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世界キリスト教情報 第1391信(2017.09.18)

  • 教皇コロンビア訪問終わる。専用車内で負傷も
  • 武装組織に誘拐されていたインド人神父が1年半ぶり解放
  • ロヒンギャ対応への批判高まり、スーチー氏は国連総会欠席へ
  • ビビさんが「思想と自由のためのサハロフ賞」に推薦
  • 豪長老教会が同性婚支持表明した女性の結婚式拒否
  • ≪メディア展望≫

 

◎教皇コロンビア訪問終わる。専用車内で負傷も

 【CJC】南米コロンビアを9月6日から司牧訪問した教皇フランシスコは、「最初の一歩をしるそう」をモットーに、平和と和解を呼びかけながら、首都ボゴタ、ビリャビセンシオ、メデジンの諸都市を巡回した。

 コロンビア政府は2016年、左翼ゲリラ組織『コロンビア革命軍』(FARC)との間で和平合意を締結、52年間に及んだ内戦を終結に導いた。これが教皇訪問につながった。8日には、FARCのロドリゴ・ロンドニョ元最高司令官が教皇に宛てた公開書簡の中で、同組織がコロンビア国民に与えた苦しみについて許しを求めた。

 教皇は、訪問最終日の10日、北部カルタヘナを走行中の専用車両内で頭を打ち、眉を切ったほか頬にあざを負った。

 バチカンは氷や包帯による治療の後、教皇の容体は良好だと発表。教皇は引き続き、カルタヘナで同日予定された全スケジュールを行った。

 教皇は、訪問最後の公式行事として、同日午後、市民と共にミサを捧げた。ミサは「人間の尊厳と人権」をテーマに行われた。

 ミサの説教で教皇は、200年前、独立と自由を守るために立ち上がったカルタヘナの英雄的歴史、そして、この地で奴隷の救済のために力を尽くした聖ペトロ・クラベルら、イエズス会士たちの活動を背景に、32年前、同市はコロンビアにおける人権の中心地と定められた経緯に触れた。

 イエスは共同体への復帰の歩みを、まず一対一の対話から始めるようにと示していると教皇は述べ、いかなるものも、過ちを償うためのこの出会いに取って代わることはできないと強調、キリスト者は草の根から、死や暴力の文化を、命と出会いの文化に変えていくように召されていると話した。

 コロンビアでの日程を終えた教皇は、10日夜、カルタヘナ空港でホアン・マヌエル・サントス大統領の見送りを受け、帰路についた。

 教皇、帰国する専用機中で記者団に、このところ相次いでいるハリケーンを受け、気候変動に対処しなければ人類が滅びるということを理解すべきだと述べた。

 教皇は気候変動について「引き返さなければ、われわれは滅びるだろう」と述べ、温暖化ガス排出削減をうたった2015年のパリ協定を強く支持した。米国は今年、協定脱退を表明している。

 教皇は、最近相次ぎ発生したハリケーンに関連し、他国と協力して温暖化に対応したがらない政治指導者は地球の将来に対して道徳的責任を問われるべきかとの質問には、「気候変動の影響ははっきりしており、科学者は歩むべき道を明確に示している。われわれは全員が多かれ少なかれ道徳的な責任を負っている。政治家にも責任がある」と語った。

 教皇専用機は11日午後、ローマ・チャンピーノ空港に帰着した。教皇はローマ市内のサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂を訪れ、目的を果たしたコロンビア司牧訪問に感謝した後、バチカンに戻った。


◎武装組織に誘拐されていたインド人神父が1年半ぶり解放

 【CJC】UCAN通信などによると、武装組織に誘拐されていたインド人カトリック司祭のトーマス・ウズナリル神父(57=サレジオ会)が9月12日解放され、現在はローマのサレジオ会本部に保護されていることがまでに明らかになった。

