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世界キリスト教情報 第1443信(2018.09.17)

  • 教皇「来年、日本を訪問したい」
  • 教皇がシチリアを訪問、ピアッツァ・アルメリーナで信者と出会い
  • カトリック聖職者の性虐待、米各州で特別捜査
  • ドイツでも聖職者の性的虐待被害者3700人
  • オランダでは聖職者の性的虐待を65年間隠ぺい
  • 中国が最大規模のキリスト教「地下教会」を閉鎖
  • 中国で牧師ら300人以上が当局のキリスト教弾圧を批判
  • ロシア正教会がコンスタンティノープル総主教庁と関係一部停止
  • ロシア正教会代表団が10月に北朝鮮訪問、金委員長を教会に招待も
  • 「ソウル巡礼路」がバチカン認定で誕生
  • ≪短信≫
  • ≪メディア展望≫

 

◎教皇「来年、日本を訪問したい」

 【CJC】ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇は9月12日、バチカン(ローマ教皇庁)で、天正遣欧少年使節について伝える活動をしている宮崎市から訪れた団体と面会した。

 『バチカン・ニュース』によると、教皇は席上、「この機会を利用して、来年日本に訪問したいという私の意向を伝えたい。この願いをかなえられることを期待している」と述べ、就任以来、初めてとなる訪日に向けて意欲を示した。

 教皇は、核廃絶に強い関心を持っていることでも知られ、日本政府はこれまで、日本への訪問をたびたび要請してきた。

 教皇の訪日が実現すれば、1981年の当時の教皇ヨハネ・パウロ2世以来となる。

 これまでの経緯から、訪日の日程について既に内定している可能性もある。

 訪日にあたっては、ヨハネ・パウロ2世の時と同様、天皇との面会も行われる、と見られ、日程の正式発表が待たれる。


◎教皇がシチリアを訪問、ピアッツァ・アルメリーナで信者と出会い

 【CJC】教皇フランシスコは9月15日、イタリア南部のシチリアを司牧訪問、最初に中部の町ピアッツァ・アルメリーナを訪れた。『バチカン・ニュース』が報じた。

 教皇の訪問は、マフィアによって殺害されたパレルモの司祭、福者ピノ・プリージ神父(1937~93)の殉教からちょうど25年目の日に行われた。

 15日朝、教皇はローマからカターニャ経由で、まずエンナ県ピアッツァ・アルメリーナに向かった。古代ギリシャ時代に起源をもつとされる歴史ある町。

 青空のもと、市内の広場で行われた集いで、教皇は「シチリアの太陽は素晴らしい」と、この地を訪れた喜びを表された。

 挨拶を通し教皇は、地域社会の多くの困難を前に、清貧のうちに福音の希望と神のいつくしみを伝える地元の教会の努力を励ました。

 教皇は、今回のシチリア訪問の目的は、福者ピノ・プリージ神父の殉教25年を思い、パレルモで追悼ミサを捧げることにあると説明した。

 この後、教皇はピアッツァ・アルメリーナから、シチリア州の州都パレルモへと移動された。

 教皇は、プリージ神父の殉教25年追悼ミサを捧げた。ミサ終了後、教皇はパレルモ市内の支援施設「希望と愛のミッション」で、貧しい人々と昼食のテーブルを共にした。

 昼食会が行われたホールには、同施設で支援を受ける生活困難を抱えた人々や、移民、元受刑者、ボランティアなど約160人が集い、教皇との出会いを喜びをもって迎えた。ホールの外でも、同施設内でおよそ1300人が同時に昼食をとった。

 教皇フランシスコは、福者・殉教者ピノ・プリージ神父の足跡をたずね、パレルモのブランカッチョ地区を訪問した。

 教皇は、プリージ神父が自身の56歳の誕生日に、二人組の犯人によって殺害された場所、同神父の自宅前で、車から下りた。

 教皇は、障害者の少女から赤いバラの花籠を受け取ると、それを祝別し、プリージ神父の殉教の場を示す、地表に埋められたブロンズの碑の上に捧げた。そして、教皇は碑の前にたたずみ、長い沈黙のうちに祈られた。

