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世界キリスト教情報 第1405信(2017.12.25)

  • 「エルサレム」問題で世界は緊張緊張感漂うクリスマス
  • バチカン高位聖職者に降誕祭前の挨拶で教皇が「改革」強調
  • パレスチナ自治区ガザの抗議デモ、死者11人に
  • トルコのエルドアン大統領がクリスマスの祝福メッセージ
  • イラン外相がイエス・キリストの生誕日に際し祝辞
  • 中国で「文化侵略」めぐりクリスマス行事禁止の動き
  • 英国国教会ロンドン大主教に初の女性サラ・マラリー主教
  • バーナード・ロー枢機卿死去
  • ≪メディア展望≫

 

◎「エルサレム」問題で世界は緊張緊張感漂うクリスマス

 【CJC】イエス・キリストの生誕地とされるヨルダン川西岸のパレスチナ暫定自治区ベツレヘムの聖カテリナ教会で12月24日深夜から25日未明にかけて、恒例のクリスマス・ミサが行われた。

 ドナルド・トランプ米大統領が6日、エルサレムをイスラエルの首都と承認したことに世界各国は衝撃を受け、例年と比べて緊張感漂うクリスマスとなった。

 聖カテリナ教会に隣接する、キリストが生まれたとされる洞穴の上に建てられた『聖誕教会』前の広場に大きなクリスマスツリーが飾られたが、観光客は減っている。

 現地時間の午前0時ごろから恒例のクリスマスのミサが始まり、各国から大勢の巡礼者が集まって祈りをささげた。

 教会の前では、トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認めたことに抗議する垂れ幕が掲げられるなど、例年とは異なる雰囲気。

 自治区では連日、デモ隊とイスラエル軍の衝突が続き、パレスチナの赤十字組織にあたる赤新月社などによると、6日以降、12人が死亡、4000人以上が負傷している。
     ◇
 韓国では、全土の教会でキリストの誕生を祝う礼拝が行われ、プロテスタントの韓国キリスト教総連合会はクリスマスのメッセージを発表、「寒さと苦痛の中にいる人たちのことを忘れずに、謙遜の姿勢で他人に配慮する生活を実践しよう」と述べた。
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 ウクライナは、正教会の伝統にしたがって1月がクリスマスの祝日だが、ロシアとの対立を背景にヨーロッパとの接近を図る中、ことし初めて12月25日もクリスマスの祝日となり、首都キエフの広場は大勢の人でにぎわった。

 カトリック教会では、24日夜、多くの信者が参加してクリスマスのミサが行われた。また、キエフ中心部の広場には、高さが30メートル近くもあるクリスマスツリーがライトアップで彩られ、大勢の人でにぎわっている。
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 24日午前、ローマは透き通った青空。深夜にとり行われる教皇フランシスコ司式の降誕祭のミサに先立ち、同日正午、教皇による日曜の祈りの集いがバチカンのサンピエトロ広場で行われた。

 広場のオベリスクの近くには、毎年のように、クリスマス伝統のツリーとプレゼピオ(イエスの降誕の場面を再現した馬小屋の模型)が飾られている。

 今年のツリーは、ポーランドから贈られた28メートルのオウシュウトウヒで、イタリア各地の小児科病院に通院・入院中の子どもたちとその両親たちが手がけた飾り玉や星でデコレーションされている。

 教皇は正午の祈りの集いで、平和の君であるイエスの降誕を待つこの時、全世界、特に戦争下にある地域に平和の恵みを祈るよう呼びかけた。また、この機会に、拉致された司祭、修道者、信者らの解放を改めて訴えた。

 教皇は同日夜、サンピエトロ大聖堂で、クリスマスイブ恒例のミサを行い、苦境にある各地の難民らに対する思いやりを持ち続けるよう訴えた。

 教皇は、ベツレヘムを訪れた聖母マリアとヨセフが泊まる場所を見つけられなかったことに触れ、難民らを受け入れる心を持つよう呼びかけた。

 教皇は「土地を追われ、愛する人と離れざるを得ない多くの人々がいる」ことに言及し、ベツレヘムを訪れた聖母マリアとヨセフが泊まる場所を見つけられなかったことに触れ、支援の大切さを指摘し、「クリスマスは恐れを慈しみに変える時だ」と強調した。

