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世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1496信(2019.09.23)

  • 「雨傘運動」元リーダーら米議会で「香港人権法」承認を要請
  • 『人類の友愛高級委員会』が初会合
  • 『人類の友愛高級委員会』が「アブラハム家族の家」デザイン公開
  • NY市議会議長が同性愛矯正治療禁止条例無効案を議会に提出
  • 同性婚女性にも人工授精を=フランス議会が本格審議へ
  • スイス・アルプスで氷河の「葬送行進」=250人が喪服で登山
  • 《メディア展望》

 

◎「雨傘運動」元リーダーら米議会で「香港人権法」承認を要請

 【CJC】香港民主化活動家の黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏と歌手の何韻詩(デニス・ホー)氏らは9月17日、米議会の公聴会に出席し、与野党議員に対して「香港人権・民主主義法案」の早期可決を求めた。18日、ナンシー・ペロシ米下院議長と一部議員は黄氏らと記者会見し、香港の抗議活動を支援した。

 黄氏は、連邦議会・行政府委員会(CECC)が中国問題で行った公聴会で、香港の現状について「一国一制度に近い状況だ」と説明した。

 黄氏は、「6月から7月中旬まで、香港市民は逃亡犯条例改正案の撤回、抗議者の"暴徒"認定の取り消し、警察の実力行使に関する独立調査委員会の設置などを政府に要求してきた」とし、「7月21日がこの抗議活動の転換点となった」と指摘した。

 「同日、暴力団組員らは元朗地区の地下鉄駅で、記者や市民を襲撃した。市民が複数回通報しても、警官らはすぐに現場に駆けつけなかった」という。

 黄氏は、中国当局による武力鎮圧の可能性を懸念した。「習近平政権が、共産党政権発足70周年にあたる10月1日前に、強硬な措置を取る可能性は低いと思うが、その後は何が起きるのかわからない。戦車が香港に入ってくる可能性を排除できない」と危惧した。

 黄氏は、警察が使用する催涙弾やゴム弾などは欧米各国から輸入したもの、と指摘、米議会に「米企業に香港警察に催涙弾などを提供しないよう働きかけてほしい」と述べた。

 気功集団『法輪功』修練者への弾圧や虐待報道などに力を入れるメディア『大紀元時報』(本社ニューヨーク)日本語版が報じた。


◎『人類の友愛高級委員会』が初会合

 【CJC】『人類の友愛高級委員会』(仮訳)の初会合が9月11日午前8時半から、バチカン(ローマ教皇庁)の教皇居所『聖マルタの家』で開催された。この高級委員会は、教皇フランシスコとイスラーム・スンニ派最高権威機関『アズハル』(エジプト・カイロ)のアハメド・タイエブ総長が今年2月にアラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビで署名した「人類の友愛に関する文書」の精神を世界に広く伝え、その実現を果たすためのもの。UAEの提案によって設立された。

 UAEのムハンマド皇太子は、健康の優れないハリーファ大統領に代わり、高級委員会設置の目的を「UAEは、世界における平和の促進、友愛と平和共存の原則を広く伝えていく。また、あらゆるイニシアチブを支援する」と説明した。

 高級委員会に託された任務は、「人類の友愛の文書」に記された目的を実現するための保障の枠組みを設け、必要なプロジェクトをつくり、各地域や国際レベルで実行していくこと。同時に、この歴史的な文書の基本的な理念を広く普及させていくため、諸宗教指導者、国際機関の責任者ら多くの識者と出会っていくこととしている。

 高級委員会委員長にはバチカン諸宗教対話評議会議長のミゲル・アンヘル・アユソ・ギクソット司教、事務局長に『アズハル』総長顧問のモハメド・マフムード・アブデル・サラム判事が就任。委員には、アズハル大学のモハメド・フセイン・マフラサウィ学長、教皇フランシスコの秘書であるヨアンニス・ラフツィ・ガイド神父、アブダビ観光文化庁のモハメド・カリファ・アル・ムバラク長官、ムスリム長老評議会のスルタン・ファイザル・アル・メイティ事務総長、UAEの作家・ジャーナリストであるヤッセル・ハレブ・アル・ムハイリ氏が就いた。