 15日午後、パレルモ市内のカテドラルで、教皇は司祭・修道者・神学生らとの出会いを持った。

 教皇は、シチリアの教会関係者らに「典礼を生きること」「人々に寄り添うこと」「福音を証しすること」の三つを課題として提示した。

 また、教皇は、面倒を避けたい、人々の問題で手を汚したくない、とするメンタリティーを捨て、福者プリージ神父のように、人々を愛し、彼らに寄り添わなくてはならないと述べた。

 教皇は、訪問の最後に、パレルモ中心部のポリテアーマ劇場前広場で、シチリア全土から参加した若者たちと会見した。

 教皇は、「神の御言葉は、ダイナミックなもの」と述べ、「ソファに座っていては、その御言葉を聞くことができません。歩きながら、神を見出していくべき」と強調した。

 「神は、求める人に話しかけられます。求め続けるというのは、いつも健全な状態です。すでに到達したかのように感じていること、それは特に若い皆さんにとっては悲劇です」と語った。

 同時に、教皇は、真の人間として、悪や搾取を訴える勇気を持ってほしいと望まれた。

 同日夜、シチリア訪問を終えた教皇はバチカンに戻った。


◎カトリック聖職者の性虐待、米各州で特別捜査

 【CJC】米ペンシルベニア州のカトリック神父300人以上が少年少女に性的虐待し、隠蔽していたとの調査報告書発表から3週間余り。ニューヨークのバーバラ・アンダーウッド州司法長官は9月6日、州内に8カ所あるカトリック教区全ての司教に召喚状を発行した。司法長官には大陪審を召集する権限がないため、州内各地区の検事局長らと協力し、同様の犯罪があれば訴追したいとしている。同司法長官は「ニューヨーク州内に被害者がいるのであれば、彼らの声も届けられるべき」と述べた。ニューヨーク・タイムズ紙が報じた。

 ニュージャージー州では聖職者による性犯罪の特別捜査班を組織。同班には大陪審を通して召喚状を発行する権限が与えられている。

 さらにイリノイ、ミズーリ、ネブラスカ、ニューメキシコなど各州の司法長官も、州内で同様の犯罪がないか捜査すると表明。聖職者のほとんどは協力を表明しているという。


◎ドイツでも聖職者の性的虐待被害者3700人

 【CJC】カトリック教会の聖職者による性的虐待疑惑に関し、独誌『シュピーゲル』(電子版)などが9月12日、同国内でも約3700人の被害者がいたとの調査結果を報じた。

 カトリック聖職者の性的虐待事件は世界各地で明らかにあれているが、実態解明に慎重な教会の姿勢に批判が強まっている。事態の深刻化を受け、教皇フランシスコは来年2月、各国の司教代表を集めた会議を招集し、問題を協議すると表明している。


◎オランダでは聖職者の性的虐待を65年間隠ぺい

 【CJC】世界各地でカトリック教会をめぐる不祥事が相次ぐ中、AFP通信によると、9月15日のオランダ日刊紙『NRC・ハンデルスブラット』が、国内のカトリック教会について1945年から65年間、聖職者らによる子どもへの性的虐待事実の隠ぺいに上位聖職者の半数以上が関与していたと伝えた。

 オランダ人枢機卿、司教、補佐司教39人のうち20人が、聖職者らによる性的虐待の事実を隠ぺいしていた。このため、同じ聖職者らが性的虐待を続け、さらに多くの被害者を生む結果になったという。

 オランダ・カトリック教会広報のダフネ・ファンローゼンダール氏はAFP通信に、報道の一部は事実と認めてもよいと述べた上で、性的虐待を指摘された聖職者の多くは既に死去しており、全ての事件は時効が成立している、と付け加えた。現在も存命している聖職者たちはコメントを拒否しているという。

