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世界キリスト教情報 第1426信(2018.05.21)

  • 教皇、6月21日に世界教会協議会訪問
  • 台湾司教団が10年ぶりバチカン訪問
  • 教皇、「司教任命権、交渉難航」と台湾側に説明=毎日新聞
  • 教皇が「世界召命祈願の日」に司祭16人叙階
  • 「憎しみと暴力ではなく、和解と兄弟愛を」と教皇
  • 児童性的虐待スキャンダル受けチリの34司教が辞意
  • 前田万葉大司教を枢機卿に教皇任命
  • ≪メディア展望≫

 

◎教皇、6月21日に世界教会協議会訪問

 【CJC】世界教会協議会(WCC)とバチカン(ローマ教皇庁)は5月15日、教皇フランシスコが6月21日、WCC創設70周年を機会にジュネーブの本部を訪問する、と発表した。WCC側は訪問を「諸教会への贈り物」と歓迎している。

 WCCは「エキュメニカルな巡礼の旅共に歩み、祈り、活動する」を主題に、70周年記念式典を開催、『中央委員会』も同時に開催する。

 「WCC創設70周年を機に教皇が訪問されることは、キリスト教一致追求と、平和・正義の世界を目指す諸教会の協力にとって歴史的な里程標である」とWCCのオラフ・フィクセ=トヴェイト総幹事が記者会見で語った。

 記者会見に出席を予定していたバチカン・キリスト教一致推進評議会議長のクルト・コッホ枢機卿は健康を損ない欠席したので、同評議会員でWCCの信仰職制会議のコンサルタントを務めているアンドレ・コロマンスキー神父が出席した。

 「WCCにいるわたしたちは、教皇がわたしたちの訪問招請を今回受けてくれたことをこの上なく感謝している」と総幹事は語った。

 教皇は、6月21日午前10時30分にジュネーブに到着、WCC側と祈り、会合を共にし、アラン・ベルセ連邦大統領と会見、午後5時半にパレクスポ・コンベンション・センターでミサを行い、同8時、ジュネーブ空港を出発、帰路に着く。


◎台湾司教団が10年ぶりバチカン訪問

 【CJC】台湾の通信社『中央社』は、地域の状況などを定期的に報告する「アドリミナ」のためバチカン(ローマ教皇庁)に向かったカトリック司教7人による司教団が5月8日、ローマのフィウミチーノ空港に到着した、と報じた。李世明・駐バチカン大使が空港に出向き、司教団と面会したという。

 海外の司教がローマ教皇に地域の状況などを定期的に報告する「アドリミナ」は5年に1回行うとされており、「10年ぶり」となった裏に、中国大陸の北京政権(中華人民共和国)との関係改善を図るバチカンの意向も反映したとも見られる。

 バチカンは、欧州では唯一、中華民国と外交関係を結ぶ「国交国」。だが、今年2月には、バチカンが断交中の中国大陸と司教任命に関する枠組み協定を結ぶ準備を整えたと報じられた。

 李大使は、教皇の台湾に対する心遣いに司教たちは感謝していると語った。また、司教たちは台湾とバチカンの関係をめぐって広がっている好ましくない噂の多くは真実ではないとし、教皇が過去1年間で位の高い聖職者を台湾に多数派遣していることなどを説明した。

 台湾司教団による「アドリミナ」は、現教皇フランシスコが就任して以来、初めて。李大使によれば、蔡英文総統や陳建仁副総統はそれぞれ、出発前の司教団と面会し、今回の訪問を重視する姿勢を伝えたという。


◎教皇、「司教任命権、交渉難航」と台湾側に説明=毎日新聞

 【CJC】教皇フランシスコが5月14日、バチカン(ローマ教皇庁)で台湾の司教団と会談した際、関係改善に向けて協議中の中国との間で司教の任命権を巡り双方が折り合わず、交渉が難航していると説明した、と毎日新聞が台北発で報じた。会談の出席者が同紙の取材に明らかにした。