◎『人類の友愛高級委員会』が「アブラハム家族の家」デザイン公開

 【CJC】『人類の友愛高級委員会』(仮訳)が9月21日、ニューヨーク公共図書館で、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビのサディヤット島に設置予定の「アブラハム家族の家」のデザインを公開した。著名な建築家デービッド・アジャイ卿によるもので、「人類の友愛に関する文書」を反映し、教会、モスク、シナゴーグが初めて集合スペースを共有し、宗教間の対話と交流のためのコミュニティーの役割を果たし、異なる宗教、国籍および文化間の平和的共存と受容の価値観を醸成する。

 高級委員会メンバーであるミゲル・アンヘル・アユソ・ギクソト枢機卿(教皇庁諸宗教対話評議会議長)は「この取り組みは人類にとって深く感動的な瞬間だ。悲しいことに邪悪、憎しみ、分断がしばしば報道されるが、隠された溢れるほどの善意があり、それは成長を続け、対話、互恵的知識、友愛と平和の世界を―他の宗教信奉者や全ての善意の男女と共に―構築する可能性の希望へとわれわれを導く。UAEが具体的なコミットメントを示してくれたことに、『人類の友愛』を代表して謝意を表したい」と述べた。


◎NY市議会議長が同性愛矯正治療禁止条例無効案を議会に提出

 【CJC】ニューヨーク市議会のコリー・ジョンソン議長は9月12日、同性愛者や性同一性障害者に対する矯正治療「コンバージョン療法」を禁止する市条例を無効とする条例案を市議会に提出した。現地紙『ニューヨーク・タイムズ』が13日報じた。

 市議会は2017年、当時の市議会議長だったメリッサ・マーク=ビベリト氏が提案した、有料で性的指向や性自認の矯正を行うことを禁止し、1回の違反につき1000ドル(約11万円)の罰金を科す条例案を可決した。

 しかし、今年1月、アリゾナ州を拠点とする保守系のキリスト教組織『アライアンス・ディフェンディング・フリーダム』が、同条例は言論の自由に違反しているとして、ニューヨーク市を相手取り、連邦裁判所に提訴。性的少数派(LGBT)コミュニティーの支援者らは、保守派が多数を占める連邦最高裁判所に判断が委ねられた場合に、矯正治療を保護するより厳格な規定が定められるのではないかと懸念していた。

 ジョンソン議長提出の条例案は、公聴会を実施し、9月末には投票にかけられる。市議会で可決され、デブラシオ市長が署名すれば、市は対象を未成年者のみに限定した制限の緩いニューヨーク州法に準拠することになる。

 医療専門家たちは長い間、矯正治療は同性愛は精神障害であるとの誤った概念に基ずいているとして非難。米心理学会は2009年の報告書で、(治療は)「効果がないばかりか弊害を生む」と結論付けている。全米18州と首都ワシントン、および50以上の市町村が未成年者の矯正治療を禁止している。


◎同性婚女性にも人工授精を=フランス議会が本格審議へ

 【CJC】時事通信がパリから伝えるところでは、フランス議会が、独身や同性婚を含むすべての女性に対し、人工授精などの生殖補助医療を認める生命倫理法改正案の審議を本格化させる。9月23日に本会議入りし、政府は来年初頭の可決を目指す。

 現在フランスでは、不妊または重い遺伝病などの危険性がある異性カップルに対してのみ、生殖補助医療が認められている。生殖補助医療の拡大はエマニュエル・マクロン大統領の選挙公約。国家倫理諮問委員会は昨年9月に法改正の勧告を行った際、「子供を持てない苦しみは考慮されるべきだ」と指摘した。

 これに対し、カトリック団体のフランス司教会議は「代理母出産に道を開く」「子どもは父親と母親の両方を持つ権利がある」などと批判。

 代理母出産について、仏政府は「他人の子供を妊娠させるために女性の体を使うことは人身売買の領域に入る」(アニエス・ビュザン連帯・保健相)として、生殖補助医療と厳格に区別。異性カップルでも法律で禁止されている。


