世界キリスト教情報

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世界キリスト教情報 第1620信(2022.02.07)

  • 2月の「教皇の祈りの意向」=修道女と奉献生活に召された女性のために
  • ミャンマー=クーデター1年、ボ枢機卿「人道支援へのアクセスの保証を」
  • 教皇、プラスチック海洋投棄は「犯罪」と停止訴え
  • 《メディア展望》

 

◎2月の「教皇の祈りの意向」=修道女と奉献生活に召された女性のために

 【CJC】教皇フランシスコは2月1日、2022年2月の祈りの意向について、ビデオを通しメッセージを明らかにした。バチカン・ニュースによって紹介する。
 カトリック教会は、毎月、「教皇の祈りの意向」を示し、教会全体が日々の祈りの中で、その意向に基づいて祈るように招いている。
 2月は、「修道女と奉献生活に召された女性」をテーマに、「修道女と奉献生活に召された女性の使命と勇気に感謝し、祈ります。現代のさまざまな課題について新しい対応を探し続けることができますように」とした。
 教皇は、この祈りの意向について、ビデオメッセージの中で次のように述べた。
 「今月は、特に修道女と奉献生活に召された女性たちのために祈りましょう。修道女や在俗奉献者たちのいない教会とはいかなるものでしょうか。彼女たちのいない教会を考えることができません」
 「わたしたちが生きるこの世の挑戦を前に、使命のために善きものを識別し、選択することを、すべての奉献生活者たちに励ましたいと思います」
 「貧しい人々、疎外された人々、人身取引の隷属下にある人々のために働き、行動するよう励ますと共に、特にこのことに力を入れてくださるようお願いします」
 「そして、彼女たちが、カテキスタ、神学者、霊的指導者として、神の愛と憐れみの美しさを示せるように祈りましょう」
 「彼女たちがある場合、たとえば教会内でも、不当な扱いを受けた場合、彼女たちの偉大な奉仕が、時には教会の男性たちによって、使用人の仕事のようにみなされる場合には、それと闘うよう勧めます」
 「失望してはいけません。神の優しさを使徒職を通して、特に奉献の証しを通して伝え続けてください」
 「修道女と奉献生活に召された女性の使命と勇気に感謝しながら、祈りましょう。彼女たちが現代のさまざまな課題について新しい対応を探し続けることができますように」
 「皆さんの存在、皆さんの奉仕とそのあり方に感謝します」。


