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世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1497信(2019.09.30)

  • 教皇、「デジタル時代の共通善」を考えるセミナー参加者に挨拶
  • 憎悪ぶつけあう英議会に国教会主教らが注意
  • モスクと教会とシナゴーグを集めるUAE構想を米『CNN』も報道
  • ルネサンス初期の絵画、パリ近郊の高齢女性宅の台所で見つかる
  • 《メディア展望》

 

◎教皇、「デジタル時代の共通善」を考えるセミナー参加者に挨拶

 【CJC】「デジタル時代の共通善」をテーマとするセミナーが、バチカン(ローマ教皇庁)の人間開発省と文化評議会の企画により、9月26日、全4日間の日程でバチカンで開催された。人工知能をはじめとするデジタル技術分野の目覚ましい発展が、社会・倫理・政治に与える影響を考察するもの。公営『バチカン・ニュース』が報じた。

 教皇フランシスコは27日、セミナー参加者へ挨拶を述べ、これまでにない技術発展がもたらす新しい可能性を、倫理的な方法のもとに利用する必要を強調した。

 テクノロジーの活用によるより良い世界は、その発展に共通善のビジョンや、自由・責任・兄弟愛をめぐる倫理を伴ってこそ可能になる、と教皇は話した。

 共通善を、あらゆる個人のための善と分離することはできないと述べつつ、教皇は、テクノロジーを日常生活に導入する際、そのポジティブな側面が、人間の尊厳と自由を脅かす危険に変貌する可能性をも考慮するよう招いた。

 その例として、ロボット技術が疲労と危険をもたらすある種の作業から人を解放する一方で、その効率と利益向上だけに注目するならば、多くの人の仕事と尊厳が脅かされることになる、と指摘した。

 また、人工知能が信頼に足る情報へのアクセスに大きく役立つ反面、偏向した世論や偽のデータを流布することで、何万という人々の意見を操作し、最後には市民の平和的共存を保証する制度自体をも危険に陥れることが可能である、と話した。

 教皇は、テクノロジーの進歩が人々の間に不平等を広げるのならば、あるいは共通善の敵となるならば、それを真の発展と呼ぶことはできない、と説いた。

 こうした中で、教皇は、あるシステムがいかに発達して効率的であろうとも、それが一人ひとりの人間のかけがえのない尊厳と貢献を価値づけることができない限り、皆さんの仕事は続く、とセミナー参加者らを励ました。


◎憎悪ぶつけあう英議会に国教会主教らが注意

 【CJC】9月25日に再開された英議会は、欧州連合(EU)からの離脱を巡り、離脱派と残留派の「舌戦」がエスカレート、英国国教会の主教ら118人は27日、議員の言葉遣いを戒める異例の共同声明を出した。ロンドン発の毎日新聞報道の概要を紹介する。

 最高裁判所がボリス・ジョンソン首相による議会一時閉会を違法と判断したことを受け、下院では最高裁判断について所感を述べるジョンソン氏に、最大野党・労働党の議員らから厳しいやじが飛んだ。

 ジョンソン氏は野党などの「反ジョンソン勢力」が成立させた「離脱期限延期法」を「(EUへの)降伏法」などと批判して応酬。これに対し、ある労働党女性議員は「我々の多くが殺害の脅しや嫌がらせに毎日さらされている。(有権者への)裏切りなどという首相の言葉にはうんざりだ」と怒りをぶちまけた。

 警察の集計によると、英下院議員を標的とした脅迫や嫌がらせの通報が増加しており、17年9月~18年8月までの報告件数は242件で、前年同時期の111件から急増した。今年は7月時点で238件に達している。女性議員やマイノリティーの議員が特に攻撃対象となっている。

 英国国教会トップのカンタベリー大主教ジャスティン・ウェルビー氏は英紙タイムズに対し、問題解決を図るために「怒りを静める必要がある」と述べた。


◎モスクと教会とシナゴーグを集めるUAE構想を米『CNN』も報道

 【CJC】アラブ首長国連邦(UAE)が宗教間の調和を目指すプロジェクトとして、モスク(イスラム教礼拝所)とキリスト教会、シナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)を1カ所に集めた施設『アブラハム家族の家』を首都アブダビに建設する計画を発表したことを、米メディア『CNN』は9月27日報じた。

 この計画が誕生したのは、教皇フランシスコが2月にUAEを訪問した際に、イスラム教指導者との間で人類の友愛を促す共同宣言に署名したことがきっかけ。

 同施設はアブダビにあるサディヤット島で『ルーブル・アブダビ』の近くに建設され、設計は著名建築家のデービッド・アジャイ氏が手がける。

 アジャイ氏は「こうした建物を通じ、あらゆる信仰をもつ人たち、そしてあらゆる社会の人たちが、今後何世代にもわたり、平和的共存の使命について学び、貢献できることを望む」とコメントした。

 ユダヤ教指導者のブルース・ラスティグ師は、「宗教指導者と地域社会の架け橋を築くとともに、違いによって定義されることがあまりに多い時代にあって、平和と調和を促進する一助になる」と評価しているという。


◎ルネサンス初期の絵画、パリ近郊の高齢女性宅の台所で見つかる

 【CJC】13世紀の画家で、フィレンツェ派絵画の祖チマブーエによるルネサンス初期の作品「あざ笑われるキリスト」が、パリ北郊コンピエーニュに住む高齢女性宅の台所から見つかった。AFP通信が報じた。推定400万~600万ユーロ(約5億~7億円)の価値があるという。美術商エリック・テュルカン氏の事務所が9月23日明らかにした。

 発表によると、「あざ笑われるキリスト」は女性宅の台所と居間の間の壁に掛けられ、料理に使うホットプレートの真上にあった。

 同作はチマブーエが1280年から製作した大型の「ディップティック」(注=蝶番でつながった2枚折りの絵画)の一部と考えられている。このディップティックにはキリストの受難と磔刑(たっけい)の8場面が描かれていた。

 他の場面を描いた部分のうち、「聖母子と2天使」はロンドンのナショナルギャラリーで、「むち打たれるキリスト」はニューヨークのフリック・コレクションでそれぞれ展示されている。

 「あざ笑われるキリスト」の所有者は、地元のオークションハウスに鑑定を依頼した時、作品を古めの宗教画だと考えていた。

 同作は10月27日、パリ北方にある町サンリスのオークションハウス「アクテオン」で競売にかけられる。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(9月29日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★教皇=移住者を排除する姿勢は道徳的退廃のしるし
★第3回マイノリティユースフォーラム in 沖縄=諸教派の青年が共に学び、祈り、分かち合う
★教皇来日 特設サイト=教皇とつながろう=公式記念グッズ/献金/モザイクアート
★鹿児島教区=奄美大島"宣教再開"を記念=信仰への思い新たに
★豪州のペル枢機卿=性虐待で最高裁へ上告

 

 =KiriShin(9月21日・既報)=http://www.kirishin.com

 

 =クリスチャン新聞(9月29日)=http://クリスチャン新聞.com
★クリスチャンのクリエイター、企業・団体、教会が出店=小さくてもつながれば力に=第2回たらんとフェスティバル
★台風15号で倒木被害=屋根飛ばされ雨漏り=千葉県 hi-b.a.キャンプ場
★台風15号直撃 その時千葉の教会は?=停電、断水の中、神様が助け手を送ってくれた=富津市 マリーンヒルキリスト教会
★病の中に神の奥深さ知る=神戸神学アナロギア「死と病を神学する」
★東京神学大学学長 大住雄一氏逝去

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