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世界キリスト教情報 第1471信(2019.04.01)

  • 教皇がイスラム教国モロッコ訪問
  • 教皇訪問へ実行委発足=長崎大司教区
  • スペイン国王と教皇は謝罪を=侵略500年でメキシコ大統領
  • 教皇が指輪への接吻を拒絶、信徒の間に物議
  • 未成年者の性的虐待に厳しく対処する新法をバチカン発表
  • チリ控訴裁、聖職者の性的虐待で教会に賠償命令
  • ブラジル、大使館のエルサレム移転は延期
  • ケニアの農村教師、世界最高の教員として1億円を獲得
  • トルコ大統領がアヤソフィア博物館のモスクへの改名示唆
  • 中国広州で不法な宗教活動通報に賞金
  • CAM創始者のR・フィンリー氏死去
  • 《メディア展望》

 

◎教皇がイスラム教国モロッコ訪問

 【CJC】教皇フランシスコは3月30日と31日の2日間、モロッコを司牧訪問した。訪問は、モロッコのムハンマド6世国王と、同国司教団の招きに応えたもの。教皇フランシスコの海外司牧訪問(イタリアを除く)としては28回目、訪問国としては42国目となる。

 30日午前、教皇はローマのフィウミチーノ空港から、モロッコの首都ラバトに向け出発、同日午後、教皇はラバト=サレ空港に到着。雨の降るラバト=サレ空港では、ムハンマド6世国王が教皇を出迎えた。

 空港での歓迎式に出席した教皇は、ラバト市内へ向かい、「ハッサンの塔」広場で、公式の歓迎行事に出席した。広場では、各界要人の他、大勢の市民が教皇を歓迎した。

 教皇は、この訪問がイスラム教とキリスト教の宗教間対話と相互理解を促す機会となることを期待した。モロッコの各界代表および同国駐在外交団との出会いも行われた。

 その後、ムハンマド5世霊廟の訪問を経て、教皇は王宮ダール・エル・マクゼンにムハンマド6世国王を表敬訪問した。この席で教皇は国王と、エルサレムをめぐる共同アピールを行った。

 エルサレムの唯一性と聖性、人類と三つの唯一神教の信者たちのための共通の遺産、出会いの場所、平和的共存の象徴としての性質を認める共同アピールに、教皇は国王と並んで署名した。

 教皇と国王は、このアピールを通し、エルサレムの多宗教的性格、霊的側面、文化的特徴を推進することを要望した。

 続いて、教皇は、イスラム教指導者と説教師の育成を目的とする、ラバト市内のムハンマド6世研究所をムハンマド6世国王と共に訪問した。

 31日早朝、教皇はラバト郊外テマラの農村社会福祉センターを訪問した。聖ビンセンシオ・ア・パウロの愛徳姉妹会が運営するこのセンターは、緑豊かな田園地帯にある。

 教皇は、シスターたちからセンターの活動の説明を受けると共に、150人もの子どもたちの合唱に耳を傾け、病気の子どもたちや貧しい家族らを励ました。

 ラバトに戻った教皇は市内のカテドラルでモロッコのカトリック司祭、修道者、またキリスト教諸教会の代表らと会見した。

 モロッコのカトリック教会は、主に教育や、医療、社会事業を通し、同国に貢献している。

 教皇は、午後、最後の公式行事として、ラバト市内の複合スポーツ施設、スタッド・ムーレイ・アブドゥラでミサを司式した。モロッコ全土から、60カ国を出身とする、約1万人の信者たちが詰めかけた。

 教皇はスペイン語でミサの説教を行い、ルカ福音書の放蕩息子のたとえを観想しつつ、キリスト者が進むべき道を示した。

 モロッコ訪問におけるすべての公式行事を終了した教皇は、ラバト=サレ空港での送別式の後、特別機で出発、同日夜ローマに戻った。


◎教皇訪問へ実行委発足=長崎大司教区

 カトリック長崎大司教区は3月31日、長崎市内で開いた教会関係者や信徒らの教区評議会役員会で、11月下旬に予定されている教皇フランシスコの訪問に備えて「教皇訪日長崎実行委員会」を発足させた。地元関係機関との連絡調整など受け入れ準備に当たる。実行委員長には福江教会(五島市)の中村満主任司祭が就いた。長崎新聞が報じた。

