小原克博 On-Line

世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1555信(2020.11.09)

  • ウィーン中心部のシナゴーグ付近で銃撃、2人死亡
  • オーストリア政府、銃撃テロ実行犯のモスクと協会閉鎖
  • オーストリアがロックダウン再導入、教会の礼拝は可能
  • 世界福音同盟次期総主事にドイツ人神学者トーマス・シルマッハー氏
  • 「Y.M.C.A.」作詞者がトランプ氏に「選挙で曲使うな」と訴え
  • イスラエル首相、バイデン氏当選確実に祝意遅く
  • カステックス仏首相、教会襲撃の追悼式で「敵はイスラム過激派」と訴え
  • 「ラ・チビルタ・カットリカ」誌、日本語版誕生へ
  • ≪メディア展望≫

 

◎ウィーン中心部のシナゴーグ付近で銃撃、2人死亡
 【CJC】オーストリアの首都ウィーン中心部にあるシナゴーグ(ユダヤ教会堂)付近で11月2日、銃撃があり、少なくとも2人が死亡、15人の負傷者が出た。容疑者は複数で、少なくとも1人が逃走中という。セバスチャン・クルツ首相は「忌まわしいテロ攻撃だ」と非難した。
 カール・ネハンメル内相によると、攻撃は6カ所で起き、いずれもシナゴーグが位置する通りのすぐ近くだった。
 クルツ首相は、警察が対テロ作戦に注力できるよう、首都の現場は軍が守るとし、容疑者らは「自動小銃を所持していた」と述べた。
 ミヒャエル・ルートヴィヒ市長によると、15人が市内の病院で治療を受けており、うち7人が重体。
 クルツ首相は「事件の背景についてはまだ何も言えない」とした上で、「反ユダヤ主義が背景にある可能性は排除できない」と述べた。


◎オーストリア政府、銃撃テロ実行犯のモスクと協会閉鎖
 【CJC】オーストリア政府は11月6日、首都ウィーン中心部で2日に起きた銃撃事件を巡り、実行犯の過激思想に影響を与えたと判断、実行犯が出入りしていたモスクとイスラム協会を閉鎖したと発表した。
 ロイター通信が報じるところでは、事件直後に警察に射殺された実行犯は、オーストリアと北マケドニアの二重国籍を持つ20歳の男で、過激派組織「イスラム国」(IS)に参加するためにシリアへの渡航を試みたとして昨年4月に有罪判決を受けていた。
 ウィーン警察当局は、ドイツの諜報機関に監視されていたドイツ人が夏にウィーンで実行犯と密会していたと発表。実行犯がスロバキアで銃弾の購入を試みていたとの情報と総合して判断していれば「異なる結果」につながった可能性があるとした。


◎オーストリアがロックダウン再導入、教会の礼拝は可能
 【CJC】ウィーン発としてジェトロが伝えるところでは、オーストリアのセバスティアン・クルツ首相は10月31日、新たな新型コロナウイルス対策を発表、午後8時から翌日午前6時までの外出を禁止した。
 オーストリアでは22日に新規感染者数が初めて3000人を超え、31日には過去最多の5349人に達し、政府は2度目のロックダウン実施に踏み切った。
 外出制限は12日まで、その他の措置は30日まで継続する。
 今回のロックダウンは、4月に実施されたものと異なり、小売業は営業が認められている。教会の礼拝も可能だが、葬儀への参加は50人に限定される。


◎世界福音同盟次期総主事にドイツ人神学者トーマス・シルマッハー氏
 【CJC】世界福音同盟(WEA)の国際理事会は10月29日、次期総主事兼最高責任者(CEO)に、ドイツ人神学者のトーマス・シルマッハー神学問題担当副総主事(60)を選出したと発表した。
 2015年から総主事兼CEOを務めているエフライム・テンデロ氏(フィリピン福音同盟前総主事)の後任として来年3月1日就任する。
 シルマッハー氏は「学術的、社会政治的な働きをしているが、それらすべてにおいて、私の信念の中心は、一人一人の個人と全世界を変えるイエス・キリストの福音の力にある」とコメントした。
 世界教会協議会(WCC)イオアン・サウカ暫定総幹事は、シルマッハー氏に祝辞を送り、「これまで、社会と教会の発展に直面して共に働く可能性を探りながら、あなたや世界福音同盟の他の代表者と何度かお会いし、共に働く喜びを味わってきた」として「神は、すべての人間に対する愛を示し、癒しと一致と和解をもたらすために、私たちを召されている」と述べた。
 世界福音同盟は1846年に設立されたプロテスタント福音派の世界組織。134カ国の各国福音同盟、9地域の地域福音同盟のほか、150余りの諸団体が加盟。世界で6億人を超える福音派キリスト者が属している。


◎「Y.M.C.A.」作詞者がトランプ氏に「選挙で曲使うな」と訴え
 【CJC】最終盤に入った米大統領選の集会でトランプ大統領が米音楽グループ「ヴィレッジ・ピープル」のヒット曲「Y.M.C.A.」を使用していることについて、作詞したリードボーカルのビクター・ウィリスさんが10月29日、英公共放送BBCで「楽曲の使用をやめてほしい」と訴えた。ロンドン発時事通信が伝えている。
 トランプ氏の陣営はスローガンの「アメリカを再び偉大に(MAGA)」と歌詞が似ていることもあり、各地の集会でこの曲を流している。トランプ氏がリズムに合わせて踊ることもあるという。
 ウィリスさんは「多くの人々に曲を聞いてもらえるのはうれしいことだ」としながらも、「私はトランプ氏を支持せず、ヴィレッジ・ピープルも同様だ」と表明している。