 教皇は中国との関係改善に積極的で、欧米メディアは早ければ3月末にも合意に達すると報じていた。教皇は台湾司教団に対し「私たちは妥協しない。バチカンは司教任命権を手放さない」と説明したという。

 バチカンは司教任命権は教皇にあるとの立場だが、中国は司教を独自に任命することを主張。双方に受け入れ可能な任命方式を巡る交渉が続いていた。

 台湾には、バチカンと中国が関係改善で合意すれば、バチカンは台湾との断交に追い込まれるとの懸念もある。

 教皇が中国に妥協するのでは、と香港の陳日君・枢機卿らカトリック幹部の懸念も表面化している。教皇の発言にはこうした懸念を打ち消す狙いもあると見られる。

 台湾側は教皇の台湾訪問を要請したが、教皇は回答を避けた、と毎日新聞は報じている。


◎教皇が「世界召命祈願の日」に司祭16人叙階

 【CJC】教皇フランシスコが、バチカン(ローマ教皇庁)のサンピエトロ大聖堂で、第55回「世界召命祈願の日」にあたる復活節第4主日の4月22日、新司祭16人の叙階式を行った。

 司祭16人は、ローマ教区内の『大神学校』など各神学校で学んでいた学生。

 教皇は一人一人の手を握り、「わたし、そしてわたしの後継者へ尊敬と服従を約束するか」と尋ね、皆がそれぞれに「はい。約束します」と答えた。

 今回の叙階式で、レデンプトーリス・マーテル神学院の関係者が自身のブログに記したところでは、同神学院からは6人が叙階された。

 この関係者は、「同神学院出身で今回叙階された6人のうち2人は、『日本宣教のための叙階』であることが明らかにされた」とし、「この10年間、特定の国のための宣教師を意図して教皇が自らの手で司祭に叙階した例は日本に対してだけだ」と指摘している。


◎「憎しみと暴力ではなく、和解と兄弟愛を」と教皇

 【CJC】教皇フランシスコは5月13日、バチカン(ローマ教皇庁)で行われた日曜正午の祈りの集いで、教皇は、同日インドネシアのスラバヤで起きたキリスト教教会を対象とした攻撃を強く非難、この攻撃によるすべての犠牲者と遺族のために祈った。

 教皇は、これらの暴力行為の停止をアピールするとともに、すべての人の心に憎しみと暴力ではなく、和解と兄弟愛が育つよう、平和の神に祈った。

 この事件では、スラバヤのカトリック教会・無原罪の聖母教会とプロテスタント2教会の、キリスト教会3カ所が相次いで爆破攻撃を受け、13人が死亡、40人以上が負傷した。


◎児童性的虐待スキャンダル受けチリの34司教が辞意

 【CJC】チリ・カトリック教会の司教34人が5月18日、同国でのカトリック聖職者らによる児童性的虐待スキャンダルを受けて辞任する意向を明らかにした。

 チリの聖職者による児童性的虐待の告発を受け、教皇フランシスコは同国の司教らをバチカン(ローマ教皇庁)に招集、3日間の集中的な協議を行った。

 これら司教が発表した声明によると、辞意を示したのは現役の司教31人と引退司教3人。1国の司教全員の同時辞任はカトリック教会の歴史で前例がないとみられている。バチカンの報道官は教皇が今回の一斉辞任を認めたのかの事実確認は避けた。

 教皇は17日、チリの司教らへの短い声明文の中で「正義を取り戻す」ために同国のカトリック教会への「改革」を約束したことを発表した。

 だが、米メディア『CNN』によると、チリのテレビ局『T13』が18日に暴露した、協議の最初にチリの司教らに手渡された10ページの極秘文書の中では教皇はさらに踏み込んだ言及をしている。

 同文書は、「犯罪」と「未成年者に対するつらく恥ずべき性的虐待、権力乱用、聖職者らの善悪の観念」について喚起。さらに、一定の司教を解任する措置は必要ではあるが「不十分」であるとし、チリのカトリック教会の「エリート主義者と権威主義者」がこうした性的虐待を許容した「根源」を調査するよう要請している。