 教皇は東京、長崎、広島を訪問する意向を示しており、バチカン(ローマ教皇庁)や日本政府、日本カトリック司教協議会が調整を進めている。6月をめどに、バチカンの担当者が訪問予定地を視察した上で、教皇訪日の正式な日程や訪問先が発表される見通し。(CJC)


◎スペイン国王と教皇は謝罪を=侵略500年でメキシコ大統領

 【CJC】サンパウロ発時事通信によると、メキシコの左派ロペスオブラドール大統領は3月25日、旧宗主国スペインの国王フェリペ6世と教皇フランシスコに対し、3世紀にわたった植民地時代の人権侵害を謝罪するよう求めたことを明らかにした。今年は1519年にエルナン・コルテス率いるスペイン人が侵略を開始して500年になる。


◎教皇が指輪への接吻を拒絶、信徒の間に物議

 【CJC】バチカン市発ロイター通信は、教皇フランシスコが、訪問先のカトリック教会で、接見に訪れた信徒がお辞儀をして右手の指輪に接吻しようとすると手を引っ込める動作を繰り返した。この動画がネットで拡散し、カトリックの保守派と革新派の間で激しい文化論争が起きている、と報じた。

 一部のバチカン・ウォッチャーは、前任のベネディクト16世も、その前のヨハネ・パウロ2世も、便宜上、少なくとも長蛇の列の人々に手に接吻されることは好まなかったと指摘している。

 バチカン(ローマ教皇庁)は、教皇がなぜこの日に指輪にキスされることを強く嫌がったのかは明らかにしなかった。ある側近は匿名で、「気が向くときもあれば向かないときもある。実際、そのくらい単純なものだ」と説明。教皇はあらゆる反応を「楽しんで」いたと付け加えた。


◎未成年者の性的虐待に厳しく対処する新法をバチカン発表

 【CJC】未成年者に対する性的虐待行為により厳しく対処する包括的な新3法に教皇フランシスコが署名、バチカン(ローマ教皇庁)が3月29日、発表した。6月1日に発効する新3法は、バチカン市国の刑法、バチカン内の2教区を担当する教皇代理のための指針、およびこれらの規則を教皇庁のメンバー、教皇使節全員に適用する「自発教令」。

 教皇は2013年にバチカン市国法を改正し、未成年者が被害者の性的暴力を犯罪と規定した。今回は、子どもへの性的虐待問題で市国や海外の施設を対象に包括的かつ特定の手続きを初めて打ち出した。

 新法では性的虐待の可能性がある事例のバチカン当局への報告の義務付けが盛り込まれた。未成年者への性的虐待が確認された職員の自動的な解雇も決まった。

 聖職者らによる犯罪の報告期間の時効は、疑われる犯罪発生の日時から4年間だったが、今回被害者が18歳になった後の20年間に引き上げた。

 新法は、バチカンが聖職者による子どもらへの性的虐待問題の多発について話し合うため2月開いた司教たちの「未成年者の保護めぐる会合」による話し合いを受けたものとも見られる。

 バチカン市国内の住民は約800人、市国籍の保持者は約450人。バチカンのためにローマ市内や海外の大使館で働いている聖職者、修道女や一般的な職員は5000人と推定されている。


◎チリ控訴裁、聖職者の性的虐待で教会に賠償命令

 【CJC】南米チリのサンティアゴ控訴裁は3月27日、同国カトリック教会に対し、聖職者による性的虐待の被害者男性3人に1億ペソ(約1600万円)ずつ賠償金を支払うよう命じた。時事通信が伝えている。一審は請求を却下していた。教会側は上訴せず、判決が確定する。

 男性3人は未成年だった1980年代ごろ、フェルナンド・カラディマ元神父(88)から虐待されたものの、教会が隠蔽したため「精神的損害を被った」として教会の責任を追及していた。


◎ブラジル、大使館のエルサレム移転は延期

 【CJC】ブラジルのジャイール・ボルソナロ大統領は3月28日、今年1月1日の就任後すぐにも実施すると公言していた在イスラエル大使館のエルサレム移転を、当面延期する、と記者団に述べた。

 ボルソナロ氏は「恐らくオフィスをエルサレムに開くことになろう」と述べたが具体的にどのような機能を持つ施設かは説明しなかった。

 イスラエルでは4月9日に総選挙を控え、汚職疑惑を抱えるネタニヤフ氏の苦戦が伝えられている。ボルソナロ氏は親交関係を持つネタニヤフ氏を支援するため、訪問に合わせて大使館移転を表明するのではという懸念もなおブラジル国内ではくすぶっている。