 ミサには1万人の信者が聖堂で参列したほか、外の広場にも大勢の人々が集まった。

 教皇は25日、クリスマス恒例の「ウルビ・エト・オルビ」(ローマと全世界へ) の演説を行うことになっている。


◎バチカン高位聖職者に降誕祭前の挨拶で教皇が「改革」強調

 【CJC】教皇フランシスコは12月21日、バチカン(ローマ教皇庁)の高位聖職者らと降誕祭前の挨拶を交換した。

 バチカン宮殿のクレメンスの間で行われた年末恒例のこの出会いには、教皇庁諸機関の責任者や、日頃教皇の協力者として働く枢機卿や司教らが集まった。

 バチカン放送(日本語電子版)によると、教皇は関係者への挨拶で、進行中の教皇庁の改革に照らし、今回は特に、教皇庁の外に対する関係、すなわち教皇庁と世界の国々、また地方教会や東方教会、キリスト教諸教会や諸宗教など、外部の世界との関係について考察を述べた。

 教皇庁は、教皇と結びつきながら、福音を述べ伝える使命を持ち、その意味で外に開いたものであり、自分の世界だけに閉じこもるならば、自己崩壊を免れ得ない、と教皇は警告した。

 教皇庁の諸機関は「感度の高いアンテナ」であるべきだと教皇は述べ、教皇や責任者らの意図を忠実に伝える役割と同時に、教会や世界の声を集め教皇に伝える役割をも担っていると語られた。

 教皇庁と各教区や地方教会との関係を重要視する教皇は、これらの関係において協力と信頼を育むように、また東方典礼の教会とローマとの関係が相互の霊的・典礼的豊かさをもたらすものとなるように、との願いを示した。

 教皇は2018年10月にバチカンで開催する若者と召命をテーマにしたシノドスに言及。この機会を通し、若者たちはもとより、世代、家族、社会間の複雑な関係にも目を向けるよう勧めた。

 キリスト教諸教会との対話について、教皇はキリスト者の一致は共に歩みながら作り出していくものと述べ、キリスト者をまだ分け隔てている神学的・教会的違いは、共に歩む過程においてのみ克服することができると話した。

 諸宗教との関係では、「対立の非文明ではなく、出会いの文明を」と教皇は説いた。

 「危機感の無い信仰は、危機にある信仰」と教皇は強調、頭だけの信仰、生ぬるい信仰は、まぐさ桶の中に置かれた神を迎えることによってのみ、心も魂も精神をも巻き込んだものとなるだろう、と語った。


◎パレスチナ自治区ガザの抗議デモ、死者11人に

 【CJC】共同通信が、パレスチナ自治区ガザの保健当局は12月23日、ドナルド・トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定したことに対する17日の抗議デモで、イスラエル軍の銃撃を受けて負傷した男性1人が死亡したと明らかにした、と報じている。同軍の銃撃やガザへの空爆による死者はこれで計11人になった。

 トランプ氏が6日に「首都認定」を発表して以降、抗議デモはエルサレムやパレスチナ自治区などで断続的に行われ、イスラエル軍との衝突が激化している。


◎トルコのエルドアン大統領がクリスマスの祝福メッセージ

 【CJC】トルコのレジェプ・ターイプ・エルドアン大統領が、クリスマスを控え、12月23日、祝福メッセージを発信した。TRT通信が報じた。

 大統領は、「キリスト教徒のトルコ国民をはじめ、すべてのキリスト教世界のクリスマスの宴を祝福する」と語り、東部のアナトリア地方は、軍事衝突、弾圧、戦争から逃れるすべての人々にとって、常に安全な場所であり続けてきたと述べた。