 渦中にあるのはオソルノ教区のバロス司教で、虐待の事実を知り、隠蔽に携わったともされる。ただ、教皇は自らが2015年に任命した同司教を強く弁護し、非難は中傷に等しいとも主張していた。

 しかし、4月にバチカンの調査報告書を受けた後、判断で重大な過ちを犯したと教皇は認め、チリの虐待被害者への謝罪を表明していた。5月にはバチカン内で同司教の主要な告発者3人と私的に面会し、許しを求めてもいた。


◎前田万葉大司教を枢機卿に教皇任命

 【CJC】教皇フランシスコは聖霊降臨日(ペンテコステ)に当たる5月20日、大阪教区のトマス・アクィナス前田万葉(まえだ・まんよう)大司教(69)を枢機卿に任命すると発表した。6月29日に開かれる枢機卿会議で就任する。

 日本人が枢機卿に就任するのは2007年に死去した浜尾文郎氏以来、6人目。故白柳誠一枢機卿が2009年12月に死去して以来の日本人枢機卿となる。

 教皇は、バチカン(ローマ教皇庁)のサンピエトロ広場に、教皇と共に聖母マリアのレジーナ・チェリの祈りを唱えその言葉に耳を傾けようと集まった多くの巡礼者や訪問者に、新枢機卿14人の任命を発表した。

 今回任命された14人の出身は、イラク、パキスタン、ポルトガル、ペルー、マダガスカル、イタリア、ポーランド、メキシコ、日本の9カ国にわたっている。

 教皇は、新枢機卿の出身地が多様性に富んでいることについて「これらの地のすべての男女に向けられた神の慈愛深い愛を知らせ続ける、カトリック教会の普遍性を示す」と述べた。

 枢機卿はローマ・カトリック教会で教皇に次ぐ高位聖職者で、教会行政の中央最高機関であるバチカンの要職などを占める教皇の最高顧問。教皇選挙(コンクラーベ)の投票権を持つ80歳未満の枢機卿は世界で現在約110人。

 前田氏は1949年、長崎県新上五島町生まれ。75年に司祭叙階、91〜94年長崎教区報『よきおとずれ』編集長。2006年にカトリック中央協議会事務局長となり、広島教区司教を経て、14年に大阪教区大司教に就任した。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(5月20日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★「世界遺産登録を願うシンポジウム」=歴史と文化の根幹に信仰=地元は地域再生にも期待=長崎
★キリスト教とイスラムの指導者=祈りの連携呼び掛ける=カトリック教会襲撃で宣言文=中央アフリカ
★福島の今後を考えるためチェルノブイリに学ぶ=広河隆一さん講演会=東京
★困難な状況にある労働者との連帯を願って=キリスト者メーデー集会
★大震災=避難所での教訓生かして=『発達障がい児者受け入れのてびき』発刊=世界宗教者平和会議日本委員会

 

 =KiriShin(5月21日)=http://www.kirishin.com
★『よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』=「二世信者」の"傷"露わに=漫画家/いしいさやさん/インタビュー
★日本福音同盟50周年で感謝会="一致と宣教の前進のために"
★宗教を超えた対話を=「アディアン財団」に庭野平和賞
★英国国教会ロンドン主教=初の女性が就任
★「黒人解放の神学」主導者ジェイムズ・H・コーンさん死去

 

 =クリスチャン新聞(5月20日)=http://クリスチャン新聞.com
★東久留米キリスト者九条の会=王に勝る存在知る教会にこそ使命=教会形成から社会形成へ
★首都圏直下地震の備えを=東京・新宿大久保通り沿いの7教会が3回目の「防災フェスタ」
★南北首脳会談後、米朝首脳会談控え=「韓国半島平和のため40日祈り」=6月8日まで毎日24時間リレー祈祷=京畿道オサンリ祈祷院
★星野富弘さんの母が受洗=病床と制作支えた愛=作品にも反映
★北朝鮮拘束の米国人3人解放=1人は牧師

 
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