世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1376信(2017.06.05)

  • 南北朝鮮の宗教指導者が17日から平壌で会合
  • 韓国の文大統領、朝鮮半島の平和へ教会の役割をWCC代表団と協議
  • 教皇がバチカン組織の責任者たちと会談
  • 教皇、エジプトのテロ犠牲者のために祈り、テロリストたちに回心を呼びかけ
  • 教皇に「素晴らしい人」とトランプ米大統領
  • カナダ首相も教皇と会見、先住民の人権問題で意見交換
  • 教会の食事で集団食中毒かインドで8人死亡
  • 「99%の確立」でノアの方舟が見つかった!と英紙
  • ≪メディア展望≫

 

◎南北朝鮮の宗教指導者が17日から平壌で会合

 【CJC】南北朝鮮の宗教指導者が6月17日から20日まで、朝鮮半島の平和を主題に北朝鮮の平壌で会合する。

 5月18日から22日まで北京で開催された『アジア宗教平和会議』の出席者の間で、平壌開催に合意した。


◎韓国の文大統領、朝鮮半島の平和へ教会の役割をWCC代表団と協議

 【CJC】世界教会協議会(WCC)のオラフ・フィクセ=トヴェイト総幹事ら代表団が5月30日、韓国ソウルの大統領府で、10日に就任した文在寅(ムン・ジェイン)大統領と会談し、朝鮮半島和平における教会の役割などについて話し合った。

 人権弁護士として活躍してきた文大統領は、韓国教会協議会(NCCK)釜山支部のメンバーだったこともある。

 「就任後、これほど早い時期に、文大統領がわたしたちを迎えてくれたことは、韓国の教会とWCCが、朝鮮半島の平和に向けた関係構築の役割を担っている、と認識していることの表れ」とトヴェイト総幹事は述べた。

 総幹事は、文大統領に「世界中どこに行っても、特に地政学的緊張が高まっているこの時期に、朝鮮半島の状況を尋ねられ、この地域の平和と和解を促進するために、WCCと韓国の教会が何かできるのではないかということです。WCCは南北朝鮮のキリスト者の出会いと対話を支援する長い歴史を持っており、さらなる努力に向けて力を注いでいる」と語った。


◎教皇がバチカン組織の責任者たちと会談

 【CJC】教皇フランシスコは5月29日、(ローマ教皇庁)組織の責任者と会談した。会談の目的は明らかにされていない。しかし現地紙『ラ・スタンパ』の報道によると、議論の主な話題は、新たに立ち上がっている「エクレシア(教会)運動」だった。

 同紙は、バチカンの当局者が、司祭が教区司教の直接の権限下にではなく、それぞれの運動の中で任命する可能性について議論した、と報じた。

 現行の教会法では、司祭は司教または修道会や宣教会などの上長の載置に従わなければならないとされている。出席者たちは、「エクレシア運動」に携わっている司祭のために、教会法上の新たな機構を創設する可能性について議論したものとみられる。


◎教皇、エジプトのテロ犠牲者のために祈り、テロリストたちに回心を呼びかけ

 【CJC】主の昇天の祝日にあたる5月28日正午、『レジナ・チェリ』(天の女王)の祈りに際して、教皇は、エジプトでのバス襲撃、英マンチェスターで起こったテロ事件に触れ、犠牲者たちの冥福を祈るとともにテロ行為を厳しく非難し、テロリストたちに心からの回心を呼びかけた。

 バチカン放送(日本語電子版)によると、教皇は「兄弟姉妹の皆さん、エジプトおよびイギリスでの卑劣なテロ行為の犠牲者たちのためにわたしは大変心痛めています。かれらの冥福を祈るとともにそのご家族たちに心からの祈りをもって同伴いたします。テロリストたちに声を大きくして叫びたい、人間的な心を取り戻し回心するように」と語りかけた。

 続けて教皇は、「エジプトでのイスラム・テロの犠牲者コプト教徒たちの中には子どもたちもその中におりました。彼らは巡礼地に祈りに行く途中だったのです。かれらは皆キリストへの信仰を捨てることを強要されましたが、それを拒否し、キリストへの信仰のために殺害されました。まさしく信仰の証人たち、殉教者です。主がその永遠の平安の中に受け入れてくださいますように。そして全能の神がテロリストたちの心を回心へと導いてくださいますように」述べた。

 さらに「マンチェスターでも多くの若者たちがコンサートの最中、恐ろしいテロ行為の犠牲となりました。かれらの冥福を祈るとともにその家族や友人たちのそばにわたしはとどまります」と語った。

 「今日は復活祭から40日目の主の昇天を祝う」と語りかけた教皇は、「キリストの受難と復活という大事件を体験した後も使徒たちの中にはまだ疑いを抱く者たちがいたと福音書は伝えています。キリストは天の御父のもとに昇る前にかれらに重大な使命を託します。全世界に行ってキリストの福音を述べ伝えるという使命です。その実現のためにキリストはさらにより大きな保証も弟子たちに与えます。昇天後、肉眼では見えなくなったキリストは信じるすべての人々とともに世の終わりまでとどまることを約束します。このキリストの現存、いつも私たちとともにいてくださるという事実、その確信がいかなる状況の中にあるキリスト者にとっても大きな支えであり力です。そして同時に困難における慰め、弱さにおける力なのです」と語った。