 ウズナリル神父は2016年3月4日、武装した4人のテロリストが、イエメン南部の都市アデンにある、マザー・テレサ創設の『神の愛の宣教者会』が運営する老人ホームを襲撃した際に誘拐された。4人は、インド人修道女4人、イエメン人スタッフ2人、ホームに入居していた高齢者8人、警備員1人を殺害した。

 この5月には、助けを求める神父の動画がネット上に公開された。神父は「健康状態は急速に悪化しており、早く入院する必要がある」と述べていた。

 アラブ首長国連邦(UAE)、オマーン、イエメンの3カ国の教会を統括する使徒座代理区長ポール・ヒンダー司教は声明で、「ウズナリル神父は解放のために尽力してくれたすべての人、無事に解放されるように途切れることなく祈ってくれた世界中のすべての人に感謝しています。より詳しい情報は、今後可能な限り明らかにされよう」と述べた。

 『神の愛の宣教者会』総長のシスター・メアリー・プレマは、「すべての栄光を神に帰し、神父解放のために祈り、たゆまず働き掛けてくださったすべての方々に感謝する」と語った。

 同会では、創立者マザー・テレサの墓の上にウズナリル神父の写真を置き、毎日解放のために祈っていたという。


◎ロヒンギャ対応への批判高まり、スーチー氏は国連総会欠席へ

 【CJC】ミャンマーの事実上の指導者アウンサン・スーチー国家顧問兼外相が9月下旬から始まる国連総会を欠することが13日、明らかになった。ロイター通信によるとして英公営BBC放送が伝えた。

 ミャンマー西部ラカイン州では8月末以来、約37万人のムスリム(イスラム教徒)系少数派ロヒンギャが暴力を逃れようと居住地から避難している。同州内では村全体が焼き討ちにあった場所も複数ある。

 国連はミャンマー政府が「民族浄化」をしていると非難している。一方、ミャンマー軍は、ロヒンギャの武装勢力と戦っているとしており、市民が標的になっているとの報道を否定している。

 仏教徒が多数を占めるラカイン州に住むロヒンギャは大多数がイスラム教徒。ミャンマーで長く迫害の対象になってきた。ミャンマーは彼らを不法移民だと考えている。ロヒンギャは数世代にわたってミャンマーで生活してきたが、ミャンマー国籍は与えられていない。

 スーチー氏をこれまで支持してきた西側諸国の関係者も、同氏がラカイン州での暴力を止める努力を十分していないと批判している。

 15年間にわたった自宅軟禁中の1991年、ミャンマーの民主化運動への貢献を評価されノーベル平和賞を受賞したスーチー氏は、現在のミャンマー政府の事実上のトップと見なされている。

 チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世や南アフリカのデズモンド・ツツ元大主教、パキスタン人活動家のマララ・ユスフザイさんなど過去のノーベル平和賞の受賞者たちも、スーチー氏が行動するよう呼びかけている。

 スーチー氏は9月19日から25日にかけて開かれる国連総会に出席する予定だった。

 ミャンマー政府報道官はロイター通信に対し、スーチー氏には「もっと緊急を要する課題があるかもしれない」と述べた。さらに、スーチー氏が「批判を受けたり問題に対峙したりするのを恐れることはない」と付け加えた。

 ラカイン州を訪れることは厳しく規制されている。政府が手配した現地取材に参加した数少ない記者の一人、BBCのジョナサン・ヘッド記者は、ムスリムたちの村が焼き討ちにあっても警察が止めに入らない様子を伝えている。

 ゼイド・ラアド・アル・フセイン国連人権高等弁務官は11日に、ミャンマー情勢について「民族浄化の典型的な例」だと述べたが、ミャンマー政府は発言を激しく非難した。

 多くのロヒンギャ難民が押し寄せている隣国バングラデシュのシェイク・ハシナ首相は、ミャンマーが難民の帰還を受け入れるよう求めた。同首相は、「私個人のメッセージは非常に明確だ。ミャンマー政府は今の状況を人道的な見地から考えるべきだ。子供たちや女性など人々は苦しんでいるからだ」と述べた。


