世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1564信(2021.01.11)

  • 「キリスト教活動でコロナ感染拡大」と中国でネット騒動
  • 教皇がコロナ・ワクチン接種受ける意向、英女王夫妻は接種済み
  • システィーナ礼拝堂の赤ちゃん洗礼式もコロナで中止
  • 米議事堂襲撃で警官1人死亡し死者5人に
  • 米司教らが議事堂突入を非難し平和のために祈り呼びかけ
  • 正教徒はキリスト降誕を1月7日祝う
  • ≪メディア展望≫

 

◎「キリスト教活動でコロナ感染拡大」と中国でネット騒動

 【CJC】新型コロナウイルス感染症の発症者が増えている中国河北省で、キリスト教の活動が感染を広めたのではないかとの見方がインターネットで拡散する騒ぎになった。共同通信報道を紹介する。

 ネットメディアなどが、公開された同省石家荘市の発症者の行動歴を巡り、市内のある村の責任者が「毎週家庭内で宗教活動がある」と言及したと報道。プロテスタント系信者は個人の家庭に集まり礼拝することも多く、キリスト教の活動と感染拡大を結び付ける見方が広がった。

 石家荘市は8日までに発症者118人、無症状感染者177人を確認。一部地域は封鎖中で、緊急検査で既に980万人から検体を採取した。

 政府公認の石家荘市天主教(カトリック)愛国会は7日、「欧米人神父が来て欧州のウイルスを広めた」などの情報が出回っていると指摘した上で、デマだと否定した。

 中国には非公認のカトリック系地下教会やプロテスタント系家庭教会もあり、抑圧を受けている。北京市は8日、感染対策で「農村部の(地下教会など)違法な宗教活動を調べる」と発表。全市で宗教施設の開放や活動も止めるとした。


◎教皇がコロナ・ワクチン接種受ける意向、英女王夫妻は接種済み

 【CJC】AFP通信の伝えるところでは、教皇フランシスコが1月10日、『カナレ5』テレビとのインタビューの中で、ワクチン接種に反対するのは「自滅的」なことだと述べ、自身も接種を受ける意向であることを明らかにした。

 一方で英王室は、エリザベス女王(94)と夫のフィリップ殿下(99)が9日に新型コロナウイルスワクチンの接種を受けたと発表した。エリザベス女王の個人的な健康情報が公にされるのは珍しい。

 関係者が英国内専門通信社『プレス・アソシエーション』(PA)に語ったところによると、エリザベス女王夫妻はウィンザー城で接種を受けた。

 新型コロナワクチンの接種は、英史上最大の予防接種プログラムとなっており、高齢者、高齢者介護職員、医療従事者を優先してすでに150万人以上が接種を受けている。


◎システィーナ礼拝堂の赤ちゃん洗礼式もコロナで中止

 【CJC】バチカン(ローマ教皇庁)は1月5日、教皇がシスティーナ礼拝堂で赤ちゃんの洗礼を行う恒例の儀式を今年は中止すると発表した。新型コロナウイルスの流行に伴い、行動制限措置が導入されていることを理由としている。

 ロイター通信が伝えるところでは、洗礼式は10日に予定されていた。中止になるのは、ヨハネ・パウロ2世が数十年に前にこの儀式を始めて以降、最初とみられる。


◎米議事堂襲撃で警官1人死亡し死者5人に

 【CJC】米議会警察は1月7日遅く、前日のトランプ氏支持者による連邦議会議事堂の襲撃に対応したブライアン・D・シックニック巡査が死亡したことを確認した。同巡査は6日の「暴動」での5人目の死者。現地メディアが速報した。

 シックニック巡査は、6日に議事堂の暴徒に対応した際、もみあいになり体をけがした。自分の部署に戻ったあと倒れ、地元の病院に搬送されたが、任務中に負った傷が原因で同日午後9時半ごろに死亡した。

 同巡査は2008年7月に議会警察に入り、最近は緊急出動部隊に配属されていた。


◎米司教らが議事堂突入を非難し平和のために祈り呼びかけ

 【CJC】米首都ワシントンで1月6日起きた連邦議会議事堂へトランプ大統領の支持者たちが突入する事件が起きた。米国の司教らは突入行動を非難、暴力を排し、平和のために祈るよう呼びかけた。公設バチカン・ニュースの報道を紹介する。

 デモ隊が乱入した議事堂では、大統領選の投票結果として民主党のバイデン前副大統領の当選を最終認定するための、上下両院合同会議の審議が行われていた。

 この混乱で、銃で撃たれた1人のほか、計4人が死亡、13人の負傷者と52人の逮捕者を出すことになった。

 この事態を受け、ロサンゼルス大司教で米国司教協議会会長のホセ・オラシオ・ゴメス大司教は、「これはわたしたちアメリカ人の姿ではない。平和的な権力の移譲はわが国の特徴の一つである」と声明、人々が賢明さと健全な真の愛国精神の道を歩めるよう、聖母の導きを祈った。

 ワシントン大司教のウィルトン・グレゴリー枢機卿は、「この危機の中、わたしたちは立ち止まり、平和のために祈らなくてはならない」と語った。「このところわたしたちの会話を占めていた分裂の雰囲気は変わるべきだ。扇動的論調に頼る人々は、米国内で増大する暴力をそそのかすことの責任を負うべきである」と述べた。そして、同枢機卿は、米国の法と政策が議論・決定される場所に敬意を払うよう招き、すべての人の安全を祈ると共に、皆の協力と民主主義の価値と共通善の尊重を呼びかけた。


◎正教徒はキリスト降誕を1月7日祝う

 【CJC】正教徒はキリスト教でもっとも重要な祝日の一つであるキリスト降誕を1月7日、祝った。「イイスス・ハリストス」(イエス・キリスト)の降誕はキリスト教徒にとって全人類の歴史上、中心的な出来事と考えられている、とロシアのスプートニク通信が紹介している。

 キリスト降誕は、深夜に行われる正教会の祭典奉神礼(礼拝)の中で祝われる。モスクワおよびロシア総主教のキリル1世は同日夜、伝統に従い、国内総本山である救世主ハリストス大聖堂で降誕奉神礼を行った。同大聖堂には数千人の信者が集まった。

 降誕祭の礼拝のため正教会には通常多くの人々が集まるが、新型コロナウイルス感染症に関しては、ロシア正教会では2020年春に導入された規制が実施されている。聖職者と教会のスタッフ(および信徒)は、懺悔の時間を含め、教区信徒と接触する場合、マスクの着用が義務とされた。

 キリル総主教は、「聖なる祝日を私たちが善行を行うための特別な時間にしましょう。この恵まれた機会に際し、イイスス・ハリストスの降誕を称えましょう。そのためにも隣人に慈善を示し、必要とする人に援助を行い、悲観している人を慰めましょう。おそらく、まずそれが必要なのはコロナウイルスに感染し、またはその後遺症に苦しんでいる人たちとなるはずです」と呼びかけた。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(1月10日・休刊)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
 
 =KiriShin(1月11日)=https://www.kirishin.com
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 =クリスチャン新聞(1月3日・10日合併号・既報)=https://クリスチャン新聞.com

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