◎教皇に「素晴らしい人」とトランプ米大統領

 【CJC】米国のドナルド・トランプ大統領が、今度は教皇フランシスコに対して「素晴らしい人」と発言した。

 トランプ氏は6月3日、ラジオやネットなどを通じて全米に放送された演説で、「中東・欧州歴訪の日程と成果について説明、バチカン(ローマ教皇庁)を訪れてフ教皇に会って光栄だった。彼は実に素晴らしく、偉大な人(ガイ)」と話した。「ガイ」は米国で相手を気楽に呼ぶ時によく使う言葉で、「みなさん」、「友達」といったニュアンス。

 トランプ氏は、初めての海外歴訪だった5月24日、バチカンで教皇フランシスコに初めて会い、約30分間、会談した。トランプ氏は会談後、ツイッターに「今日、教皇聖下に会った。一生の光栄だ。いつよりも世界の平和を追求しなければならないという断固たる思いを持ってバチカンを離れる」と書き込んだ。

 今回の発言は、歴代大統領のスタイルとは一変した雰囲気のなかで行われた所から、トランプ氏特有の話法が発動したという分析や、昨年の大統領選期間からメキシコ国境障壁建設計画や気候変動問題などをめぐって教皇と対立してきた感情のわだかまりが表出されたのではという観測も流れている。

 教皇は昨年2月、大統領候補のトランプ氏がメキシコとの国境に不法移民を防ぐ壁を建設すると発言していることについて、「橋を築くことでなく、壁を造ろうと、それだけを考えている人は、キリスト者ではない」と語った。

 これに応えてトランプ氏は当時、「宗教指導者が人の信仰を批判するなどみっともない」と反発し、「もしバチカンが『イスラム国』に攻撃されたら、教皇はドナルド・トランプが大統領だったら良かったのにと嘆くに違いない」と演説していた。


◎カナダ首相も教皇と会見、先住民の人権問題で意見交換

 【CJC】カナダのジャスティン・トルドー首相は5月29日、バチカン(ローマ教皇庁)を訪れ、教皇フランシスコと会見した。

 バチカンによると、イタリア・タオルミナで開催された先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)で議論された内容や、カナダの先住民の人権問題などについて意見交換した。

 教皇は24日にはバチカン内の私的図書室でドナルド・トランプ米大統領とその家族と会見した。


◎教会の食事で集団食中毒かインドで8人死亡

 【CJC】インド北東部メガラヤ州で、キリスト教会で食事をした信者らが食中毒とみられる症状を訴え、子ども7人を含む少なくとも8人が死亡、200人近くが病院で治療を受けている。一部は重体。地元警察が5月30日発表した。

 AFP通信によると、集団食中毒が発生したとみられるのは、同州リボイ県ノンキャ村の『神の教会』。28日、礼拝が終わった後に信者2000人近くに食事を提供したところ、うち数百人がライスや豚肉を食べた後に嘔吐(おうと)し、腹痛を訴えた。

 当局は、食事が腐っていたのではないかとみている。

 地元警察幹部がAFPに語ったところでは、食事の一部は検査機関に送られ、本件について調査を開始することも指示されている。

 メガラヤ州はインドでは数少ない、キリスト者が多数を占める州の一つ。


◎「99%の確立」でノアの方舟が見つかった!と英紙

 【CJC】英紙『デイリー・エクスプレス』や『デイリー・スター』が、ノアの方舟が見つかったと報じた。ノアの方舟の残骸を発見したのは、香港を拠点とする『ノアズ・アーク・ミニストリーズ・インターナショナル』
(NAMI)という宣教団体の捜索グループ。

 同グループは、トルコのアララト山でノアの方舟の残骸を海抜約4000メートルの場所で発見したと主張している。方舟は、雪と火山岩の層の下で見つかったとして「100%ではないが、これがノアの方舟である確率は99・9%。発見した木の構造物は放射性炭素年代測定では4800年前のもの」という。

 欧米のメディアは、思い出したように、聖書に記載されている大洪水の後でアララト山に漂着した方舟の痕跡が見つかったと報じる。「100%ではないが」というところを見ると、今はやりの「フェイクニュース」ではない、ということか。

 
《メディア展望》

 =カトリック新聞(6月4日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
★陰口は分裂招く罪=神を求める人をも遠ざける=教皇=ローマの小教区で説く
★教皇フランシスコ=米大統領と会談=平和への希望語る
★エジプトのキリスト教徒=「いつ殉教するか分からない」
★「共謀罪」で反対声明=正義と平和協議会会長
★日本カトリック女性団体連盟=仙台総会で絆確認

 

 =キリスト新聞(6月3日)=https://www.kirishin.com
★「美しい星」に宿る病を軽妙に=三島由紀夫の異色作品が映画化=物質文明に生きる〝宗教者〟の姿
★〝苦しむ人に信徒もケアを〟=「ステファン・ミニストリー」創設者が来日
★「人間解放」に向けて行動起こそう=「宗教者と市民による学習会」に関田寛雄氏
★不確実な時代に人間性の理解育む=「祈り」主題に日本キリスト教文学会大会
★「ルーテル世界連盟」新会長にムサ・パンティ・フィリバス大監督

 

 =クリスチャン新聞(6月4日)=https://クリスチャン新聞.com
★三浦綾子作品が描く牧師像=「読書会」が牧師会全国大会を開催
★混乱の時代に「バベルの塔」が来日
★ホイートン大学ライケン学長が来日講演=知性と霊性を統合した教育を=キリスト中心のリベラルアーツで
★映画「きらめく拍手の音」=音のない文化と健聴者の文化=二つの文化を結ぶ親子の輝き=イギル・ボラ監督に聞く
★内心の自由を奪い処罰する「共謀罪」の廃案求める声明=宗教者九条の和

 
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