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世界キリスト教情報 第1437信(2018.08.06)

  • 死刑全面反対へ、教皇が『カテキズム』の一部書き換え
  • バチカンが教皇演説を5言語に同時通訳するアプリ
  • セオドア・マカリック枢機卿が「辞任」
  • トルコ裁判所はブランソン牧師の釈放認めず
  • 米国がトルコの法相と内相に制裁措置
  • 話題集めたパレスチナ人少女アヘド・タミミさん釈放
  • ≪メディア展望≫

 

◎死刑全面反対へ、教皇が『カテキズム』の一部書き換え

 【CJC】カトリック教会は8月2日、信者に対する教理の手引き『カテキズム』の一部を変更し、死刑はいかなる状況においても容認できないと明記した。

 教皇フランシスコは、『カトリック教会のカテキズム』中の、死刑について言及する部分の変更を承認。これにより、「教会は福音の光に照らし、『人間の不可侵性と尊厳を侵害することから、死刑は許容しがたいもの』と教えている」と、書き換えられた。『バチカン・ニュース』によると、教理省長官ルイス・ラダリア枢機卿が、8月1日付で文書を発表した。

 教皇が、5月11日、同枢機卿への接見の席で、『カトリック教会のカテキズム』の新たな内容を認可すると共に、それを各言語に訳し、同カテキズムのすべての版において、挿入するよう命じたことも、今回の文書文で明らかにされた。

 教理省は、同じ8月1日付で、「死刑をめぐる、『カトリック教会のカテキズム』の新しい内容に関しての、司教への書簡」を公布した。変更の経緯と、前任の教皇たちの死刑をめぐる教え、そして、教皇フランシスコによるその継続性に触れている。

 今回の方針変更は、米国など死刑が合法とされている国から強い反発を招く可能性もある。

 人権団体『国際アムネスティ』によると、昨年死刑が宣告された国は53カ国、このうち23カ国で少なくとも993人が処刑された。執行が多かったのは、中国、イラン、サウジアラビア、イラク、パキスタンだった。

 米国の処刑は23人で、アムネスティは同国は米州で唯一死刑を執行している国だと付け加えた。

 欧州では、大半の国で死刑が禁止されており、昨年死刑を執行した国はベラルーシのみ。

 一方、昨年末までの時点で死刑を禁止した国は106カ国だった。


◎バチカンが教皇演説を5言語に同時通訳するアプリ

 【CJC】バチカン(ローマ教皇庁)は7月27日、教皇フランシスコの演説を5言語で聞くことができるスマートフォン用同時通訳アプリ『バチカン・オーディオ』をリリースしたと発表した。

 『バチカン・オーディオ』は通常イタリア語で行われる教皇の演説をスペイン語、英語、フランス語、ドイツ語、ポルトガル語の5言語に翻訳し、教皇が母語のスペイン語で話す時はイタリア語への翻訳にも対応するという。

 AFP通信によると、バチカンの報道官は、このアプリはサンピエトロ広場に集まった信者に向けて行われる日曜の「お告げの祈り」で利用できると述べ、教皇の演説を世界中から集まる大勢の人々に理解してもらえるようになる、と強調した。


◎セオドア・マカリック枢機卿が「辞任」

 【CJC】バチカン(ローマ教皇庁)の有能な外交官として知られた、前ワシントン大司教のセオドア・マカリック枢機卿(88)が7月27日、「枢機卿会議」からの辞任を要請した。

 バチカンは、28日の声明で、「教皇フランシスコはマカリック枢機卿の辞任を受け入れ、同枢機卿に対して行われた告発が正規の審問により調査されるまで、祈りとざんげの生活のために、自宅にとどまる義務とともにどのような公的な宣教活動をも停止することを命じた」と発表した。

 「枢機卿会議」からの辞任は、1927年にルイス・ビヨ神父が辞任して以来のこと。

 マカリック氏は、2001年から06年までワシントン大司教として、教会の中で性的虐待から若者を保護することを目的とした方針を作ることに貢献した。

 今回の辞任は、47年前にティーンエイジャーを性的に虐待したという証拠を発見した裁判所の審判を受けてのもの。同氏は次のように弁明している。

 「数カ月前、ニューヨーク大司教のティモシー・ドーラン枢機卿から、約50年前のティーンエイジャーへの性的虐待したとの主張がわたしに対して行われている、と通知された。当時、わたしはニューヨーク大司教区の聖職者だった」

