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世界キリスト教情報 第1389信(2017.09.04)

  • 環境保護で教皇とエキュメニカル総主教が共にアピール
  • ミャンマーとバングラデシュを教皇訪問へ
  • 教皇迎えるミャンマーとバングラデシュで「ロヒンギャ」めぐり抗争
  • ミャンマー西部ロヒンギャ地域で戦闘激化
  • 韓国の宗教指導者代表と会った教皇が「互いに尊重を」
  • 教皇の写真掲げ「次はローマだ」とテロ予告声明
  • コプト教の教皇タワドロス2世が京都で日本初の聖別式
  • ≪メディア展望≫

 

◎環境保護で教皇とエキュメニカル総主教が共にアピール

 【CJC】9月1日はカトリック教会の「環境保護のための世界祈願日」。環境問題への関心を高め、それについて祈ることを目的に、教皇フランシスコによって2015年8月に制定された。

 『正教会』のエキュメニカル総主教庁も、同じ日に、同じ目的のために祈ってきたことから、この記念日には相互の交流・協力的な側面もある。

 バチカン放送(日本語電子版)によると、今年の「環境保護のための世界祈願日」には、教皇フランシスコとエキュメニカル総主教バルトロメオス1世が共同でメッセージを発表した。

 教皇と総主教は、人間が神から自然を守る者として託されたその責任を果たすよう呼びかけると共に、人間の尊厳とその発展は、被造物を大切にすることと深く関係していると指摘した。

 両者は、それにも関わらず、自然のバランスを崩し、限りある資源を搾取し、市場的利益を上げようとする飽くことのない欲望が、神の協力者としての人間の召命を曇らせていると警告した。

 人間環境と自然環境の悪化の影響を最も受けるのは、地球のあちらこちらの片隅で生きる弱い立場の人々であるとメッセージは述べ、人類が持続可能で統合的な発展のために、環境保護に取り組むことを急務として訴えている。


◎ミャンマーとバングラデシュを教皇訪問へ

 【CJC】バチカン(ローマ教皇庁)は、教皇フランシスコが11月27日から12月2日にわたってミャンマーとバングラデシュを訪問すると8月28日発表した。グレッグ・バーク広報局長が、ミャンマーへは27日から30日までヤンゴンと首都ネピドーを訪問する、と声明で明らかにした。バングラデシュへは30日から2日まで首都ダッカを訪問する。

 教皇は2013年7月、カトリック教会「青年の日」に合わせてブラジルを訪問、14年5月にはヨルダン、パレスチナ自治区、イスラエルなど中東諸国を、同年8月には「アジア青年の日」開催に合わせて韓国を訪問している。15年1月には、スリランカとフィリピンを訪問しており、今回のアジア訪問は3回目。

 ミャンマーは「仏教国」で、2014年の国勢調査では総人口5142万人、仏教徒が9割を占める。キリスト者4%(カトリック信徒は1%)。カトリック教会は16教区、司教29人(隠退司教含む)で構成されている。15年、教皇フランシスコは、ヤンゴンのチャールズ・マウン・ボー大司教を同国教会初の枢機卿に任命した。

 バングラデシュは総人口1億5940万人、イスラム教徒が約9割の「イスラム国」。キリスト者は約1%(内カトリック信徒は0・3%)と、日本並み。

 2016年11月、教皇は、ダッカのパトリック・ドロザリオ大司教を同国教会初の枢機卿に任命した。

 ミャンマーとバングラデシュ両国は、ミャンマー西部ラカイン州を中心に100万人以上が居住する少数民族ロヒンギャの処遇をめぐって対立している。ラカイン州で、ロヒンギャの武装集団と警察・軍との間で起きた武力衝突が激化、多数のロヒンギャ住民が隣国バングラデシュに避難しようと、国境方向に避難しようとしたが、バングラデシュ警察が行く手を阻んでいる。

 教皇フランシスコは8月27日、ロヒンギャ迫害をやめるよう訴えた。ミャンマーで、イスラム教徒のロヒンギャの権利は厳しく制限されており、仏教徒との緊張関係は長年にわたり続いている。