◎イスラエル首相、バイデン氏当選確実に祝意遅く
 【CJC】イスラエルのネタニヤフ首相は11月8日、米大統領選で当選を確実にした民主党候補のジョー・バイデン前副大統領にツイッターで祝意を示したが、投稿は当選確実と報じられて半日近くたってからだった。
 同首相はバイデン氏に「ジョー、私たちは温かい個人的な関係を40年近く続けてきた」と呼び掛け「米国とイスラエルの特別な同盟をさらに強化するため協力するのを楽しみにしている」と投稿した。
 一方、その直後の投稿ではトランプ氏に「イスラエルと私個人に示してくれた友情」に謝意を示し、「米イスラエル同盟をかつてない高みに引き上げた」と称賛した。
 米国の基調である親イスラエル路線は維持されようが、ネタニヤフ氏にとってトランプ氏のような親密な個人的関係や強力な肩入れは期待しづらくなると見られる。


◎カステックス仏首相、教会襲撃の追悼式で「敵はイスラム過激派」と訴え
 【CJC】フランスのジャン・カステックス首相は11月7日、地中海沿岸のニースで男が刃物で次々に人を襲い、3人が死亡した事件の追悼式に出席、犠牲者に哀悼の意を示すとともに、「敵はイスラム過激派」と訴えた。AFP=時事通信が報じた。
 首相氏は、「敵は分かっており、名前まで特定されている。イスラム過激派だ」と述べた。さらにイスラム過激派を、「コーラン(イスラム教の聖典)を曲解することでイスラム教をゆがめる政治的イデオロギー」と呼び、テロの標的にされるのはいつもフランスだと訴えた。
 フランスに到着したばかりのチュニジア人移民による犯行とみられている今回の事件を受け、エマニュエル・マクロン大統領は、出入国審査のないシェンゲン協定圏に属する国と属さない国の境界の警備強化を求めている。


◎「ラ・チビルタ・カットリカ」誌、日本語版誕生へ
 【CJC】カトリック修道会イエズス会発行の総合誌『ラ・チビルタ・カットリカ』の日本語版が2021年4月から隔月で発行されることになった。同誌のオリジナル版であるイタリア語版サイトが明らかにした。創刊0号(抄訳版)が最近発行された。
 同誌は、教皇ピオ9世の在位下、1850年に創刊された。
 日本語版の発行は、今年4月20日に発行された中国語版と共に、「ラ・チビルタ・カットリカ」創刊170年を記念するもの。
 バチカンと日本の交流の歴史に光を当て、その調査研究を通し、両国のさらなる友好に寄与することを目的にした、角川文化振興財団の「バチカンと日本100年プロジェクト」の一環として計画された。
 同プロジェクトは、この計画について、「バチカンの思想、政策を理解する道しるべとして、全世界のカトリック教徒から注目されている「ラ・チビルタ・カットリカ」の日本語版発行は、バチカンと日本の関係をより強固にする」ものと、公式サイトの中で述べている。
 同誌は、イタリア語版に並び、英語版、フランス語版、韓国語版、中国語版がある。スペイン語版の再刊も予定されている。
 「ラ・チビルタ・カットリカ」の現編集長、イエズス会士のアントニオ・スパダーロ神父は、このたびの日本版誕生に寄せたビデオメッセージで、同誌の文化的見解は、常にバチカンの考えと一致するものであり、この教皇やバチカンとの特別な絆は、教皇フランシスコも述べているとおり、同誌の「本質的な特徴」である、と強調している。
 また、スパダーロ編集長は、教皇フランシスコがかつて同誌に宛てたメッセージで、「紙面から対話し合う周縁の声が湧き上がってくる」と記したことを紹介。この「周縁と周縁の対話」こそ、「ラ・チビルタ・カットリカ」の意義を伝えるイメージである、と説明した。
 「日本は常にイエズス会の心の中にあった」とスパダーロ編集長は語り、その意味で、今回の創刊は、日本語において、日本の文化と世界の他国の見解の互いの紹介を通した交流という、一つの夢を実現することになる、と話した。
 さらに、同神父は、「ラ・チビルタ・カットリカ」日本語版の構想が、2019年11月の教皇フランシスコの訪日の中で生まれたことを明かした。
 「著者と読者の間には、思考と友好関係に近い感情のコミュニケーションが行き交う」という、1851年に同誌に記された言葉を引用しながら、スパダーロ編集長は、同誌から文化の懸け橋となる友好関係が生まれることを願った。

※ビデオメッセージは https://youtu.be/Cg9OmX-WCQo で。


《メディア展望》
 =カトリック新聞(11月8日)=http://www.cwjpn.com/cwjpn/
★教皇フランシスコ=平和ときょうだい愛 諸宗教者と祈る
★ニース大聖堂テロ事件=仏司教団は「弔鐘」通達
★第37回庭野平和賞=韓国 法輪師が受賞=在家仏教集団「浄土会」創設者
★熊本・真命山のジョルジ修道女=教皇庁諸宗教対話評議会顧問に任命
★東日本大震災復興支援=全ベース会議=コロナ禍の中での活動再開も検討
 
 =KiriShin(11月1日・既報)=http://www.kirishin.com
 
 =クリスチャン新聞(11月8日)=http://クリスチャン新聞.com
★千畝と「2・8」の留学生の時代=早稲田奉仕園スコットホール献堂100周年記念シンポ
★コロナ禍でも賛美届け=小坂忠氏ら恵みシャレーで動画収録
★聖書同盟、聖書を読む会、日本ウイクリフ聖書協会が協力=スモールグループが日本宣教の鍵 =スモールグループ・セミナー
★10月から月1回オンラインでJ+PASSION NIGHT開始
★東京基督教大学山口陽一学長「日本学術会議をめぐる問題について~学長の見解」発表

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