 エルドアン大統領は、トルコの伝統は思想、信仰、基本的人権への敬意を礎としているとして、「この地には、様々な宗教や文化が存在し、今日も価値ある豊かさとして認められている」と語った。

 トルコではクリスマスの宴が異なる宗派や教会に属するキリスト教徒によって祝福されていると強調した大統領は、「クリスマスの宴が、トルコにおける連帯を広げるきっかけとなるよう願っている」と述べた。


◎イラン外相がイエス・キリストの生誕日に際し祝辞

 【CJC】イランのウエブサイト『パース・トゥデー』(日本語版)が、同国のモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外相が12月23日、平和をもたらす預言者イエス・キリストの生誕日に際し、祝辞を述べた、と報じた。

 ザリーフ外相は、ツイッター上で、コーラン第3章イムラーン章イムラーン家のある節を引用し、「天使たちは(聖母)マルヤムに対し、"神は自分の言葉で汝らに吉報を与える。それは、マルヤムの子イーサー・マスィーフの誕生である。この子は、現世でも来世でも、名誉あり、神の側近でもある」と記した。

 ザリーフ外相はまた、「イエス・キリストの生誕日に際し、全ての人々に喜びや平和を祈り、新年において、全ての人々がイエスによる平和のメッセージを受け入れるよう希望する」と語った。


◎中国で「文化侵略」めぐりクリスマス行事禁止の動き

 【CJC】中国共産党機関紙・人民日報系の『環球時報』(英語版)12月22日付によると、湖南省衡陽市公安局は14日付の通知で、党員や公務員に「西洋の祝祭のまん延に抵抗する」ことを呼び掛け、家族も含めクリスマスの祝賀行事に参加しないよう求めた。時事通信が報じた。

 通知は、クリスマスの飾りのために雪の模造品を作ったり売ったりした者に対し高額の罰金を科す方針も示した。

 「クリスマス禁止」の指示は大学などでも出ているという。


◎英国国教会ロンドン大主教に初の女性サラ・マラリー主教

 【CJC】英国国教会は、ロンドン大主教に現クレディトン主教のサラ・マラリー氏を選任した。ロンドン大主教に女性が就任するのは初めて。

 メディア報道によると、マラリー主教は看護師だったが、召しにこたえ2006年聖職に就いた。既婚、2児がいる。

 「ロンドン主教」は英国国教会では第3位の地位にある。マラリー主教は選任受諾に際して、名誉と責任のことを「嬉しいくはあるが、怯えもある」と語った。
自身の指名について、教会の指導性というものに、より伝統的な信仰に立つ人は支持しないことは分かっている、と付け加えた。

 同派の霊的最高指導者カンタベリー大主教のジャスティン・ウエルビー氏は「素晴らしいニュース」と歓迎している。


◎バーナード・ロー枢機卿死去

 【CJC】バーナード・ロー枢機卿(元ボストン大司教)が、現在自宅のあるローマで死去した。86歳。死亡日時や死因などは明らかにされていない。

 1931年、メキシコ生まれ。ハーバード大卒業後、ルイジアナ州の神学校などを経て、84年、ボストン教区の大司教に任命。しかし、同教区の神父が30年にわたり130人の少年に性的虐待を行っていた事件などを隠蔽(いんぺい)していたとして批判を浴び、2002年に辞任した。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(12月24日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★菊地大司教 着座=「多様性における一致」具体化へ=東京教区
★第2回臨時司教総会=協議会内の役職人事を承認
★わらぶきの馬小屋=白川郷の"仮住まい"小屋モデルに信徒手作り=広島・廿日市教会
★ブラジル宣教60年=貧しい人たちへの奉仕は神様が必ず助けてくださる=佐々木治夫神父(横浜教区)に聞く
★福島・南相馬市さゆり幼稚園=原発事故から6年9カ月=戸惑いと試行錯誤を超えて=今、園児数は震災前より増加

 

 =KiriShin(12月25日特別号・既報)=http://www/kirishin.com

 =クリスチャン新聞(12月24日・31日・既報)=http://クリスチャン新聞.com

 
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