 「通知にショックをうける一方、わたしの無実を主張した。大司教区審問委員会に付されることは必須と考え、その間の措置に協力した」

 「バチカンの決定を受け入れ、どのような公的な宣教活動も行わない。わたしは性的虐待の記憶が全然ない」

 デズモンド・ロッシ神父(オルバニー教区)は、自分がマカリック氏の犠牲者の1人だったとして、同氏が辞任したことで安心したと述べた。


◎トルコ裁判所はブランソン牧師の釈放認めず

 【CJC】トルコで2016年のクーデター未遂事件に関わったとして逮捕、起訴、収監されていた米キリスト教福音派の牧師アンドリュー・ブランソン氏(50)は7月25日、自宅軟禁に移された。

 ブランソン氏を巡っては、ドナルド・トランプ米大統領はブランソン氏の「即時解放」を要求していたが、イズミルの裁判所は31日、ブランソン氏の釈放申請を却下した。

 トランプ氏は、トルコが応じなければ「大規模な制裁」を科すと強くけん制していただけに、トルコ側の反発への対応が注目される。


◎米国がトルコの法相と内相に制裁措置

 【CJC】米財務省は、ドナルド・トランプ大統領が解放を要求している米国人牧師の拘束をトルコが続けているとして、同国の閣僚2人に制裁を科した。ホワイトハウスのサラ・ハッカビー・サンダース報道官が8月1日明らかにした。同盟国の閣僚に対する経済制裁は異例で、両国関係がさらに悪化する恐れがある。

 財務省の1日の声明によれば、制裁の対象とされたのはトルコのアブドラ・ギュル法相とスレイマン・ソイル内相で、共に「アンドルー・ブランソン牧師の逮捕・拘束に責任的役割を果たした」とされている。

 サンダース報道官は、「ブランソン牧師が不正行為を行ったという証拠は示されておらず、牧師はトルコ政府による不当で不正な拘束の犠牲者だとわれわれは考える」と述べた上で、制裁は「大統領の指示によって」科されたと説明した。両相の米国内の資産は凍結され、米国の企業や機関は両氏との取引を禁じられる。

 ブランソン氏は二〇一六年夏にトルコで起きたクーデター未遂事件に関与したとして同年十月に拘束、起訴された。事件への関わりを否定しているが、長期間拘束された後、健康上の理由で今年七月二十五日から自宅軟禁に変更された。


◎話題集めたパレスチナ人少女アヘド・タミミさん釈放

 【CJC】反イスラエル宣伝の映像撮影のため、2017年12月19日、イスラエル国防軍兵士を蹴飛ばしたり平手打ちするなど執拗に暴行して逮捕され、18年3月に投獄、禁錮8月を言い渡され服役中だったパレスチナ人少女、アヘド・タミミさん(17)が7月29日釈放された。

 イスラエルの矯正当局者がAFP通信に語ったところでは、アヘドさんは同時に禁錮刑判決を受けていた母親のナリマンさんと共に収監されていたイスラエルの刑務所から自宅があるヨルダン川西岸に通じる検問所までイスラエル当局の車で移送された。

 当時のパレスチナでは、ドナルド・トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定したことに抗議するパレスチナ人とイスラエル軍との衝突が頻発していた。

 この事件では、アヘドさんらがイスラエル兵士2人に近づいて出ていくよう要求した後、兵士を小突いたり蹴ったり平手打ちしたりする様子を捉えた動画がネット上に拡散し、大きな注目を集めた。

 この動画が拡散したことで、アヘドさんはイスラエルの占領に抵抗するパレスチナ人の象徴として英雄視されるようになった。パレスチナ自治政府のマハムード・アッバス議長もアヘドさんを称賛。AFP通信は、イスラエルとヨルダン川西岸を隔てる壁にはアヘドさんの肖像画まで描かれていると報じた。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(8月5日・休刊)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/

 

 =KiriShin(8月1日)=http://www.kirishin.com
★生月島の「かくれキリシタン」追う=「世界文化遺産登録」実現の陰で=『消された信仰』著者・広野真嗣さんインタビュー
★「性とカトリック」テーマに映画上映会とトークショー
★小さないのちを守る会=養子縁組あっせん事業は終了
★青山学院と浦和ルーテル学院=「系属校」協定書を締結
★夙川学院が須磨学園の傘下に=キリスト教教育は中止に

 

 =クリスチャン新聞(8月5日)=http://クリスチャン新聞.com
★真備町の自宅水没した信徒=賛美ささげつつ救助待つ=教会信徒、OBJスタッフらで復旧支援
★四国キリスト災害支援会設立 愛媛で災害支援会議
★防災準備は悲観的、被災したら超楽観的に=「第4回 町田・相模原 防災フェスタ」で佐藤彰氏講演
★「働き手が足りない」=岡山キリスト災害支援室」=ボランティア要請
★万座温泉日進舘会長・歌手=泉堅氏急逝

 
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