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世界キリスト教情報 第1458信(2018.12.31)

  • 激動の世界が平和を祈るクリスマス
  • 北朝鮮が宗教行事公表、「宗教の自由侵害」指摘に反発か
  • 教皇訪日で前田枢機卿が長崎新聞に見通し示す
  • 2018年は「気候崩壊の年」、英NGOが報告書発表
  • スペインで18年務めたコロンビア人司祭が偽者だった!
  • ≪メディア展望≫

 

◎激動の世界が平和を祈るクリスマス

 【CJC】救い主イエス・キリストが生まれたとされるヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ベツレヘムにある聖カテリナ教会では12月24日深夜から25日未明、クリスマス・ミサが行われた。激動の真っ只中、一帯には数千人の巡礼者や観光客が集まり、平和への祈りをささげた。

 聖カテリナ教会に隣接する聖誕教会は、イエスが誕生したとされる洞窟の上に建っている。今年はクリスマスを前にモザイク画の一部が修復され、巡礼者らが長い列を作った。

 時事通信は、ベツレヘムで暮らすイスラム教徒のニダル・フセインさん(36)が「キリスト教徒の同胞と幸せを共にするため、子どもを連れてきた」と話し、「シリアやイエメンにいるアラブの兄弟たちも平穏であってほしい」と願いを語った、と報じている。

 ベツレヘムはここ数年、治安悪化やドナルド・トランプ米大統領のエルサレム首都認定などの影響で巡礼者や観光客が減少していたが、活気を取り戻しつつある。ホテル稼働率は年末まで95%と活況で、観光客数は過去最多となりそうだ。

 バチカン(ローマ教皇庁)のサンピエトロ大聖堂では、6回目のクリスマスを迎えた教皇フランシスコが、イブのミサを司式し、もっと簡素で身の回りのものにこだわらない生活を送るよう、人々に呼びかけた。

 英公営メディア『BBC』によると、教皇は、世界で貧富の差が大きく広がっていると非難、イエス・キリストは貧困の中、馬小屋で生まれたと言及し、人生の意味を考えるにあたり、全員がそのことに思いをいたすべきだと語った。

 教皇は、キリストの誕生が「がつがつ飽食したり、たくさんのものを溜め込むのではなく、他者に分け与える」という新しい生き方を提示したのだ、と述べた。

 また教皇は、「自分自身に問いかけよう。これほどたくさんのモノが、これほど複雑な暮らし方が、本当に自分に必要なのかと。不要で余計なものをすべて取り除いて、もっと素朴な暮らしはできないのか」と語りかけた。

 教皇は、世界で多くの人々が食糧不足に苦しんでいるにもかかわらず、ぜいたくに走っている者がいると指摘、イエス・キリストが誕生後、飼い葉おけに寝かされたとするエピソードにも触れながら、誕生は「飽食や蓄財ではなく、他者に分け与える」という生き方に新たな道を示すものだったと諭し、「道を誤ってはいけない。さもなければ世俗主義や消費主義に陥ってしまう」と戒めた。

 教皇は「人間は貪欲になってしまった」「多くの人が物を過剰に所有することに人生の意義を見出している」と指摘し、「生きるために必要な日々のパンにも不自由する人があまりに多い一方で、ごく少数の人たちは豪勢な食事にありついている」と指摘した。

 25日、教皇はサンピエトロ広場で毎年恒例のクリスマスメッセージ「ウルビ・エト・オルビ」(ローマと全世界へ)を発表し、人道危機が発生しているイエメンやシリアなどの紛争地域と戦争や飢餓で苦痛を強いられているアフリカ諸国、ベネズエラ、ニカラグア、ウクライナなどに言及して平和を祈った。広場には教皇のメッセージを聞くため5万人が詰めかけた。

 著しい被害の出ているイエメン内戦について、2015年以降で約1万人が死亡、1400万人が飢餓の瀬戸際に追い込まれている破壊的な戦争が、停戦によって終わりを迎えることを望むと表明した。

 さらに教皇は、数百万人が家を追われ、国土の広い範囲が破壊されてきたシリア内戦にも言及。「政治的解決」により、「シリアの人々、とりわけ土地を追われ、よその場所に身を寄せなければならなかったすべての人々が、自らの国に戻り、平和に暮らせる」ようにすることを呼び掛けた。


◎北朝鮮が宗教行事公表、「宗教の自由侵害」指摘に反発か

 【CJC】韓国紙『朝鮮日報』(日本語電子版)によると、北朝鮮がクリスマス前後に平壌市内で行われた宗教行事を公表した。米国が先日北朝鮮を「宗教の自由を侵害する懸念のある国」に再び指定したため、これに反論するため公表したとみられる。

 北朝鮮の民族和解協議会が運営するサイト『黎明』は12月26日、平壌市内にある二つの教会でクリスマス礼拝が行われたと主張し「困難を乗り越えて形成された朝鮮半島の平和の雰囲気が、サタン(悪魔)の妨害策動によって壊されることがないよう、平和の星が少しずつ光り輝くことを願う祝福祈祷が行われた」と紹介した。

 北朝鮮の対外向けインターネットメディア『メアリ』は27日「背後で別のことを夢見る同床異夢の極致」と題された論評の中で「南朝鮮軍部は民族の志向と要求、北南関係改善の雰囲気に反する形で、つい先日軍事境界線近くにある南朝鮮江原道と京畿道で野外戦術訓練と『2018対浸透総合訓練』を強行した」と批判している。


