世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1559信(2020.12.07)

  • 米連邦最高裁でコロナ対策理由の礼拝制限認めない判断相次ぐ
  • パレスチナ主流派、バイデン次期政権チームと接触
  • 聖地ベツレヘムの教会放火未遂でユダヤ人男性逮捕
  • 教皇、新枢機卿らと待降節入りミサ=「祈り、愛し、目覚めて待つ」
  • バチカン聖ペトロ広場にクリスマス・ツリー設置
  • マリア像の首切られ、ベネチア総大司教が修復への祈り呼びかけ
  • A・テイラー氏が「ソジャーナーズ」会長に就任
  • ≪メディア展望≫


 

◎米連邦最高裁でコロナ対策理由の礼拝制限認めない判断相次ぐ
 【CJC】米連邦最高裁が、キリスト教会など屋内での礼拝について、新型コロナウイルス対策を理由に制限することは認められないとする判断を相次いで下している。
 最高裁は12月3日、カリフォルニア州知事が出した屋内での礼拝制限について、命令を有効と認めた下級審判決を破棄し、差し戻しを命じた。「不当に厳しい制約を教会に課し、宗教上の権利が侵害された」として命令の無効を求めた教会側の主張を支持した。
 最高裁は11月にも、ニューヨーク州知事が課した屋内礼拝の参列者数制限に関し、無効だと唱えるカトリック信徒団体などの訴えを認める判決を下している。
 11月の判決では、大統領選直前にトランプ大統領から指名され就任した保守派のエイミー・コーニー・バレット判事が制限反対に回った。最高裁はバレット氏の就任前、ネバダ州などで教会が起こした同様の裁判で、礼拝規制を認める判決を下していた。


◎パレスチナ主流派、バイデン次期政権チームと接触
 【CJC】ラマラ(ヨルダン川西岸)発共同通信が伝えるところでは、パレスチナ自治政府主流派ファタハの最高意思決定機関、中央委員会のジブリル・ラジューブ書記長は12月5日、共同通信の取材に、バイデン米次期大統領の政権移行チームと接触していると明らかにした。トランプ政権下で悪化した対米関係の改善に意欲を示したもの。
 ラジューブ氏は「バイデン氏はトランプ政権下で実施されたパレスチナに関わる全ての政策を白紙に戻すべきだ」と強調した。


◎聖地ベツレヘムの教会放火未遂でユダヤ人男性逮捕
 【CJC】イスラエルの警察は12月4日、エルサレム旧市街の東に位置する聖地ゲッセマネに隣接する「万国民の教会」に対する放火未遂の疑いで50歳前後のユダヤ人入植者の男を逮捕した。
 「万国民の教会」は、イエス・キリストが処刑前夜に苦しみながら祈った場所の近くで、4世紀に建てられ、1919年に再建された。「苦悶の教会」とも呼ばれている。
 男は木製ベンチに火をつけようとしていたところを警備員が見つけ、取り押さえた。警察は、男に政治的な動機はないとみている。カトリックの地元代表組織は「神聖で貴重な場所に対する恥ずべき行為を非難する」との声明を発表し、徹底した捜査を求めた。


◎教皇、新枢機卿らと待降節入りミサ=「祈り、愛し、目覚めて待つ」
 【CJC】教皇フランシスコは、11月29日、新しく任命された枢機卿と共に、待降節第一主日のミサを捧げた。この日、カトリック教会の暦は、降誕祭の準備期間である「待降節」に入ると共に、新しい典礼暦年をスタートさせた。
 バチカン・ニュース(日本語版)によると、29日午前、教皇フランシスコは、バチカンの聖ペトロ(サンピエトロ)大聖堂で、前日の枢機卿会議で叙任された新枢機卿と共に、待降節第一主日のミサを捧げた。
 説教で教皇は、「近くにいること」、「目覚めていること」を、待降節のキーワードとして挙げ、待降節とは、わたしたちのもとに降りて来られた「そばにおられる神」を記念し、福音書でイエスが呼びかけておられるように、主を「目を覚まして」待つ時である、と話した。
 教皇は、ミサ中の、第一朗読のイザヤの言葉「どうか天を裂いて、降ってください」(イザヤ63・19)や、答唱詩編の「わたしたちを救うために来てください」「万軍の神よ、立ち帰ってください」(参照:詩編80)などにあふれる、神に自分たちのそばにいて欲しいという、強い願いを指摘した。
 この待降節に、わたしたちもそばにおられる神を意識すると共に、「主イエスよ、来てください」(参照:黙示録22)と、生活の中で繰り返し呼ぶようにと招いた。
 続いて、教皇は、主を呼びながら、わたしたちは「目覚めていること」を学ばなければならない、と説いた。
 この日の福音朗読の中でも、イエスは「目を覚ましていなさい」と4回も繰り返している(参照:マルコ13)と教皇は述べ、「人生の一つの過ちは、多くのことに気をとられ、神の訪れに気がつかないことである」と話した。
 目を覚ましている必要があるということは、すなわちわたしたちは夜の中にいて、朝の訪れを待ちながら、気を落とさずに、希望をもって生きるべき、ということである、と教皇は語った。
 目を覚まして待つ中で、陥る危険のある「眠気」として、教皇は「生ぬるさの眠気」と「無関心の眠気」を示した。
 「生ぬるさの眠気」とは、神への愛を忘れ、神と向き合う努力をせず、平凡で世俗的な精神によって信仰を蝕むリスクのことであり、これに対して、祈りは闇に火を灯し、神の近くに留まることを可能にする、と話した。
 一方、「無関心の眠気」とは、自分のことだけを考え、他者に無関心になることであり、心に闇が降りてきた状態である、と教皇は説明。
 これに対して、愛徳の業は、キリスト教生活に脈打つ鼓動となって、この無関心の眠気からわたしたちを解放するだろう、と話した。
 祈ることと、愛すること、これが目を覚ましていることである、と説く教皇は、「イエスよ、わたしたちのそばに来てください。あなたは光です。わたしたちを生ぬるさの眠気と、無関心の闇から起してください」と、教皇は祈った。