 これまでにも、ロヒンギャ数万人がミャンマー当局の迫害を理由にバングラデシュに避難している。

 英公営放送BBCのアジア太平洋編集長マイケル・ブリストウ氏は、ロヒンギャたちが直面する権利の制限が極端な思想を生み出すきっかけになったと指摘する。

 教皇は声明で、「宗教的少数者が迫害を受けている、ロヒンギャの兄弟たちがひどい目に遭っているという、悲しい知らせを受け取った。私は全面的に、ロヒンギャの人たちの側に寄り添っている。彼らを救済し、善意の人々が彼らを助けるよう促し、彼らに完全な権利が与えられるよう、全員で主に願おう」と述べた。


◎教皇迎えるミャンマーとバングラデシュで「ロヒンギャ」めぐり抗争

 【CJC】教皇フランシスコは8月27日、バチカンのサンピエトロ広場で開かれた日曜恒例の祈りの集会で、ミャンマー西部ラカイン州でイスラム教少数民族ロヒンギャの武装集団と治安当局が衝突し100人以上が死亡したことについて「悲しいニュースが届いた」と憂い、ロヒンギャへの迫害を終わらせるよう訴えた。

 教皇は、異なる宗教や民族間の融和を呼び掛けており、ロヒンギャについても「イスラム教徒というだけで拷問、殺害されている」として問題の解決を訴えてきた。教皇は11月27日から12月2日にわたってミャンマーとバングラデシュを訪問すると発表しているが、ミャンマー国内ではロヒンギャを擁護する教皇に対する反発もある。

 仏教徒が多数を占めるミャンマーで、イスラム教徒ロヒンギャの権利は厳しく制限されており、仏教徒との緊張関係は長年にわたり続いてきた。これまでにも、数万人がミャンマー当局の迫害を理由にバングラデシュに避難している。

 一方、イスラム教徒でないラカイン州の住民約4000人が、安全確保のため軍によって避難させられた。

 教皇は声明で、「宗教的少数者が迫害を受けている、ロヒンギャの兄弟たちがひどい目に遭っているという、悲しい知らせを受けた。わたしは全面的に、ロヒンギャの人たちの側に寄り添っている。彼らを救済し、善意の人々が彼らを助けるよう促し、彼らに完全な権利が与えられるよう、全員で主に願おう」と述べた。


◎ミャンマー西部ロヒンギャ地域で戦闘激化

 【CJC】ミャンマー西部ラカイン州マウンドーで8月25日に起きたイスラム教徒ロヒンギャの武装集団による警察施設の襲撃事件を発端とした戦闘で、死者は100人を超えた模様だ。武装集団の370人が治安部隊によって殺害されたとの情報もある。

 2000人以上のイスラム教徒ロヒンギャが隣国バングラデシュなどに逃げたと見られ、混乱が深まっている。

 マウンドーはバングラデシュ国境に近く、仏教徒が9割近くを占めるミャンマーで、イスラム教徒ロヒンギャが多数派の地域。25日未明に、約20カ所の警察施設が刃物や棒を持った数百人の武装集団に襲われ、その後、治安部隊が掃討作戦を開始した。

 バングラデシュ国境警備隊の話では、国境を越えようとする民間人に治安部隊が発砲したという。しかし、ミャンマー政府は「テロリストは子どもを盾に治安部隊と戦っているが、テロとつながりのない人にはいかなる攻撃もしていない」と説明した。

 政府は、「テロリスト集団」と呼ぶ過激派組織『アラカンロヒンギャ救済軍』による襲撃と断定。昨年10月の警察施設への襲撃とつながりがあると見られ、国外に住むロヒンギャらから支援を受けているとしている。国際刑事警察機構(インターポール)に同組織への資金の流れを止めるなどの協力を求めた。


◎韓国の宗教指導者代表と会った教皇が「互いに尊重を」

 【CJC】教皇フランシスコは9月2日、韓国の宗教指導者協議会代表と、バチカン(ローマ教皇庁)で接見した。東亜日報4日付けが報じた。

 教皇は、「神様が韓国人に平和と(南北)兄弟間の和解というギフトを下さることを常に祈る」として、「人類は個人と共同体、民族、国家の紛争を拒否し、大きな調和を追求しなければならない」とし語った。

 「カトリック教会は、他の宗教家と会話し、協力しながら彼らの資産と価値を認め、保護し、増進することを勧告する」とし、「宗教間対話が実を結ぶためには、常に開放的で、互いに尊重しなければならない」と教皇は述べた。

