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世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1487信(2019.07.22)

  • 米国が信教の自由に関する閣僚級会合
  • 米国のウイグル族拘束非難に「事実ゆがめるな」と中国側反発
  • 英国国教会が英メソジスト教会と聖職相互承認へ指針など作成へ
  • イスラエル大統領が「韓半島平和祈祷会」に出席
  • 教皇、11月下旬の訪日前にタイ訪問へと共同通信
  • バチカン新広報局長にマテオ・ブルーニ氏
  • 《メディア展望》

 

◎米国が信教の自由に関する閣僚級会合

 【CJC】米国務省が第2回「信教の自由に関する閣僚級会合」を7月16~18日に開催した。2018年に続くもの。世界中の宗教および指導者、市民代表ら100人以上が集まり、世界各地で発生している宗教迫害問題に注意を向け、信仰の自由を促進し保護するためのアイデアを語り合った。

 マイク・ポンペオ米国務長官は18日、会合で演説し、中国政府による新疆ウイグル自治区でのウイグル族の大量拘束を強く批判した。「現代における最悪の人権の危機が起きている。まさに今世紀の汚点だ」と述べ、こうした宗教弾圧に対抗するため、多国間の国際枠組みを設ける意向を明らかにした。

 ポンペオ氏が提唱したのは、「志を同じくする国々が国際的な信教の自由への脅威にともに立ち向かう」(同氏)のを目的に「国際宗教自由同盟」を設立するというもの。同氏によると、この同盟は、信仰の自由を実践する人々を拘束したり迫害したりする国に対して、責任を追及するという。「宗教の自由は、単にキリスト教、ユダヤ教、イスラム教、仏教、人道主義者たちの懸念にとどめることはない。これはすべての人における懸念だ」とも語った。

 またマイク・ペンス米副大統領は、世界には信条を理由に殺害された人々がいると述べ、「全ての人に深い信仰に従って暮らす権利がある」と述べた。さらに米中貿易問題の行方に関係なく、「アメリカ人は信仰のある中国人と永遠に共にいる」と発言した。

 両閣僚は具体的に、キューバ、ニカラグア、ベネズエラの西半球での少数派宗教への迫害、欧州における反ユダヤ主義、イラクとシリアでのキリスト教徒とイェジディ派に対する大量虐待、および宗教的少数派への迫害について言及した。またイラン、中国、北朝鮮における宗教迫害、そしてミャンマーのロヒンギャイスラム教徒に対する「民族浄化」にも触れた。

 米政権高官が宗教や人権問題で中国批判で足並みをそろえたことで、中国の反発は確実。ポンぺオ氏によると、中国政府は「この会合に参加しないよう他国に働きかけていた」という。


◎米国のウイグル族拘束非難に「事実ゆがめるな」と中国側反発

 【CJC】マイク・ペンス米副大統領らトランプ政権の幹部が中国の新疆ウイグル自治区で暮らすウイグル族の拘束をやり玉に挙げていることについて、中国側は、「事実をゆがめるな」と反発している。

 ペンス氏は7月18日の演説で「新疆ウイグル自治区で中国共産党は100万人以上のウイグル族を含むイスラム教徒を強制収容施設に投獄している」と批判、「北京は意図的にウイグル文化を抹殺し、イスラムの信仰を根絶しようとしている」と述べた。

 マイク・ポンペオ米国務長官も「現代における最悪の人権危機の一つが中国で起きている」と語った。

 これに対し中国外務省の耿爽副報道局長は19日の記者会見で、「宗教の自由に名を借りた内政干渉に強く反対する」と発言、「新疆ウイグル自治区にあるのは各民族の基本的権利を保障するため、法律に基づいて設立された『職業訓練センター』だ。根拠のない話をしてほしくない」と反発した。

 ドナルド・トランプ米大統領は17日、宗教を理由に弾圧を受けて国外に逃れた外国人たちをホワイトハウスに招き、訴えに耳を傾けた。4人いる中国からの亡命者の1人としてウイグル族が出席した。

 この4人についても中国共産党系メディア『環球時報』は19日付の社説で「法輪功やチベット出身者、中国を分裂させようとした人物の娘らだ」と主張している。


◎英国国教会が英メソジスト教会と聖職相互承認へ指針など作成へ

 【CJC】英国国教会は中部ヨークで開催した総会で7月7日、聖職相互承認などを含む英メソジスト教会との交流推進に向け、必要文書の草稿作成に着手することを承認した。

 両教会の新しい関係を概観する「正式宣言」や、聖職按手に関わる文書、両教会の聖職が双方の教会で奉仕する際の指針などを含むことで合意に達し、今後の進捗状況は、主教会が来年の総会で報告するという。

 英国国教会側で文書の草稿作成を担うことになる信仰・職制委員会委員長のクリストファー・コックスワース主教(コベントリー教区)は、必要文書の起草が承認されたことで、両教会に「歴史的な機会」がもたらされると述べた。

 必要文書の起草は、英国国教会の霊的最高指導者カンタベリー大主教ジャスティン・ウェルビー氏も、「福音のため、教会のため、わたしたちが使えるために遣わされた社会のため」支持を表明した。

 総会で承認された議案は、「(両教会が)共に使命を果たすことを最優先とする」としているが、同時に「英国国教会の一部に、なお懸念が残っている」ことも認めている。その一つは、両教会における司祭(英国国教会)と長老(英国メソジスト教会)の位置付けの違い。

