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世界キリスト教情報 第1418信(2018.03.26)

  • 「私には夢がある」=米で銃規制へ数十万人「命の行進」
  • 国連人道調整官がレバノンの人道状況悪化警告
  • 若者によるシノドス準備ミーティングがローマで開会
  • 教皇が銃規制デモ受け若者たちへ「声を上げて」と呼び掛け
  • バチカン広報事務局長が前教皇の私信読み上げで引責辞任
  • 「教皇の死を望む」と発言した司祭をクラクフ大司教が非難
  • 英国国教会が若い世代の現金離れに「電子献金」対応
  • アタカマの極小ミイラは骨疾患のある新生児の女児だった
  • ≪メディア展望≫

 

◎「私には夢がある」=米で銃規制へ数十万人「命の行進」

 【CJC】米南部フロリダ州の「マージョリー・ストーンマン・ダグラス高校」でこの2月14日、17人が殺害された銃乱射事件を受け、高校生の呼び掛けで銃の規制を強化するよう訴えるデモ「私たちの命のための行進」が3月24日、首都ワシントンをはじめ各地であった。同年代の悲劇に心を痛めた高校生らが駆けつけ、参加者は全米で数十万人に上ったと見られる。

 共同通信によると、ワシントンでは人種差別撤廃に取り組んだ黒人公民権運動指導者、故マーチン・ルーサー・キング牧師の9歳の孫娘ヨランダ・リネー・キングさんが「私には夢がある。銃のない世界だ」と演説した。キング牧師が1963年8月のワシントン大行進で「私には夢がある」と人種差別のない日が来ることを願う有名な演説をしてから約55年。特設ステージに登壇したヨランダさんを、デモ参加者たちは喝采で迎えた。

 主催者の1人の同校生徒エマ・ゴンザレスさんは壇上で「わずか6分20秒間で17人の命が奪われた。他人任せにせず、あなたたちの命のために闘う」と宣言した。

 強い政治力で規制に反対する全米ライフル協会(NRA)に怒りの声を上げる参加者が多く、ワシントンの高校生ダリル・クラインさん(16)は「政治家は若者の命よりNRAからもらうお金が大事なのか」と訴えた。

 米CNNテレビによると、ニューヨークで行われたデモ行進には、元ビートルズのポール・マッカートニーさんも参加した。メンバーだった故ジョン・レノンさんが1980年、ニューヨークの自宅近くで射殺されたことに言及。「親友の1人がちょうどこの辺りで、銃犯罪によって殺された。だから自分にとって重要なんだ」と参加の動機を語った。

 銃規制強化の転換点にしようと、企画、主催した「マージョリー・ストーンマン・ダグラス高校」高校の生徒は米週刊誌『タイム』4月2日号の表紙にも取り上げられるなど、大きな関心を集め、有力ニュースサイト『ハフィントンポスト』は「この20年間で最も強力な銃改革の草の根グループ」と評価している。


◎国連人道調整官がレバノンの人道状況悪化警告

 【CJC】3月19日付け『国連ニュース』は、レバノンには隣国シリアから難民が約150万人流入しており、数千人規模のパレスチナ難民も流入しているが、彼らへの支援資金が枯渇しており、状況が悪化している、ことを報じた。

 「レバノンの安定を維持することは、周辺一帯の寛容、多様性、安定を維持すること」と、レバノン駐在のフィリッペ・ラザリニアット国連居住者人道調整官は、援助要請急増の一方、供与側の能力超過を警告する。

 「これまでにも増して、レバノン危機に対応するには援助国側の連帯が必要だ。レバノンが直面している問題に個別に対応できないし、そうすべきでもない。責任分担がカギだ」

 2017年には、27億5000万ドルが必要なところ、集まったのはわずか43%だった。充足率は16年46%、15年54%と減少が続き、慢性的な支援資金枯渇に陥っている。


◎若者によるシノドス準備ミーティングがローマで開会

 【CJC】若者たちによるシノドス準備ミーティングが、教皇フランシスコの開会によって3月19日午前、ローマで始まった。

 バチカン放送(日本語電子版)によると、ミーティングは、バチカン(ローマ教皇庁)で今年10月、「若者たち、信仰と召命の判断」をテーマに開かれる世界代表司教会議(シノドス)第15回通常総会を前に、教皇が招集したもの。

