最初の挑戦者は、ナイジェリアのブレスレン教会のダニエル・Y・エンバヤ総幹事。同教会の非暴力の証しを、激しい極端派の暴力に直面する歴史的に平和なブレスレン教会の存在と証しに焦点を絞ったもので、エンバヤ氏の研究は今日の倫理分野にとって最も刺激的な知識を確立するのに貢献した。

 エンバヤ氏の研究を指導した同研究所のエキュメニカル社会倫理専門のアメレ・エクエ教授は、同氏の働きは、個人の業績である以上に、エキュメニカルかつ宗教間の協働のためにナイジェリアの教会から次世代の指導者を生み出すことにも貢献することになろう、と強調した。


◎エジプトでコプト教徒らのバス襲撃

 【CJC】エジプト中部ミニヤー県で5月26日、コプト教会の信徒を乗せたバスが武装集団に襲撃された。政府系『アル・アハラム』紙(電子版)は、地元知事の話として、少なくとも28人が死亡し、23人が負傷したと伝えた。死者に子どもが含まれている。

 一行は隣県からミニヤー県内にある修道院へ向かう途中だったという。県都ミニヤーは首都カイロから南へ約200キロ。コプト教徒が多く住んでいる。

 エジプト内務省が米メディア『CNN』に明かしたところによると、軍服を着用しマスクで顔を覆った襲撃犯10人が、四輪駆動車3台からバスの乗客に発砲した。

 犯行声明などは出ていないが、過激派組織『イスラム国』(IS)による犯行の可能性がある。

 エジプトでは昨年12月と今年4月9日に首都カイロ、北部のタンタとアレクサンドリアのコプト教会を狙った自爆テロがあり、計約70人が死亡した。いずれも『イスラム国』が犯行声明を出し、さらに襲撃すると警告していた。エジプト政府は4月の襲撃後、国家非常事態を宣言し、警戒態勢を強めていた。

 国営『ナイルTV』によれば、アブドル・ファッターフ・アッ=シーシー大統領は、テロリストの拠点に対し事件の数時間後に空爆を行ったと発表した。空爆の正確な場所は不明だが、『ナイルTV』は、シナイ半島やリビアとの国境地帯に潜むテロリストが標的になったと伝えた。

 「イスラム教国」とされるエジプトの人口の約1割を占めるコプト教徒は近年、『イスラム国』の戦闘員からたびたび標的にされており、暴力が続く状況を受け、コプト教徒の大量難民化が発生している。


◎河瀨直美監督、カンヌ映画祭で日本人女性初の受賞

 【CJC】5月17日に開幕した『第70回カンヌ国際映画祭』は、28日閉幕した。今年は19作品がコンペティション部門に選出されていた。

 最高賞にあたるパルムドールに輝いたのは、『フレンチアルプスで起きたこと』などの作品で知られるスウェーデンのリューベン・オストルンド監督による『ザ・スクエア』。現代アートの美術館でキュレーターとして次の展覧会に取り組む主人公が、携帯電話を盗まれたことをきっかけに愚かな行動をとってしまうという物語。

 河瀬直美監督の『光』はコンペティション部門での入賞はなかったが、独立部門のエキュメニカル審査員賞を受賞した。

 『光』は、河瀨監督がオリジナル脚本で挑むラブストーリー。人生に迷いながら生きてきた、映画の音声ガイドを作っている女性が、視力を失いつつある天才カメラマンとの出会いをとおして変化していく様子を描いている。日本では27日に全国公開された。

 日本人監督としては、2000年に『ユリイカ』で受賞した青山真治監督以来、日本人女性監督としては初の受賞。公式上映では10分以上のスタンディングオベーションに包まれた。

 エキュメニカル賞は、カトリック教会とプロテスタントの国際映画組織の審査員によって選出される賞。「人間の精神的苦痛や弱点、または可能性にいかに関わるかを通じて、人間の神秘に満ちた深遠さを表現する映画の力を証明したすぐれた作品を表彰する」ことを目的に、キリスト教の映画関係者によって創設されたもの。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(5月28日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★神は希望を告げる方=教皇の一般謁見講話
★教皇フランシスコ=信者宅を個別訪問
★教皇=新枢機卿の叙任 発表=アフリカ、アジア、中米からも
★ラテンアメリカ司教協議会=ベネズエラ支援訴える
★献堂120年を記念=丹後教会の宮津教会堂=京都

 

 =キリスト新聞(5月27日)=http://www.kirishin.com
★24年ぶり展示=「バベルの塔」の時代と魅力=寄稿 真下弥生(ルーテル学院大学・東京神学大学非常勤講師)
★抵抗権を思想とする精神鍛えよ=渡辺信夫氏が長老教会社会委の学習会で講演
★原発廃止はエキュメニカルな課題=日本キリスト教連合会総会に光延一郎氏
★教派超え「発信」のあり方問い直す=教会的「宣伝会議」セミナー2017
★寺社フェス「向源」に牧師も参加="仏教でも同じテーマ追う僧侶が"

 

 =クリスチャン新聞(5月28日)=http://クリスチャン新聞.com
★PMPM@国会3=後悔ないよう今すべきことを=「共謀罪」衆院採択前に国政のため祈り
★「ひゃー、怖い!」=震度7の揺れ 生体験=新宿消防署も協力「防災フェスタ2017」開催
★JEA宣教委で宣教研究部門が始動=共通課題の協力を模索=JCE6プロジェクトを継続
★拠点なかった福島で全国的な協力活動=福島復興支援プロジェクト「ふくしまYMCA」発足=一人で出来ないこと共に
★不確かな時代に次世代クリスチャンの決心励ます=信仰の問いかけに応答を=J+Passion Tokyo 2017

 
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