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世界キリスト教情報 第1436信(2018.07.30)

  • トルコで収監の米国人牧師が自宅軟禁に
  • 米国とトルコの関係は「宗教」交え混迷続く
  • イスラム系と和平へフィリピンがミンダナオに自治政府
  • 人手不足のポーランドがフィリピン人労働者受け入れ
  • インドの正教司祭2人が20年にわたり強姦
  • 世界福音同盟が新国際理事発表、植木英次氏も選出
  • アルペ神父の列福調査がローマ教区で開始
  • ≪メディア展望≫

 

◎トルコで収監の米国人牧師が自宅軟禁に

 【CJC】トルコで2年近く前から収監されていた米キリスト教福音派の牧師アンドリュー・ブランソン氏(50)が7月25日、自宅軟禁に移された。

 裁判所は、アンドリュー・ブランソン牧師は健康上も、自宅に戻れると判断した。ブランソン氏の自宅は、エーゲ海に面するイズミルにある。メディアは、トルコのテレビ局が同氏が車に乗せられ、警察の護衛の下で走り去る映像を流した。

 ブランソン氏は、トルコに20年以上住んでおり、2016年のクーデター未遂事件を起こしたグループや反政府武装組織のクルド労働者党(PKK)を支援した罪で起訴された。16年10月に逮捕、拘束され、検察当局が、テロリスト集団と共謀し、トルコを分裂させる活動をしていたとして起訴した。ブランソン氏は、21カ月にわたり収監されていた氏は痩せて鬱症状を抱えているという。

 トルコ国営アナトリア通信によると、スパイとテロの罪に問われているブランソン氏の裁判は継続し、同氏は自宅を離れることはできない。有罪になれば35年の禁固刑を言い渡される可能性もある。

 ブランソン氏の弁護人を務める米国人弁護士ジェイ・セクロウ氏は、収監が解かれたことを、米国への帰国が認められる「極めて大きな第一歩」と評した。

 マイク・ポンペオ米国務長官は25日、声明で、ブランソン牧師が釈放されたことを明らかにし、「前向きな進展だ」と評価した。

 ポンペオ氏は「(クーデター未遂関与の)信頼に足る証拠はない」と主張した。米政府は早期帰国を求めている。


◎米国とトルコの関係は「宗教」交え混迷続く

 【CJC】米キリスト教福音派の牧師アンドリュー・ブランソン氏(50)をトルコが拘留、起訴した問題は、米国でキリスト教右派の存在を改めて確認させ、それは北大西洋条約機構(NATO)加盟国である米国とトルコの間の込み入った問題とも絡み合っている。

 英フィナンシャル・タイムズ紙は7月26日、「ブランソン氏を投獄したのは大間違いだった。米議会の深い見直しに扉を開く結果になったのだから」と、ワシントンのシンクタンク「フリーダムハウス」のトルコ専門家ネイト・シェンクカーン氏の発言を報じている。「その見直しが始まった以上、ブランソン氏だけでは終わらない」という。

 トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、ブランソン氏の運命をギュレン師の引き渡し要求と結びつけている。同師は米国滞在中のイスラム教指導者で、2016年に起きたクーデター未遂事件の首謀者とされている。「そちらにも牧師がいる」と、エルドアン氏は「彼(ギュレン師)を引き渡せ。そうすれば(ブランソン氏を)裁いて引き渡す」と主張する。

 米議会はブランソン氏の問題をめぐりトルコへの圧力を強めようと動いている。他にも米国人や米総領事館職員も収監されていること、ロシア製対空ミサイル「S400」の購入などの問題がある。

 両国間の動きに目が離せない日々が当分続きそうだ。


◎イスラム系と和平へフィリピンがミンダナオに自治政府

 【CJC】フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は7月26日、約50年間で10万人を超える死者を出したミンダナオ紛争の解決に向け、ミンダナオ島にイスラム自治政府の樹立を認める「バンサモロ基本法」に署名し、発効させた。2022年にも高度な自治権を持つ自治政府が誕生する。

 ドゥテルテ氏は23日の施政方針演説で、憲法を改正して連邦制を実現し、地方分権を進める意欲を示した。自治政府樹立は政府と同国最大のイスラム武装勢力、『モロ・イスラム解放戦線』(MILF)が2014年に結んだ包括和平合意の条件で立法化が待たれていた。同島を拠点に政府と対立してきたフィリピン最大のイスラム武装組織は今後、武装解除を進めると見られる。

 政府は年内にも、ミンダナオ島西部の市町村などで自治政府に加わるか否かを問う住民投票を実施する予定。この地域にあるイスラム教徒自治区を廃止し、19年1月にも暫定自治政府を発足。22年に同政府のトップや議会の議員を決める選挙を実施する計画だ。

 基本法は発効したが、和平の実現が保証されたわけではない。MILFの一部は反発する可能性もある。ミンダナオ島にはほかにもイスラム武装勢力が存在、武装解除された民兵が再び武器をとることも考えられる。


◎人手不足のポーランドがフィリピン人労働者受け入れ

 【CJC】これまで労働力不足の穴埋めを隣国ウクライナからの労働者に依存してきたポーランドが、フィリピン人労働者の受け入れにカジを切った。すでにポーランドは100万人規模のウクライナ人を国内に抱えているが、今後の数年間でさらに30万人増える見通し。ポーランド通信(PAP)によるとしてAFP通信が報じている。

