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世界キリスト教情報 第1466信(2019.02.25)

  • 「未成年者の保護」テーマの司教会合終わる
  • カトリック聖職者の性的虐待被害者、不寛容求めて教皇に接見要求
  • インドネシア・パプア州で子ども数百人が戦闘逃れ避難か
  • 韓国「天主教、独立運動の参加禁止...恥ずかしい」と金喜中大主教
  • 米J・P・レデラック氏に第36回庭野平和賞
  • ≪メディア展望≫

 

◎「未成年者の保護」テーマの司教会合終わる

 【CJC】「未成年者の保護」をテーマにした司教会合が2月21日、バチカン(ローマ教皇庁)のシノドス・ホールで始まった。

 会合には、全世界の司教協議会会長をはじめ、教皇庁の関係機関の責任者、修道会の総長らが参加している。

 教皇フランシスコは、会合に集まった司教たちを前に、誠実に問題に取り組み、具体的な対策を模索するよう、司教たちを励ました。

 『バチカン・ニュース』によると、教皇は、「教会関係者による未成年者への性的搾取が生んだ傷を前に、聖霊の導きに従い、正義を求める子どもたちの叫びに耳を傾けるために、皆さんをここに招集した」と、会合の目的を示した。

 会合における司牧的・教会的責任の重さを指摘した教皇は、そのためにも、教会と人類を苦しめるこの悪にいかに立ち向かうべきか、共に、誠実に、問題を掘り下げなければならないと、と述べた。

 教皇は「聖なる神の民は、わたしたちを注視し、この問題への単なる予測可能な非難ではなく、具体的で効果ある対策の整備を期待している」と強調、信仰と、率直な精神、勇気、具体性をもって、この道のりを始めたい、と呼びかけた。

 司教会合は22日、教皇の出席のもとに、祈りと聖書朗読から始まった。

 聖書は、使徒パウロの「ローマの信徒への手紙」から、「愛には偽りがあってはなりません。悪を憎み、善から離れず、兄弟愛をもって互いに愛し、尊敬をもって互いに相手を優れた者と思いなさい。怠らず励み、霊に燃えて、主に仕えなさい」(12・9~11)が朗読された。

 その後、聖職者から虐待を受けた被害者の手紙が、英語で読み上げられた。

 「イエスが亡くなる時、聖母はイエスと共にいました。わたしが一人の司祭から虐待された時、わたしの母なる教会はわたしを一人ぼっちにしました。わたしの受けた虐待とわたしの孤独について、教会の誰かと話したかったのに、皆、隠れてしまいました。誰に話していいかもわからず、わたしはさらに孤独を感じました」。

 被害者の手紙に耳を傾けた後、長い沈黙の時間を経て、参加者らは再び祈りを続けた。

 祈りを先唱した、ラテン典礼エルサレム聖庁任命管理者ピエルバッティスタ・ピッツァバッラ師は、「誰一人、教会の中で、暴力や虐待を恐れるようなことが、決してありませんように。むしろ、教会の中で、あらゆる安心と助けを得ることができますように」と祈った。

 4日間の会合は23日、後半に入った。この日夕、教皇と参加司教たちは、バチカン宮殿の王宮の間で、共同回心式を行った。

 教皇は共同回心式の冒頭で、「真実を話す勇気と、罪のあるところを認める叡智」をいつくしみ深い神に願い、「わたしたちを誠実な悔悛で満たし、赦しと平和をお与えください」と祈った。

 式の中では、一人の虐待被害者が、虐待という「一個人が体験しうる中でも最も重大な侮辱」の苦しみを語った。

 被害者の証言を受け止めた後、教皇は、この3日間の話し合いを振り返りながら、各地の教会の状況と自分たち自身の良心を真剣に問いただすよう皆を招き、不正義を乗り越え、託された人々に正義を行う恵みを祈り求めた。

 「未成年者の保護」をテーマにした司教会議は24日、閉会した。

 教皇は閉会に際し、虐待を行う聖職者を「悪魔の手先」と糾弾。事件の矮小(わいしょう)化や隠蔽(いんぺい)をせず、事件に関わった者に裁きを受けさせるために「全力を注ぐ」と述べた、と一般メディアは報じている。