 シノドスの準備会議としての性格を持つこのミーティングは、シノドス事務局の主催で、世界各国のおよそ300人の若者たちの参加を得て、24日まで、ローマの教皇庁立国際神学院『マリア・マーテル・エクレジエ』で行われる。

 ミーティングには、カトリック信者の青年を始め、他のキリスト教教会や、諸宗教、無宗教の若者たちも招かれているほか、世界各地からインターネットを通した言語別会議への参加も可能になっている。


◎教皇が銃規制デモ受け若者たちへ「声を上げて」と呼び掛け

 【CJC】教皇フランシスコは3月25日、バチカン(ローマ教皇庁)のサンピエトロ広場で若者たちに向け、恐れずに声を上げ続けてほしいと呼び掛けた。

 当日はイースター(復活祭)1週間前の日曜日、「枝の主日」(シュロの主日)で、カトリック教会の若者たちの祭典「世界青年の日」とも重なった。

 24日には、先月銃乱射事件が起きた米フロリダ州の高校の在校生らが、銃規制を訴える大規模なデモを実施。全米、世界各地で若者たちを中心に計数十万人が参加していた、と米メディア『CNN』は報じている。

 教皇はメッセージの中で「若者たちよ、皆さんには声を上げる力がある」と語り掛けた。大人や指導者たちが口を閉ざし、全世界が沈黙しても「私は皆さんに、大きな声を上げてくれますか、とお願いする」と強調した。

 さらに、自分の恐怖感と「真摯に向き合い、それをありのままに認識し、受け入れることを恐れないでほしい」と訴えた。


◎バチカン広報事務局長が前教皇の私信読み上げで引責辞任

 【CJC】バチカン(ローマ教皇庁)のダリオ・ビガノ広報事務局長が3月19日、前教皇ベネディクト16世の私信書簡を公の場で読み上げた責任を取って辞表を提出、教皇は21日付で受理した。後任として、アンドリアン・ルイス・ルシオ次官を暫定的に長官とする人事を発表した。ビガノ事務局長には、今後も事務局の顧問を務めるよう求めたという。

 書簡は、教皇フランシスコの学識を批判する声に対し、前教皇が「愚かな偏見」を一蹴する、との内容で私信として書かれたもの。

 ビガノ事務局長は12日、フランシスコ教皇が神学について記した11冊の書籍シリーズに関する発表会場で、この書簡の一部を読み上げた。

 広報事務局は2015年6月、教皇フランシスコがメディア改革のために新設したバチカンでは最大規模の機関。600人を超える職員が勤務している。ビガノ長官はバチカンのメディア改革の総責任者だった。

 ビガノ事務局長は、前教皇ベネディクト16世の信頼を裏切り、書簡を出版の販売促進に利用したと批判する内部関係者もいる。


◎「教皇の死を望む」と発言した司祭をクラクフ大司教が非難

 【CJC】カトリック教徒が国民の大半を占めるポーランドで3月17日、南部の都市クラクフのマレク・ジェドラシェウスキー大司教が、先月の説教で教皇フランシスコを「英知に対して心を開かない」ならその速やかな死を望む、と述べた保守的なエドワルド・スタニエク司祭を公然と非難する声明を発表した。

 現地報道としてAFP通信が伝えるところでは、神学者でもある同司祭は移民や離婚、イスラム教に関する教皇のリベラル寄りの考えにも言及し、反論した。

 イスラム教徒については「彼らと対話する方途はない」と断言し、慈悲の名の下に教皇は教区などにイスラム教の信奉者に門戸を開放するよう呼び掛けているが、彼らは福音や教会に敵対していると主張している。

 同国のカトリック信徒の間では、1978年に教皇になり2005年に死去した同国出身の故ヨハネ・パウロ2世の保守的な教えに今も従い、フランシスコ教皇はリベラル過ぎると考える人が多い。


◎英国国教会が若い世代の現金離れに「電子献金」対応

 【CJC】「電子財布」が日本より一歩先に普及している英国で、国教会(聖公会)が現金を持たない若者たちに、『アップルペイ』や『グーグルペイ』などの電子財布で献金してもらうよう準備を進めている。