◎ミャンマー=クーデター1年、ボ枢機卿「人道支援へのアクセスの保証を」

 【CJC】ミャンマーで軍による2021年2月1日のクーデターから1年、ヤンゴン大司教のチャールズ・マウン・ボ枢機卿は、バチカンのメディアに対し、同国の現状について語ると共に、平和再構築のための支援を呼びかけた。バチカン・ニュースによって紹介する。
 社会の正常化と、人権尊重、自由をめぐり、これまで数多くのアピールを行ってきたボ枢機卿は、ミャンマーの人々が置かれている諦めの状況を深く心配していると言い、軍による抑圧は「長引く十字架の道行き」であり、そこでは「エデンの園はカルワリオの丘となった」と話した。
 ボ枢機卿は、現在のミャンマーは「カオス、混乱、争い」の局面にあり、「人々の苦悶はめまいのするようなレベルで増大した」と述べた。人々は恐怖と不安の中で暮らし、空腹を強いられ、「ミャンマー全土が戦場となった」と語る。
 こうした中、ボ枢機卿は、ミャンマーの司教たちは人々に寄り添い続け、「人道支援へのアクセスを支え、平和と和解の歩みを行うよう、すべての関係者に呼びかけている」と、伝えた。
 紛争の影響を最も受けている地域は、チン州、カヤー州、カレン州だという。教会は、武力衝突を逃れてきた人々に避難所としての場を提供しているために、軍や武装組織による襲撃や爆撃の対象となっている。
 神父や牧師は逮捕され、キリスト教徒を含む多くの非武装の市民が殺害された。ボ枢機卿は、宗教施設への攻撃と、逃げ場を求めて教会に来た人々の殺害を非難した。ミャンマー司教協議会は、中でも、4人の子どもと何人かの人道支援関係者を含む、35人の市民の殺害について訴えている。
 クーデターのためにキリスト教徒は非常に苦しみ、教会はこの十字架の道行きを完全に分かち合っている、と語るボ枢機卿は、教皇フランシスコの教えに従い、「傷ついた癒し手」(※傷ついた者が、他者の傷を癒せる者になる、という意味の心理学用語)、「平和の道具」となり、「挫折の闇に希望の光を灯したい」と話した。
 ミャンマー司教協議会の会長であるボ枢機卿は、カトリック教会が人々の善のため、またすべての問題の平和的解決に努力していることを、軍事政権の責任者らに保証している。
 「われわれは対話を絶えず促し、拘留中の人々の解放とすべての人の基本的人権の尊重を常に呼びかけている」とボ枢機卿は語ると共に、「何百万という苦しむ人々に対し、人道支援へのアクセスを保証するように、緊急のアピールをしている」と述べた。
 ボ枢機卿は、クーデター発生後の「初期における人々の関心が過ぎ、ミャンマーは世界のレーダーから消え去ったかのように見える」と話す。国際共同体に対し、ミャンマーを忘れず、同国の平和構築の戦いを助けて欲しい、と願う同枢機卿は、そのためにも武器供給をなくし、困難にある人々に人道支援へのアクセスの保証を、と訴えた。


◎教皇、プラスチック海洋投棄は「犯罪」と停止訴え

 【CJC】バチカン市6日発ロイター通信によると、教皇フランシスコ(85)は2月6日、プラスチックの海洋投棄は「犯罪」で、次世代のために地球を救うには止めなければならないと述べた。イタリア国営テレビ『RAI』との1時間にわたるインタビューで話した。
 教皇は、アドリア海に何トンものプラスチックが投棄されている現状を訴えに来たイタリア人漁師について触れ、次に会った際、ごみは倍増して一部を除去する作業に当たったと聞かされたと述懐した。その上で、「プラスチックの海洋投棄は犯罪だ。生物多様性も地球も全てを殺してしまう」などと述べた。


《メディア展望》
 
 =カトリック新聞(2月6日)=https://www.cwjpn.com/cwjpn/
「世界病者の日」教皇メッセージ=病者は「病よりも大事」
2025年の聖年テーマは「希望の巡礼者たち」
教皇、世界に訴える=トンガのための祈り
聖イレネオ司教殉教者=教皇、教会博士と宣言
長崎教区=日本26聖人殉教祭を中止=新型コロナの感染拡大受け
 
 =KiriShin(2月1日)=https://www.kirishin.com
論点2022=壁を越え続けて10年=国際神学シンポジウム=大震災後に問われる神学(藤原淳賀=青山学院大学教授)
映画「われ弱ければ 矢島楫子伝」=主演の常盤貴子さんらが試写会へ
首相の伊勢神宮参拝にNCC靖国神社問題委が抗議
前教皇、虐待行った聖職者の検討会議に出席したと認める
バイデン氏、キング牧師引き合いに投票権保護法制定を訴え
 
 =クリスチャン新聞(2月6日)=https://クリスチャン新聞.com
豊橋駅前の炊き出しで路上生活者に毎朝福音=助け、助けられて今日まで=豊橋サマリヤ会代表 高島史弘さん
各地で「キリスト教一致祈祷週間」2022開催=救世主への〝渇望〟が世界に
断食祈祷聖会2022=「AI時代の宣教法」テーマに能城一郎氏=若きAI技術者の登場に期待
一人でしてきたトラクト配布が教会全体の宣教の働きになった=「オイコス計画」で一致=碧南聖書教会
「キング牧師の日」=米ヒューストンでインクルージョン訴えるパレード

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