世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1612信(2021.12.13)

  • 教皇、ロシア訪問の用意示す=ギリシャ訪問の帰途の機中記者会見
  • 教皇、キプロス・ギリシャ訪問報告、「ヨセフ年」終了告げる
  • バチカン恒例のツリー点灯 コロナ禍2度目のクリスマス
  • 「サンタは実在しない」と司祭が子どもに伝え、物議
  • アラビア半島最大キリスト教会がバーレーンに誕生
  • 《メディア展望》

 

◎教皇、ロシア訪問の用意示す=ギリシャ訪問の帰途の機中記者会見

 【CJC】教皇フランシスコは12月6日、キリスト教東方正教会で最大勢力を誇るロシア正教会の最高位キリル総主教と再会談する意向を示した。具体的な時期や場所には言及しなかったが、モスクワを訪問する用意は常にあるとも述べた。
 キプロスとギリシャ歴訪を終え、ローマに戻る機中の共同記者会見で質問に答えた。実現すれば歴代教皇で初のロシア訪問。共同通信記者のっ報道をによると、教皇は「よく知らないが、キリル総主教はフィンランドに行くかもしれない」とも言及。会談場所がフィンランドかモスクワになるかは明らかにしなかった。時期についても「そう遠くのことではない」とした。


◎教皇、キプロス・ギリシャ訪問報告、「ヨセフ年」終了告げる

 【CJC】教皇フランシスコは12月8日、「無原罪の聖マリア」の祭日の正午の祈りで、先日のキプロスとギリシャへの訪問を振り返ると共に、この日をもって「聖ヨセフの特別年」の閉幕を告げた。
 バチカン・ニュース(日本語)によると、教皇は、2日前に終了したばかりの、キプロスとギリシャへの訪問を振り返り、両国で受けた歓迎と愛情に心からの感謝を述べた。
 教皇は、キプロスを地中海の類まれなる真珠と形容しつつ、その美しい真珠は分断の壁によって苦しんでいる、と話した。
 キプロスでの家族的な温かさを持った出会いの中でも、教皇は特にカトリック共同体とのミサ、またキプロス正教会のクリソストモス2世大主教との会見を思い起こした。
 教皇はキプロスが、対立より出会いが勝る場所、貧しい人々を大切にし、兄弟愛を育む場所であり続けて欲しいと願った。
 ギリシャでは、ヒューマニズム・民主主義・英知・信仰など、「ヨーロッパの記憶」としての偉大な歴史に浸る旅であった、と教皇は述べた。
 教皇は、ギリシャでも「共にいることの神秘」を体験したと語り、司教や若者をはじめとする、カトリック共同体との交流を喜ばれた。
 特に、教皇はアテネ滞在中に訪問を交換した、ギリシャ正教会のイエロニモス2世大主教に感謝を表した。
 また、集いの中で教皇は、昨年12月8日から記念されてきた「聖ヨセフの特別年」が、この日をもって閉幕したことを告げた。
 同時にこの日、教皇は、イタリア中部ロレートの聖母巡礼聖堂で昨年12月10日から行われていた「聖年」が終了したことを紹介された。
 同巡礼聖堂では、1920年に「ロレートの聖母」が航空関係者の保護者として宣言されてから100周年を記念し、「聖年」が祝われていた。


◎バチカン恒例のツリー点灯 コロナ禍2度目のクリスマス

 【CJC】バチカンのサンピエトロ広場で12月10日、毎年恒例となっているクリスマスツリーの電飾の点灯式が行われた。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が始まってから2度目のクリスマスシーズン。バチカン・ニュースなどによって紹介する。
 雨の中、設置作業を終えたツリーがサンピエトロ大聖堂を背に輝くと、傘を差したマスク姿の人々から歓声が上がった。このツリーは、高さ28メートルのオウシュウトウヒで、イタリア北部トレンティーノ・アルト・アディジェ州トレント県アンダロの森から11月23日届けられたもの。ツリーは、トレンティーノ地域のPEFC森林認証プログラムによる持続可能な森林管理の証明を得ている。
 キリスト降臨の場面を再現した模型「プレゼピオ」(イエスの降誕を再現した馬小屋の模型)は今年、ペルーの芸術家たちが制作したといい、アンデス山脈のコンドルやラマも登場。ツリーと共に、「主の洗礼」を祝う2022年1月9日まで、広場を彩る。


◎「サンタは実在しない」と司祭が子どもに伝え、物議

 【CJC】電子メディア「ハフィントンポスト」(日本語版)は、「子どもたちの夢を壊そうとしたわけではないんです――」と、司祭が「サンタクロースは実在しない」と子どもたちに伝えたことにで、イタリア・シチリア島のカトリック教会ノート教区が謝罪したと伝えている。
 サンタ架空説で発言で物議を醸したのは、同教区のアントニオ・スタグリアーノ司祭。
 AP通信によると、スタグリアーノ司祭は宗教行事で「サンタクロースは存在しない」と子どもたちに伝え、さらに「サンタクロースの赤い服は、コカ・コーラが広告のために作り上げたものだ」とも述べたという。
 この発言に、子どもたちの親たちから苦情が寄せられ、ノート教区コミュニケーション・ディレクターのアレッサンドロ・パオリーノ氏は12月10日、ネット上で謝罪した。
 パオリーノ氏は「司祭に代わり、子どもたちを失望させた発言をお詫びする」と述べた上で、同司祭は子どもたちの夢を壊そうとしたわけではなく、クリスマスの本当の意味を伝えようとしていたと説明した。
 謝罪と説明を受け入れた人たちもいる一方で、クリスマス2週間前に司祭が「サンタクロースはいない」と伝えたことに、腹を立てている親たちもいる。
 コカ・コーラ社は1931年のクリスマスキャンペーン用に、イラストレーターのハッドン・サンドブロム氏に依頼して、赤い服を着て白髭で陽気なサンタクロースを制作した。
 同社は、このイメージを作ったのはコカ・コーラではないが、広めるのに広告が一定の役割を果たしたと説明している。


◎アラビア半島最大キリスト教会がバーレーンに誕生

 【CJC】バーレーンの首都マナマ発AFP・時事通信によると、ペルシャ湾に浮かぶ中東の島国バーレーンに12月9日、アラビア半島地域で最大となるカトリックの教会が誕生した。
 イスラム教徒が多数を占める同国ではキリスト教徒は少数派。現代的なデザインで、最大2300人を収容できるという。
 バーレーンには約8万人のカトリック教徒がおり、多くはインドやフィリピンなどアジア諸国からの出稼ぎ労働者。
 地元の神父は教会について「とてもうれしく思う。キリスト教徒であろうとなかろうと、すべての人々は神の子であり、この美しい教会に温かく迎えられる」と語った。
 ハマド国王は先週、教皇フランシスコのバーレーン訪問を招請している。


《メディア展望》

 =カトリック新聞(12月12日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
教皇フランシスコ=今こそ「態度を改める」時=「ラウダート・シ読本」序文
教皇の一般謁見講話=ヨセフが示す「絆」の模範
ドイツとオーストリア=新型コロナ拡大でクリスマス市の中止相次ぐ
イングランド・ウェールズ=健康に不安がある人々のミサ出席義務免除を延長
「奉答書」研究から判明=見捨てられた人助けたキリシタン共同体
 
 =KiriShin(12月11日・休刊)=https://www.kirishin.com
※次号は12月25日クリスマス特別号。
 
 =クリスチャン新聞(12月12日・休刊)=https://クリスチャン新聞.com
※次号は12月19・26日合併クリスマス特別号。

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