 ただ英国国教会の中でもカトリック教会に近いグループ「聖公会とカトリックの未来」(ACF)は総会に先立ち、「教会のより大きな一致に役立つよりは、むしろ教会をさらに分裂させることになる」と述べていた。

 英国国教会とスコットランド聖公会の保守派グループ「フォーワード・イン・フェイス」(FIF)もACFに同調した。提出された議案の内容はまだ発展段階のものであり、それが総会で審議されることは「時期尚早で無責任」だと批判、「エキュメニカルな便宜のために教理的な誠実さを犠牲にしている今回の議案が、健全で実り豊かと証明される可能性は低く、それが究極的には一致に至らしめるものと証明される可能性も低い」と述べていた。

 英国メソジスト教会の他教派対話の新たな代表スーザン・ハウドル氏は、「2003年に両教会が締結した協定が持つ豊かな意味、今後の可能性に期待している。英国メソジスト教会を代表して、わたしたちは今後も共に礼拝し、共に証しし、共に働くことを約束する」と語った。


◎イスラエル大統領が「韓半島平和祈祷会」に出席

 【CJC】イスラエルと韓半島(朝鮮半島)の平和のための特別祈祷会が7月17日、ソウルの汝矣島純福音教会で開かれた。

現地紙中央日報(日本語版)によると、韓国訪問中のルーベン・リブリン・イスラエル大統領も参加した。


◎教皇、11月下旬の訪日前にタイ訪問へと共同通信

 【CJC】教皇フランシスコが11月下旬に予定される日本訪問に合わせ、タイ訪問も計画していることが17日、分かった。関係者が明らかにした、と共同通信が報じた。

 教皇はカトリック教会の欧州中心主義からの脱却を目指しており、カトリック少数派の日本やタイで存在感を高め、教会の多様性をアピールする狙いがあるとみられる。

 関係者によると、11月23~26日の日程で調整している訪日の前に、数日間の日程で立ち寄る予定という。タイは仏教徒が人口の95%を占めている。

 訪日中は24日に被爆地の広島と長崎を訪れて被爆者らと面会するほか、核兵器廃絶に向けた平和のメッセージを発信することは日本カトリック教会筋もすでに明らかにしている。


◎バチカン新広報局長にマテオ・ブルーニ氏

 【CJC】教皇フランシスコは7月18日、バチカン(ローマ教皇庁)の広報局長に、広報局のメディア・オペレーション責任者、マテオ・ブルーニ氏を任命した。機関通信『バチカン・ニュース』が明らかにした。

 ブルーニ氏は、1976年、英国生まれ。ローマ大学ラ・サピエンツァ文学部卒業後、2009年から、バチカン広報局登録担当課コーディネーターを務めた。13年から、教皇の海外司牧訪問時に、報道関係者のためのオーガナイザーおよび引率責任者となった。16年から、メディア・オペレーションおよび登録担当課責任者。さらにカトリック教会系の人道援助や高齢者支援の活動に長年にわたり、携わっている。

 教皇はまた同日、アレッサンドロ・ジソッティ氏(45)と、セルジョ・チェントファンティ氏(59)を広報省編集局副編集長に任命した。

 ジソッティ氏は、在ローマ国連組織の広報に携わった後、2000年、バチカン放送局の編集者となり、11年から副編集長を務めた。

 バチカンのメディア組織改革が行われた後の17年、広報省ソーシャルメディア部門のコーディネーター、18年12月からは、グレッグ・ブルク前局長辞職に伴い、暫定広報局長の任にあった。

 チェントファンティ氏は、ジャーナリストとしてカトリック系新聞・雑誌などで活動後、1986年より、バチカン放送局の報道番組に従事、様々なニュース番組の副責任者、責任者を歴任した。2017年から、広報省マルチメディア編集センターでラジオ番組および「バチカン・ニュース」のコーディネーターを務めていた。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(7月21日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★2019年度臨時司教総会=ハンセン病に関して「謝罪」=聖歌創作について指針も
★教皇=「移住者は人間」で社会問題ではない=ランペドゥーサ島訪問6周年記念ミサ
★「祈祷の使徒」175周年バチカンで6千人が祝う
★駐仏大使の外交特権放棄=性的暴力捜査受け=バチカンが措置
★教皇庁奉献生活会の部署に初の女性正式メンバー

 

 =KiriShin(7月21日)=http://www.kirishin.com
★NCC=日本キリスト教協議会=創立70周年で宣教会議=エキュメニカル運動の意義を再確認="地の果て"の叫びを聞こう
★日本宣教学会=災害を宣教学的に=「"希望"をどこに見出すか」議論
★京都ユダヤ思想学会=「古代訳」聖書に関心を
★原発のない世界を求め日本聖公会が7月11日声明発表
★英国国教会で初 黒人女性主教が11月就任

 

 =クリスチャン新聞(7月21日)=http://クリスチャン新聞.com
★「教会増殖ビジョンセミナー」で角本尚彦氏=下北半島で「宣教のうねり」
★"底"を超えるキリストの視点、事例=4/14の窓運動の関東フォーラム2019
★社会人青年励ますNSDナイトで下村明矢さん=職場でキリストの心運んで
★補習授業が学習意欲向上に貢献=WVJヨルダン駐在員渡邊裕子氏=シリア難民支援活動報告
★『「霊性の神学」とは何か』出版記念講演会で篠原明氏=鈍痛のような霊的飢え渇きが霊性についての学びへ導いた

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