◎ケニアの農村教師、世界最高の教員として1億円を獲得

 【CJC】ロシアの『スプートニク通信』(日本語版)が3月27日報じるところでは、カトリック修道会『フランシスコ会』の修道士でケニアの教員、ピーター・タビチ氏が、「世界最高の教員」に選ばれて100万ドル(約1億1千万円)を手に入れた。アラブ首長国連邦(UAE)ドバイの広報部門が発表した。

 タビチ氏はケニアの農村にある中学校で数学と物理を教えている。コンテストの主催者によると、タビチ氏が勤務する学校には1台しかコンピューターがなく、タビチ氏1人に対し生徒58人だという。タビチ氏は毎月、収入の8割近くを貧しい生徒の援助に使い、彼らに服を買い、休日になると子どものために追加授業を行っている。

 授賞式はドバイで行われ、俳優のヒュー・ジャックマンさんが「世界最高の教師」を発表した。


◎トルコ大統領がアヤソフィア博物館のモスクへの改名示唆

 【CJC】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン大統領は3月24日、イスタンブールにある『アヤソフィア博物館』をモスク(イスラム礼拝所)に改名する可能性に言及した。

 かつてはキリスト教会、そしてモスクとして使用され、現在は博物館となっているアヤソフィアは、イスラム教徒によるコーランの読誦や集団礼拝が行われることがあり、これをめぐってキリスト教徒との間に緊張が走ることがしばしばある。


◎中国広州で不法な宗教活動通報に賞金

 【CJC】中国広東省広州市の民族宗教事務局は3月20日、不法な宗教活動に関する情報を当局に通報した市民に対し、最大で1万元(約16万5千円)の賞金を支払うとの新規定を発表した。共同通信が報じた。

 新規定は、当局の許可を得ていない団体に関し、通報内容に応じて賞金額を設定。「海外の不法な宗教組織」の主要メンバーの拘束や、中国国内での活動状況の解明につながる情報提供や捜査協力には5千~1万元を支払うとしている。


◎CAM創始者のR・フィンリー氏死去

 【CJC】世界宣教に先住民を重視する独自の視点で乗り出し、『クリスチャン・エイド・ミッション』(CAM)を設立したロバート・フィンリー氏が3月22日、活動の拠点としていた米バージニア州シャーロットビルで死去した。96歳。米誌『クリスチャニティ・トゥデー』(CT)が報じた。

 CAMは、東アジア各国やインドなど130国・地域に宣教師1500人を派遣、先住民への伝道に力を入れていた。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(3月31日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★「性虐待被害者のための祈りと償いの日」=真摯に向き合う決意=新潟
★ベトナム人司牧者/修道会担当者研修会=労働・信仰・教育 課題解決目指す
★難民移住移動者委員会 全国研修会=福岡=移住者を「宝」として=急増するベトナム人信徒にも焦点
★シドティ神父 列福調査開始=殉教地 東京で証言聴取
★教皇=退任願い受理せず=性虐待隠蔽で有罪の枢機卿

 

 =KiriShin(4月1日)=http://www.kirishin.com
★クリスチャントゥデイ問題=ウェスレアン・ホーリネス教団="真偽明らかにする"調査委員会を設置=教団年会で議論紛糾
★「SNSと福音宣教」セミナー=個々人の「好きなこと」通じ発信を
★WCRP日本委「宗教者復興会合」=被災地における宗教者の役割を展望
★自伝『ふたりの異邦人』出版記念=久米小百合さん「今でも気分は異邦人」

 
★ニュージーランド銃乱射事件=イスラム教徒に教会が追悼の祈り

 =クリスチャン新聞(3月31日)=http://クリスチャン新聞.com
★ホーリネス教団創立年変更=1901→1949=主流意識を反省=戦前の歴史を「共有遺産」に
★草原の国に福音を=モンゴルEHC総主事来日=現地の様子報告
★宮古島の基地問題=宗教者九条の和で現地牧師が講演="いのち"が脅かされている
★三つ撚りの糸のような交わりを=3・11いわて教会ネット=第8回3・11集会
★絶望しても神様が共におられる=第8回愛と希望のコンサート=大震災を覚える追悼記念会

 
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