◎スイス・アルプスで氷河の「葬送行進」=250人が喪服で登山

 【CJC】気候変動への懸念が世界各地で高まる中、スイス東部のリヒテンシュタインとオーストリアとの国境近くにそびえるアルプス山脈ピツォル山で9月22日、氷河の消失を悼む「葬送行進」が行われた。AFP通信が報じた。黒い服に身を包んだ約250人は、重苦しい空気に包まれながら標高2700メートル付近まで後退した氷河の先端まで、2時間かけて山を登った。「葬列」の中には、子どもたちの姿も。

 「ピツォルに別れを告げるため、私たちはここに集った」。アルペンホルンの葬送の調べが響く中、雪氷学者のマティアス・フス氏が告げると、山麓の村メルスのエリック・ペトリーニ牧師が「神よ、気候変動に伴う計り知れない困難との闘いを助けたまえ」と祈りをささげた。

 スイス気候保護協会のアレッサンドラ・デジャコミ氏によれば、ピツォルの氷河は「そのほとんどを失い、科学的見地からはもはや氷河とは言えない」という。

 スイス・アルプスの氷河消失はピツォルが初めてではない。「1850年以降、われわれの推計では500本もの氷河が完全に消失した。うち50本は名前の付いた氷河だ」と、スイス連邦工科大学チューリヒ校で研究するフス氏は指摘する。それでも、ピツォルは「徹底的に研究されてきた氷河の消失は初めてと言える」そうだ。

 ピツォルでは2006年以降だけで80~90%の氷河が失われ、今や残っているのはわずか2万6000平方メートル。フス氏の言葉を借りれば「サッカー場4面分に満たない」。

 スイス氷河モニタリングネットワーク(GLAMOS)によると、スイスの氷河の8割近くはピツォルのような、「小氷河」と呼ばれる比較的標高の低い場所にある小さな氷河だ。アルプスにはこうした氷河が約4000本点在し、雪解け水で数百万人もの人々を潤すとともに、欧州でも指折りの絶景を生み出している。

 ピツォルの「葬送行進」について、国際環境保護団体『グリーンピース』などでつくる主催団体は、気候変動が氷河を融解させるだけでなく「私たちの生活手段」をも脅かしていることに目を向けさせるきっかけとなると説明している。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(9月22日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★東京、長崎、広島を訪問=教皇 11月23日 来日
★来日テーマ=すべてのいのちを守るため~PROTECT ALL LIFE~
★訪問地3教区の司教 教皇を迎える喜びと期待=東京・菊地功大司教=長崎・高見三明大司教=広島・白浜満司教
★長崎教区に中村倫明補佐司教誕生=浦上教会で歓喜に満ちた叙階式
★教皇アフリカ南東部を歴訪=マダガスカル 政府関係者らに強調、環境破壊と貧困の関係=モーリシャス 急速な経済成長の中「若者の居場所を」

 

 =KiriShin(9月21日)=http://www.kirishin.com
★続く停電、断水 対応に苦慮=台風15号被災レポート
★教皇フランシスコ来日で スケジュールが正式決定
★『ピューリたん』出版記念=教文館で教派の歴史をたどる
★首相の靖国神社玉串料奉納と天皇の退位・即位儀式に関する抗議
★米アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団に初の女性総幹事=ドナ・バレット牧師選出

 

 =クリスチャン新聞(9月22日)=http://クリスチャン新聞.com
★宣教師から見た戦時中の日本のキリスト教学校とは?=教育内容「骨抜き」に歯がゆさ=「第27回信州夏期宣教講座」で辻直人氏講演
★聞き合い、息合わせ=日韓文化友交コンサート「平和のリボン」開催
★異端カルト110番=サイトで信頼性高い情報を集約・発信
★ろう者、聴者共に 生きた手話を学ぶ=軽井沢クリスチャン手話セミナー
★佐賀に救援ベース=九州北部豪雨=28日まで活動を継続

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