◎ビビさんが「思想と自由のためのサハロフ賞」に推薦

 【CJC】2014年に棄教を拒否し、冒涜罪で死刑判決を受けていたパキスタンのキリスト者で5児の母親でもあるアーシア・ビビさんが9月13日、優れた人権活動家を称え欧州議会議員グループにより「思想と自由のためのサハロフ賞」に推薦された。

 ビビさんに決まれば、授賞式は12月10日、フランスのストラスブールで行われる。

 「思想の自由のためのサハロフ賞」は、人権と思想の自由を守るために献身的な活動をしてきた個人や団体をたたえる賞。1988年12月に欧州議会が創設した。賞の名称はソビエト連邦の物理学者で反体制運動家のアンドレイ・サハロフに由来する。欧州議会の外交委員会と開発委員会が授賞候補者を選定し、毎年10月に受賞者を発表している。賞金は5万ユーロ(約600万円)


◎豪長老教会が同性婚支持表明した女性の結婚式拒否

 【CJC】同性婚合法化の是非を問う国民投票を控えたオーストラリアで、結婚間近の女性がフェイスブック上で同性婚支持を表明したところ、教会から挙式を拒否された。豪『フェアファックス・メディア』が9月15日に報じたと、AFP通信が伝えている。

 ビクトリア州バララットの長老教会で結婚式を挙げる予定だったカップルが、同性婚合法化を支持するフェイスブックへの投稿を理由に、牧師から司式を拒否されたと報じた。

 フェアファックスが投稿者の女性から提供を受けたとする牧師の手紙には、「あなたの同性婚への傾倒は、イエス・キリストの教えにも、オーストラリア長老教会と私が実践する聖書の教義にも反していることを、しっかり認識していただかなければならない」と記されていたという。

 首都キャンベラで報道陣の取材に応じたマルコム・ターンブル首相は、「教会には結婚式を執り行う相手を選ぶ権利があり、それは信教の自由に含まれる」と述べた。

 国民投票は任意参加で、郵便投票で行われる。最大1500万人が投票すると予想され、結果は11月中旬発表の予定。

 投票結果に拘束力はないが、穏健派で同性婚を支持しているターンブル首相は、賛成多数だった場合は議会で同性婚合法化をめぐる採決を行うと表明している。

 豪国内では賛成派と反対派の間で議論が激化しており、聖職者の中からも明確に同性婚反対を主張し、合法化は信教の自由を侵害する恐れがあると警告する声が上がっている。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(9月17日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★教皇、コロンビア訪問=内戦後の分裂 癒やし促す
★教皇フランシスコ=典礼式文翻訳で教会法改定=各司教協議会の責務を尊重
★米トランプ政権=若年移住者の保護撤廃へ=教会指導者は厳しく批判
★宗教改革500年=ルターの"光"と"陰"に向き合うドイツ=ホロコースト教育資料センター=トークイベント開催
★高松教区女性の会=養成プログラム「福音マーケット」に挑戦=教会の在り方探る

 

 =KiriShin(9月21日)=http://www/kirishin.com
★歌を心の支援物資として="神さまの道具になりたい"と森祐理さん
★会衆賛美の始まりを探る=日本賛美歌学会大会
★「実業宣教」の日本CBМCが総会=新理事長に青木仁志氏
★WCRP日本委が雲南省など訪問=中国宗教者和平委と交流
★教皇がコロンビア訪問=「希望と平和の巡礼者として」

 

 =クリスチャン新聞(9月17日)=http://クリスチャン新聞.com
★瀧浦滋氏「教会がこの世の権力とどう闘うか」=キリスト王権こそ闘いの土台
★「なにゴス」テーマは「Yahweh」=全能の主 心から賛美
★山の上ホテル作家展2017=東京・御茶ノ水界隈に起こったムーブメント=生活改善運動にヴォーリズ建築
★創愛キリスト教会顧問牧師・堀越暢治氏逝去=創造主の名による日本宣教を訴え
★北朝鮮危機の中=WCC、WEA=「祈る日曜日」呼びかけ

 
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