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世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1379信(2017.06.26)

  • 北朝鮮から昏睡で帰国の米大学生死亡
  • 北朝鮮が「人質外交」展開か疑念強まる
  • WCCが南アで『ダッチ・リフォームド教会』と初会合
  • バチカンで能『復活のキリスト』披露、国交75周年記念
  • バチカン銀行が44億円の利益上げる
  • バチカン科学アカデミー新会長にドイツの経済学者ブラウン氏
  • 「高級外車乗るな」とロシア正教会総主教が幹部に呼び掛け
  • ≪メディア展望≫

 

◎北朝鮮から昏睡で帰国の米大学生死亡

 【CJC】北朝鮮で約1年半拘束された後、6月13日に昏睡状態で帰国した米国人大学生オットー・ワームビア氏が19日、故郷であるオハイオ州シンシナティの病院で、家族に見守られながら亡くなった。

 AFP通信は、家族が声明で「悲しい報告をしなければなりません。われわれの息子であるオットー・ワームビアは、故郷への旅路を終えました」と発表したと報じている。「北朝鮮による息子へのむごたらしい虐待からは、これ以外の結果は起こり得なかった」という。


◎北朝鮮が「人質外交」展開か疑念強まる

 【CJC】北朝鮮に拘束された米国人大学生オットー・ワームビア氏(22)が昏睡状態で解放され、米国に戻って1週間もたたずに死亡したことで、米国には北朝鮮による「拷問」疑惑が渦巻き、それにすぐさま北朝鮮側が反論したことは、「人質外交」の誤算を取り繕うものと、米側の疑念がさらに強まっている。

 ワームビア氏は15年12月29日、観光目的で北朝鮮入り。翌16年1月2日、北朝鮮を出国する間際、平壌国際空港で拘束された。

 「何が起こったかよく分かっている」。スパイサー米大統領報道官は6月23日の記者会見で強調した。ワームビア氏の死の責任が北朝鮮にある、とするものだった。

 北朝鮮は「国家転覆陰謀罪」としてワームビア氏を拘束したものの、行動の詳細は明らかにしていない。中央裁判所(最高裁判所に相当)が2016年3月、労働教化刑(懲役)15年の判決を言い渡された同氏は「特別教化所」に収容され、受刑者として生活したと推定される。受刑者は1日に14〜16時間の強制労働に従事させられ、両手1杯分程度の食事しか与えられず、拷問を受けることもあり、衛生状態も最悪、などという推測情報もある。

 ワームビア氏は服役してすぐに昏睡状態になったとされる。米側は「拷問を受けた」と見ているが、どこまでの状況だったのか、正確な情報はない。

 北朝鮮は今年6月6日になって、初めてワームビア氏の症状を米国に伝達した。報告を受けたドナルド・トランプ大統領は、ジョセフ・ユン北朝鮮担当特別代表に医療チームを伴い訪朝するよう指示した。12日、ユン氏は平壌に入り、直ちにワームビア氏と面会、「人道的措置として即時解放」を北朝鮮に同意させた。その時、北朝鮮はワームビア氏の症状の原因を「ボツリヌス中毒」「睡眠薬服用」と主張した。

 しかし昏睡状態のまま帰国したワームビア氏を診察したオハイオ州シンシナティの神経科医ダニエル・カンター氏らは15日、記者会見し、ワームビア氏の神経系が「反応のない覚醒状態」にあると説明、脳に広範囲にわたる損傷がみられるものの、その原因はまだ不明のままだと発表した。中毒を示す症状は見られなかった、という。

 「健康状態が悪化したことを考慮し、米国に戻るまで誠意を込めて治療した」。北朝鮮外務省は主張する。北朝鮮にとっても急死が誤算だった可能性もある。

 17年2月、ワームビア氏は当局監視のもとで記者会見を開き、『フレンドシップ合同メソジスト教会』から指示を受けた、と明かした。米国在住の友人の母から「スローガンを持ち帰ったら、中古車をあげる。共産主義国家への勝利の証しとして教会に飾る」と言われた、とも語っている様子を公開した。

 一方、韓国の聯合ニュースは6月23日、ワームビア氏が金正恩・朝鮮労働党委員長の写真を掲載した党機関紙『労働新聞』で自分の靴を包んだため、という情報が平壌で出回ったと報じている。


◎WCCが南アで『ダッチ・リフォームド教会』と初会合

 【CJC】世界教会協議会(WCC)が南アで『ダッチ・リフォームド教会』(DRC)と57年ぶりに初めて会談した。

 WCCの信仰職制委員会が今回、プレトリアのエムセニ・クリスチャン・センターで総会を6月15日から22日に開催するに当たってDRCがホスト役を務めた。

 1960年、WCCが南アの加盟教会と会談したが、アパルトヘイト(人種隔離政策)支持をめぐり、61年にDRCはWCCを脱退、以来半世紀以上も「関係断絶」状態が続いていた。