 同日の特別接見には、同協議会代表議長の金喜中(キム・ヒジュン)大司教、ハン・ウンスク円仏教敎政院長、イ・ジョンヒ天道教敎領、イ・ギョンホ聖公会ソウル教区長など、7宗教団体の指導者20人以上が参加した。関係者は、「教皇が韓国宗教指導者と別途に室内で面談したのは史上初めて」とし、「教皇の韓国に対する深い関心と愛情が伺えた」と説明している。


◎教皇の写真掲げ「次はローマだ」とテロ予告声明

 【CJC】イスラム過激派組織『イスラム国』が、イタリアと教皇フランシスコに対するテロ攻撃を予告するビデオ声明を公開した。イタリア国営放送RAIが8月25日放送したのを始め各メディアが報じている。

 ネット上に公開された約6分間のビデオ声明では、戦闘員と見られる男性が教皇の写真を破り、キリスト像をたたき割る映像や、教皇の写真を掲げ「次はローマだ」と英語で宣言する様子が映されている。

 撮影や公開された日時などは不明だが、伊ANSA通信によるとフィリピン南部ミンダナオ島のマラウイで作成された可能性がある。

 マラウイでは5月から、『イスラム国』に忠誠を誓う武装集団による占拠が続いている。


◎コプト教の教皇タワドロス2世が京都で日本初の聖別式

 『コプト正教会』(信徒数約940万人)の第118代教皇タワドロス2世(64)が8月26日に来日、27日には京都府木津川市の聖母マリア・聖マルコ・コプト正教会で、日本初の聖別式を行った。

 コプト教会の最高位聖職者「教皇」の来日は初めてとあって、式には日本在住の信徒ら約100人が全国各地から集結、礼拝の準備にあたった。


 コプト正教会では、シンバルやトライアングルも使われ、アラビア語や「コプト語」というエジプト語の古代言語が響き渡る。お香を焚くなど、キリスト教初期の信仰形態を残している。

 京都で発行されている仏教専門紙『中外日報』によると、教皇の来日は、日本最初で唯一のコプト教会として2016年7月に開設された同教会を訪問し、日本在住信徒に聖体礼拝を行うことが目的。エジプトから司教4人を含む約10人が随行している。

 礼拝後の会見で、教皇はエジプトで相次ぐイスラム過激派のコプト教会襲撃について「テロはエジプトだけでなく、世界の関心事だ。世界が協力してテロ予防対策を考えるべきで、我々も大きな役割を果たすだろう」と語った。

 教皇一行は、東京訪問後、29日離日した。(CJC)


《メディア展望》

 =カトリック新聞(9月3日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★教皇フランシスコ=世界に動揺が走る中=神は未来への希望与える
★「反人種差別」特別委員会=米国司教団が臨時に設置
★パキスタンの"マザー・テレサ"=ハンセン病対策貢献で国葬
★米東部の目が不自由な司祭=「カセット」を使って司牧奉仕
★バチカン市国内の薬局=豊富な品揃えで大盛況

 

 =KiriShin(9月1日)=http://www/kirishin.com
★映画『アメイジング・ジャーニー 神の小屋より』公開=ハリウッド長編映画デビューの女優・すみれさん=「三位一体」「聖霊」の難役に挑む
★教派超えて青年が初の「えきゅぷろ」="相違点よりも共通点が多い"
★「暴力的過激主義」に焦点=比叡山サミット30周年記念
★辺野古ゲート前でひき逃げ事件=骨折した被害者に誹謗中傷
★スーダンに聖公会新「管区」=世界で39番目

 

 =クリスチャン新聞(9月3日)=http://クリスチャン新聞.com
★「自動車」でミシガンと豊田つながる=地域単位で諸教会が国際交流=ミッションチーム初来日
★宗教改革500年キリスト教と日本文化の邂逅=文楽とルネサンス・ダンス共演も=楽劇「ルター」豊竹呂太夫氏=初演に向け記者会見
★日本キリスト改革派西部中会世と教会に関する委員会主催8・15集会=「赦しは忘却ではない」過去に学び心に刻みつけ=湘南恩寵教会長老・豊川慎氏
★「被造物保護」を福音宣教のテーマに=台湾で東アジア会議開催=日本は地域包括ケアや和解による再生提案
★スペインテロ犯人グループ=「サグラダ・ファミリア教会」爆破も

 
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