 献金と言うものの、礼拝だけでなく結婚式、洗礼式などの礼典での支払いや寄付にも対応する。

 ロイター通信によると、電子財布は2017年夏から40教会で試用を始めた。これを国内1万6000以上の教会や聖堂で「モバイル決済端末」を導入するという。

 国教会の「ナショナル・スチュワードシップ・オフィサー」ジョン・プレストン氏は「教会のカードや電子支払い設備導入の必要は明らかで、その実現を歓迎する。支払い方法の変わり方は目覚ましく、特に現金を持たなくなった若い世代はすぐに対応する。全世代が礼拝の場で新方式に慣れれば」と言う。

 国教会は、毎年の献金収入が5億8000万ポンド(約862億円)に達しているが、各教会で受け取った礼拝献金より、むしろ維持献金のような負担金的なものがほとんど。

 「教会員は、現金がない、と思う時が結構多い。手軽に速く納入出来れば素晴らしい」とスタンフォード(リンカーンシャー)のセントジョージ教会のアリソン・デビー書記。「今の時代、前向きに進む一歩」と言う。


◎アタカマの極小ミイラは骨疾患のある新生児の女児だった

 【CJC】南米チリのアタカマ砂漠にある教会で2003年、いわゆる宇宙人のような頭部を持つ非常に小さなミイラ化した遺体が革袋に入れられた状態で発見された。「アタ」の愛称で呼ばれているこのミイラが異星人のものする説が出され議論が広まったが、詳細な遺伝子分析から新たな知見が得られたとする研究論文が米科学誌『ゲノム・リサーチ』に掲載された、とAFP通信が3月22日報じた。

 それによると、遺体は新生児の女児のもので、小人症、形態異常、早期老化症などに関連すると見られるまれな遺伝子変異を持っていたことが、分析で明らかになったという。これまでの研究では、遺骨は6〜8歳の人間のもの考えられていた。

 論文の主執筆者で、米スタンフォード大学医学部のギャリー・ノーラン教授(細菌学・免疫学)は「遺体は子どもで、早産または過期産で死亡した可能性が高いことが、今回の研究で分かった」と語っている。

 骨髄から抽出したDNAを用いて全ゲノム分析を実施した研究チームは、アタが、「保有する遺伝子により、チリの先住民が居住するアンデス地域の出身であることが特定される」ことを突き止めた。

 今回の発見についてノーラン教授は、「このような事例はこれまでに一度も確認されたことはなかった」と述べ、骨の病気に関する新たな治療につながる可能性もあるとしている。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(3月25日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★教皇フランシスコ=「世界青年の日」メッセージ=「恐れ」から抜け出す時
★教皇フランシスコ選出から5年=「出掛けて行く」教会
★核兵器禁止条約に署名を=社会司教委=首相・外相に要望書
★7年間の活動に感謝=岩手・大槌(おおつち)ベース=閉所ミサ
★被災地思い祈り続ける=福岡海星女子学院附属小の児童

 

 =KiriShin(3月21日)=http://www.kirishin.com
★映画『father』=戦争に翻弄され家族を失った神父と故郷を失った「子ども」"巡礼"の記録
★「宗教者九条の和」で望月衣塑子氏=安倍政権とマス・メディア語る
★「クリスチャン新聞」通じ「福音派の歩み語る」根田祥一氏
★お茶の水クリスチャンセンター内に貸出スペース「東京グレイスセンター」
★天皇の退位・即位に関してカトリック司教協議会が要望書

 

 =クリスチャン新聞(3月25日)=http://クリスチャン新聞.com
★東日本大震災から7年=「よくここまで歩んでくださった」=南三陸で「愛と希望のコンサート」
★東北「エマオ」活動最終年へ=「孫と祖父母のような関係に」
★「イエスの信実への参与」=「 刑罰代償説 」を克服するパウロ贖罪論の新たな視座=東京ミッション研究所フォーラム
★岡山で「4/14の窓」カンファレンス=多様な角度で理論と実践共有
★「牧会ステーション2018」4月から=相互に安心できる場=牧会塾を継承2年目

 
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