◎教皇訪日で前田枢機卿が長崎新聞に見通し示す

 【CJC】教皇フランシスコが2019年の終わりごろに被爆地長崎などを訪問する意向を示していることについて、前田万葉枢機卿(カトリック大阪大司教)が12月23日、長崎新聞社の取材に応じ、訪日は「来年11月の後半になるのではないか」との見通しを示した。教皇は長崎で核兵器廃絶を訴える「平和アピール」を発表したい考えで、政治が果たすべき役割にも言及する可能性があると指摘した。同紙は24日午後3時22分、電子メディアで発信した。

 教皇は被爆地広島、東京も訪ねる予定。日本滞在は2泊3日~4泊5日程度が見込まれ、今後調整を進める。前田枢機卿は「日程次第では長崎なら外海地区、県外なら原発事故があった福島、沖縄なども訪問先の選択肢になる」と語った。

 教皇は東京で天皇陛下や安倍晋三首相と面会する見通し。前田枢機卿は、4月30日の天皇陛下退位と翌日の新天皇即位に伴う「大嘗祭」が11月14~15日に催されることを含め国内、教皇双方のスケジュールを勘案すると、訪日は11月後半の可能性が高いと指摘した。

 教皇は、原爆投下後の長崎で撮影されたとされる「焼き場に立つ少年」の写真と核廃絶に強い関心を寄せている。17日にバチカン(ローマ教皇庁)で面会した前田枢機卿に対し「長崎から平和アピールをしたい」と語ったという。広島でも同様にアピールする可能性が高いという。

 前田枢機卿は「教皇は日本の高齢者の孤独死と若者の自殺も気にされている。この点についても何らかの形でメッセージを発信すると思う」と述べた。

 長崎新聞は、1981年2月23~26日に東京、広島、長崎を訪問した故ヨハネ・パウロ2世が、広島で核廃絶を訴える「広島平和アピール」を読み上げていることから、関係者の間には長崎からの平和アピール発信を期待する声がある、と報じている。


◎2018年は「気候崩壊の年」、英NGOが報告書発表

 【CJC】英国の慈善団体『クリスチャン・エイド』は12月27日、気候変動がもたらした2018年の大規模な被害を振り返る報告書を発表、今年を「気候崩壊の年」だったとし、被害額が10億ドル(約1110億円)を超えた10件の事象を発表した。日本共産党機関紙『しんぶん赤旗』が報じている。

 10件の総額だけで、848億ドル(約9兆4000億円)の経済損失となる。報告書を執筆した1人、米ペンシルベニア州立大学のマイケル・マン教授は「気候変動の破壊的傾向を食い止めるのは温室効果ガスの早期削減しかない」と警告している。

 被害額が最大だったのは米国と中米・カリブ海を襲ったハリケーン「フローレンス」と「マイケル」でそれぞれ170億ドル、150億ドル。大豆やトウモロコシを直撃したアルゼンチンの干ばつは60億ドルの損害。

 日本については、洪水による死者230人と70億ドルの損害のほか、熱波と台風21号の被害をあげている。

 『クリスチャン・エイド』は、被害額について、途上国の人的被害は算定できる金銭的損害をはるかに上回っているという。


◎スペインで18年務めたコロンビア人司祭が偽者だった!

 【CJC】スペインで18年間、カトリック教会の司祭として結婚式や罪の告白を聞くゆるしの秘跡を行ってきたコロンビア人男性が本物の司祭ではなかったことが明らかになった。男性が司祭として活動していたスペインの司教管区がクリスマスイブの24日、明らかにした。

 スペイン南部のカディス・セウタ司教区が、偽司祭ミゲル・アンヘル・イバラ氏がこれまで行ってきた結婚や洗礼は有効だが、ゆるしの秘跡は無効だと述べた。

 イバラ氏は2017年10月にスペイン南部アンダルシア自治州の人口約1万1000人のメディナ・シドニア村の司祭となった。

 カディス・セウタ司教区によると、12月13日にコロンビアの教会から、イバラ氏が聖職叙任の書類を偽造したとの告発を受けて書類を精査したところ同氏は一度も叙任されたことがなかったことが発覚した、と連絡があった。イバラ氏は出身のサンタフェ・デ・アンティオキア教区に戻るよう命じられたという。

 欧州各国で宗教色が薄まる中、スペインでも司祭になる人材不足に悩んでおり、かつて植民地支配していた中南米諸国から司祭を採用する例が増えている。

 
《メディア展望》

 =カトリック新聞(年末休刊)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/

 

 =KiriShin(12月25日)=http://www.kirishin.com
★31年ぶりの新翻訳=「聖書協会共同訳」発売=読者からの反響続々
★日本基督教団新三役に石橋秀雄議長、久世そらち副議長、雲然俊美書記選出
★『離婚から立ち直る』著者来日=東京などで「離婚者への牧会」セミナー
★同性愛「非常に深刻」=教皇、聖職者への影響を懸念
★「オリベット大学」めぐり米誌CTが資金洗浄容疑を報道

 

 =クリスチャン新聞(年末休刊)=http://クリスチャン新聞.com

 
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