◎バチカン聖ペトロ広場にクリスマス・ツリー設置
 【CJC】バチカンの聖ペトロ(サンピエトロ)広場に、11月30日早朝、クリスマスツリーが設置された。ツリーは、クレーン車を用いた関係者らの慎重な作業によって広場に据えられた。バチカン・ニュースが報じた。
 今年のツリーは、スロベニアの南東コチェービエから届けられた、高さ28メートルのオウシュウトウヒ。
 今後、隣に作られるプレゼピオ(イエスの降誕の場面を再現した馬小屋の模型)と共に、12月11日、点灯式が行われる。


◎マリア像の首切られ、ベネチア総大司教が修復への祈り呼びかけ
 【CJC】イタリア北部・ベネチア郊外の公共広場にある聖母マリア像が11月26日未明に「頭部が切り落とされ、手が切り落とされて」いるのを発見された。
 行為は監視カメラに捉えられており、犯人は特定され、警察に拘置されている。
 ルイジ・ブルグナーロ市長は、今回の破壊行為を「私たちの街、私たちの歴史、私たちの価値観を侮辱する行為」だとした。
 フランチェスコ・モラグリア総大司教は26日、マリア像の破壊行為に悲しみを感じていると述べ、「キリスト教徒だけでなく、街全体のための攻撃的な行為だ」と述べた。
 総大司教は、「主の母に与えられた罪と、この非常識な行為の主役となった人々のために」修復への祈りを捧げるように人々に求めている。


◎A・テイラー氏が「ソジャーナーズ」会長に就任
 【CJC】1970年代からジム・ウォリス牧師によって設立され、率いられてきたキリスト教の社会正義を擁護する全国組織「ソジャーナーズ」の創立50周年を機に、アダム・テイラー牧師が新会長に11月12日指名された。RNS通信が報じた。
 ウォリス氏は2021年7月までソジャーナーズで活動を続け、それ以後はカトリック系ジョージタウン大学の教授として、「信仰、公共生活、共通の利益」に焦点を当てた新センターのディレクターとして就任の予定。
 テイラー新会長は、キリスト教の信仰の根底にある深い献身と、国内外での幅広い経験を持ち、「ソジャーナーズ」でもユニークな役割を担ってきた。
 テイラー氏は、1968年に結婚した黒人の母と白人の父の息子、ラビング対バージニア州の最高裁判決が全国的に異人種間の結婚を合法化した1年後のことだった。
 エモリー大学の学生だったある日曜日に、かつてマーティン・ルーサー・キング・ジュニアが牧師を務めていたジョージア州アトランタのエベネザー・バプテスト教会に出席したことをテイラー氏は思い出した。
 イエスの救いの業を社会正義のための召しと結びつけた説教の後、壇上からの招きにテイラー氏は応じることになった。
 RNS通信の電話インタビューに「私は正面通路に出て自分の信仰を宣言した」と答えている。
 テイラー氏は、会長として、正義のため働くために信仰を持つ人々を力づけ、動員することに焦点を当てると述べた。
 テイラー氏は、ウォリス氏との長い付き合いと、数年にわたる理事会による意図的な計画が、今回の人事を成功させるのに役立つだろうと語っている。


《メディア展望》
 =カトリック新聞(12月6日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
★教皇=新刊本で回顧=人生を変えた「隔離」
★教皇の一般謁見講話で聖霊不在の「道」を批判=ドイツの教会の動き念頭に
★教皇=指導者を戒める=パンデミックの政治利用
★「世界青年の日」を変更=「枝の主日」から「王であるキリスト」へ
★シグニスアジア ウェビナー=コロナ禍の福音宣教におけるメディアの役割=国境、立場を超えて意見を交換

 
 =KiriShin(12月1日)=https://www.kirishin.com
★米大統領選=ジョー・バイデン候補に軍配=郵便投票と祈りで勝利
★『福音の再発見』新装改訂版=トークライブゲストに岩渕まこと氏
★スコットホール献堂100周年=早稲田奉仕園でシンポジウム
★「気候非常事態宣言」の国会決議=WCRP日本委が歓迎
★ロンドン教会での洗礼式を警察が」中止

 
 =クリスチャン新聞(12月6日)=https://クリスチャン新聞.com
★野田詠(言偏に永)氏代表「チェンジングライフ」が賀川豊彦賞=出所青少年の自立を支援
★向日かおりさんコンサート=有観客と有料配信組み合わせで
★ロンドン教会での洗礼式 警察が中止
★CLC広島店=会社法人が引き継ぎ
★「錆」アーチスト関戸望さん=ギャラリー&カフェ「SEKIDO錆作所」オープン

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