世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1402信(2017.12.04)

  • 英国で無宗教者が過半数に
  • トランプ大統領が6日にエルサレムをイスラエルの首都と認める?
  • 米が「首都エルサレム」承認なら「インティファーダ」再開とハマス警告
  • 教皇がバングラデシュで演説、「ロヒンギャ」支援訴え
  • 教皇、アジア2カ国訪問終え、バチカンに帰着
  • ミャンマー大司教の忠告に従い「ロヒンギャ」発言封じた教皇
  • ベツレヘムの教会で巨大クリスマスツリー点灯、数千人が見物
  • エルサレムのキリストの墓はローマ時代のものと科学的に特定
  • ≪メディア展望≫

 

◎英国で無宗教者が過半数に

 【CJC】イギリスの『国立社会調査センター』が発表した「信仰している宗教」に関する調査によると、現在イギリスで何の宗教も信じていないという人の割合が、半数以上の53%に達した。前回2015年調査の48%から5%増えたことになる。

 イギリスでは、無宗教の人の割合は、調査を始めた1983年当初には31%だったが、それ以降は増え続けている。

 特に若い人たちの間で宗教を信じる人の減少が顕著だ。2016年には、18〜24歳層の71%が、何の宗教も信じていないと答え、前年の62%から急増している。

 同期間で、すべての年齢層で宗教を信じている人の数は減少しているが、高齢者はまったくの無信仰という人は少ない。65〜74歳の4割は無信仰と言うが、75歳以上になると27%。

 特定の宗教を信仰している人の減少は、特に英国国教会に打撃を与えている。自分は国教会派だと考えている人はわずか15%で、2000年当時の半分になった。若者に限ってみると、18〜24歳ではわずか3%。75歳以上の40%に比べると非常に低い。

 同センターのロジャー・ハーディング氏は、この状態は、長期的に宗教かい離がますます進む傾向につながる、と指摘している。


◎トランプ大統領が6日にエルサレムをイスラエルの首都と認める?

 【CJC】ドナルド・トランプ米大統領が12月6日の演説で、エルサレムをイスラエルの首都と認める可能性がある。ある米高官が1日明らかにした、とロイター通信が報じている。

 国際社会は、エルサレム全体へのイスラエルの主張を認めていない。米政権はこれまで、同問題は和平交渉によって決定されるべきとの方針を示してきた。


◎米が「首都エルサレム」承認なら「インティファーダ」再開とハマス警告

 【CJC】米政府がエルサレムをイスラエルの首都と承認する動きあるとの報道を受け、パレスチナ自治区のガザ地区を実効支配してきたイスラム原理主義組織『ハマス』は12月2日、米国がエルサレムをイスラエルの首都と認めたり大使館をエルサレムに移転させたりすれば、「インティファーダ」(反イスラエル闘争)の再開をパレスチナの人たちに呼びかけると警告した。

 パレスチナ自治政府議長府は1日、AFP通信の取材に、米国がエルサレムをイスラエルの首都として承認することは「和平プロセスを崩壊」させるものだと述べている。


◎教皇がバングラデシュで演説、「ロヒンギャ」支援訴え

 【CJC】ミャンマーを訪問していた教皇フランシスコは11月30日午前、ヤンゴンのカテドラルで若者たちと共にミサを捧げられた後、空港での送別式を経て、第2の訪問国バングラデシュに向かい、同日午後、バングラデシュの首都ダッカに到着した。

 教皇は、空港でアブドゥル・ハミド大統領の出迎えを受けた。空港から教皇は、ダッカ北西サバールにあるナショナル・メモリアルを訪問した。教皇はモニュメントに献花し、訪問の記帳と、平和を願う植樹を行った。次いで、教皇は、バングラボンドゥ記念博物館を訪れた。

 同所は、バングラデシュの父と呼ばれ、同国の初代大統領、第2代首相、第4代大統領を務めたムジブル・ラーマンの家を博物館としたもので、ラーマン大統領はこの家で1975年に暗殺された。ラーマン氏の遺族らに迎えられた教皇は、ここで沈黙の祈りを捧げた。

 その後、ダッカ中心部に入った教皇は、大統領府でハミド大統領と会談。続いて、大統領府内でバングラデシュの政界や宗教界の要人、同国駐在外交団ら約400を前に到着の挨拶をした。

 教皇はまず第一に、ミャンマー西部ラカイン州から8月以降、60万人を超える「ロヒンギャ」がバングラデシュに流入し国際問題化していることに触れ、「我々のきょうだいが難民キャンプで不安定な生活に苦しんでいる。その多くは女性や子供たちだ」と語り、国際社会に「迅速な支援」を求めた。

 教皇はバングラに先立ち訪問したミャンマーでアウンサン・スーチー国家顧問兼外相らと会談。繰り返し国内の融和を呼びかけたが、「ロヒンギャ」という言葉は口にしなかった。「ロヒンギャ」を民族として認めていないミャンマー政府の立場に配慮を示した格好だが、国際人権団体などからは失望の声が上がっていた。30日の演説でも「ロヒンギャ」は使わず「(ミャンマー西部)ラカイン州からの難民」と呼んだ。


◎教皇、アジア2カ国訪問終え、バチカンに帰着

 【CJC】バチカン放送(日本語電子版)によると、ミャンマーに次いでバングラデシュを訪れていた教皇フランシスコは、同国のカトリック教会関係者と交流を行い12月2日で最終日を迎えた。

