世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1604信(2021.10.18)

  • 教皇、世界食料デーに「市場の論理を超え、連帯の論理へ」
  • 全ての民族・文化に開かれた普遍の教会を=教皇水曜日の一般接見
  • 教皇、日曜正午の祈りで「暴力はすべての人にとって敗北」
  • 中東の教会はアフガニスタン難民援助に懸命
  • 「アマゾン」が中国アップルストアから聖書などのアプリ削除
  • 《メディア展望》

 

◎教皇、世界食料デーに「市場の論理を超え、連帯の論理へ」

 【CJC】教皇フランシスコは10月16日、国連の「世界食料デー」にメッセージを送った。
 バチカン・ニュースによると、国連食糧農業機関(FAO)の屈冬玉(チュー・ドンユィ)事務局長に宛てたメッセージで、教皇は、「世界食料デー」は飢餓を完全に撲滅するという高い目標にわたしたちを向き合わせるもの、と述べた。
 「世界食料デー」の今年のテーマ、「未来は私たちが創る。より良い食料生産と栄養改善が、素晴らしい生活と環境につながる」は、環境への最大限の配慮と、手の届く適正価格を保証する食料に、すべての人がアクセス可能になるための、共同の行動の必要を明らかにしている、と教皇は記した。
 そして、わたしたち一人ひとりが、人と地球のためになる食料システム変革における役割を担い、それぞれが自分の文化と経験、能力をもって自然保護に協力するよう招かれている、と強調した。
 多くの人が必要な栄養を得られない一方で、誤った食生活や習慣によって肥満の状態にある人も多くいるというパラドックスに触れながら、教皇は地球と人類の健康のために、あらゆるレベルで食料システム全体の再編が必要と指摘した。
 こうした中、教皇は、特に農地、海洋、食卓、無駄の軽減の4つの分野で、生産者を励まし、消費者に倫理的・持続可能性のある選択を促し、若者に世界の飢餓問題への関心を高めるための、緊急な対応を要望した。
 自分の生活と簡単な行動から始めることが、飢餓撲滅という大きな目標への貢献につながり、わたしたちの「共通の家」を認識し守ることが、環境保護への第一歩となる、と教皇は述べ、この問題に取り組むためには、市場の冷酷な論理を超え、連帯の論理を強化することが大切、と指摘した。


◎全ての民族・文化に開かれた普遍の教会を=教皇水曜日の一般接見

 【CJC】教皇フランシスコは10月13日、水曜日恒例の一般接見をバチカンのパウロ6世ホールで行われた。
 バチカン・ニュースによると、教皇は「ガラテヤの信徒への手紙」をテキストに、「キリスト教的自由が育む、普遍的な自由」について考察された。
 聖パウロが「ガラテヤの信徒への手紙」で強調するように、イエス・キリストの死と復活を通して、わたしたちは罪と死の隷属から解放されたが、この新しいいのちの福音は、すべての民族・文化を受け入れるようわたしたちを開く一方で、より大きな自由に向けてすべての民族・文化を開くようにも招いている、と教皇は話した。
 実際、聖パウロは、キリストに結ばれた者は、もはやユダヤ人か異邦人であるかは問題ではなく、「愛の実践を伴う信仰こそ大切」と述べている。しかし、パウロを中傷する者たちは、パウロがこの立場をとったのは皆の人気を得るためだと主張した。
 これに対し、パウロは「わたしは人に取り入ろうとしているのでしょうか。それとも、神に取り入ろうとしているのでしょうか。あるいは何とかして人の気に入ろうとしてあくせくしているのでしょうか。もし、今なお人の気に入ろうとしているなら、わたしはキリストの僕ではありません」と、はっきりと反論した。
 教皇は、パウロにとって、信仰を受け入れるとは、文化や伝統の大事な部分を放棄することではなく、福音の新鮮さ・純粋さを妨げるものを断念することであった、と述べた。
 なぜなら、キリストの死と復活からわたしたちが得た自由は、わたしたちが受け取った文化・伝統と対立することなく、むしろ、それらを福音がもたらす新しい自由の中に置くものだからである、と教皇は話した。
 自由への招きの中にこそ、福音のインカルチュレーションの真の意味があるが、それは、すなわち救い主キリストの福音を、諸文化の中の、真なるもの、善なるものを尊重しながら告げるということ、と語った。
 もっともそれは決して容易ではなく、自分たちの生活様式だけが最上の文化モデルであるかのような押し付けが、福音宣教の歴史の中でも行われてきた、と教皇は指摘。
 教会から諸民族が持つ伝統的文化の豊かな表現を取り去ってしまうこうしたやり方は、キリスト教的自由の対極にあるもの、と強調された。
 パウロの言う自由とは、キリストの神秘に照らされ、それに基づくものであった、と教皇は述べつつ、第二バチカン公会議公文書の「神の子は受肉によって、ある意味で自分自身をすべての人間と一致させた」という言葉を思い起こされた。
 これは、とりもなおさず「カトリック」とは何であるかを教えるもの、と話す教皇は、「カトリック教会」とは、他のキリスト者と区別するための社会学的名称ではない、と指摘した。
 「カトリック」が「普遍の」という意味を持つように、教会そのものはあらゆる時代の、すべての民族・文化に開かれたものである。それはなぜなら、キリストはすべての人のために生まれ、死に、復活されたからである、と説教した。