 一方、フランスでも新たに聖職者による子どもへの性的虐待が明らかになった。

 仏中部カンタルのカトリック教会の神父(64)が、3歳から17歳までの兄弟4人に性的虐待を加えたとして、兄弟の家族に告訴された。兄弟の弁護士が15日、明らかにした。兄弟は教会の聖歌隊に所属していたという。虐待があった時期は不明。


◎中国が最大規模のキリスト教「地下教会」を閉鎖

 【CJC】中国の首都・北京朝陽区民政局は、同国で最大規模のプロテスタントの「地下教会」が認可なしで活動していたとして、シオン(錫安)教会の閉鎖に踏み切った。同教会は、毎週最大1500人が礼拝に通っていた。米国に本部を置く『対華援助協会』やAFP通信などが報じた。

 同教会は、北京北部のオフィスビルの3階にある。金明日牧師の話によると、9月9日午後の礼拝後、当局者約70人が教会に踏み込んだという。

 民政局は「捜査の結果、北京シオン教会は未登録で、社会組織の名目で不認可のまま活動を行っていたことが判明した」と発表した。

 翌10日、現場では、少なくとも十数台の警察車両、制服姿もしくは私服姿の当局者数十人が、礼拝に使用されていた建物で配置に就いていた。

 AFP通信の記者が建物に入ろうとしたものの阻まれ、当局者が3階は封鎖されていると述べた。


◎中国で牧師ら300人以上が当局のキリスト教弾圧を批判

 【CJC】米ニューヨークに本拠を置く中国政府に批判的なメディア『エポック・タイムズ』の日本語版『大紀元』は、最近、中国共産党政権が「家庭教会」への取り締まりを強めている、と9月11日報じた。

 十字架の強制撤去、信仰強制放棄などが行われ、これに対して中国各地の29人の家庭教会の牧師と長老が9月1日、実名でネットで当局の弾圧を非難する声明を出した。署名数は10日現在、300人以上に増えているという。

 声明によると、「改正宗教事務条例」が施行された2018年2月以降、地方政府はキリスト教会を抑圧し、「その横暴ぶりは、文化大革命以来」と批判している。

 河南省では、今年2月から当局が公認しない「家庭教会」(地下教会)の取り締まりが始まったが、最近になってキリスト教全体への弾圧がエスカレートしている。

 香港紙『明報』は、河南省永城市のある牧師の話を引用し、河南省で今は十字架が全て消え、公認の「三自教会」でも十字架がすべて撤去されたと報じた。河南省で4000カ所以上の教会の十字架が撤去されたと牧師は推測している。

 米国在住の中国出身の劉貽牧師は、このほど米公営放送『ボイス・オブ・アメリカ』(VOA)に対して、河南当局は地方キリスト教教会の合併を計画していると語った。「恐らく3分の2の教会が閉鎖されるだろう」という。

 河南だけでなく、北京、安徽、江西などでも、宗教抑圧事件が相次いでいる。「家庭教会」と「三自教会」の十字架などは、地方政府が「違法建築」として多数撤去している。

 国務院が今年4月に公表した「宗教政策白書」によると、キリスト教信者の人口はおよそ3800万人に達している。2010年発表された2300万人より65%増えた。


◎ロシア正教会がコンスタンティノープル総主教庁と関係一部停止

 【CJC】ロシア正教会は9月14日、東方正教会の歴史的中心とされるコンスタンティノープル(イスタンブール)総主教庁との関係を一部停止すると発表した。ロシア側が管轄権を主張するウクライナの正教会の独立を同主教庁が承認するとの決定に対する報復措置としている。すでに事実上の戦争状態にあるロシア、トルコ間で、教会も巻き込んだ紛争が広がった。

 ロシア正教会は、コンスタンティノープル総主教庁が主催・共催する会議への出席や共同礼拝などを停止する。ウクライナの教会の独立承認手続きの一環として「コンスタンティノープル総主教がウクライナへの使節を違法に任命したため」と説明した。