 教皇はバングラデシュの首都ダッカで、教会関係者との様々な行事を通して、同国のカトリック教会の姿に触れた。

 同日午前、教皇はテジャオン地区の「マザー・テレサの家」を訪問。関係者に案内され、施設を見学された。同所は、ダッカで神の愛の宣教者会が運営する施設の中で最も小さいものであるが、マザー・テレサは、ダッカを訪れる際にここに滞在していた。教皇はこの「家」で支援を受けているお年寄りや子どもたちとお会いになり、子どもたちのコーラスに耳を傾けられた。

 続いて、教皇は近接の聖ロザリオ教会で、バングラデシュの司祭、修道者、神学生らとの出会いを持たれた。教皇はまた、聖ロザリオ教会に付属する墓地を訪れ、ここに眠る多くの修道者たちのために祈られた。

 同日午後、ダッカ市内のノートルダム・カレッジの運動場で、若い信者たちが歌やダンスを交えながら、熱心に教皇を歓迎した。

 教皇はこの集いで、バングラデシュの青少年たちが生きる現実や、希望、信仰の証しに耳を傾けられた。そして、教皇はバングラデシュの未来を担う若者たちに、力強い励ましの言葉を送った。

 この若者たちとの出会いでバングラデシュでの行事を締めくくった教皇は、アジア2カ国歴訪を終了、現地時間の同日夕方、ダッカからローマへの帰途につき同日夜9時40分、レオナルド・ダ・ヴィンチ国際空港に到着、バチカンに戻った。


◎ミャンマー大司教の忠告に従い「ロヒンギャ」発言封じた教皇

 【CJC】教皇フランシスコは12月2日、ミャンマー訪問中「ロヒンギャ」という言葉を使わなかった理由について、ミャンマーの最大都市ヤンゴンのヤンゴン大司教のチャールズ・マウン・ボー枢機卿からの忠告に従ったと明らかにした。バングラデシュ訪問を終えローマへ向かう機中で記者団に語った。

 AFP通信によると、教皇は「公式の発言でもし私がその言葉を使えば(開きかけた)ドアをバタンと自分で閉めてしまうことになったはずだ」と述べ、配慮があったことを認めた。一方で「私の考えは既に誰もが知っている」とも釈明したという。


◎ベツレヘムの教会で巨大クリスマスツリー点灯、数千人が見物

 【CJC】ヨルダン川西岸ベツレヘムのイエス・キリスト生誕教会で12月2日、伝統行事の巨大クリスマスツリーの点灯式と、待降節の始まりを記念する色とりどりの花火が打ち上げられた。

 待降節には、毎年この時期世界中から巡礼者や観光客が訪れる。ロイター通信によると、今年も教会前には数千人が見学に訪れた。


◎エルサレムのキリストの墓はローマ時代のものと科学的に特定

 【CJC】エルサレム旧市街のキリストの墓の上に建てられたとされる聖墳墓教会の下にある墓所が、初めてキリスト教に改宗したローマ皇帝コンスタンティヌス時代のものであることが、科学的に特定された、とロイター通信が報じている。

 今年3月、アテネ国立技術大学のチームが中心となって完了した修復で、教会中心部の下にある大理石の板がコンスタンティヌス時代のものと特定された。

 同チームは、墓を包むように建てられている教会内部の「エディクラ」と呼ばれる部分を修復した。その際、キリストが埋葬され、3日後に復活したとされる埋葬室を覆う大理石の板を撤去したところ、その下にもう1枚、十字架が刻まれた大理石の板が割れた状態で発見された。

 修復を率いたアントニア・モロポロー教授はロイター通信に「具体的な結果を踏まえ、われわれは、キリストの墓の岩盤に接続された大理石の板がコンスタンティヌス時代のものと結論付けた」と述べた。

 今回、この板と埋葬室の間をつなげていた漆喰を化学分析した結果、起源335〜345年ごろのものと判明した。

 修復を率いたアントニア・モロポロー教授はロイター通信に「具体的な結果を踏まえ、われわれは、キリストの墓の岩盤に接続された大理石の板がコンスタンティヌス時代のものと結論付けた」と述べた。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(12月3日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
★宗教改革500年=ルーテル教会と共に記念=長崎
★教皇フランシスコ=「愛への投資」を促す=「貧しい人のための世界祈願日」
★米国の教会指導者ら=ハイチ人保護撤廃に抗議
★AYD(アジアンユースデー)振り返り合宿=体験をどう生かすか=東京
★那覇教区=サマーキャンプ50周年=DVDも制作

 

 =KiriShin(12月1日)=https://www/kirishin.com
★すべてのいのち尊び平和祈る=新宗連=北朝鮮のため千鳥ヶ淵戦没者墓苑で集会
★キリスト者学生会70周年=記念大会「ALL KGK」に1500人
★日韓のカトリック司教ら=北東アジアの平和願う声明
★都内区立中が靖国神社で職場体験=NCCが練馬区教委に申し入れ
★教皇が初訪問のミャンマー到着=バングラデシュで難民と面会

 

 =クリスチャン新聞(12月3日)=https://クリスチャン新聞.com
★東アジア・ユダヤ人伝道カンファ=世界の事例を和歌山で共有=「日本で実践できることある」
★多様な舞台で子に届くジョイフェス=よみうりランドに82教会、子ども、ユース2,600人
★ポストモダン時代における福音宣教の可能性とは?=この状況は「イエスの挑戦」=「日本ローザンヌ委員会オープンフォーラム ミニ」で飯田岳氏
★八木重吉没後90周年記念「茶の花忌」ただの良い詩でなく、生きて働く詩=重吉の生涯追った『重吉と旅する。』発行
★5日から横浜・馬車道150年でクリスマス祝展=宣教師がもたらした信仰思い=超教派で40作品を

 
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