◎教皇、日曜正午の祈りで「暴力はすべての人にとって敗北」

 【CJC】教皇フランシスコは10月17日、バチカンで行われた日曜正午の祈りで、このところ各地で続く襲撃やテロのニュースに触れ、非暴力を訴えた。バチカン・ニュースが報じた。
 世界の多くの暴力のニュースの中でも、特に先日ノルウェー、アフガニスタン、英国で起きた事件を挙げた教皇は、多くの死者と負傷者を心に留めつつ、犠牲者の遺族らに精神的な寄り添いを表明された。
 ノルウェー南東部コンベスブルグで、13日、男が弓矢で人々を襲撃し、5人が死亡する事件があった。
 アフガニスタンでは、8日、北部クンドゥズのシーア派モスクで自爆テロが発生、70人以上死亡、140人以上が負傷した。1週間後の15日、南部カンダハルで同じくシーア派モスクを標的に自爆テロがあり、41人が死亡、およそ70人が負傷した。
 英イングランド東部エセックスで、15日、有権者との対話集会に参加していたデビッド・エイメス下院議員が男に刺殺された。この事件は16日、警察によりテロ行為と断定された。
 これらのニュースを前に、教皇は暴力の道を放棄するようアピール、暴力は暴力を生むことを忘れてはならない、と呼びかけ、暴力の道は敗者の道であり、暴力はすべての人にとって敗北である、と強調した。


◎中東の教会はアフガニスタン難民援助に懸命

 【CJC】中東の教会は、自らアフガニスタン抗争の影響に直面する中で、難民を迎え入れることに懸命だ。
 ヨルダンのザアトリ難民キャンプは、2011年からシリア戦禍の犠牲者を収容しているが、このところ、アフガニスタンでの抗争を逃れてきた難民も収容、まさに立錐の余地もないほどの密集キャンプになっている。
 アフガニスタン難民220万人の9割はイランとパキスタンに流入、ほとんどが最終目的地を欧州としている。今夏の米軍アフガニスタン撤退を機に、タリバンが実権を握るに伴い、難民が激増、国境を越えて溢れ出している。
 この結果、中東一帯が、難民の流入増加へ打つ手がないまま放置されるようになってもいる。
 「自分の足だけを頼りに居住地を逃げ出し、隣国へ国境を越えるとは、たやすいことではない。道も分からず、どんな障壁があるかも分からない」とヨルダン福音主義協議会のダヴィッド・リハニ議長。「少数集団、特にキリスト者は、国境を越えたとしても、そこでも恐怖にさらされ、人身売買や虐待の対象にされる。その人たちのために祈るばかりだ」と言う。


◎「アマゾン」が中国アップルストアから聖書などのアプリ削除

 【CJC】「アマゾン」の書籍読み上げサービス「オーディブル」は10月15日、中国本土のアップルストアから聖書とコーランのアプリを削除した。当局から「必要な許可」が得られていないことを理由に挙げた、と大紀元時報(日本語)が報じている。
 駐米中国大使館の劉鵬宇報道官は、特定のアプリの削除について具体的な回答は避けたが、中国政府は「インターネットの発展を常に奨励し、支持してきた」と述べ、「中国でのインターネットの発展は、中国の法律や規制にも従わなければならない」と付け加えた。
 近年、中国共産党はオンラインにおける情報サービスの検閲を一層強めている。マイクロソフトは10月中旬、ビジネス向けソーシャルメディア「リンクトイン」を今年後半に停止することを発表した。「中国での運営環境が著しく厳しくなり、コンプライアンス要件が高まっている」ためだという。
 米国の国際宗教自由委員会(USCIRF)は2021年の年次報告書で、中国政府によるキリスト教徒とウイグル人イスラム教徒、チベット仏教徒、法輪功学習者に対する人権侵害を記した。


《メディア展望》
 
 =カトリック新聞(10月17日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
教皇フランシスコ=人と環境を大切にする文化を=青年たちを励ますメッセージ
教皇の一般謁見講話=罪人も義とあれる恵み
混乱続くミャンマー=信仰守るキリスト教系児童用語施設
『やさすさの贈り物』にキリスト教書店大賞=片柳弘史神父=2度目の受賞
日本カトリック正義と平和全国集会2021大阪大会
 
 =KiriShin(10月11日・既報)=https://www.kirishin.com
ワクチン接種めぐり割れる教会=科学と信仰がせめぎ合う=現場での対応に悩む牧師
[東アジアのリアル]「武漢肺炎」か「新型コロナ肺炎」か?――病名から見る台湾教会のイデオロギー(鄭睦群)
いわゆる「牧師夫人」問題めぐり濱野道雄氏が講演
ハンガーゼロが世界食料デー大会=今年は14会場で開催
「信仰と科学、COP26に向けて」諸宗教指導者ら集う
 
 =クリスチャン新聞(10月17日)=https://クリスチャン新聞.com
アンテオケ宣教会=世界宣教セミナーの代わりに「結祈スペシャル」=「どこでも生きて働く神様体験を」
日本CGNTVがコンテスト=映像コンテンツアイデア募集
ポール・トリップ氏による「結婚の問題を解決するには」=「福音は"私"から救ってくださる」=CBI福音と生活シリーズ「結婚セミナー」
アフガンのクリスチャン迫害深刻=40年苦痛変わらず=「共に祈る皆さんが必要」
「いのちの電話」50周年=その歩みと展望を聴く=「言葉」以前の「心」が試される

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