◎カトリック聖職者の性的虐待被害者、不寛容求めて教皇に接見要求

 【CJC】カトリック聖職者から性的虐待を受けた被害者12人が2月20日、教会に「ゼロ・トレランス」(不寛容)政策の導入を求める陳情を行うため、教皇フランシスコとの接見を求めた。この政策には、虐待を隠匿した枢機卿の聖職剥奪なども含まれている。

 この問題を巡って21日から4日間開催されるカトリック司教協議会の各国会長による会議に先立ち、12人は、バチカン当局者5人と2時間以上にわたって面会した、とロイター通信が報じた。当初から教皇の出席予定はなかったが、実際に出席しなかったことに12人は失望を表明した。


◎インドネシア・パプア州で子ども数百人が戦闘逃れ避難か

 【CJC】AFP=時事通信が、情勢不安の続くインドネシア東部パプア州で、児童・生徒数百人が戦闘を逃れて避難したと、報じた。地元の非政府組織が明らかにしたという。同地では、独立派ゲリラによって民間人の建設作業員が殺害された事件を受け、軍事的な報復措置が取られたとの報告があるものの、今のところ確認されていない。

 パプア州では昨2018年12月、人里離れた森林地帯にあるキャンプで、政府の関連事業に携わる作業員16人が独立派ゲリラに殺害された。これを受け、装備が貧弱かつ組織化されていないゲリラと、強力なインドネシア軍との、散発的ながらも数十年にわたって続く衝突が一気にエスカレートした。

 地元の教育当局者などによると、この事件後に衝突が相次いだことを受け、同州ンドゥガ県当局は400人を超える児童・生徒を、隣接するジャヤウィジャヤ県の中心地ワメナに避難させたという。


◎韓国「天主教、独立運動の参加禁止...恥ずかしい」と金喜中大主教

 【CJC】韓国天主教界が三・一運動100周年を迎えて民族の苦痛から目をそらした過去の歴史を懺悔した。韓国紙『中央日報』(日本語電子版)が報じた。

 韓国天主教主教会の議長を務める金喜中(キム・ヒジュン)大主教は2月20日に発表した三・一運動100周年記念談話を通じて「100年前に多くの宗教家が独立運動に出た歴史的事実をわれわれは記憶している」として「しかし、その歴史の現場で天主教会が本来の役割を全うすることができなかったことを告白する」と明らかにした。また、「韓国天主教会は時代の兆候を真っすぐ眺めないまま民族の苦痛と痛みから目をそらし、犯した誤りを恥ずかしい気持ちで省察して反省する」と付け加えた。

 『中央日報』は、韓国天主教界がこのように具体的な事実に言及して公開謝罪したのは初めて、としている。

 三・一運動は宗教界が主導したが、天主教の役割はなかった。当時、民族代表33人も天道教(15人)、キリスト教(16人)、仏教(2人)など天主教を除いた宗教家で構成されていた。

 金大主教は「朝鮮末期の1世紀にわたり苛酷な迫害から信仰の自由を得た韓国天主教会は厳しい時期を送った」と話した。彼は「そのような理由で外国宣教師で構成された韓国天主教指導部は、日帝の強制併合にともなう民族の苦痛と痛みがあったにもかかわらず、教会を保存して信者を保護しなければならないという政教分離政策を前面に出して解放を宣言すべき使命を手放したまま、信者の独立運動参加を禁止した」として「後ほど、信者に日帝の侵略戦争に参加することや神社参拝を勧告したりもした」と当時の状況を説明した。

 さらに、「当時、教会指導者の沈黙と制裁にも、個人の良心と正義により信者の名の下で独立運動に参加した天主教人も記憶したい」として「韓国天主教会の過去の誤りを覆おうとするのではなく、時代の痛みと挫折にも屈さず、光と塩の役割を果たした彼らに見習って従うため」と明らかにした。

 金大主教は懺悔に基づいて韓半島(朝鮮半島)の平和に寄与するという意向を明らかにした。


◎米J・P・レデラック氏に第36回庭野平和賞

 宗教協力を通じて世界平和に貢献した個人や団体を表彰する「第36回庭野平和賞」の受賞者が、米ノートルダム大クロック国際平和研究所のジョン・ポール・レデラック名誉教授(63)に決まった。庭野平和財団(理事長、庭野浩士・立正佼成会学林学長)が2月18日、京都市内のホテルで記者会見し発表した。

