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世界キリスト教情報 第1438信(2018.08.13)

  • 米とトルコの関係が複雑化する一方の実像は謎のまま
  • WCCが8月23日にオランダで創設70周年記念式典
  • アルゼンチン上院が中絶法案否決
  • 同性婚禁止は違憲=コスタリカ最高裁判断
  • 韓国史教育のソウル大名誉教授李元淳さん死去
  • ≪メディア展望≫

 

◎米とトルコの関係が複雑化する一方の実像は謎のまま

 【SKJ・CS】トルコの通貨リラ急落が世界を揺るがしている。今日8月13日の株式市場ではアジア各国・地域の株価が軒並み下落した。トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はリラの安定に不可欠と見られる政策金利の引き上げを否定、米国に対する強気姿勢を軟化させる兆しは全く見られない。

 ドナルド・トランプ米大統領の政権は、2016年のクーデター未遂事件に関与したとしてトルコで拘束中の米国人牧師アンドルー・ブランソン氏の解放を強く求め、トルコ閣僚を対象とする経済制裁や関税倍増で圧力を高めている。

 その中で、マイク・ポンペオ米国務長官は3日、トルコのメブリュト・チャブシオール外相と会談した。

 ポンペオ長官はシンガポールでロイター通信などの記者団に対し、チャブシオール外相との会談は建設的だったと述べた。ブランソン氏を解放し帰国を認め、同様にトルコ当局に拘束されている他の人物も解放すべきだと明確に伝えたとし、「向こう数日間で実現することを期待している」と語った。

 トルコ英字紙『ヒュリエト・デーリー・ニューズ』(電子版)は7日、外交筋の話として、ブランソン氏が長期間拘束されている問題で、トルコと米国が「仮合意」に達し、トルコの代表団が一両日中に米ワシントンを訪問すると報じた。

 ところがエルドアン大統領は11日、黒海に面するオルドゥでの集会で「米国に告ぐ。これは恥ずべきことだ。戦略的な北大西洋条約機構(NATO)同盟国を牧師1人と引き換えにしている。脅しでトルコ国民をおとなしくさせることはできない」と述べた。

 ブランソン牧師の存在が問題を複雑にしているのは確か。ブランソン氏が保守色の強いいわゆる「福音派」に属しているからだ。

 政権永続化を図るトランプ氏にとって頼りが、米国キリスト者の4分の1を占めるとされる「福音派」であり、その支持を失うことは避けたいところ。

 それを見越してか、米・トルコ双方に緊張緩和を図る動きと、強化する情報が交錯し、「フェイク・ニュース」論議もからんで、メディアを混乱させている。


◎WCCが8月23日にオランダで創設70周年記念式典

 【CJC】世界教会協議会(WCC=本部ジュネーブ)は、8月23日にオランダのアムステルダムにある15世紀に建設された『新教会』で創設70周年記念式典を行う。同教会で70年前の1948年にWCCは誕生した。

 オラフ・フィクセ=トゥベイト総幹事、アグネス・アブオム議長は、協力・友好組織からの代表と共に記念式典に参加する。

 世界の様々な地域の若者が式典のために協力している。

 音楽はキルステン ミッシェル指揮の『受難クワイア』が奉仕する。記念プログラムの一環として、シンポジウムが23日に『アムステルダム自由大学』(VU)で「平和と正義への巡礼者の途上で」を主題に行われる。

 アムステルダム市内で「平和の行進」も計画されている。「平和と正義への巡礼」が目指すところに沿い、WCCの基盤にある平和を象徴するもの。
行進の間に、参加者は「平和と正義」に関連する様々な歴史的記念物前では一時停止することになっている。


◎アルゼンチン上院が中絶法案否決

 【CJC】米メディア『CNN』が、アルゼンチン国会の上院は8月8日夜、人工妊娠中絶を合法化する法案を審議し、9日早朝の採決で反対38票、賛成31票、棄権2票で否決したと報じている。

 合法化法案は妊娠の最初の14週間での中絶の権利拡大などを女性に認めていた。現行の法律ではレイプによる妊娠や母体が危険な場合などに限って許可していた。

 同法案をめぐってはアルゼンチン国内で反対派による広範な街頭活動が発生。カトリック教会も「生命のためのミサ」を催すなどした。半面、支持派の活動も活発で、国際人権組織『ヒューマン・ライツ・ウオッチ』の南米担当幹部は同国で過去になかった機運の高まりがあったと指摘している。

 アルゼンチン出身の教皇フランシスコは合法化法案については直接的な言及は避けてきたが、下院での可決を受けて、ナチス・ドイツの優生学思想も引き合いに出し強く反対する考えを前面に出していた。