 同国のスタニスワフ・シュフェト副労働相は7月28日、労働者受け入れに向けてフィリピン側との協議が順調に進んでいると明らかにし、秋には仮協定を締結したいと語った。

 ポーランドの右派政権は移民受け入れに反対の立場だが、シュフェト氏は、共にカトリック教国であるポーランドとフィリピンは多くの文化的価値観を共有していると強調し、特にIT、医療、建設産業で優秀なフィリピン人労働者を誘致したい考えだと述べた。

 フィリピンは労働力の主要輸出国で、約1000万人のフィリピン人労働者が海外のあらゆる分野で就労している。一方、ポーランドは2030年までに労働力人口が400万人不足すると予測されている。主な要因は欧州連合(EU)域内他国への自国労働者の流出や出生率の低迷。


◎インドの正教司祭2人が20年にわたり強姦

 【CJC】インド南部ケララ州でシリア正教の司祭2人が20年にわたり女性に性的暴行を加えた容疑で逮捕された。AFP通信が報じた。

 これを受けインド国家女性委員会は7月26日、教会での性的虐待の実態をまとめた報告書を政府に提出した。この中で、弱い立場にある女性たちを脅す材料として告解が悪用されているとして、すべての教会での告解の禁止を提言した。

 事件は、信者の女性(34)が複数の司祭から繰り返し性的暴行を受けていたと語ったことが報道されて明るみに出た。女性は警察に、司祭らは女性が告解した内容を悪用して女性を脅し性行為を強要したと話したという。逮捕された2人の司祭以外に、別の司祭2人も捜査を受けている。

 これに対しケララ州カトリック司教協議会は、インドでは少数派であるキリスト教徒の宗教感情を傷つけるものだと反発。「教会内部の精神的な活動への介入という違憲行為の背後には、地域社会的、政治的な動機があるのではないか」と疑念を示した。


◎世界福音同盟が新国際理事発表、植木英次氏も選出

 【CJC】世界福音同盟(WEA)は7月24日、統治機関『国際理事会』の新メンバーを発表した。新国際理事は、各地域を代表する7人と、地域を代表しない3人、そして名誉理事1人と総主事の計12人。

 新体制の『国際理事会』は、2019年11月6日~13日にインドネシア・バリ島で開催される総会まで、WEAの統治機関として任務を果たす。

 地域を代表しない国際理事3人の中に、日本福音同盟(JEA)国際渉外室長、アジア福音同盟議長の植木英次氏(イムマヌエル綜合伝道団市川教会牧師)も選出された。


◎アルペ神父の列福調査がローマ教区で開始

 【CJC】イエズス会日本管区の初代管区長で、同会の第28代総長を務めたペドロ・アルペ神父の列福調査が、ローマ教区で始まる。

 イエズス会現総長アルトゥーロ・ソーサ神父が7月11日、スペインのビルバオで開かれたイエズス会系大学の国際組織の会合の席で、ローマ教区がアルペ神父の列福に関する教区レベルでの調査の開始を認可したことを明らかにした。

 ソーサ総長は「ローマ教区の教皇代理、アンジェロ・デ・ドナーティス枢機卿が、教区レベルでの調査の開始を許可してくれた」と報告すると共に、アルペ神父を「キリストに根差し、宣教に献身した真理の人」と思い起こした。

 アルペ神父(1907~1991)は、スペイン・バスク州ビルバオ生まれ。マドリード大学・医学部で学ぶ。27年、イエズス会に入会。36年、司祭叙階。38年、宣教師として来日。42年より広島・長束修練院の修練長となり、45年に同地で原爆を体験。医学の知識を生かし、被爆者の救援・介護に尽くした。54年、イエズス会日本準管区の準管区長。日本管区が誕生した58年、初代の管区、65年、イエズス会総長に選ばれた。83年、総長を引退。91年、ローマで亡くなった。

 
《メディア展望》

 =カトリック新聞(7月29日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★広島 岡山 愛媛で支援へ=豪雨被害=拠点・体制づくりと活動始まる
★教皇フランシスコ=良い信者は福音を伝える
★静岡聖光学院中学校・高等学校=生徒主体で部活動=鈴木大地スポーツ庁長官が視察
★船員司牧全国研修会=過酷な労働状況知り=必要な支援の手を
★正義と平和協議会など=オウム真理教元代表らの死刑執行に抗議

 

 =KiriShin(7月21日・既報)=http://www.kirishin.com

 

 =クリスチャン新聞(7月29日)=http://クリスチャン新聞.com
★双葉の宣教と原発問題考える=いわきで信州夏期宣教講座エクステンション
★「みんなのいのちがつながったよ」=『あたたかい生命と温かいいのち』出版記念講演会
★津久井やまゆり園家族会代表も登壇=内に潜む「優生思想」えぐりだされ=日本キリスト教社会福祉学会第59回大会
★日本宣教学会で松浦悟郎司教講演=戦前と変わらぬ移住者"管理"
★知られざる沖縄での秘密戦を追う=映画「沖縄スパイ戦史」=7月28日公開=大矢英代共同監督に聞く

 
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