 レデラック氏はメノナイト(キリスト教再洗礼派の一つ)の信仰を基に「紛争変革」の理論を提唱し、30年以上にわたってコロンビアやネパール、アフリカなど35カ国以上の紛争地域での調停に携わり、平和構築に向けた働きを続けてきた。

 今回の受賞にレデラック氏は、「私たちの隣人、さらには敵さえも愛せよとの神の御言葉、それを身をもって示されたのがイエス・キリストであるとの私の信念を育てたのが、メノナイトの信仰の伝統」とコメント。「このような表彰は、私たちの愛する地球家族が、憎しみ、分裂、そして排除を越えて、本当の癒やしをもたらす絆をつくるための大きな励ましを与えてくれる」と語った。

 贈呈式は5月8日午前10時半から、国際文化会館(東京都港区)で行われる。レデラック氏には正賞の賞状のほか、副賞として顕彰メダルと賞金2000万円も贈られる。

 庭野平和賞は、ヘルデル・ペソア・カマラ大司教、世界教会協議会(WCC)のフィリップ・アルフレッド・ポッター元総幹事、ルーテル世界連盟(LWF)のムニブ・A・ユナン議長などキリスト教関係者も複数受賞している。昨年は、キリスト教徒とイスラム教徒が共同で創設したレバノンのアディアン財団が受賞した。

 庭野平和賞委員会の委員は次の通り。(敬称略。肩書は委員会発表による)

アン・ジェウン(委員長=韓国、キリスト教、韓国YMCA評議会理事長)、庭野日鑛(庭野平和財団名誉会長)、スーザン・ヘイワード(米国、キリスト教、米国平和研究所「宗教と包摂的社会」部部長)、ハルシヤ・クマラ・ナヴァラトネ(スリランカ、仏教、セワランカ財団理事長、仏教者国際連帯会議理事長)、サラ・ジョセフ(英国、イスラーム、ムスリムのライフスタイルマガジン「emel」CEO兼編集者)、ランジャナ・ムコパディヤーヤ(インド、ヒンドゥー教、デリー大学東アジア学部准教授)、フラミニア・ジョバネッリ(イタリア、キリスト教、ローマ教皇庁人間開発のための部署次官)。(CJC)


《メディア展望》

 =カトリック新聞(2月24日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★定例司教総会=性虐待被害者のためミサ=教皇訪日準備委員会も発足
★教皇の一般謁見講話=祈りは自分のためではない
★厳しい冬に ともす明かり=雪の聖母祭=山形・新庄教会
★日韓市民の相互理解を=「韓国映画を見る会」観賞会開き尽力=「慰安婦」の半生描く『雪道』
★スペイン映画『マリアの地球』=青年ら日本版を制作="神様の働き手"として

 

 =KiriShin(2月21日)=http://www.kirishin.com
★「教会のお母さん」じゃありません。="女性牧師"覆面座談会=教会の「#MeToo」
★「ガンダム」の生みの親、漫画家・安彦良和氏が教文館で講演="「お天道様が見てる」で十分"
★日本カトリック映画賞=信友直子監督のドキュメンタリーに
★大嘗祭控えJCМAや市民団体=政教分離を訴え声明
★教皇、アラブ首長国連邦を初訪問=「武力は死しか生まない」

 

 =クリスチャン新聞(2月24日)=http://クリスチャン新聞.com
★2.11「 信教の自由を守る日」=「天皇代替わり」に注目=岡山英雄氏 =黙示録の光で"国家礼拝"識別を
★NFLスーパーボウル優勝コーチら来日=イエスの力でライフチャンピオンに!
★2・8独立宣言100周年記念式に韓国から諸代表来日=平和・友好の実現目指し
★東アジア・韓国史・キリスト教史・女性・教育・次世代の視点で=2・8独立宣言をめぐるシンポ開催
★修道女「性奴隷」問題 教皇が公認、対策へ

 
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