◎同性婚禁止は違憲=コスタリカ最高裁判断

 【CJC】現地メディアやAFP通信などが報じるところでは、中米のコスタリカで2月の大統領選挙以来、激しい議論が続いてきた同性婚について、同国最高裁が8月8日、それを認めない法律は違憲との判断を示した。

 選挙キャンペーンで同性婚合法化を訴えたカルロス・アルバラド大統領は9日、この判断を歓迎し、性的指向による差別のない社会の実現を改めて約束した。

 同国は今年1月、米州人権裁判所から同性婚を認めるよう勧告を受けている。

 この問題の是非を審理していた最高裁は8日深夜、同性婚を禁じる現行の法律が「違憲かつ差別的である」として、18カ月以内に国会が法改定を行うよう命じる判決を下した。

 コスタリカでは同性婚に反対するカトリック教会の影響が伝統的に強く、近年では保守的なキリスト教福音派も信徒数を増やしている。国会でもこうした影響を受けた右派勢力が多いのが現状。

 アルバラド大統領は9日発表の声明で、国会が期限内に同性婚を認めるよう求め、期限が過ぎたら、現行の関連法は有効性を失うとの見解を表明。政府として「性的指向や性別で誰も差別されないことを保証する行動を進めていく」との意向を明らかにした。


◎韓国史教育のソウル大名誉教授李元淳さん死去

 【CJC】韓国紙『朝鮮日報』(日本語電子版)は、韓国で歴史教育界の重鎮として知られる李元淳(イ・ウォンスン)ソウル大学名誉教授が8月10日死去したと報じた。

 1926年に平安北道平原生まれ。92歳。京城師範学校を経て49年にソウル大学教育学部歴史科を卒業し、米ピーボディ大学などで研究を続けた。その後は中学と高校の教師、漢陽大学教授を経て67年にソウル大学に赴任、教育学部長などを歴任した。定年後は民族文化推進会の会長、国史編纂(へんさん)委員長などを務め、韓国の歴史学や民族文化の発展に貢献した。

 李氏は『歴史教育論』『歴史教育――理論と実際』などの著書を通じ、それまで韓国ではほとんど研究が行われていなかった歴史教育学の基盤を作った。『韓国から見た日本の歴史教育』(日本語)、『日本の教科書、何が問題か――正しい歴史認識のための批判と提案』などの著書では韓国と日本の歴史教育の違いを解明した。一方で両国の交流にも力を尽くしてきた。

 熱心なカトリック信者だった李氏は、朝鮮時代後期のいわゆる西学やカトリックの歴史なども熱心に研究し『韓国天主教会史研究』『韓国西学史研究』などの著書でも知られる。『韓国カトリック大事典』(全10巻)編纂事業ではリーダーを務め、またカトリック教会が設立した韓国教会史研究所などでも活動した。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(8月12日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★広島=核兵器ない世界を=平和行事で求め 学び 祈る
★教皇フランシスコ=『カテキズム』を改訂=「死刑は容認できない」
★米国の枢機卿が辞任=性虐待容疑受けて
★松浦悟郎司教=高校生の要請受け憲法をテーマに講座=愛知・市民セミナー
★第31回 比叡山宗教サミット=「世界平和の祈り」=対話と祈り 世界に希望=教皇庁大使、バチカンの平和メッセージを代読

 

 =KiriShin(8月11日)=http://www.kirishin.com
★被爆地ヒロシマで初開催=第6回9条世界宗教者会議(上田博子)
★【東アジアのリアル】香港の7月1日デモとキリスト教界(倉田明子)
★天皇退位および即位の諸行事に日基教団が声明発表
★芦屋市内の教会が共催で「平和の祈り」=市長も参列
★セオドア・マカリック枢機卿=枢機卿会議から辞任

 

 =クリスチャン新聞(8月12日)=http://クリスチャン新聞.com
★「モンゴルキッズの家」始動=マンホール・チルドレンに心痛め祈り始めた高見澤栄子氏=20年後 映像の子と初対面
★教会開拓と活性化=CBIジョイ・オブ・ジャパン・センター新設=名古屋、東京でポール・トリップ博士が記念講演
★倉敷で炊き出し支援=災害の教訓生かしているか=神戸国際支縁機構レポート
★呉教会ボラセン=重機プロジェクト開始
★大嘗祭まで1年=「天皇代替わり」意識し、聖書考古学資料館が企画=9月から連続講演会「古代オリエントの宗教儀式と聖書」

 
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