 DRCは1986年、あらゆる形の人種差別を拒否することを表明していたが昨2016年、ノルウェーのトロンハイムで開かれたWCC中央委員会でWCCに復帰が決まった。

 信仰職制委員会は、ローマ・カトリック教会も含めキリストの主要な歴史的流れに立つエキュメニカル神学の多国間・地球規模のフォーラム。

 6月16日、創設100周年記念コロキアム(会議)が行われたプレトリア大学神学部はアパルトヘイト時代を経て、公開・多彩な場所となり、黒人学生が6割を超えるまでになっている。


◎バチカンで能『復活のキリスト』披露、国交75周年記念

 【CJC】バチカン(ローマ教皇庁)のカンチェレリア宮殿で6月23、24の両日、「勧進能」が宝生流・金剛流の合同で行なわれた。23日は能『翁』(宝生流)と、能『羽衣』(金剛流)が、24日は能『翁』(宝生流)、と復曲能『復活のキリスト』(宝生流)が演じられた。バチカンでの本格的な能楽公演は1984年以来という。

 日本とバチカンの国交樹立75周年記念行事の一環で、『復活のキリスト』は宝生流の唯一のキリスト教演目。公益社団法人・宝生会主宰によるもので、在バチカン日本大使館が共催した。

 『復活のキリスト』は1957年4月21日、ドイツ人宣教師ヘルマン・ホイヴェルス神父原作、17代宝生流宗家・宝生九郎の演出により、宝生能楽堂で初演。63年に、キリスト能制作事業として『キリスト文化と日本古典芸術祭』での再演が最後となったものを復活した「復曲能」。

 今回の上演では、主役のキリストを宝生流宗家の宝生和英さん(31)が務めた。


◎バチカン銀行が44億円の利益上げる

 【CJC】CNS通信報道としてカトリック新聞が6月25日付けで、バチカン(ローマ教皇庁)の『宗教事業協会』(通称バチカン銀行)は2016年に3600万ユーロ(約44億円)の利益を上げた、と伝えている。

 同協会の16年末時点の資産は57億ユーロ(約7018億円)で、その中には1万5千近い顧客の預金と投資が含まれる。顧客のほとんどは全世界の修道会やバチカン省庁とその従業員やカトリック司祭。同協会の年次報告書が明らかにした。

 同協会が6月12日に発表した声明によると、利益の全額が使徒座(バチカン)に引き渡され、同協会の引当金勘定に回ることはないという。


◎バチカン科学アカデミー新会長にドイツの経済学者ブラウン氏

 【CJC】バチカン科学アカデミーの新会長に、教皇フランシスコはドイツの農業経済学者ヨアヒム・フォン・ブラウン氏を任命した。

 ブラウン氏は、ボン大学教授(経済と技術)兼開発調査センター長。栄養失調に関する権威として知られる。ゲッチンゲン大学、キール大学教授、国際食料政策研究所(IFPRI)所長などを歴任、科学アカデミーには2012年から会員に選ばれている。


◎「高級外車乗るな」とロシア正教会総主教が幹部に呼び掛け

 【CJC】ロシア正教会のキリル総主教が6月16日、教会に高級車がずらりと並んでいたら批判を招くとして「たとえプレゼントされたとしても、高価な外車には乗らないように」と教会幹部に呼び掛けた。モスクワの救世主キリスト大聖堂で行われた会議での発言としてロシアメディアが報じたと共同通信。

 5月末に高位聖職者が600万ルーブル(約1150万円)相当のトヨタのランドクルーザーに乗っていたことが批判されたことを受けての発言とされ、総主教は「われわれは自らの愚かな行動で批判を浴びる種をまいている。車のことではしょっちゅう非難されている」と指摘したという。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(6月25日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★「世界貧しい人の日」を制定=教皇フランシスコ=「言葉ではなく行い」で愛する
★不幸と 愛のなさから暴力と憎悪生まれる=教皇の一般謁見講話
★青年シノドスのための質問集=バチカンが公表
★バチカン銀行=昨年は44億円の利益=顧客の大半「宣教、慈善活動に従事」
★オプス・デイ、各地でミサ=創立者を記念

 

 =キリスト新聞(6月24日臨時休刊)=http://www.kirishin.com
※7月より『KiriShin』と改題、毎月1日、11日、21日の発行となります。

 

 =クリスチャン新聞(6月18日)=http://クリスチャン新聞.com
★キリスト者有志が「共謀罪」法案廃案を求める声明=加害者にならないために= 6日間で賛同署名千人超=法務委員会議員に要請行動
★自民党二階特使団「共生園」を訪問=国境を越えた愛の歴史に学ぶ
★JEA総会開催 新理事選出=「宣教インフラ」各分野で展開
★日本キリスト教奉仕団が連続公開講座=「発達障がいを理解して、ともに歩む」
★「密告社会許さない」訴え=共謀罪廃案! 宗教者・信者国会前緊急集会

 
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