 ロシア正教会に属す小教区の3割強はウクライナにあるとされ、同国教会の独立をコンスタンティノープルが正式に承認すれば、ロシアは東方正教会の最大勢力の地位を失う可能性がある。


◎ロシア正教会代表団が10月に北朝鮮訪問、金委員長を教会に招待も

 【CJC】ロシア正教会の公式発表によると、同教会の最高指導者キリル総主教は、ロシアと北朝鮮連携70周年を記念して、10月に代表団を平壌に送る、と8月27日語った。米国に本拠を置く北朝鮮専門のメディア・サイト『NKニュース』が伝えている。

 キリル総主教は、北朝鮮の訪問団とモスクワで会見した際、平壌に2006年8月に設立された正教会『至聖三者聖堂』に金正恩委員長が関心を示したことに「個人的に」感謝の意を表明、同教会を訪問するよう金委員長を招待した。

 総主教は、金委員長の承諾を受け、代表団を派遣するが、「非常に意義深い、重要なイベントとなろうう」と語った。


◎「ソウル巡礼路」がバチカン認定で誕生

 【CJC】ソウルにあるカトリックの聖地を回る「巡礼路」が、バチカン(ローマ教皇庁)が認定する国際巡礼路として選ばれた。アジアでは初めて。

 「ソウル巡礼路」は、2014年に教皇フランシスコが韓国を訪問したのをきっかけに、韓国カトリック教会とソウル市がルートの選定と整備を進めてきた。カトリックの教えが入ってきて間もない19世紀に迫害された信者たちの処刑場や、カトリック系の学校や聖堂など24カ所を回る3ルート、合わせて44・1キロ。


≪短信≫

◯バチカン設置の神学校院長はシケル神父
 福音宣教省長官のフィローニ枢機卿が、東京に設置された「アジアのためのレデンプトーリス・マーテル神学院」の院長としてダビッド・シケル神父を、副院長としてアンヘル・ルイス神父を任命した。在京の谷口幸紀神父が、自身のブログ『〔続〕ウサギの日記』に9月14日書き込んでいる。(CJC)


《メディア展望》

 =カトリック新聞(9月16日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★現実 見つめ 真の休息を=教皇の一般謁見講話
★ミャンマーの枢機卿=軍のカチン族弾圧を非難
★労働者尊重が企業の利益=教皇、伊 経済紙に語る
★高齢者や体の不自由な人も教会へ=チーム組み 送迎支援=茨城・取手教会=逆境から生まれた信仰の支え
★教会に子どもが増えた=家族に呼び掛け 初聖体準備=北海道・静内教会

 

 =KiriShin(9月11日)=http://www.kirishin.com
★「えきゅぷろ!」再び=教派を超えてさらに一歩前へ=カトリック、ルーテル、日本基督教団、聖公会...
★全国キリスト教学校人権教育研究協議会が高知でセミナー
★教会教育の源流たどる=第34回「教会と国家」セミナー
★カトリック「若者と宗教」冊子発行=宗教の垣根を超えたシンポの記録
★同性愛の子に「精神医学」推奨=バチカンが教皇発言を削除

 

 =クリスチャン新聞(9月16日)=http://クリスチャン新聞.com
★手を振って西日本にエール=豪雨災害支援ナイト de ライトチャリティーコンサート
★東京・御茶ノ水で夏祭り?=歌って 踊って「ありがと音頭」=健康体操、日本舞踊で振り付け
★「してはならない」から「あえて待つ」へ=「混乱期の聖書的性教育」KGK・大嶋重徳総主事語る=キリスト教性教育研究会の第11回公開研究大会
★信仰共同体の自由と責任=戦中の日曜学校や「修正主義」の源流を講演=岩手で「天皇制と教会教育」セミナー
★壁を ぶっ壊せ!=ロックン牧師が出版記念集会=アポなし上京の元高校生が証し

 
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